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法体系の全体構造

電気保安に関する法令のピラミッド構造。上位法が「なぜ」、下位法が「どうやって」を定める。


ピラミッド構造

🟥 法律         ← 国会が制定。基本的な義務・権限を定める
  │
  ├─🟧 政令       ← 内閣が制定。法律の委任に基づく範囲・対象を定める
  │
  ├─🟨 省令       ← 大臣が制定。技術的な基準を定める
  │   │
  │   └─🟩 告示・解釈  ← 省令の具体的な実施方法を示す
  │       │
  │       └─🟦 規格     ← JIS・IEC等。解釈が引用する具体的数値・試験方法
  │
  └─📘 関連法令    ← 電気工事士法・電気用品安全法等

各レベルの法令マッピング

🟥 法律(国会制定)

法令名 概要
電気事業法 電気工作物の保安に関する基本法。技術基準適合義務・保安規程・主任技術者制度を規定
電気工事士法 電気工事の欠陥防止。資格制度・工事範囲を規定
電気用品安全法 電気用品の安全性確保。PSEマーク制度を規定

🟧 政令(内閣制定)

法令名 概要
電気事業法施行令 電気事業法の施行に必要な事項を規定。事業用電気工作物の範囲等
電気用品安全法施行令 特定電気用品の指定リスト等

🟨 省令(経済産業大臣制定)

法令名 概要
電気設備に関する技術基準を定める省令電気設備技術基準 電気設備が守るべき技術的要件。「何を守るか」を定める
電気事業法施行規則 届出・報告・手続きの詳細
電気関係報告規則 事故報告の義務・報告期限・報告先
電気工事士法施行規則 資格試験・免状交付の手続き

🟩 告示・解釈(経済産業省)

法令名 概要
電気設備の技術基準の解釈電技解釈 省令(技術基準)の具体的な実施方法。数値・施工方法を規定。「どうやって守るか」を示す

電技解釈は法的拘束力のある「省令」ではなく、省令を満たす方法の一例を示す解釈。 ただし、実務上はほぼこの解釈に従って施工される。

🟦 規格・ガイドライン

規格名 概要
JIS規格 電線・機器・試験方法等の日本産業規格
IEC規格 国際電気標準会議の国際規格
電気学会 電気規格調査会標準規格(JEC) 電力機器の規格
日本電線工業会規格(JCS) 電線・ケーブルの規格

法令間の関係図

電気事業法 第39条
「事業用電気工作物を技術基準に適合するよう維持しなければならない」
        │
        ▼
電気設備技術基準(省令) 第5条
「電路は大地から絶縁しなければならない」
        │
        ▼
電技解釈 第14条
「絶縁抵抗は○○MΩ以上であること」  ← 具体的な数値はここ
        │
        ▼
JIS C 1302
「絶縁抵抗計の規格」  ← 測定方法はここ

試験での出題パターン

パターン1: 法令の階層を問う問題

「電気設備の技術基準を定める省令は、( )に基づいて定められている」 → 電気事業法

パターン2: 制定者を問う問題

「保安規程は( )が定める」 → 事業用電気工作物の設置者

パターン3: 法令の性質を問う問題

「電技解釈は( )であり、これに適合すれば技術基準を満たすと判断される」 → 技術基準の解釈(法的拘束力のある省令ではない)


覚え方

レベル 問い 答えの例
🟥 法律 なぜ規制するのか 感電・火災等の災害を防止するため
🟧 政令 何が対象か 事業用電気工作物の範囲
🟨 省令 何を守るか 電路は絶縁しなければならない
🟩 解釈 どうやって守るか 絶縁抵抗は0.1MΩ以上
🟦 規格 どの器具・方法 JIS C 1302 準拠の絶縁抵抗計で測定

最終更新: 2026-03-29 | v0.1(骨格)