⚡ 三相交流¶
📍 学習マップ上の現在地
前提 → 交流回路基礎 / RLC回路 / 交流電力 → ⚡ 三相交流(現在地) → 次 → 過渡現象
| 重要度 | 頻出論点 | バージョン |
|---|---|---|
| B | Y-Δ変換 / 線間・相電圧 / 三相電力 / 二電力計法 | v0.7 ✅ |
120°ずつ位相をずらした3つの交流を使う送電方式。3本の電線で単相の \(\sqrt{3}\) 倍の電力を伝送できる効率的なシステム。
🧠 原理(なぜ起きるか)¶
- 3つの水車が120°ずつ位相をずらして川に落ちるイメージ。1つが低いときは別の2つが補う→常に安定した合成力が得られる。
- Y結線は「星形」で中性点あり。Δ結線は「三角形」でループを形成。電源と負荷でどちらの接続かを見極めることが計算の起点。
- 線間電圧と相電圧の \(\sqrt{3}\) 倍の関係がY/Δで逆になる点が試験の最頻出ポイント。
5秒で思い出す
Y結線:電圧に√3(線間 = √3 × 相電圧)、Δ結線:電流に√3(線電流 = √3 × 相電流)
🎯 原理の深掘り(なぜ √3 が出るのか?)¶
三相交流で最も「暗記で終わらせてしまいがち」なのが √3 倍の関係。ここではベクトル図で なぜそうなるか を理解する。
Y結線:線間電圧 = √3 × 相電圧 の理由¶
Y結線では、各相の電圧ベクトルが中性点Nから出ている。線間電圧 \(V_{ab}\) は 2つの相電圧の差 として求まる:
ベクトル図(Y結線の線間電圧)
Va(基準: 0°)
↑
|
120° / \ 120°
/ \
Vc Vb(-120°= 240°)
Vab = Va - Vb のベクトルを作図すると:
・Va の先端から Vb の先端へ向かう矢印
・|Va| = |Vb| = Vp(相電圧)、なす角 = 120°
二等辺三角形の底辺の長さ:
|Vab|² = Vp² + Vp² - 2·Vp·Vp·cos(120°)
= 2Vp² - 2Vp²·(-1/2)
= 2Vp² + Vp²
= 3Vp²
∴ |Vab| = √3 · Vp ← これが √3 の正体!
ポイント
√3 は 「120°ずれた2つの等しいベクトルの差の大きさ」 から必然的に出てくる数字。暗記ではなく、余弦定理の結果。
Δ結線:線電流 = √3 × 相電流 の理由¶
Δ結線では、各相の電流がループ内を流れている。線電流 \(I_a\) は 隣接する2つの相電流の差 として求まる:
同じく120°ずれた2つの等しいベクトルの差なので、全く同じ余弦定理の計算により:
まとめ
Y結線もΔ結線も、√3 が出る理由は同じ(120°ベクトル差)。違うのは「差を取る対象」が電圧か電流かだけ。
📐 公式(どう計算するか)¶
レイヤーA:基本概念¶
| 公式 | 意味(日本語) | 使える条件 | 使えない条件 |
|---|---|---|---|
| \( V_L = \sqrt{3} \, V_P \) | Y結線:線間電圧は相電圧の√3倍 | 対称三相・Y結線 | Δ結線(\(V_L = V_P\)) |
| \( I_L = I_P \) | Y結線:線電流と相電流は等しい | Y結線 | Δ結線 |
| \( V_L = V_P \) | Δ結線:線間電圧と相電圧は等しい | Δ結線 | Y結線 |
| \( I_L = \sqrt{3} \, I_P \) | Δ結線:線電流は相電流の√3倍 | 対称三相・Δ結線 | Y結線 |
| \( P = \sqrt{3} \, V_L I_L \cos\varphi \) | 三相有効電力(線間電圧・線電流で表す) | 対称三相(Y・Δ共通) | 不平衡負荷 |
レイヤーB:応用変換¶
| 公式/手法 | 意味 | 使える条件 | 使えない条件 |
|---|---|---|---|
| \( Z_Y = Z_\Delta / 3 \) | Y-Δ等価変換(Y側のインピーダンス) | 平衡三相のみ | 不平衡負荷 |
| 中性線電流 = 0 | 対称三相では中性点に電流が流れない | 平衡三相Y結線 | 不平衡負荷 |
| \( Q = \sqrt{3} \, V_L I_L \sin\varphi \) | 三相無効電力 | 対称三相 | 不平衡負荷 |
| \( S = \sqrt{3} \, V_L I_L \) | 三相皮相電力 | 対称三相 | — |
| 2電力計法:\( \tan\varphi = \dfrac{\sqrt{3}(W_1 - W_2)}{W_1 + W_2} \) | 2台の電力計で力率角を算出 | 対称三相3線式 | 4線式 |
📊 比較表(使える条件の整理)¶
Y結線 vs Δ結線¶
| 項目 | Y結線(星形) | Δ結線(三角形) |
|---|---|---|
| 線間電圧 \(V_L\) と相電圧 \(V_P\) | \(V_L = \sqrt{3} \, V_P\) | \(V_L = V_P\) |
| 線電流 \(I_L\) と相電流 \(I_P\) | \(I_L = I_P\) | \(I_L = \sqrt{3} \, I_P\) |
| 中性点 | あり | なし |
| 特徴 | 低電圧機器に有利 | 高電圧伝送に有利 |
平衡負荷 vs 不平衡負荷¶
| 項目 | 平衡(対称三相) | 不平衡 |
|---|---|---|
| 計算方法 | 1相分に着目して×3 | 各相を個別に計算 |
| 中性線電流 | 0 | 0でない |
| Y-Δ変換 | 使える | 原則不可 |
「電源がΔ・負荷がY」での計算ミス防止(R07上 問15 型)
電源と負荷で結線方式が混在する問題では「どの電圧が相電圧か」の確認が最初の一手。
| 結線 | 線間電圧 \(V_L\) と相電圧 \(V_P\) の関係 |
|---|---|
| Y結線(電源 or 負荷) | \(V_P = V_L / \sqrt{3}\) |
| Δ結線(電源 or 負荷) | \(V_P = V_L\)(相電圧=線間電圧) |
電源がΔ・負荷がY の場合の流れ:
- 線間電圧 \(V_L\) を電源から読み取る(Δ電源は \(V_P = V_L\))
- Y負荷の相電圧 \(V_{P,load} = V_L / \sqrt{3}\)
- 相電流 \(I_P = V_{P,load} / Z_Y\)(=線電流 \(I_L\))
引っかかりポイント: 「電源がΔだから電圧に√3かける」は誤り。線間電圧はどの結線でも共通の基準。√3 が入るのは「Y結線の相電圧を出すとき(÷√3)」だけ。
2電力計法の読み¶
| 状況 | \(W_1\)と\(W_2\)の関係 |
|---|---|
| \(\cos\varphi = 1\)(純抵抗) | \(W_1 = W_2\) |
| \(\cos\varphi = 0.5\)(60°遅れ) | \(W_2 = 0\) |
| \(\cos\varphi < 0.5\) | \(W_2 < 0\)(逆振れ) |
🕳️ よくある勘違いTOP3¶
1. Y結線で「線電流≠相電流」としてしまう(ΔとYの混同)
❌ こう思いがち:Y結線でも \(I_L = \sqrt{3} I_P\) になる ✅ 実際は:Y結線は \(I_L = I_P\)。√3が出るのはΔ結線の電流とY結線の電圧のみ。
2. 三相電力を単相×3で計算して √3 を忘れる
❌ こう思いがち:\(P = 3 V_P I_P \cos\varphi\) の形のまま線間電圧で計算 ✅ 実際は:線間電圧・線電流で表す場合は \(P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\varphi\)。単相×3の形(\(P = 3 V_P I_P \cos\varphi\))と混在させないこと。
3. Y→Δ変換とΔ→Y変換の係数を逆にする
❌ こう思いがち:どちらも同じ係数でよい ✅ 実際は:\(Z_Y = Z_\Delta / 3\)(Y側が小さい)。Δ→Yなら3で割る、Y→Δなら3を掛ける。
4. 不平衡負荷で「1相分×3」の計算をしてしまう(R04上 問15)
❌ こう思いがち:どの問題でも「1相分で計算して×3」すればよい ✅ 実際は:1相分×3が使えるのは平衡三相(各相が完全に対称)のみ。不平衡負荷は各相のインピーダンスが違うため、相ごとに電流を個別計算してベクトル合成が必要。中性線電流も 0 にならない。
5. 2電力計法で \(W_2 < 0\) のとき、そのまま計算する(R02 問15 関連)
❌ こう思いがち:\(W_2\) が負でも公式にそのまま代入すればよい ✅ 実際は:電力計が逆振れしたとき、実測値は正の読みを示す。「逆接続して測定した」ことを認識し、\(W_2\) を負の値として公式に代入する。\(P = W_1 + W_2\) のとき \(W_2 = -|W_2|\) として計算。
🎯 トリガー(問われ方のパターン)¶
問題文のキーワードで、どの公式・手法を使うかを瞬時に判断する。
| キーワード | 引き出す知識 |
|---|---|
| 「Y結線」「相電圧」「線間電圧」 | VL = √3 Vp(Y結線) / IL = Ip |
| 「Δ結線」「相電流」「線電流」 | VL = Vp / IL = √3 Ip(Δ結線) |
| 「三相電力を求めよ」 | P = √3 VL IL cosφ または P = 3 Vp Ip cosφ |
| 「Y-Δ等価変換」 | ZY = ZΔ / 3 |
| 「2台の電力計」「二電力計法」 | tanφ = √3(W1-W2)/(W1+W2) |
| 「不平衡負荷」「各相のインピーダンスが異なる」 | 1相分×3 不可。各相を個別計算 |
| 「中性線電流を求めよ」 | 平衡→0、不平衡→ベクトル合成 |
🔄 解法フローチャート¶
三相交流の問題を見たら
├─ 「Y結線かΔ結線か」を確認
│ ├─ Y: VL = √3 Vp、IL = Ip
│ └─ Δ: VL = Vp、IL = √3 Ip
├─ 「平衡三相の電力を求めよ」
│ P = √3 VL IL cosφ = 3 Vp Ip cosφ
├─ 「Y-Δ変換が必要か」
│ 負荷がΔ → ZY = ZΔ/3 でY変換 → 1相分で計算
├─ 「2電力計法でtanφを求めよ」
│ tanφ = √3 (W₁ - W₂) / (W₁ + W₂)
└─ 「中性線の電流を求めよ」
平衡三相 → 中性線電流 = 0
不平衡 → 各相を独立に計算して合成
📖 出題パターン別 Worked Examples¶
出題実績を分析すると、三相交流は大きく5パターンに分類できる。各パターンに対して解法の全ステップを示す。
パターン1:Y結線の電圧・電流(基本)
問題: Y結線の三相対称電源(相電圧 \(V_P = 100\) V)に、Y結線の平衡負荷 \(Z = 6 + j8 \, [\Omega]\) を接続した。線電流 \(I_L\) を求めよ。
解法(全ステップ)
Step 1: 結線を確認
電源Y・負荷Y → Y-Y結線(最も基本的な形)
Step 2: Y結線の電圧・電流関係を確認
- 線間電圧: \(V_L = \sqrt{3} \, V_P = \sqrt{3} \times 100 \approx 173\) V
- Y結線では \(I_L = I_P\)(線電流=相電流)
Step 3: 1相分の等価回路で相電流を求める
平衡三相なので1相分に着目:
Step 4: 線電流を答える
Y結線なので \(I_L = I_P = 10\) A
間違えやすい点: ここで線間電圧173Vを使って \(173/10 = 17.3\) Aとしてしまうミスが多い。Y結線では相電圧で相電流を求めること。
パターン2:Δ結線の電圧・電流(基本)
問題: Δ結線の三相対称電源(線間電圧 200 V)に、Δ結線の平衡負荷 \(Z = 30 \, [\Omega]\)(純抵抗)を接続した。線電流 \(I_L\) を求めよ。
解法(全ステップ)
Step 1: 結線を確認
電源Δ・負荷Δ → Δ-Δ結線
Step 2: Δ結線の電圧・電流関係を確認
- Δ結線では \(V_L = V_P\)(線間電圧=相電圧)
- 線電流: \(I_L = \sqrt{3} \, I_P\)
Step 3: 相電流を求める
Δ結線では相電圧=線間電圧なので:
Step 4: 線電流を求める
間違えやすい点: Δ結線で √3 が出るのは電流側。「電圧に√3」としてしまうとY結線との混同。
パターン3:Y-Δ混在回路(応用・最頻出)
問題: Y結線の三相対称電源(線間電圧 200 V)に、Δ結線の平衡負荷 \(Z_\Delta = 30 + j40 \, [\Omega]\) を接続した。線電流 \(I_L\) と三相消費電力 \(P\) を求めよ。
解法(全ステップ)
Step 1: 結線を確認
電源Y・負荷Δ → Y-Δ混在。計算しやすくするため、負荷をΔ→Y変換する。
Step 2: Δ→Y変換
平衡三相なので:
Step 3: Y結線の相電圧を求める
Step 4: 1相分の等価回路で線電流を求める
Y-Y等価回路になったので:
Step 5: 三相消費電力を求める
力率: \(\cos\varphi = \frac{R}{|Z_\Delta|} = \frac{30}{50} = 0.6\)
検算: \(P = 3 I_P^2 R_Y = 3 \times 6.93^2 \times 10 \approx 1441\) W ✓
このパターンのコツ: Δ負荷は必ずY変換してからY-Yで解く。変換後は「相電圧÷相インピーダンス」の一本道。
パターン4:三相電力計算(√3を忘れるやつ)
問題: 三相対称電源(線間電圧 400 V)にY結線の平衡負荷(1相あたり \(R = 20 \, \Omega\), \(X_L = 15 \, \Omega\))を接続した。三相有効電力 \(P\) と無効電力 \(Q\) を求めよ。
解法(全ステップ)
Step 1: 相電圧を求める
Y結線なので:
Step 2: 相電流(=線電流)を求める
Step 3: 力率を求める
Step 4: 三相電力を求める
方法A(線間電圧・線電流から):
方法B(相電圧・相電流から、検算用):
無効電力:
間違えやすい点: 方法Aで \(\sqrt{3}\) を忘れて \(P = V_L I_L \cos\varphi\) とするミスが最多。線間電圧を使うなら √3 は必須。方法Bの \(3V_P I_P\) と混同しないこと。
パターン5:2電力計法
問題: 対称三相3線式回路の電力を2電力計法で測定したところ、\(W_1 = 3000\) W、\(W_2 = 1000\) W であった。三相有効電力 \(P\)、力率角 \(\varphi\)、力率 \(\cos\varphi\) を求めよ。
解法(全ステップ)
Step 1: 三相有効電力を求める
2電力計法では:
Step 2: 力率角を求める
Step 3: 力率を求める
特殊ケースの判定:
- \(W_1 = W_2\) → \(\tan\varphi = 0\) → \(\varphi = 0°\) → 力率1.0(純抵抗)
- \(W_2 = 0\) → \(\tan\varphi = \sqrt{3}\) → \(\varphi = 60°\) → 力率0.5
- \(W_2 < 0\) → 力率 < 0.5(電力計が逆振れ→端子を入れ替えて負値として記録)
📖 出題パターン補足:不平衡負荷と力率改善¶
不平衡三相回路(R04上 問15 頻出)¶
不平衡負荷は「1相分×3」が使えない
各相のインピーダンスが異なる場合、相電流を相ごとに計算する。Y結線かつ中性線がある場合(4線式)は最も簡単:各相が独立した単相回路として扱える。
中性線ありY結線の手順(4線式)
各相の相電圧は電源から直接与えられる(\(V_P = V_L/\sqrt{3}\))。
中性線電流 \(I_n\) はキルヒホッフ電流則から:
平衡のときは \(\dot{I}_a + \dot{I}_b + \dot{I}_c = 0\) なので \(I_n = 0\) になる。
引っかかりポイント: 不平衡の三相電力は \(P = P_a + P_b + P_c\)(各相の有効電力の算術和)。\(P = \sqrt{3}V_L I_L \cos\varphi\) は平衡三相専用で、不平衡には使えない。
中性線なし(3線式)の不平衡は電験3種では基本的に出題されない(中性点電位が浮くため複素数の連立方程式が必要)。問題文で「不平衡」と書いてあっても中性線が明記されていれば4線式として解けることが多い。
三相回路の力率改善(R06下 問15 頻出)¶
三相平衡負荷に並列コンデンサを追加して力率を改善する問題
「誘導性負荷と並列にコンデンサを接続し、線電流を最小(力率1)にする静電容量を求めよ」という形式が頻出。
解法手順(Y結線負荷の場合)
Step 1: 元の負荷の相電流を求める。 \(Z = R + jX_L\) とすると \(I_P = V_P / |Z|\)、遅れ無効分 \(I_Q = I_P \sin\varphi\)。
Step 2: コンデンサが発生する進み無効電流を \(I_Q\) に等しくする。
Y結線で相電圧 \(V_P\) に並列に \(C\) を接続すると: $\(I_C = \frac{V_P}{X_C} = \omega C V_P\)$
\(I_C = I_Q\) となる \(C\) を求める: $\(C = \frac{I_Q}{\omega V_P}\)$
Step 3(Δ結線負荷の場合): Δ→Y変換後に同じ手順を適用するか、Δ結線のままコンデンサを並列接続する。Δ接続コンデンサの場合は相電圧が線間電圧になる点に注意。
三相全体の無効電力で考える方法(より直接的)
元の負荷の三相無効電力:\(Q_{load} = \sqrt{3} V_L I_L \sin\varphi\)
Y接続コンデンサ3個(1個 \(C\))の三相無効電力:\(Q_C = 3 \omega C V_P^2 = 3\omega C (V_L/\sqrt{3})^2 = \omega C V_L^2\)
\(Q_C = Q_{load}\) を解くと \(C = Q_{load} / (\omega V_L^2)\)。
引っかかりポイント: Δ接続のコンデンサにするとY接続の3倍の無効電力を発生させる(相電圧が線間電圧になるため)。同じ \(C\) 値でも接続方式で効果が3倍変わる。
📝 出題実績¶
出典: 電験王3(denken-ou.com)H18〜R07上期の過去問一覧より収集(2026-03-30)
| 年度 | 問 | 形式 | 何が問われたか |
|---|---|---|---|
| R07上 | 問15 | 計算 | Δ結線の電源とY結線の負荷を組み合わせた三相回路 |
| R06下 | 問15 | 計算 | 三相平衡誘導性負荷とコンデンサを接続した回路 |
| R05下 | 問15 | 計算 | Y接続及びΔ接続された三相平衡回路 |
| R05上 | 問15 | 計算 | Δ結線した三相平衡回路の消費電力 |
| R04下 | 問15 | 計算 | 三相交流回路の抵抗値と消費電力 |
| R04上 | 問15 | 計算 | 不平衡負荷に接続された三相交流回路 |
| R02 | 問15 | 計算 | 対称三相回路に流れる電流と電力測定値 |
| R01 | 問16 | 計算 | 三相交流における線電流と有効電力の導出 |
| H30 | 問15 | 計算 | 三相交流回路の消費電力 |
| H29 | 問16 | 計算 | 三相交流回路 |
| H28 | 問15 | 計算 | 交流三相電源 |
| H27 | 問17 | 計算 | 三相交流回路 |
| H26 | 問14 | 計算 | 三相交流回路 |
| H26 | 問16 | 計算 | 平衡三相負荷の消費電力 |
| H25 | 問15 | 計算 | 三相交流回路の消費電力 |
| H24 | 問16 | 計算 | 三相回路の相電流及び線電流 |
| H23 | 問15 | 計算 | RLCを含む三相平衡負荷の回路計算 |
| H22 | 問9 | 論説 | 三相平衡回路における電圧・電流・電力の関係 |
| H22 | 問15 | 計算 | Δ結線した三相平衡回路の消費電力 |
| H21 | 問16 | 計算 | 三相平衡回路の線電流と相電流の導出 |
| H20 | 問15 | 計算 | 抵抗と誘導性リアクタンスを組み合わせた三相平衡回路 |
| H19 | 問15 | 計算 | 平衡三相回路の負荷電流と静電容量の大きさ |
| H18 | 問15 | 計算 | Y接続及びΔ接続された三相平衡回路 |
→ 出題頻度: ★★★★★(毎年度1問、ほぼ問15に固定)
確認問題①(Y結線基本)
問題: Y結線の三相電源で相電圧が200Vのとき、線間電圧を求めよ。
解答
答え: \(V_L = \sqrt{3} \times 200 \approx 346\) V
考え方: Y結線では線間電圧は「2つの相電圧ベクトルの差」。120°ずれた等しいベクトルの差は元の √3 倍になる(余弦定理)。Δ結線なら \(V_L = V_P\) で √3 は出ない。
確認問題②(Δ結線の電流)
問題: Δ結線の平衡負荷に相電流 10A が流れている。線電流を求めよ。
解答
答え: \(I_L = \sqrt{3} \times 10 \approx 17.3\) A
考え方: Δ結線で √3 が出るのは電流側。線電流は「隣接する2つの相電流ベクトルの差」だから √3 倍になる。Y結線なら \(I_L = I_P\) で √3 は出ない。
ひっかけ注意: 「Y結線で \(I_L = \sqrt{3} I_P\)」としてしまうのが勘違いTOP1。√3 が出る場所はY=電圧、Δ=電流。
確認問題③(三相電力)
問題: 線間電圧 400V、線電流 10A、力率 0.8 の三相平衡負荷がある。三相有効電力を求めよ。
解答
答え: \(P = \sqrt{3} \times 400 \times 10 \times 0.8 \approx 5543\) W(≈ 5.54 kW)
考え方: 線間電圧と線電流を使う公式 \(P = \sqrt{3} V_L I_L \cos\varphi\) を適用。この公式はY結線でもΔ結線でも共通で使える。
よくあるミス: √3 を忘れて \(P = 400 \times 10 \times 0.8 = 3200\) W としてしまう。線間電圧を使うなら √3 は必須。
Level 2: 数学的背景 🔬
対称分法(対称座標法)
三相不平衡系統の解析に使われる変換。不平衡な三相電圧・電流を「正相・逆相・零相」の3つの対称成分に分解する: [ \begin{pmatrix} V_a \ V_b \ V_c \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & 1 & 1 \ 1 & a^2 & a \ 1 & a & a^2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} V_0 \ V_1 \ V_2 \end{pmatrix} ] ここで \( a = e^{j120°} \)。電験3種では平衡三相が主だが、地絡故障解析では零相成分が重要。
Level 3: 実務との接点 🏭
三相誘導電動機(工場の主力機器)は三相交流で駆動する。Y-Δ始動(起動電流を1/3に抑える)、インバータによる可変速制御、力率改善は全て三相交流理論の応用。
最終確認: 2026-04-01 | ステータス: v0.7(構造・公式・数値検証済み) | バージョニング基準