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B問題 計算テンプレート集

法規B問題(問10〜13)の計算パターンをステップバイステップでテンプレート化。 手順に沿って数値を代入するだけで解ける「再現性のある解法」を目指す。


1. 需要率不等率負荷率

なぜ出る?

変圧器容量や配電設備の経済的な設計に直結。過大設備=ムダ、過小設備=過負荷事故。

解法テンプレート

【Step 1】問題文から3つの値を特定
  ├─ 設備容量 [kW]
  ├─ 最大需要電力 [kW]
  └─ 平均需要電力 [kW](または電力量と時間から算出)

【Step 2】公式を選択
  ├─ 需要率 = 最大需要電力 ÷ 設備容量
  ├─ 負荷率 = 平均需要電力 ÷ 最大需要電力
  └─ 不等率 = 各負荷の最大需要電力の合計 ÷ 合成最大需要電力

【Step 3】複数負荷がある場合の合成最大需要電力
  合成最大 = 各最大の合計 ÷ 不等率
  ※ 不等率が与えられている場合はこの式で合成最大を求める

【Step 4】変圧器容量の決定
  変圧器容量 ≧ 合成最大需要電力 ÷ 力率

最頻出ミス

需要率と負荷率の分母を逆にする。覚え方:需要率の「需」=「設備をどれだけ要してるか」→ 分母は設備容量。


2. 力率改善(コンデンサ容量)

なぜ出る?

力率が低い→電力損失I²R増大→電力会社の料金割増。コンデンサ設置は実務の基本。

解法テンプレート

【Step 1】問題文から抽出
  ├─ 有効電力 P [kW]
  ├─ 改善前の力率 cos θ1
  └─ 改善後の力率 cos θ2

【Step 2】tanを求める
  ├─ tan θ1 = sin θ1 ÷ cos θ1(cos→sinは √(1-cos²θ) で変換)
  └─ tan θ2 = sin θ2 ÷ cos θ2

【Step 3】コンデンサ容量を計算
  Qc = P × (tan θ1 − tan θ2) [kvar]

【Step 4】単位と方向を確認
  ├─ Qc > 0 であること(改善前tan > 改善後tan は必ず成立)
  └─ 三相回路なら P は三相有効電力 [kW]

速解テクニック

cos 0.6 → tan 1.333、cos 0.8 → tan 0.75、cos 0.85 → tan 0.620、cos 0.9 → tan 0.484、cos 0.95 → tan 0.329、cos 1.0 → tan 0。頻出値は暗記しておくと計算時間を大幅短縮。


3. 全日効率(変圧器)

なぜ出る?

変圧器は24時間通電。最大効率時だけでなく1日トータルの効率で経済性を評価する。

解法テンプレート

【Step 1】問題文から抽出
  ├─ 定格容量 [kVA]
  ├─ 鉄損 Pi [kW](無負荷損 = 常に一定)
  ├─ 銅損 Pc [kW](全負荷時の値)
  └─ 負荷スケジュール: 各時間帯の負荷率 α と時間 t [h]

【Step 2】1日の出力電力量を計算
  Wout = Σ (α × 定格容量 × 力率 × t) [kWh]

【Step 3】1日の損失電力量を計算
  Wloss = 24 × Pi  +  Σ (α² × Pc × t) [kWh]
          ~~~~~~~~     ~~~~~~~~~~~~~~~~
          鉄損は24h固定   銅損はα²に比例

【Step 4】全日効率を計算
  η = Wout ÷ (Wout + Wloss) × 100 [%]

最頻出ミス

鉄損を負荷に比例させてしまう。鉄損=磁束による損失=電圧が一定なら常に一定。銅損だけがα²比例。


4. 絶縁耐力試験電圧

なぜ出る?

新設・改修後の設備が絶縁性能を満たすか確認する法定試験。電圧値の計算が頻出。

解法テンプレート

【Step 1】最大使用電圧 Vm を求める
  ├─ 公称電圧 6,600V の場合: Vm = 6,600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6,900V
  └─ 公称電圧 × (1.15/1.1) が基本(7,000V以下の場合)

【Step 2】試験電圧を算出
  ├─ 交流耐圧試験: Vm × 1.5 [V](10分間)
  │   例: 6,900 × 1.5 = 10,350V
  └─ 直流耐圧試験: 交流試験電圧 × 2 [V]
      例: 10,350 × 2 = 20,700V
      ※ ケーブルの場合は直流で試験(充電電流が大きいため)

【Step 3】試験時間
  ├─ 交流: 連続10分間
  └─ 直流: 連続10分間

実務の背景

なぜ1.5倍? 通常使用電圧+雷サージや開閉サージの過電圧を想定し、十分な絶縁マージンを確保するため。


5. %Z(パーセントインピーダンス)と短絡電流

なぜ出る?

遮断器の遮断容量選定や保護協調の基礎。工場の受変電設備設計の実務そのもの。

解法テンプレート

【Step 1】問題文から抽出
  ├─ 変圧器の %Z [%]
  ├─ 定格容量 Pn [kVA]
  └─ 定格二次電圧 V2 [V]

【Step 2】定格二次電流を計算
  In = Pn ÷ (√3 × V2) [A](三相の場合)

【Step 3】短絡電流を計算
  Is = In ÷ (%Z ÷ 100) = In × (100 ÷ %Z) [A]

【Step 4】短絡容量を計算(求められた場合)
  Ps = √3 × V2 × Is [VA]  = Pn × (100 ÷ %Z) [VA]

【基準容量換算が必要な場合】
  %Z' = %Z × (P基準 ÷ Pn)
  ※ 複数変圧器の並列や系統全体の計算では基準容量を統一する

最頻出ミス

基準容量を揃え忘れる。%Zは「定格容量ベース」で与えられる。異なる容量の変圧器を並列計算する際は、共通の基準容量に換算してから合成する。


6. 過電流継電器(OCR)の動作時間

なぜ出る?

保護協調=事故時に適切な遮断器だけが動作する設計。電力会社との協調も含めた実務的内容。

解法テンプレート

【Step 1】問題文から抽出
  ├─ CT比(例: 30/5)
  ├─ タップ値 [A]
  ├─ 事故電流 If [A](一次側)
  └─ 限時特性曲線(レバー値・動作時間の関係)

【Step 2】CTの二次側電流を計算
  I2 = If ÷ CT比  [A]
  例: If=900A, CT比=30/5 → I2 = 900 × (5/30) = 150A

【Step 3】タップ倍数を計算
  倍数 = I2 ÷ タップ値
  例: I2=150A, タップ=5A → 倍数 = 30倍

【Step 4】限時特性曲線から動作時間を読み取る
  ├─ 倍数とレバー値の交点を読む
  └─ 上位・下位の協調(時間差0.3秒以上)を確認

横断チェックリスト

解答後に確認する共通ミス防止リスト:

  • [ ] 単位は統一したか?(kW/MW、V/kV の混在に注意)
  • [ ] 三相と単相を間違えていないか?(√3 の有無)
  • [ ] 分母・分子が逆になっていないか?需要率/負荷率/不等率
  • [ ] 「以上」「以下」「超える」「未満」を正確に区別したか?
  • [ ] 答えの桁数・オーダーが常識的か?(短絡電流が数Aや数百万Aはおかしい)

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最終更新: 2026-04-04 | v1.0(初版)