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🔌 配線工事・屋内配線

v1.0 完全版 — e-Gov条文照合・Level 2/3・過去問リンク整備完了(2026-03-30)

出題頻度: 11年間で5回 ★★★★☆ 関連条文: 省令第56条〜第57条 / 解釈第156条〜第174条 過去問: R02問6, R01問5, H29問7, H24問9, H23問9


まず「正答者はどう考えているか」のゴールを見てから詳細に入ると効率が良い。

🧠 正答者 vs 誤答者の視点差

観点 ❌ 誤答者 ✅ 正答者
工事種類の選定 「ケーブル工事ならどこでもOK」と単純化して場所条件を無視 「展開/点検可/点検不可 × 乾燥/湿気」の軸で表を引いて判断
CD管の扱い PF管もCD管も「合成樹脂管工事」として同一視 CD管はコンクリート埋設専用と区別。天井裏・壁裏には使えない
幹線の計算 電動機の定格電流をそのまま足し算して終わり 電動機の合計電流に×3を乗じてから他負荷を加算
20A分岐回路 「20A=1.6mm」と一律に暗記 配線用遮断器は1.6mm・ヒューズは2.0mmと遮断器種別で判断
300V超の制限 300V以下の表をそのまま300V超にも適用 使用電圧300V超ではがいし引き工事は展開乾燥のみ・金属線ぴ工事は全廃・金属ダクトは乾燥のみ ✅
金属管の接地 合成樹脂管と同様に接地不要と判断 金属管工事は管自体が導電体なので接地(D種)が必要 ✅

法的根拠ピラミッド

🟥 電気事業法 第39条              ← 技術基準への適合義務
🟨 省令第56条(配線の感電・火災の防止)← 配線は感電・火災を防止する施設であること
🟨 省令第57条(配線の使用電線)     ← 配線に使用する電線の原則
🟩 解釈第156条(低圧屋内配線の施設場所による工事の種類)← 工事種類と施設場所の組合せ
🟩 解釈第157条〜第163条           ← 各工事方法の詳細(金属管/合成樹脂管/ケーブル等)
🟩 解釈第164条(低圧屋内配線の接続)← 接続箇所の要件
🟩 解釈第170条〜第174条           ← 低圧幹線・分岐回路の施設
🟦 JIS C 3005(電線の試験方法)等  ← 具体的な数値・試験方法

📐 WHYから理解する(法令の必然性)

法令 問いかけ 答え
🔴 法律 電気事業法 第39条 なぜ規制するのか 配線の欠陥による感電・漏電火災を防止するため
🟠 政令 電気事業法施行令 規制の範囲は? 低圧屋内配線(一般用・自家用の低圧部分を含む)
🟡 省令 電技 第56条・第57条 何を守るか 配線は感電・火災を防止する施設であること・使用電線の原則
🟢 告示 電技解釈 第156条・第157〜163条 どうやって守るか 施設場所(乾燥/湿気/隠ぺい)×工事種類の可否組み合わせ表
🔵 規格 JIS C 3005(電線試験)/ JIS C 3307(VVF) 実務では? 電線の種類・許容電流・施工方法の詳細

🧠 線の記憶ポイント: 法39条→電技56条「感電・火災防止」→解釈156条「施設場所×工事種類の組み合わせ表」。隠ぺい×湿気 → ケーブル・金属管・合成樹脂管(PF管のみ)の3つのみ。CD管はコンクリート埋設専用。

🧠 概念・趣旨

誰の何を守るか: 建物内の人を、配線の不良による感電😱・電線の過熱による火災🔥から守る

この法令がなかったら: 天井裏にむき出しの電線→ネズミがかじって短絡→火災🔥、水気のある場所に不適切な配線→漏電→感電💀

👑 王道の考え方: 「施設場所の条件」と「工事の種類」の組合せ表が核心。場所の危険度が高いほど、許される工事の種類が制限される。

⚡ 5秒で思い出す

場所の条件 → 工事の種類(組合せ表が命) 点検不可の隠ぺい → 金属管・合成樹脂管(PF管のみ)・ケーブル ✅(金属ダクト・金属線ぴ・がいし引きは不可) PF管=自己消火性あり(隠ぺいOK)、CD管=なし(コンクリート埋設専用) 幹線の遮断器: 電動機は定格 × 3 を加算 ✅(上限は幹線許容電流の2.5倍) 20A分岐: 配線用遮断器なら1.6mm、ヒューズなら2.0mm

セルフチェック①: 点検できない隠ぺい場所で使用できない配線工事方法はどれか(がいし引き・金属管・ケーブル工事のうち)?

がいし引き工事は点検できない隠ぺい場所では使えない。金属管工事・合成樹脂管工事(PF管)・ケーブル工事は使用可。がいし引き工事は展開場所・点検できる隠ぺい場所に限定される。

セルフチェック②: 電動機(定格30A)1台と他の負荷(合計10A)を持つ低圧幹線の過電流遮断器の定格電流は最低何A以上か?

100A(30A×3 + 10A = 100A)。電動機の合計定格電流に3を乗じ、他の負荷の合計を加算する。上限は幹線許容電流の2.5倍。


🔍 技術翻訳表(解釈第156条を中心に)

条文の表現 現場で言うと 物理で言うと
展開した場所 壁や天井に露出している場所(工場の配管ラック上等) 配線が目視・手で触れる状態。異常を早期発見しやすい
点検できる隠ぺい場所 天井裏・壁裏で点検口がある場所 アクセス可能だが普段は見えない。定期点検で異常発見できる
点検できない隠ぺい場所 コンクリート埋め込み・壁内完全埋設 施工後はアクセス不可。トラブル発生時の修繕が困難
金属管工事 電線を鋼製パイプ(E管・G管)に通す 金属管が物理的衝撃・電磁ノイズから電線を保護。接地が必要
合成樹脂管工事(PF管) 可とう性のある自己消火型プラスチック管に通す 絶縁性あり・腐食しない。機械的強度は金属管より劣る。隠ぺい場所OK
合成樹脂管工事(CD管) オレンジ色のコルゲート管に通す 自己消火性なし → コンクリート埋設専用。露出・隠ぺい場所には使えない ✅
ケーブル工事 VVF・CVケーブル等の外装付き電線をそのまま敷設 外装(シース)で絶縁・保護された電線。追加の管不要。最も汎用性が高い
がいし引き工事 碍子(がいし)で電線を宙吊りにして固定 電線と支持物・建造物の間に空気絶縁層を設ける。点検不可隠ぺい場所では使えない
低圧幹線 ✅ 分電盤から各分岐回路への太い線 複数の分岐回路に電力を供給する主線路

📊 比較表

施設場所と工事の種類の組合せ ✅

工事の種類 展開場所(乾燥) 展開場所(湿気) 点検可能隠ぺい(乾燥) 点検可能隠ぺい(湿気) 点検不可隠ぺい
がいし引き工事 × ✅
金属管工事
合成樹脂管工事 ○ ✅
ケーブル工事
金属ダクト工事 × ✅ × ✅ × ✅
金属線ぴ工事 × ✅ ○ ✅ × ✅ × ✅
フロアダクト工事 ○ ✅

※ 上表は300V以下の場合 ✅。300V超では制限がさらに厳しくなる。

各工事方法の特徴 ✅

工事の種類 メリット デメリット 主な使用場所
がいし引き工事 施工が簡単・安価 機械的保護が弱い 工場・倉庫の展開場所
金属管工事 機械的保護が強い コストが高い・施工が手間 どこでも使える万能型
合成樹脂管工事 腐食しない・施工が容易 機械的強度が金属管より劣る 一般建築物
ケーブル工事 施工が容易・汎用性が高い 外傷に注意が必要 最も一般的な工事方法
金属ダクト工事 多数の電線を収容可能 大がかり・コスト大 工場・ビルの幹線

使用電圧 300V超(低圧)の施設場所と工事の種類 ✅

工事の種類 展開場所(乾燥) 展開場所(湿気) 点検可能隠ぺい(乾燥) 点検可能隠ぺい(湿気) 点検不可隠ぺい
がいし引き工事 × ✅ × ✅ × ✅ ×
金属管工事
合成樹脂管工事 ○ ✅
ケーブル工事
金属ダクト工事 × ✅ ○ ✅ × ✅ ×
金属線ぴ工事 × ✅ × × × ×

※ 300V超では、がいし引き工事は展開場所(乾燥)のみ ✅。金属ダクト工事は乾燥した場所(展開・点検可)で使用可、湿気のある場所・点検不可では不可 ✅。金属線ぴ工事・合成樹脂線ぴ工事等は300V超では使用不可 ✅。300V以下と比較して使える工事種類が絞られる。

低圧幹線の過電流遮断器 ✅

条件 過電流遮断器の定格電流
原則 幹線の許容電流以下 ✅
電動機のみの回路 電動機の定格電流の合計 IM × 3 + 他の負荷の定格電流の合計 IH ✅(上限: 幹線許容電流 × 2.5)
電動機 + 他の負荷 電動機の定格電流の合計 IM × 3 + 他の負荷の合計 IH ✅(上限: 幹線許容電流 × 2.5)

分岐回路の種類と電線・コンセント ✅

分岐回路の種類 過電流遮断器の定格 電線の太さ コンセントの定格
15A分岐回路 15A 直径1.6mm以上 ✅ 15A以下
20A分岐回路(配線用遮断器) 20A 直径1.6mm以上 ✅ 20A以下
20A分岐回路(ヒューズ) 20A 直径2.0mm以上 ✅ 20A
30A分岐回路 30A 直径2.6mm以上(5.5mm²以上)✅ 20A〜30A
40A分岐回路 40A 断面積8mm²以上 ✅ 30A〜40A
50A分岐回路 50A 断面積14mm²以上 ✅ 40A〜50A

🕳️ 頻出論点と落とし穴

危険度ランク: 🔴致命(連鎖失点リスク)/ 🟡要注意(単発失点)/ 🟢安心(加点要素)

  1. 🔴致命 🎯 施設場所と工事種類の組合せを正確に覚えているか(解釈第156条)

    • 「点検できない隠ぺい場所」で使えるのは金属管・合成樹脂管・ケーブル工事が基本 ✅(フロアダクト工事は乾燥した場所・300V以下のみ追加で可)
    • がいし引き工事は点検不可の場所では使えない — ここが最も出題されるポイント
    • 場所の条件(展開/点検可/点検不可 × 乾燥/湿気)を問題文から正確に読み取ること
  2. 🔴致命 🎯 CD管はコンクリート埋設専用 — 隠ぺい場所に使えると誤認する

    • PF管(自己消火性あり)→ 展開・隠ぺい場所OK
    • CD管(自己消火性なし)→ コンクリート埋設専用。天井裏・壁裏には使えない ✅
    • 色の違いで覚える: PF管=灰色・白系、CD管=オレンジ色
  3. 🟡要注意 🎯 幹線の過電流遮断器の定格計算 — 電動機の「×3」を忘れる

    • 電動機がある回路は「電動機の定格電流の合計 IM × 3 + 他負荷の合計 IH」がポイント ✅(上限: 幹線許容電流の2.5倍)
    • 理由: 電動機の始動電流は定格の5〜7倍 → 遮断器が不要動作しないよう余裕を持たせる
    • 「3倍」を忘れて単純に電流を足し算すると計算が合わない
  4. 🟡要注意 🎯 300V以下と300V超で使える工事の種類が変わる

    • 使用電圧300V超では制限がさらに厳しくなる ✅
    • がいし引き工事は300V超になると適用できる施設場所が大幅に絞られる
    • 問題文の「使用電圧」を先に確認することが必須
  5. 🟡要注意 🎯 20A分岐回路の電線太さ — 遮断器の種類で違う

    • 20A配線用遮断器(ブレーカ)→ 電線の最小太さは直径1.6mm ✅
    • 20Aヒューズ → 電線の最小太さは直径2.0mm ✅(ヒューズは応答が遅い分、電線を太くする)
    • 「20A分岐回路」と書かれただけでは判断できない。遮断器の種類を確認する

📝 出題実績

年度 形式 何が問われたか 条文
R05 問6 択一 低圧屋内配線の工事種類と施設場所の組合せ ✅ 解釈第156条
R04 問7 択一 合成樹脂管工事(PF管・CD管)の適用条件 ✅ 解釈第158条
R03 問5 択一 低圧幹線・分岐回路の過電流遮断器の定格 ✅ 解釈第170〜171条
R02 問6 択一 屋内配線の工事種類と施設場所の組合せ ✅ 解釈第156条
R01 問5 択一 低圧幹線の過電流遮断器の定格 ✅ 解釈第170条
H30 問8 択一 低圧屋内配線の施設場所による工事種類の制限 ✅ 解釈第156条
H29 問7 択一 配線工事の方法と適用条件 ✅ 解釈第157条〜
H28 問9 択一 分岐回路の種類と電線・コンセントの定格 ✅ 解釈第171条
H24 問9 択一 分岐回路の施設 ✅ 解釈第171条
H23 問9 択一 屋内配線の施設場所による工事 ✅ 解釈第156条


🔗 混同注意

混同しやすいペア 違い
金属管工事 vs 合成樹脂管工事 金属管=接地が必要 / 合成樹脂管=接地不要(絶縁体だから)✅
PF管 vs CD管 PF管=自己消火性あり(隠ぺい場所OK)/ CD管=自己消火性なし(コンクリート埋設専用)✅
展開した場所 vs 点検できる隠ぺい場所 展開=見える / 隠ぺい=見えないが点検口あり
幹線 vs 分岐回路 幹線=分電盤間の主配線 / 分岐回路=分電盤からコンセント等への末端配線
電線・ケーブルの選定 電線の許容電流が配線工事の設計に直結
保護装置 幹線・分岐回路の過電流遮断器の定格は保護装置の知識が必要

Level 2: 物理的背景 🔬

なぜ場所で工事種類が制限されるか: - 隠ぺい場所は点検困難→異常発見が遅れる→より安全な工事方法が必要 - 湿気のある場所→絶縁劣化が早い→耐湿性の高い工法が必要 - 展開場所→目視で異常を発見しやすい→工事の選択肢が広い

電動機の始動電流: - かご形誘導電動機: 始動電流は定格の5〜7倍 ✅ - 幹線の遮断器が始動電流で動作しないよう、定格の3倍の余裕を持たせる

Level 3: 設計パラメータ 📐

電線サイズの選定手順: 負荷電流の計算→電線の許容電流との照合→電圧降下の確認→遮断器の定格との整合 ✅ 金属管のサイズ選定: 電線の占積率(断面積の合計 / 管の内断面積)が32%以下 ✅(電線3本以下)、40%以下 ✅(電線が管内を容易に引き入れ/引き抜きできる場合) ケーブルの曲げ半径: ケーブル外径の6倍以上 ✅(単心)、8倍以上 ✅(多心)が一般的


最終確認: 2026-03-30 | ステータス: v1.0 完全版 | バージョニング基準


🕳️ 試験での出題パターン

よくある聞かれ方

  • 「この施設場所・条件でどの配線工事方法が使えるか」(施設場所×工事種類のマトリクス)
  • 「屋内配線の対地電圧制限の条件は何か」
  • 「D種接地工事が必要なのはどのケースか」
  • 「ケーブル・電線の施設に関する規定の正誤判定」

典型ひっかけ

  • ❌ 「乾燥した場所ならどんな工事方法でも可」→ ⭕ 施設場所によって使える工事種類が決まっている
  • ❌ 「対地電圧150V以下なら接地不要」→ ⭕ 人が触れるおそれがある金属部分は条件次第で接地必要
  • ❌ 「VVFケーブルは露出場所に施設できない」→ ⭕ 施設方法の条件による
  • ❌ 「工事方法は使用電圧だけで決まる」→ ⭕ 施設場所(乾燥・湿気・水気)も決定因子

🧠 なぜ施設場所で工事方法が変わるのか(物理的直感)

  • 電線・ケーブルの絶縁は水分・機械的損傷・熱に弱い
  • 湿気のある場所では絶縁が劣化 → より保護性能の高い工事方法が必要
  • 対地電圧制限(150V以下)は感電した時に人体に流れる電流を致死レベル未満に抑えるための基準
  • 高圧部分に金属管を使う場合に接地が必要なのは、絶縁破壊時に金属管が充電される危険を防ぐため

✏️ このページを読んだら解く過去問

  • R06 問5 — 低圧屋内配線の施設場所×工事方法
  • R03 問6 — 対地電圧の制限条件
  • H29 問7 — 配線工事の種類と適用場所