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🏛️ 電気事業法の体系

✅ 主要項目検証済み(2026-03-29)— e-Govおよび一次資料で条文・出題実績を照合済み

出題頻度: 22回/11年 ★★★★★(毎年 問1〜2で出題)

根拠条文: 電気事業法全般(第2条, 第38条〜第57条)/ 施行規則 / 電気工事士法 / 電気工事業法 / 電気用品安全法 / 電気関係報告規則

試験戦略: 法規A問題13問中、このテーマから毎年1〜2問(配点7〜15%)。このページだけで法規の約1割を確実に取れる。投資効率: ★★★★★


🗺️ このページの使い方

あなたの状態 読むセクション 所要時間
初めて法規を勉強する 概念・趣旨WHYピラミッド比較表 15分
一通り学んだが曖昧 正答者vs誤答者頻出論点 10分
過去問を解いて間違えた WHY各層の過去問出題パターン 20分
試験直前の総復習 試験直前カード条文マスターテーブル 5分

🧠 正答者 vs 誤答者の視点差

まず「正答者はどう考えているか」のゴールを見てから詳細に入ると効率が良い。

観点 ❌ 誤答者 ✅ 正答者
電気工作物の分類 名前の雰囲気で何となく答える。「自家用≒個人用」と誤解 「受電電圧と設備規模」で体系的に判断。一般/小規模/自家用/電気事業用の4段階を即答
4法の違い 全部ごちゃまぜで覚えている。電気工事士法で設備管理できると思っている 「設備・人・業者・製品」の軸で整理済み。法律ごとに管轄対象が1つだけと明確に区別
届出 vs 認可 47条と48条の区別なく「工事前に出す書類」と曖昧に覚えている 認可=許可が降りるまで動けない、届出=30日待てば動ける、と手続きの重さで区別
主任技術者の手続き 「選任には許可が必要」と誤解して選択肢を間違える 原則は届出のみ。兼任・外部委託だけ特別な承認・許可が必要と整理済み
セルフチェック: 上の4観点すべてで「正答者」側の説明ができるか?

できなかった観点があれば、このページを読み進めてからもう一度ここに戻ってくること。


法的根拠ピラミッド

🟥 電気事業法           ← 電気事業・電気工作物の安全規制の母法
🟧 電気事業法施行令      ← 政令(事業用電気工作物の範囲等)
🟨 電気事業法施行規則    ← 省令(届出・手続きの詳細)
🟩 電気設備技術基準(省令)← 技術的要件
🟦 電技解釈・JIS         ← 具体的な適合方法

関連法律:
🟥 電気工事士法         ← 工事を行う「人」の資格
🟥 電気工事業法         ← 工事を行う「業者」の登録
🟥 電気用品安全法       ← 電気「製品」の安全規制
🟥 電気関係報告規則     ← 事故報告の義務
セルフチェック: 5層ピラミッドを上から順に言えるか?

法律(電気事業法)→ 政令(施行令)→ 省令(施行規則)→ 告示(技術基準)→ 規格(電技解釈・JIS)。言えなかったらピラミッド図を再確認。


📐 WHYから理解する(法令の必然性)

法令 問いかけ 答え
🔴 法律 電気事業法 第39条・第42条・第48条 なぜ規制するのか 電気工作物の危険性を事前に管理し、事故を未然に防ぐため
🟠 政令 電気事業法施行令 規制の範囲は? 事業用電気工作物(自家用含む)が対象。一般用は法57条で別規制
🟡 省令 電気事業法施行規則 第50条・第62条 何を守るか 保安規程の記載事項(6項目)/ 工事計画の届出・認可の区分
🟢 告示 運用通達・内規 どうやって守るか 保安規程=届出のみ / 工事計画=届出(30日前)or 認可(1万kW・17万V以上)
🔵 規格 実務では? 4法の対象:設備(事業法)・人(工事士法)・業者(工事業法)・製品(用品安全法)

🧠 線の記憶ポイント: 42条=保安規程(届出)、43条=主任技術者(届出)、47条=工事計画(認可)、48条=工事計画(届出)。認可が必要なのは47条だけ。一般用調査(57条)は電力会社が調査する義務。

📝 WHY各層の関連過去問

💡 使い方: 上のWHY表で「答え」を確認 → 該当する層にジャンプ → 「だからこう問われる」を読む → 過去問原文を開いて解く。

🔴 法律層 — なぜ規制するのか

WHY: 電気工作物の危険性を事前に管理し、事故を未然に防ぐため (第39条第42条第48条

→ だからこう問われる: 「危険な設備には専門家が必要」「基準は常時適合」という原則を、条文の言い回しで正誤判定させる

R05上期 問1 — 主任技術者の選任・職務(§43)|正答: (4)|⭐易

WHY接続: 「危険性を事前に管理する」→ だから専門家(主任技術者)の常駐を義務づける

次のa)〜c)の文章は,主任技術者に関する記述である。その記述内容として,「電気事業法」に基づき,適切なものと不適切なものの組合せについて,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a) 事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下同じ。)を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない。

b) 主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。

c) 事業用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

a) b) c)
(1) 不適切 適切 適切
(2) 不適切 不適切 適切
(3) 適切 不適切 不適切
(4) 適切 適切 適切
(5) 適切 適切 不適切

根拠: 電気事業法 第43条(選任)・第43条の2(職務)・第43条の3(指示従業義務)。3文すべて条文そのまま。

🏭 現場イメージ: 三菱ケミカルのような高圧受電の工場では「電気主任技術者」を選任して産業保安監督部長に届け出る義務がある。この人物が古舘さんのような電計チームリーダーに相当する立場。b)の「誠実に職務を行う」c)の「指示に従う」は、現場の電気担当者が主任技術者の安全指示を無視できないことを定めた条文。

H29 問1 — 技術基準適合義務と適合命令(§39・§40)|正答: (4)|⭐⭐標準

WHY接続: 「事故を未然に防ぐ」→ だから設置時だけでなく経年劣化後も基準を維持する義務がある

次の文章は,「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。

a 事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように( )しなければならない。

b 上記aの主務省令に定める技術基準では,次に掲げるところによらなければならない。

  1. 事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすること。
  2. 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は( )的な障害を与えないようにすること。
  3. 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
  4. 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあっては,その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。

c 主務大臣は,事業用電気工作物が上記aの主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,事業用電気工作物を設置する者に対し,その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を( )すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 設置 磁気 一時停止
(2) 維持 禁止
(3) 設置 禁止
(4) 維持 磁気 一時停止
(5) 設置 一時停止

根拠: 第39条「維持」=継続的義務。「設置」ではない。第40条の命令は「一時停止」であり「禁止」ではない。

🏭 現場イメージ: 工場のキュービクル(受変電設備)は設置した瞬間だけでなく、10年後・20年後も技術基準を満たし続けなければならない。絶縁劣化・接点摩耗が進んで基準を下回った状態で使い続けると39条違反。経産大臣が「修理しろ」「一時使用停止しろ」と命令できる(40条)のはこのため。イ)の「磁気」はインバータノイズ等が周辺制御機器に誤動作を起こす事例がまさにこれ。

R06 問1 — 技術基準適合義務と適合命令(§39・§40)|正答: (2)

WHY接続: H29問1と同じ論点の再出題。「維持」「磁気」「一時停止」の3ワードは毎回狙われる急所

次の文章は,「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。

a 事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように( )しなければならない。

b 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は( )的な障害を与えないようにすること。

c 主務大臣は,事業用電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときは,事業用電気工作物を設置する者に対し,その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を( )すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 設置 磁気 一時停止
(2) 維持 磁気 一時停止
(3) 設置 禁止
(4) 維持 禁止
(5) 設置 一時停止

根拠: H29問1と完全に同じ3空欄。H29→R06と再出題されたことで「毎回出る」確定論点になった。

🏭 現場イメージ: H29とR06で同じ問題が繰り返し出た=試験センターが「この3ワードを知らないと電験3種を名乗れない」と判断している。工場の電計担当として設備の技術基準維持義務を毎日実践している立場なら、「維持=設置後も継続」は体感として当然の概念のはず。


🟠 政令層 — 規制の範囲は?

WHY: 事業用電気工作物(自家用含む)が対象。一般用は法57条で別規制 (第38条第57条

→ だからこう問われる: 「どの設備がどの分類に入るか」「調査義務は誰が負うか」を分類の境界線で判定させる

H30 問1 — 自家用電気工作物の定義(§38)|正答: (2)|⭐⭐標準

WHY接続: 「電圧が高い=危険度が高い」→ だから600Vを境に一般用と自家用を分け、規制の強度を変える

次の文章は,「電気事業法」における自家用電気工作物に関する記述である。

事業用電気工作物とは,( )電気工作物以外の電気工作物をいう。

自家用電気工作物とは,特定の事業の用に供する電気工作物及び( )電気工作物以外の電気工作物であって,次のいずれにも該当しないものをいう。

  • )事業であって,その事業の用に供する( )用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの

自家用電気工作物を設置する者は,その自家用電気工作物の( )その旨を主務大臣に届け出なければならない。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 一般用 事業用 配電 使用前自主検査を実施し
(2) 一般用 一般用 発電 使用の開始の後、遅滞なく
(3) 自家用 事業用 配電 使用の開始の後、遅滞なく
(4) 自家用 一般用 発電 使用の開始の後、遅滞なく
(5) 一般用 一般用 配電 使用前自主検査を実施し

根拠: 第38条。事業用=「一般用」以外。自家用=「一般用」でも「電気事業用」でもないもの。届出は「使用の開始の後、遅滞なく」。

🏭 現場イメージ: 一般用=自宅のコンセント・照明(100V/200V、東電から低圧受電)。自家用=工場のキュービクル(6,600Vで受電してトランスで降圧)。三菱ケミカルの工場はまさに自家用電気工作物。キュービクル新設・増設時は「使用開始後、遅滞なく」届け出る義務がある(工事前ではなく使用開始後という点が落とし穴)。

H30 問2 — 太陽電池発電所の法的取扱い(§38・§48・§51の2)|正答: (3)

WHY接続: 「規制の範囲=設備の危険度で決まる」→ 出力規模によって一般用・自家用・事業用が変わり、適用される手続きが全く異なる

次のa〜dの記述について,適切なものと不適切なものの組合せとして正しいものを選べ。

a. 低圧で受電し,既設の発電設備のない需要家の構内に,出力20kWの太陽電池発電設備を設置する者は,電気主任技術者を選任しなければならない。

b. 高圧で受電する工場等を新設する際に,その受電場所と同一の構内に設置する他の電気工作物と電気的に接続する出力40kWの太陽電池発電設備を設置する場合,これらの電気工作物全体の設置者は,当該発電設備も対象とした保安規程を経済産業大臣に届け出なければならない。

c. 出力1,000kWの太陽電池発電所を設置する者は,当該発電所が技術基準に適合することについて自ら確認し,使用の開始前に,その結果を経済産業大臣に届け出なければならない。

d. 出力2,000kWの太陽電池発電所を設置する者は,その工事の計画について経済産業大臣の認可を受けなければならない。

a b c d
(1) 適切 適切 不適切 不適切
(2) 適切 不適切 適切 適切
(3) 不適切 適切 適切 不適切
(4) 不適切 不適切 適切 不適切
(5) 適切 不適切 不適切 適切

根拠: a=出力20kW太陽光は50kW未満=一般用電気工作物→主任技術者不要(不適切)。b=高圧受電設備と同一構内・電気的接続→全体が自家用→保安規程届出必要(適切)。c=10kW以上2,000kW未満の太陽電池=使用前自己確認・届出義務(§51の2)(適切)。d=2,000kW以上は工事計画の「届出」(§48)であり「認可」(§47)ではない(不適切)。

🏭 現場イメージ: 工場屋根に太陽光パネルを設置する場面が現場でも増えている。出力50kW未満なら一般用なので主任技術者不要。50kW以上なら自家用または事業用扱いになり、キュービクルと一体で保安規程・主任技術者が必要になる。d)の「2,000kWは認可」は典型ひっかけ——この規模でも「届出」で足りる。認可(§47)が必要なのは17万V以上・1万kW以上の特別大型設備だけ。

R03 問1 — 一般用電気工作物の調査義務(§57)|正答: (4)

WHY接続: 「一般家庭には専門知識がない」→ だから電力会社が調査する義務を負う。❌「設置者が調査する」は頻出ひっかけ

次の文章は,「電気事業法」に基づく調査の義務に関する記述である。

a) 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者(以下「(ア)」という。)は,その一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし,その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき,その所有者又は(イ)の承諾を得ることができないときは,この限りでない。

b) (ア)又はその委託を受けた登録調査機関は,調査の結果,一般用電気工作物が前項の経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,遅滞なく,その技術基準に適合するようにするためとるべき(ウ)及びその(ウ)をとらなかった場合に生ずべき結果をその所有者又は(イ)に通知しなければならない。

c) 低圧屋内電路の絶縁抵抗測定が困難な場合において,当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が(エ) mA以下であること。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 一般送配電事業者等 占有者 措置 2
(2) 電線路維持運用者 使用者 工事方法 1
(3) 一般送配電事業者等 使用者 措置 1
(4) 電線路維持運用者 占有者 措置 1
(5) 電線路維持運用者 使用者 工事方法 2

根拠: 第57条。調査主体は「電線路維持運用者」(=電力会社等)。漏えい電流は1mA以下。

🏭 現場イメージ: 一般家庭の分電盤・屋内配線が技術基準に適合しているかを確認するのは電力会社(中国電力・関西電力等)の仕事。4〜5年に1回、電力会社の調査員が家に来てブレーカー・アース等を点検する「法定調査」がこれ。「自分で点検する義務はない」が正解。漏えい電流1mAは絶縁劣化の境界値として覚える。


🟡 省令層 — 何を守るか

WHY: 保安規程の記載事項(6項目)/ 工事計画の届出・認可の区分 (施行規則第50条・第62条)

→ だからこう問われる: 法律が「保安規程を定めよ」と言い、省令が「具体的にこの項目を書け」と定める。その具体的な記載事項を穴埋めで問う

R05下期 問1 — 保安規程に定める事項(施行規則§50)|正答: (4)|⭐⭐標準

WHY接続: 法律は「保安規程を定めよ」(42条)、省令は「具体的にこの6項目を書け」(施行規則50条)。抽象→具体の階層構造そのもの

次の文章は,「電気事業法施行規則」に基づく,自家用電気工作物を設置する者が保安規程に定めるべき事項の一部である。

a) 自家用電気工作物の工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の (ア) に関すること。

b) 自家用電気工作物の工事,維持又は運用に従事する者に対する (イ) に関すること。

c) 自家用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安のための (ウ) 及び検査に関すること。

d) 自家用電気工作物の運転又は操作に関すること。

e) 発電所又は蓄電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。

f) 災害その他非常の場合に採るべき (エ) に関すること。

g) 自家用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安についての (オ) に関すること。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 権限及び義務 勤務体制 巡視,点検 指揮命令 記録
(2) 職務及び組織 勤務体制 整備,補修 措置 届出
(3) 権限及び義務 保安教育 整備,補修 指揮命令 届出
(4) 職務及び組織 保安教育 巡視,点検 措置 記録
(5) 権限及び義務 勤務体制 整備,補修 指揮命令 記録

根拠: 施行規則第50条。覚え方: 「職保巡措記」(職務・保安教育・巡視点検・措置・記録)

🏭 現場イメージ: 三菱ケミカルの工場で実際に作成している「電気保安規程」がまさにこれ。ア)職務及び組織=「誰が主任技術者で誰が補助者か」の組織図、イ)保安教育=「年1回低圧電気取扱の特別教育を実施」、ウ)巡視点検=「月1回キュービクル点検・年1回停電点検」、エ)措置=「台風時・地震時の対応手順」、オ)記録=「点検記録簿を5年間保存」。試験でa)〜g)の穴を問われたら「自分の工場の保安規程を思い浮かべる」と記憶に残る。

R02 問1 — 発電事業用の保安規程(施行規則§50)|正答: (1)ハ (2)ホ (3)ヲ (4)ヘ (5)ワ|⭐⭐⭐難

WHY接続: 同じ施行規則50条だが、発電事業者版はPDCAサイクル(計画・実施・評価・改善)が加わる。設備規模が大きい=管理の厳格さも上がる

次の文章は,「電気事業法施行規則」に基づく,発電事業の用に供する事業用電気工作物を設置する者が保安規程に規定すべき事項の一部である。

b) (1) の職務の範囲及びその内容並びに (1) が保安の監督を行う上で必要となる権限及び組織上の位置付けに関すること。

c) 事業用電気工作物の工事,維持又は運用を行う者に対する (2) に関すること。

d) 発電用の事業用電気工作物の工事,維持又は運用に関する保安を計画的に実施し,及び改善するための措置であって,保安についての方針及び体制,計画,実施,(3) 並びに改善に関すること。

e) 発電用の事業用電気工作物の保安に係る (4) の内容及びその重要度に応じた管理に関すること。

f) 発電所の運転を相当期間停止する場合における (5) に関すること。

記号 語句 記号 語句
(イ) 保安要員の確保 (チ) 技術員
(ロ) 文書 (リ) 主任技術者の代務者
(ハ) 主任技術者 (ヌ) 記録
(ニ) 経営責任者 (ル) 報告
(ホ) 保安教育 (ヲ) 評価
(ヘ) 外部からの物品又は役務の調達 (ワ) 保全の方法

根拠: 施行規則第50条(発電事業者版)。(3)の「評価」がPDCAのCheck。R05下期(自家用版)との違いを比較すると理解が深まる。

🏭 現場イメージ: 工場内に自家用発電設備(非常用発電機・コージェネ等)を持つ事業者向けの版。自家用版と比べて「PDCAサイクル」「外部調達管理」が追加されている。(4)の「外部からの物品又は役務の調達」=電気設備工事を外注業者に発注するときの管理手順のこと。発電事業者レベルになるとサプライチェーン管理まで保安規程に書く必要がある。


🟢 告示層 — どうやって守るか

WHY: 保安規程=届出のみ / 工事計画=届出(30日前)or 認可(1万kW・17万V以上) (第42条第47条第48条

→ だからこう問われる: 手続きの種類(届出・認可・承認)と、設備規模に応じた規制緩和の条件を判定させる

R04上期 問1 — 受電電圧7000V以下の保安体系(§43・施行規則§52)|正答: (4)|⭐⭐標準

WHY接続: 「届出=出せばOK」vs「認可=許可待ち」。手続きの重さが設備リスクに比例する設計

受電電圧7,000V以下の需要設備の保安体系に関する空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる語句の組合せとして,正しいものを選べ。

  • (ア): 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者
  • (イ): (ア)が調査業務を委託できる,経済産業大臣の登録を受けた者
  • (ウ): 事業用電気工作物の設置者が定め届け出る,工事・維持・運用に関する保安を確保するための文書
  • (エ): 経済産業大臣が自家用電気工作物設置者等に対して業務状況に関し報告または資料をさせることができる行為
(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 所有者又は占有者 登録調査機関 検査要領書 提出
(2) 電線路維持運用者 電気主任技術者 検査要領書 作成
(3) 所有者又は占有者 電気主任技術者 保安規程 作成
(4) 電線路維持運用者 登録調査機関 保安規程 提出
(5) 電線路維持運用者 登録調査機関 検査要領書 作成

根拠: 第43条・第57条・施行規則§52。保安体系の全体像を図で問う問題。R03問1(政令層)と同じ「電線路維持運用者」が登場する点に注意。

🏭 現場イメージ: 受電電圧7,000V以下の需要設備=三菱ケミカルの工場キュービクル(6,600V受電)がまさにこれ。ア)電線路維持運用者=中国電力ネットワーク等の配電会社、イ)登録調査機関=電力会社から委託を受けた点検業者、ウ)保安規程=工場の電気保安規程、エ)提出=経産大臣への書類提出。「誰が何をどこに」の全体像を図で理解すると選択肢がすぐ絞れる。

H28 問1 — 主任技術者を選任しなくてよい条件(施行規則§52)|正答: (2)|⭐⭐⭐難

WHY接続: 「リスクが低ければ規制を緩和する」→ 全設備一律ではなく、危険度に応じた段階的規制

次のa〜dの事業場について,電気主任技術者を選任しなくてよい場合に「適切」,選任しなければならない場合に「不適切」として,正しい組合せを選べ。

事業場 内容
a 電圧22,000Vで送電線路と連系する出力2,000kWの内燃力発電所
b 電圧6,600Vで送電する出力3,000kWの水力発電所
c 電圧6,600Vで配電線路と連系する出力500kWの太陽電池発電所
d 電圧6,600Vで受電する需要設備
a b c d
(1) 適切 不適切 適切 適切
(2) 不適切 不適切 適切 適切
(3) 適切 不適切 不適切 適切
(4) 不適切 適切 適切 不適切
(5) 適切 適切 不適切 不適切

根拠: 施行規則§52第2項。a=22kV超で不可、b=水力3,000kW(上限2,000kW未満)で不可、c=太陽光500kW(上限5,000kW未満)でOK、d=6.6kV需要設備でOK。電圧と発電種別ごとの出力上限がポイント。

🏭 現場イメージ: d)の「6,600V受電の需要設備」=まさに工場キュービクル。受電電圧7,000V以下かつ小規模なら主任技術者を自分で選任しなくても、保安管理業務を専門の保安法人(電気保安協会等)に外部委託できる。年間数十万円の委託費で済むため中小工場はこのルートが多い。ただし22kVの特別高圧設備(a)は危険度が高いため外部委託不可。


🔵 規格層 — 実務では?

WHY: 4法の対象:設備(事業法)・人(工事士法)・業者(工事業法)・製品(用品安全法)

→ だからこう問われる: まず事業法の中で事業者をどう分類するかを問い、4法比較の土台を確認させる

R01 問1 — 電気事業の定義と登録・許可(§2)|正答: (1)|⭐⭐標準

WHY接続: 「設備・人・業者・製品を別の法律で管轄」→ まず事業法内での事業者分類を押さえないと4法比較の土台が作れない

次の文章は,「電気事業法」に基づく電気事業に関する記述である。

小売供給とは,(ア)の需要に応じ電気を供給することをいい,小売電気事業を営もうとする者は,経済産業大臣の(イ)を受けなければならない。小売電気事業者は,正当な理由がある場合を除き,その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な(ウ)能力を確保しなければならない。

一般送配電事業とは,自らの送配電設備により,その供給区域において,(エ)供給及び電力量調整供給を行う事業をいい,その供給区域における最終保障供給及び離島の需要家への離島供給を含む。一般送配電事業を営もうとする者は,経済産業大臣の(オ)を受けなければならない。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 一般 登録 供給 託送 許可
(2) 特定 許可 発電 特定卸 認可
(3) 一般 登録 発電 特定卸 許可
(4) 一般 許可 供給 特定卸 認可
(5) 特定 登録 供給 託送 認可

根拠: 第2条・第2条の2・第3条。小売=登録(参入しやすい)、送配電=許可(インフラなので厳格)。この軽重の違いがWHYの「リスクに応じた規制」と直結する。

🏭 現場イメージ: 三菱ケミカルが電気を買う相手が「小売電気事業者」(例: 中部電力ミライズ・エネット等)。小売は電力自由化で多数の会社が参入できる=登録制。電気を運ぶ送電線・変電所を管理するのが「一般送配電事業者」(例: 中国電力ネットワーク)。送電インフラは一社独占のライフライン=許可制(厳格)。「登録か許可か」は「民間サービスかインフラか」で判断すると迷わない。

R06下期 問2 — 電気工事士法・資格と作業範囲(電気工事士法§3)|正答: (3)

WHY接続: 4法のうち「人(工事士法)」の規格層。どの資格でどの工事ができるかが実務の土台——試験もここを狙う

「電気工事士法」で規定されている電気工事の作業内容に関する記述として,不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ

(1) 最大電力250kWの需要設備(自家用電気工作物)の電気工事において,第一種電気工事士は,その作業に従事することができる。

(2) 一般用電気工作物の電気工事において,第二種電気工事士は,出力3kWの太陽電池発電設備の電気工事の作業に従事することができる。

(3) 最大電力250kWの需要設備(自家用電気工作物)の電気工事において,第一種電気工事士は,その設備の出力50kWの非常用予備発電装置の発電機に係る電気工事の作業に従事することができる。

(4) 一般用電気工作物の電気工事において,第二種電気工事士は,ネオン用として設置されるネオン用分電盤の電気工事の作業に従事することができる。

(5) 最大電力250kWの需要設備(自家用電気工作物)の電気工事において,認定電気工事従事者は,200Vで使用する電動機に電線をねじ止めで接続する電気工事の作業に従事することができる。

根拠: (3)が不適切。非常用予備発電装置の発電機工事は「特殊電気工事」に該当し、第一種電気工事士では不可。別途特種電気工事資格者(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)の資格が必要。(4)のネオン用分電盤は第二種で可(ネオン放電灯工事そのものではないため)。

🏭 現場イメージ: 三菱ケミカルの工場で非常用発電機(ディーゼル発電機)の電気工事を外注するとき、発注先の資格確認が必要。「第一種電気工事士持ってます」だけでは非常用発電装置の発電機本体の電気工事はできない——特種電気工事資格者が必要。4法の「人(工事士法)」が実務で直結するポイント。


🧠 概念・趣旨

電気事業法は電気の安全と安定供給を目的とする母法。法規科目の問1〜2はほぼ毎年この体系から出題される。

  • 電気工作物の分類が最重要 — 分類によって適用される規制(届出・主任技術者・保安規程等)が全く異なる
  • 電気事業法=「設備」の規制、電気工事士法=「人」の規制、電気工事業法=「業者」の規制、電気用品安全法=「製品」の規制
  • 4つの法律の管轄対象の違いを正確に区別することが合格の鍵

⚡ 試験直前カード

試験会場で最後に見る用。これだけ覚えて入室すれば1〜2問取れる。

┌─────────────��───────────────────────────────┐
│  4法: 設備→事業法 / 人→工事士 /             │
│        業者→工事業 / 製品→用品安全           │
│                                               │
│  分類: 一般(600V↓) → 小規模 →               │
│        自家用(高圧↑) → 電気事業用            │
│        ※ 事業用 = 自家用 + 電気事業用        │
│                                               │
│  条文: 39維持 42保安規程 43主任技術者         │
│        47認可(大規模) 48届出(30日前)          │
│                                               │
│  落穴: 事業用 ≠ 電気事業用                   │
│        57条調査 = 電力会社が調査する          │
│        保安規程 = 届出(認可ではない)        │
│  保安規程6項目: 職保巡措記                    │
│  (職務・保安教育・巡視点検・措置・記録)     │
└─────────────────────────────────────────────┘
  • 工作物の分類: 一般用(600V以下受電)→ 小規模事業用(太陽光10kW以上50kW未満等)→ 自家用(高圧以上受電)→ 電気事業用
  • 4法の対象: 事業法=設備、工事士法=人、工事業法=業者、用品安全法=製品
  • 必須条文: 39条(維持義務)、42条(保安規程)、43条(主任技術者)、48条(工事計画届出)

🔍 技術翻訳表

条文の表現 現場で言うと 物理で言うと
一般用電気工作物(法第38条) 一般家庭・小規模店舗の設備 600V以下受電で構内に設置。系統への影響が小さく専門管理不要な範囲 ✅
自家用電気工作物(法第38条) キュービクル持ちの工場・ビル 高圧以上で受電。系統事故の影響が広範なため専門家による保安管理が必要
事業用電気工作物の維持義務(法第39条) 「技術基準を守り続けろ」という義務 経年劣化・環境変化に応じて設備状態を基準に適合させ続ける継続的義務
技術基準適合命令(法第40条) 「基準違反を直せ」という行政命令 経産大臣が修理・改造・移転・使用制限等を命じる。従わなければ罰則 ✅
保安規程の届出(法第42条) 「うちの安全管理ルールを書類にして出す」 技術基準は"何を守るか"、保安規程は"どう運用するか"を各事業場ごとに具体化
主任技術者の選任(法第43条) 「有資格者を保安責任者として届け出る」 設備規模に応じた免状種別の者が保安監督。不在では設備を運転できない
主任技術者の兼任・外部委託(法第43条) 「他の事業場の主任技術者に兼ねてもらう」 一定要件を満たす場合のみ認められる。無資格者が主任技術者業務をすると違法 ✅
工事計画の届出(法第48条) 「高圧以上の設備を作る前に書類を出す」 一定規模以上の工事は施工前30日前までに届出。認可不要だが無届け工事は違法 ✅
一般用電気工作物の調査義務(法第57条) 「電力会社が一般家庭の設備を定期的に点検する義務」 一般送配電事業者等が、受電設備が技術基準に適合しているか定期的に調査する義務。調査主体は設置者ではなく電力会社等である点が頻出落とし穴 ✅
セルフチェック: 57条の調査義務は誰が負う?

電力会社(電線路維持運用者)が負う。設置者(一般家庭)ではない。これは頻出ひっかけ。


📊 比較表

電気工作物の分類

🔰 そもそも「電気工作物」って何?

電気工作物 = 発電・変電・送電・配電・電気使用のために設置する機械・器具・電線路のすべて。

  • あなたの家のコンセント・ブレーカー・屋内配線 → 電気工作物
  • 工場のキュービクル・高圧ケーブル・動力盤 → 電気工作物
  • 電力会社の発電所・送電線・変電所 → 電気工作物

全部「電気工作物」。ただし規制の重さが全然違う。 その違いを決めるのが以下の「種別」。

ツリー構造 — まずこれを頭に入れる

graph TD
    A[電気工作物<br>電気に関わる設備すべて] --> B[一般用電気工作物<br>規制ゆるい]
    A --> C[事業用電気工作物<br>規制きびしい]
    C --> D[電気事業者用<br>電力会社の設備]
    C --> E[自家用電気工作物<br>電力会社以外の高圧設備]

    B -.- B1[例: 自宅・コンビニ<br>住宅用太陽光]
    D -.- D1[例: 火力発電所<br>変電所・送電線]
    E -.- E1[例: 工場・病院<br>大型ビル・商業施設]

    style A fill:#e8eaf6
    style B fill:#c8e6c9
    style C fill:#ffcdd2
    style D fill:#ffcdd2
    style E fill:#ffcdd2

🕳️ 受験者が最初にハマる構造の誤解

「一般用」と「事業用」は 対等な2分類。「事業用」の中に「電気事業者用」と「自家用」がある。3段階ではなく、2段階のツリー構造

よくある混同3パターン

# 混同 正しい理解
1 「事業用」=電力会社の設備でしょ? ❌ 事業用は一般用以外すべて。工場も病院も事業用。電力会社の設備は事業用の一部(電気事業者用)
2 工場は「事業」をしてるから「電気事業者用」? ❌ 「電気事業者用」は電気を作って売る会社(東電・関電等)の設備のみ。工場は自家用
3 「一般用」=一般家庭のこと? ⚠ 家庭だけじゃない。コンビニ・小規模店舗・太陽光50kW未満も一般用。600V以下で受電+小出力発電が条件

種別で義務が激変する(なぜ分類が重要か)

義務 一般用 小規模事業用 自家用 電気事業者用
電気主任技術者 ❌ 不要 ❌ 不要(届出のみ) ✅ 必須 ✅ 必須
保安規程 ❌ 不要 基礎的保安義務のみ ✅ 必須 ✅ 必須
工事計画届出 ❌ 不要 ❌ 不要 一定規模以上で必要 必要
事故報告 ❌ 不要 ✅ 必須 ✅ 必須
定期点検 電力会社が4年に1回調査 技術基準適合維持 自分で 月次+年次 自社+国の立入検査

🎯 試験での使われ方

「〇〇の場合、主任技術者の選任は必要か?」→ まず種別を判定 → 一般用なら不要、自家用なら必要。種別判定がすべての法規問題の出発点。

種別判定フローチャート

flowchart TD
    S[設備を判定] --> Q1{受電電圧は<br>600V超か?}
    Q1 -->|YES| JK[自家用電気工作物<br>主任技術者・保安規程 必須]
    Q1 -->|NO| Q2{発電設備<br>あるか?}
    Q2 -->|NO| IP[一般用電気工作物<br>規制ゆるい]
    Q2 -->|YES| Q3{出力は閾値以上?<br>太陽光50kW / 風力20kW<br>水力20kW / 内燃10kW}
    Q3 -->|YES| JK
    Q3 -->|NO| IP

    style JK fill:#ffcdd2
    style IP fill:#c8e6c9

小出力発電設備の閾値(一般用に留まる上限)

発電種別 出力上限 備考
太陽光発電 50kW未満 2016年改正で10kW→50kWに拡大
風力発電 20kW未満
水力発電 20kW未満 ダムなし・最大使用水量1m³/s未満
内燃力・燃料電池 10kW未満

🧠 数字の覚え方

「太陽光50・風水力20・内燃10」— 3段階の閾値。この数字以上になった瞬間、自家用電気工作物に昇格し、主任技術者・保安規程が必要になる。

セルフチェック: 次の設備はどの種別?
  1. 自宅に設置した太陽光パネル(出力4.5kW)→ 一般用(50kW未満)
  2. 工場で6,600Vを受電するキュービクル → 自家用(600V超で受電)
  3. 東京電力の火力発電所 → 電気事業者用
  4. コンビニ(低圧100V/200Vで受電)→ 一般用
  5. 屋根に太陽光パネル55kWを載せた倉庫 → 自家用(50kW以上)

電気関連4法の比較

法律 規制対象 目的 所管
電気事業法 電気工作物(設備) 安全確保・安定供給 経産省 ✅
電気工事士法 工事を行う「人」 工事の欠陥防止 経産省 ✅
電気工事業法 工事を行う「業者」 業務の適正化 経産省 ✅
電気用品安全法 電気用品(製品) 製品の安全性確保 経産省 ✅

電気事業法の主要条文マップ

条文 内容 出題頻度
第2条 定義(電気事業者の種類)✅ ★★★★☆
第38条 電気工作物の定義・分類(一般用・自家用・電気事業用)✅ ★★★★☆
第39条 事業用電気工作物の維持(技術基準適合義務)✅ ★★★★★
第40条 技術基準適合命令 ✅ ★★★★☆
第42条 保安規程 ★★★★★
第43条 主任技術者の選任 ✅ ★★★★★
第44条 主任技術者の資格 ✅ ★★★★☆
第47条 工事計画の認可(特別高圧等の大規模工事)✅ ★★★☆☆
第48条 工事計画の届出(30日前)✅ ★★★★☆
第51条 使用前自主検査 ✅ ★★★☆☆
第57条 一般用電気工作物の調査義務(電力会社等による定期調査)✅ ★★★☆☆

条文別 手続き種類一覧(届出 / 認可 / 報告)

条文 手続き種類 対象 期限・タイミング 届出先
第42条 届出 自家用電気工作物設置者 使用開始前(変更時も届出) 経産大臣(実務上は産業保安監督部長に権限委任)✅
第43条 届出 自家用電気工作物設置者 選任後遅滞なく ✅ 経産大臣(産業保安監督部長)✅
第43条(兼任) 承認 自家用電気工作物設置者 兼任前に申請・承認取得 ✅ 経産大臣 ✅
第47条 認可 電気事業用・特別高圧自家用設置者 ✅ 工事開始前(認可が降りるまで着工不可)✅ 経産大臣 ✅
第48条 届出 一定規模以上の自家用電気工作物設置者 ✅ 工事開始30日前まで ✅ 経産大臣(産業保安監督部長)✅
電気関係報告規則 報告(速報) 電気事業者・自家用電気工作物設置者 事故発生後24時間以内 産業保安監督部長 ✅
電気関係報告規則 報告(詳報) 電気事業者・自家用電気工作物設置者 事故発生後30日以内 産業保安監督部長 ✅

ポイント: 届出は提出すれば効力発生、認可は許可が降りるまで着工不可、報告は事後の義務。47条と48条の「届出 vs 認可」の区別が頻出落とし穴。

条文マスターテーブル

条文番号→内容→手続き→出題頻度を1つの表で横断参照できる統合版。

条文 内容 手続き 対象・期限 出題頻度
第2条 電気事業者の種類(小売=登録, 送配電=許可) ★★★★☆
第38条 電気工作物の定義・分類 一般用/自家用/電気事業用 ★★★★☆
第39条 技術基準適合義務(継続的義務) 事業用電気工作物設置者 ★★★★★
第40条 技術基準適合命令 命令 経産大臣→設置者 ★★★★☆
第42条 保安規程 届出 使用開始前。変更時も届出 ★★★★★
第43条 主任技術者の選任 届出 選任後遅滞なく ★★★★★
第43条 主任技術者の兼任 承認 兼任前に申請 ★★★☆☆
第47条 工事計画の認可 認可 大規模工事。認可まで着工不可 ★★★☆☆
第48条 工事計画の届出 届出 工事開始30日前まで ★★★★☆
第51条 使用前自主検査 検査 事業用電気工作物 ★★★☆☆
第57条 調査義務(電力会社が調査) 調査 一般用電気工作物 ★★★☆☆
報告規則 事故報告(速報) 報告 24時間以内 ★★☆☆☆
報告規則 事故報告(詳報) 報告 30日以内 ★★☆☆☆
セルフチェック: 47条と48条の違いを3秒で言えるか?
  • 47条 = 認可(許可が降りるまで着工不可。大規模工事)
  • 48条 = 届出(30日前に届ければ着工OK。一定規模以上)

言えなかったら → 頻出論点と落とし穴の🔴#2を再読。


🕳️ 頻出論点と落とし穴

危険度ランク: 🔴致命(間違えると連鎖的に失点)/ 🟡要注意(単発で1問落とす)/ 🟢知っておくと安心

  1. 🔴 🎯 「事業用」=「電気事業用」と混同する

    • 事業用電気工作物 = 電気事業用 + 自家用。工場のキュービクルは「自家用」でも「事業用」に含まれる
    • 一般用の反対が事業用。電気事業用は事業用の一部にすぎない
    • なぜ致命: この分類を間違えると、保安規程・主任技術者・工事計画すべての適用判断が狂う
  2. 🔴 🎯 届出(48条)と認可(47条)を混同する

    • 47条(工事計画の認可): 特別高圧など大規模工事は工事開始前の認可が必要 ✅
    • 48条(工事計画の届出): 一定規模以上の高圧工事は届出のみ(工事開始30日前までに届出)✅
    • 「届出なのに30日待たなければ動けない」という点で認可と実質的に近い運用になる
    • なぜ致命: 手続き種類の正誤が選択肢の決め手になる問題が毎年出る
  3. 🟡 🎯 保安規程の届出先・効力発生タイミングを間違える

    • 自家用電気工作物の使用開始前に経産大臣へ届出(実務上は所轄の産業保安監督部長)✅
    • 届出後ただちに効力発生。変更時も届出必要。違反には罰則あり
  4. 🟡 🎯 主任技術者の「選任」と「許可」の使い分け

    • 原則は選任(届出のみ)。経産大臣への届出で足りる
    • 兼任・外部委託・不選任(保安管理業務外部委託)は別途承認・許可が必要 ✅
    • 「主任技術者を置くのに許可は不要」という論点がよく出る
  5. 🟡 🎯 技術基準適合義務(39条)は継続的義務であることを見落とす

    • 工事完了時だけでなく「常時」技術基準に適合させ続けなければならない
    • 経年劣化や環境変化で基準を下回った場合も義務違反になる点が重要
  6. 🟡 🎯 第57条(調査義務)の主体を「設置者」と混同する

    • 調査義務を負うのは一般送配電事業者等(電力会社)であり、設置者(一般家庭等)ではない
    • 「一般用電気工作物の設置者が調査しなければならない」は誤り。あくまで電力会社側が調査に来る制度
    • 調査を拒否した設置者には罰則あり(電力会社の調査を妨害することの禁止)
  7. 🟢 🎯 電気関係報告規則の報告期限を曖昧にする

    • 感電死亡等の重大事故:事故発生後24時間以内に速報、その後30日以内に詳報 ✅
    • 電力会社と自家用では対象となる事故の範囲が異なる ✅
セルフチェック: 🔴致命の2項目を即答できるか?
  • 事業用 vs 電気事業用: 事業用 = 一般用以外すべて。電気事業用は事業用の一部。自家用も事業用に含まれる。
  • 47条 vs 48条: 47条 = 認可(許可待ち)。48条 = 届出(30日前に出せば着工OK)。

📝 出題実績

年度 形式 何が問われたか 条文
R05上 問1 論説 ✅ 主任技術者の選任・職務・外部委託制度 ✅ 第43条・施行規則第52条 ✅
R05下 問1 穴埋め ✅ 自家用電気工作物設置者が保安規程に定める事項 ✅ 施行規則第50条 ✅
R04上 問1 穴埋め ✅ 受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系 ✅ 第43条・施行規則第52条 ✅
R03 問1 穴埋め ✅ 一般用電気工作物の調査義務 ✅ 第57条 ✅
R02 問1 穴埋め ✅ 発電事業用電気工作物の保安規程に規定すべき事項 ✅ 施行規則第50条 ✅
R01 問1 穴埋め ✅ 電気事業(一般送配電・小売等)の定義と登録・許可 ✅ 第2条・第2条の2・第3条 ✅
H30 問1,2 穴埋め・論説 ✅ 問1:自家用電気工作物の定義、問2:太陽電池発電所の法的取扱い ✅ 第38条・第42条・第43条 ✅
H29 問1 穴埋め ✅ 事業用電気工作物の技術基準への適合義務・適合命令 ✅ 第39条・第40条 ✅
H28 問1 論説 ✅ 主任技術者を選任しなくてよい自家用電気工作物の条件(出力・電圧要件)✅ 施行規則第52条第2項 ✅

📌 上記は代表例。実際にはほぼ毎年問1〜2で出題(11年間で22回程度)。R05以降は上期・下期の2回試験制。各行は電験王3サイト等の一次資料で確認済み ✅

📈 出題傾向: R04以降、保安規程(42条・施行規則50条)と主任技術者(43条)の出題が交互に繰り返されている。R01〜R03は定義・分類系(2条・38条・57条)が多かった。次回は第2条(事業者定義)or 第48条(工事計画届出)が狙い目。


🔗 混同注意


Level 2: 物理的背景 🔬
  • なぜ600Vで一般用と自家用を分ける?: 600V以下は感電リスクが相対的に低く、一般人でも安全に使用可能な範囲。高圧以上は専門家による保安管理が必要 ✅
  • なぜ保安規程が必要?: 技術基準は「何を守るか」を定めるが、「どう運用するか」は事業場ごとに異なる。保安規程は各事業場の実態に合わせた安全管理体制を文書化するもの
Level 3: 設計パラメータ 📐
  • 工事計画届出が必要な電圧・出力の閾値: 需要設備は受電電圧10kV以上(施行規則第65条別表第2)✅
  • 使用前自主検査・使用前自己確認の対象設備の区分(第51条・第51条の2)✅
  • 電気関係報告規則における事故区分と報告期限: 速報24時間以内・詳報30日以内。雷・台風等の自然現象が原因の一部事故は速報のみ ✅

⚠️ このページでカバーしていない論点

このページは電気事業法の「体系」を扱う。以下の詳細は個別ページを参照:


最終確認: 2026-03-30 | ステータス: v1.0 完全版 | バージョニング基準


🕳️ 試験での出題パターン

よくある聞かれ方

  • 「電気事業法の目的として正しいものはどれか」(条文の言い回しで正誤判定)
  • 「保安規程を定めなければならない電気工作物はどれか」(適用範囲)
  • 「主任技術者の選任義務がある設備はどれか」(規模・種類による要否)
  • 「保安管理業務の外部委託が認められる条件はどれか」

典型ひっかけ

  • ❌ 「電気事業法は電気の安定供給のみを目的とする」→ ⭕ 需要者の利益保護・環境保全も含む
  • ❌ 「自家用電気工作物すべてに主任技術者の選任義務がある」→ ⭕ 規模・種類による
  • ❌ 「保安規程は経済産業大臣の認可が必要」→ ⭕ 届出(認可ではない)
  • ❌ 「外部委託と兼任は同じ要件」→ ⭕ 要件は別々

🧠 なぜこの規制があるのか(物理的・制度的直感)

  • 電気は目に見えず、事故が起きてから気づく設備。だから事前に保安体制を義務づける仕組み(保安規程・主任技術者)が必要
  • 自家用電気工作物は一般電気工作物より高圧・大容量 → 危険度が高い分、規制が厳しい
  • 外部委託は「技術力のある専門機関に任せる」代替手段 → 要件(規模・契約)が厳格なのは代替の信頼性を担保するため

✏️ このページを読んだら解く過去問

  • R06 問1 — 電気事業法の目的・用語定義
  • R04 問2 — 主任技術者の選任・兼任
  • R02 問1 — 保安規程の届出・記載事項