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✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当

計装基礎

30秒まとめ

4-20mAは「電流ループ」で信号伝送する業界標準。4mAがゼロスケール(断線と区別できる)、20mAがフルスケール。電圧伝送より耐ノイズ性が高く、長距離伝送に向く。HARTはこのアナログ信号にデジタル通信を重畳する技術。


4-20mAループの仕組み

なぜ4mAがゼロか

電流値 意味
0 mA 断線・電源失
4 mA ゼロスケール(正常な最小信号)
20 mA フルスケール
3.8 mA 以下 アンダーレンジ警報
20.5 mA 以上 オーバーレンジ警報

0mAを「生きている信号」として使わないことで、断線と測定値ゼロを区別できる。これが4-20mAの最大の利点。現場でアラームが出たとき、まず「0mAか否か」を確認する習慣をつける。

ループの電流計算

受信計器の表示値 = (I - 4mA) / 16mA × スパン + ゼロ点

例:0〜100℃ スパン、受信電流12mA の場合

(12 - 4) / 16 × 100 = 50℃


電流伝送 vs 電圧伝送

項目 電流伝送 (4-20mA) 電圧伝送 (1-5V等)
耐ノイズ性 高い 低い
長距離伝送 可(数百m) 不向き(電圧降下)
配線抵抗の影響 受けにくい 受ける
主な用途 フィールド〜DCS間 盤内短距離

電流伝送が耐ノイズ性に優れる理由:ノイズは電圧として乗ってくるが、電流ループでは受信側の入力抵抗両端の電圧誤差にしかならず、電流自体は変化しない。

配線抵抗の上限

ループ電源電圧(通常24V)から伝送器の最低動作電圧(約12V)を引いた残りが許容電圧降下。 許容負荷抵抗 = (24V - 12V) / 0.020A = 600Ω が一般的な上限目安。 受信計器の入力抵抗+ケーブル抵抗の合計がこれを超えないこと。


HART通信の概要

HART(Highway Addressable Remote Transducer)は、4-20mAアナログ信号に1200bpsのデジタル信号をFSK変調で重畳する通信方式。

アナログ信号  4mA ────────────────────── 20mA
デジタル信号  ~~~~波形(1200Hz/2200Hz)~~~~
             同一のケーブル上に共存

HARTでできること

  • 機器情報の読み出し(製造番号・タグ・ステータス)
  • 設定変更(レンジ・単位・減衰)
  • 診断情報の取得(自己診断結果)
  • 複数パラメータの同時取得(最大4変数)

現場での活用

ループキャリブレータ(FLUKE 707 等)にHARTモデムを繋げると、フィールドで伝送器のゼロ・スパン調整や診断ができる。工事・保全作業の効率が大きく上がる。


2線式と4線式

2線式(ループパワード)

[DCS/バリア] ─── (+) ─── [伝送器] ─── (-) ─── [DCS/バリア]
              24VDCを供給         信号電流(4-20mA)を返す
  • 電源と信号を同一の2本のケーブルで賄う
  • 伝送器の消費電力は最大4mA×最低動作電圧で制限される
  • 配線コストが安い → 現場では主流

4線式(セパレートパワード)

信号線  ─ (+) / (-) ─  伝送器
電源線  ─ (+) / (-) ─  伝送器(別電源 100/200VAC または 24VDC)
  • 分析計・ガス検知器・超音波流量計など消費電力の大きい機器に使用
  • 電源と信号が独立しているため、電源電圧の変動が信号に影響しない

P&ID 主要記号一覧

記号 意味
FIC Flow Indicating Controller(流量指示調節計) FIC-101
TIC Temperature Indicating Controller(温度指示調節計) TIC-201
PIC Pressure Indicating Controller(圧力指示調節計) PIC-301
LIC Level Indicating Controller(液位指示調節計) LIC-401
FT Flow Transmitter(流量伝送器) FT-101
TT Temperature Transmitter(温度伝送器) TT-201
PT Pressure Transmitter(圧力伝送器) PT-301
LT Level Transmitter(液位伝送器) LT-401
AI Analog Input(アナログ入力)
AO Analog Output(アナログ出力)
FCV Flow Control Valve(流量調節弁) FCV-101
HV Hand Valve(手動弁)

ISA-5.1 図記号の主要なもの

記号の形 意味
円(○) フィールド設置計器
四角(□) 盤面設置計器
六角(◇) コンピュータ機能
上部に線のある円 盤裏設置(背面アクセス)
実線 空気配管
破線 電気信号配線
二重線 フィールドバス

よくある現場トラブル

断線との区別

DCSのトレンドで突然0%(4mA相当)になったとき、プロセス値が本当にゼロになったのか断線かを確認する。ループチェッカーで実電流を測定する。

アース(シールド)問題

シールドの多点接地によるグラウンドループで、トレンドにノイズが乗ることがある。シールドは片端接地(DCS側)が原則。

負荷抵抗オーバー

安全バリア(本安バリア)を後付けする際、ループ抵抗が増えて伝送器が正常動作しないことがある。増設前にループ抵抗計算を確認する。