📖 用語集¶
理論科目の重要用語を五十音順でまとめたリファレンス。 各用語に「読み・英語・定義1〜2行」を記載。問題文で見慣れない単語が出たら最初にここを引く。
ア行¶
アドミタンス(Y)¶
読み: アドミタンス / 英語: Admittance インピーダンスの逆数。 \(Y = 1/Z\) [S(ジーメンス)]。並列回路では足し算できるため便利。コンダクタンス \(G\) とサセプタンス \(B\) に分解できる(\(Y = G + jB\))。
インダクタンス(L)¶
読み: インダクタンス / 英語: Inductance コイルが電流変化に対して逆起電力を発生させる係数。 \(v = L \cdot di/dt\) [H(ヘンリー)]。コイルの形状・巻数・透磁率で決まる。
インピーダンス(Z)¶
読み: インピーダンス / 英語: Impedance 交流回路における電流の流れにくさ。直流の抵抗に相当するが位相情報も持つ複素量。 \(Z = R + jX\) [Ω]。
位相(φ)¶
読み: イソウ / 英語: Phase 波の時間的なズレを角度(ラジアンまたは度)で表したもの。電圧と電流の位相差が力率を決める。
渦電流¶
読み: ウズデンリュウ / 英語: Eddy Current 変化する磁束によって導体内部に誘導される循環電流。鉄心損失の一因であり、薄い鉄板を積層することで低減できる。
カ行¶
角周波数(ω)¶
読み: カクシュウハスウ / 英語: Angular Frequency 1秒間に何ラジアン進むかを表す量。周波数 \(f\) [Hz] との関係は \(\omega = 2\pi f\) [rad/s]。リアクタンス計算 \(X_L = \omega L\)、\(X_C = 1/(\omega C)\) の基本定数。50Hzでは ω ≈ 314 rad/s。
共役複素数(Z*)¶
読み: キョウヤクフクソスウ / 英語: Complex Conjugate 複素数 \(Z = a + jb\) に対して \(Z^* = a - jb\)。複素電力の計算 \(S = \dot{V}\dot{I}^*\) で使い、実部が有効電力 \(P\)、虚部が無効電力 \(Q\) を与える。
起磁力(MMF)¶
読み: キジリョク / 英語: Magnetomotive Force 磁束を発生させる原動力。 \(\mathcal{F} = NI\) [A(アンペア)]。電気回路の起電力に対応する磁気回路の概念。
虚数単位(j)¶
読み: キョスウタンイ / 英語: Imaginary Unit \(j = \sqrt{-1}\)。電気では電流と区別するため \(i\) でなく \(j\) を使う。フェーザー \(\dot{V} = V\angle\varphi\) や複素インピーダンス \(Z = R + jX\) を表現する際の基本。微分演算子 \(d/dt\) は周波数領域で \(j\omega\) に対応する。
Q値(品質係数)¶
読み: キューチ / 英語: Quality Factor 直列RLC共振では \(Q = \omega_0 L/R = 1/(\omega_0 CR)\) の無次元数。Qが大きいほど共振ピークが細く高い(選択性が高い)。共振時コイル・コンデンサの電圧は入力電圧の Q 倍に達するため、過電圧に注意。
共振(resonance)¶
読み: キョウシン / 英語: Resonance \(X_L = X_C\) となる状態。直列共振では電流が最大・インピーダンスが最小になり、並列共振では電流が最小・インピーダンスが最大になる。
クーロン(C)¶
読み: クーロン / 英語: Coulomb 電荷の SI 単位。1 C は約 \(6.24 \times 10^{18}\) 個の電子が持つ電荷量に相当する。
結合係数(k)¶
読み: ケツゴウケイスウ / 英語: Coupling Coefficient 相互インダクタンスの大きさを表す無次元数。 \(k = M/\sqrt{L_1 L_2}\)、範囲は \(0 \leq k \leq 1\)。\(k=1\) が完全結合。
コンダクタンス(G)¶
読み: コンダクタンス / 英語: Conductance 抵抗の逆数。 \(G = 1/R\) [S(ジーメンス)]。並列接続時に足し算できる。
サ行¶
実効値(RMS)¶
読み: ジッコウチ / 英語: Root Mean Square 交流の電力効果が等しい直流値。正弦波では \(V_{rms} = V_{max}/\sqrt{2}\)。測定器の電圧・電流は通常この値。
磁界(H)¶
読み: ジカイ / 英語: Magnetic Field Intensity 単位長さあたりの起磁力。 \(H = NI/l\) [A/m]。アンペアの法則 \(\oint H \cdot dl = NI\) で計算できる。
静電容量(C)¶
読み: セイデンヨウリョウ / 英語: Capacitance コンデンサに電荷を蓄える能力。 \(Q = CV\) [F(ファラッド)]。電極の面積・間隔・誘電率で決まる。
磁束(φ)¶
読み: ジソク / 英語: Magnetic Flux 磁界の強さと面積の積で表す磁気量。 \(\phi = B \cdot A\) [Wb(ウェーバー)]。電磁誘導の基本量。
磁束密度(B)¶
読み: ジソクミツド / 英語: Magnetic Flux Density 単位面積あたりの磁束。 \(B = \phi/A = \mu H\) [T(テスラ)]。材料の飽和特性に関係する。
磁気抵抗(Rm)¶
読み: ジキテイコウ / 英語: Reluctance 磁束の流れにくさ。 \(R_m = l/(\mu A)\) [A/Wb]。電気回路の抵抗に対応する磁気回路の概念。
タ行¶
時定数(τ)¶
読み: ジテイスウ / 英語: Time Constant 過渡現象の変化速度を決める定数。RC回路では \(\tau = RC\)、RL回路では \(\tau = L/R\) [s]。\(\tau\) 秒後に変化量の約63.2%が達成され、\(5\tau\) 後にほぼ定常値に到達する。
単位法(per-unit)¶
読み: タンイホウ / 英語: Per-Unit System 基準値(ベース値)で各量を正規化する表現方法。電力系統の解析でよく使われる。
透磁率(μ)¶
読み: トウジリツ / 英語: Permeability 磁束の通りやすさを表す材料定数。 \(\mu = \mu_0 \mu_r\) [H/m]。真空の透磁率 \(\mu_0 = 4\pi \times 10^{-7}\) H/m。
電界(E)¶
読み: デンカイ / 英語: Electric Field 単位正電荷に働く力の場。 \(E = F/q = V/d\) [V/m]。静電気の問題の基本量。
電気力線¶
読み: デンキリョクセン / 英語: Electric Field Line 電界の向きと強さを可視化する仮想の線。正電荷から出て負電荷に入る。電気力線の密度が電界の強さを表す。
電磁誘導¶
読み: デンジユウドウ / 英語: Electromagnetic Induction 磁束の変化によって起電力が生じる現象(ファラデーの法則)。 \(e = -N \cdot d\phi/dt\)。
電位(V)¶
読み: デンイ / 英語: Electric Potential 基準点に対する電気的な位置エネルギー [V]。電圧は2点間の電位差を指す。
電束(D)¶
読み: デンソク / 英語: Electric Flux Density 単位面積あたりの電気変位。 \(D = \varepsilon E\) [C/m²]。ガウスの法則で使う量。
ナ行¶
内部抵抗¶
読み: ナイブテイコウ / 英語: Internal Resistance 電源や計器が持つ理想的でない抵抗成分。電流が流れると内部抵抗で電圧降下が生じ、端子電圧が起電力より低下する。
ハ行¶
BH曲線(磁化曲線)¶
読み: ビーエイチキョクセン / 英語: BH Curve / Magnetization Curve 磁界強度 \(H\) に対する磁束密度 \(B\) の関係曲線。磁気飽和(Bが頭打ちになる領域)とヒステリシス(磁化の履歴効果)を表す。鉄心設計・トランス効率の基礎。
ベクトル合成(フェーザー図)¶
読み: ベクトルゴウセイ / 英語: Phasor Diagram フェーザーを2次元平面に描き、振幅と位相の関係を視覚化する図。直角三角形や余弦定理を使って合成インピーダンス・合成電圧を求める。三相交流で「\(\sqrt{3}\) 倍」が出てくる幾何学的根拠もここで理解できる。
皮相電力(S)¶
読み: ヒソウデンリョク / 英語: Apparent Power 電圧と電流の積。 \(S = VI\) [VA]。有効電力と無効電力のベクトル和:\(S = \sqrt{P^2 + Q^2}\)。
誘電率(ε)¶
読み: ユウデンリツ / 英語: Permittivity 電界の通りやすさを表す材料定数。 \(\varepsilon = \varepsilon_0 \varepsilon_r\) [F/m]。真空の誘電率 \(\varepsilon_0 = 8.85 \times 10^{-12}\) F/m。
フェーザー¶
読み: フェーザー / 英語: Phasor 正弦波交流を複素数で表現したもの。大きさ(実効値または最大値)と位相角を持つ。回路方程式を代数的に解ける。
複素インピーダンス¶
読み: フクソインピーダンス / 英語: Complex Impedance \(Z = R + jX\)(\(R\) は抵抗成分、\(X\) はリアクタンス成分)。絶対値 \(|Z| = \sqrt{R^2 + X^2}\)、偏角が位相差を与える。
ヒステリシス損¶
読み: ヒステリシスソン / 英語: Hysteresis Loss 磁性材料が交流磁界を受けるとき、磁化の向きが反転するたびに発生する熱損失。鉄心損失の一つ。
有効電力(P)¶
読み: ユウコウデンリョク / 英語: Active Power 実際に仕事をする電力。 \(P = VI\cos\varphi = I^2 R\) [W]。抵抗で消費される。
マ行¶
無効電力(Q)¶
読み: ムコウデンリョク / 英語: Reactive Power エネルギーを蓄放するだけで仕事をしない電力。 \(Q = VI\sin\varphi\) [var]。コイルは正、コンデンサは負の無効電力を持つ。
ラ行¶
ローレンツ力¶
読み: ローレンツりょく / 英語: Lorentz Force 電荷を持つ粒子が電磁界から受ける力。導体では \(F = BIL\sin\theta\) [N](\(\theta\) は電流と磁界のなす角)。電動機の回転力・ホール効果でのキャリア偏向の機構。
リアクタンス(X)¶
読み: リアクタンス / 英語: Reactance 交流回路のコイル・コンデンサによる抵抗成分。 \(X_L = \omega L\)、\(X_C = 1/(\omega C)\) [Ω]。周波数に依存する。
力率(cos φ)¶
読み: リキリツ / 英語: Power Factor 有効電力と皮相電力の比。 \(\cos\varphi = P/S\)。1に近いほど効率が良い。遅れ(コイル)・進み(コンデンサ)で符号が変わる。
理想電圧源¶
読み: リソウデンアツゲン / 英語: Ideal Voltage Source 内部抵抗ゼロで、負荷に関わらず一定電圧を供給する電源モデル。テブナン等価変換の出力側に現れる。
理想電流源¶
読み: リソウデンリュウゲン / 英語: Ideal Current Source 内部抵抗無限大で、負荷に関わらず一定電流を供給する電源モデル。ノートン等価変換の出力側に現れる。
レンツの法則¶
読み: レンツノホウソク / 英語: Lenz's Law 電磁誘導で発生する誘導電流は、磁束の変化を妨げる向きに流れる。ファラデーの法則の符号(マイナス)の物理的意味。
使い方のヒント: 問題を解いていて意味が曖昧な用語に出会ったらこのページへ。用語の定義を確認してから計算に入ると式の意味が理解しやすくなる。