✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
遮断器・断路器¶
30秒まとめ¶
VCB(真空遮断器)は高圧回路の開閉・保護の主役。断路器は必ずVCBをオフにしてから操作する(鉄則)。開閉サージは変圧器やモーターを傷める原因となるためサージアブソーバが重要。
VCB(真空遮断器)の動作原理¶
高真空中(10⁻⁴ Pa 以下)でアークを発生させ、電流ゼロ点で真空の高絶縁性により急速に消弧する。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 消弧方式 | 真空中の電流ゼロ点での急消弧 |
| 遮断能力 | 定格遮断電流の確認が必要(通常 12.5〜40 kA) |
| 維持管理 | 真空バルブの真空度点検が必要(定期的に) |
| 耐用年数 | 機械的寿命(開閉回数):10,000〜20,000 回 |
| サージ発生 | 截断電流によるサージ電圧が発生する |
開閉サージとサージアブソーバ¶
開閉サージの発生メカニズム¶
VCBがアークを急激に截断する際、回路のインダクタンス(L)と回路のキャパシタンス(C)が共振して過電圧が発生する。
サージ電圧(理論値) ≒ 系統電圧 × √(L/C)
特にモーター・変圧器の起動・停止時に最も高いサージが発生する。
サージアブソーバの設置¶
| 設置箇所 | 種類 | 目的 |
|---|---|---|
| VCB 二次側(変圧器・モーター端子近傍) | RC サージアブソーバ | 開閉サージ吸収 |
| 特高変電所入口 | 避雷器(LA) | 雷サージ吸収 |
| 6.6kV フィーダー | 避雷器(LA) | 系統サージ吸収 |
断路器操作の鉄則¶
断路器の操作順序を絶対に守る
断路器(DS)はアーク消弧能力がほぼゼロ。電流が流れている状態で操作すると激しいアークが発生し、重大な事故につながる。
停電(開放)手順:
1. VCB を開く(電流を遮断)
2. VCB が開路したことを確認(表示灯・機械的インジケータ)
3. 断路器を開く
投入(充電)手順:
1. 断路器を閉じる
2. 断路器が完全に閉じたことを確認
3. VCB を閉じる
遮断容量の確認¶
遮断器の定格遮断電流(kA)が、設置点での短絡電流(kA)以上であること。
設置点の短絡電流(kA) = 系統短絡容量(MVA) / (√3 × 定格電圧(kV))
変圧器増設時の再確認
変圧器の増設・並行運転を行うと系統の短絡電流が増加する。 既設遮断器の遮断容量を超えていないかを再計算すること。
接点・真空バルブの点検項目¶
真空バルブの真空度点検¶
真空度が劣化すると遮断性能が低下する。点検はハイポット(高圧絶縁試験器)で試験電圧をかけ、放電の有無で判定する。製造メーカーの試験手順に従う。
接点の摩耗確認¶
各開閉動作で接点は少しずつ摩耗する。接点の残存寿命は接点ギャップ(ストローク)の測定で確認する。許容値はメーカー仕様書に記載。
| 点検項目 | 点検周期 | 判定基準 |
|---|---|---|
| 真空度 | 3〜5年ごと | メーカー基準値以上 |
| 接点摩耗量 | 3〜5年ごと | メーカー許容値以内 |
| 操作コイル電圧 | 年1回 | 定格の 85〜110% |
| 絶縁抵抗 | 年1回 | 1000 MΩ 以上(500V メガー) |
投入・解放のインターロック確認¶
| インターロック | 目的 |
|---|---|
| VCB 開路確認なしに DS 操作不可 | 断路器の誤操作防止 |
| 断路器閉路確認なしに VCB 投入不可 | 接続未確定での投入防止 |
| 母線 PT 電圧確認 | 停電確認なしの投入防止 |
| アース開路確認 | 接地状態での投入防止 |
インターロック回路の変更・バイパスは変更管理(MOC)手続きを経ること。絶対に無断でバイパスしない。