✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
高圧ケーブル¶
30秒まとめ¶
6.6kV 回路の標準は CV(架橋ポリエチレン絶縁)ケーブル。許容電流は布設条件で大きく変わる。水トリーイングによる絶縁劣化が高圧ケーブルの主要劣化メカニズム。定期的な絶縁診断が必須。
CV と CVT の違い¶
| 項目 | CV | CVT |
|---|---|---|
| 構造 | 3芯一括 | 3芯を撚り合わせたトリプレックス形 |
| 可とう性 | 低い(径が太い) | 高い(取り扱いやすい) |
| 熱放散 | やや劣る | 良好 |
| 接続作業 | 比較的容易 | やや複雑 |
| 主な用途 | 短距離・管路布設 | 長距離・屋外架空 |
許容電流と布設条件補正¶
許容電流はケーブルの布設方法によって大きく異なる。
| 布設方式 | 許容電流補正係数の目安 |
|---|---|
| 空中布設(ケーブルラック・架空) | 1.0(基準) |
| 管路布設(コンクリート管路内) | 0.75〜0.85 |
| 直埋(土中埋設) | 0.90〜1.00(土壌熱抵抗率による) |
| 束ね(複数本密集) | 0.8〜0.9(本数・密度による) |
束ね補正の見落としに注意
複数のケーブルを束ねてケーブルラックに並べる場合、相互加熱で許容電流が大きく下がる。 設計時に束ね補正係数を忘れると過負荷・絶縁劣化につながる。
終端処理の種類¶
ストレスコーン方式(旧来型)¶
絶縁体の遮蔽層を段状に切り落とし、ゴム製のストレスコーンを成形して電界集中を緩和する。現地加工が必要。
プレハブ型終端(現在の主流)¶
工場製のゴム製プレハブコネクタを使用。現地で引き伸ばして装着するだけで確実な絶縁処理ができる。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 屋内用(ドライタイプ) | 小型・軽量。清浄な屋内環境向け |
| 屋外用(耐候型) | 耐汚損・防水設計。プラント屋外向け |
| GIS 直結型 | ガス絶縁開閉装置への直結 |
絶縁劣化診断¶
直流耐圧試験¶
試験電圧(kV) = 3 × 系統電圧(kV 線間) / √3 の 1.5〜2.5倍
例:6.6kV系 → 6.6 / √3 × 1.5 = 5.7 kV(参考値。実際は規格・現場状況による)
試験中の漏れ電流を測定し、電圧上昇に対して急激な電流増加がないことを確認する。
直流耐圧後の残留電荷
直流耐圧試験後はケーブルに高電圧の残留電荷が蓄積されている。 接地棒で放電確認(接地後数分待つ)してから触れること。
誘電正接(tan δ)試験¶
誘電正接の値と電圧依存性(チップアップ)から絶縁劣化度を評価する。
| 誘電正接値 | 判定 |
|---|---|
| 0.01 以下 | 良好 |
| 0.01〜0.05 | 要監視 |
| 0.05 以上 | 要交換検討 |
部分放電試験¶
絶縁体内のボイド(空洞)や水トリーに起因する部分放電を検出する。近年は活線状態での高周波測定が普及してきている。
水トリーイング¶
架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁体内に水分が侵入し、電界の繰り返しによって樹枝状の劣化トラック(水トリー)が発展する現象。
劣化進展ルート:
水分侵入 → ボウタイトリー(内部)またはベントトリー(外部から) → 絶縁破壊
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 遮水型ケーブルの採用 | 縦方向の水分浸入を防ぐ金属遮水層付き |
| 接続部の確実な防水処理 | プレハブ型接続材の適切な施工 |
| 定期診断 | 誘電正接・部分放電試験で進展監視 |
布設時の最小曲げ半径¶
ケーブルを過度に曲げると絶縁体・シースが損傷する。
| ケーブル外径 D | 最小曲げ半径 |
|---|---|
| D ≤ 25 mm | 6D 以上 |
| 25 < D ≤ 50 mm | 8D 以上 |
| D > 50 mm | 10D 以上 |
(参考値。メーカー仕様書を必ず確認すること)