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✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当

調節計・記録計

30秒まとめ

DCS に組み込まれていない単独ループに使う単体調節計と、プロセス値の履歴を記録するペーパーレスレコーダ。設定項目が多く見落としがちな「アラームリミット」「出力リミット」「通信設定」を重点的に確認する。


単体調節計の主要設定項目

設定項目 略称 内容 典型値
入力種別 INPUT TYPE 4-20mA / Pt100 / K型 など
入力スケール 下限 IN LOW PV の下限値 0.0
入力スケール 上限 IN HIGH PV の上限値 100.0
設定値 SP 目標値 プロセスによる
出力下限 OUT LOW MV の下限リミット(%) 0.0
出力上限 OUT HIGH MV の上限リミット(%) 100.0
比例帯 PB 比例帯(%)。100/Kp 50〜200%
積分時間 TI 積分時間(min) 0.5〜5 min
微分時間 TD 微分時間(min) 0〜1 min
警報上限 ALM HI 上限警報値
警報下限 ALM LO 下限警報値
フェールセーフ FAIL SAFE 入力断線時の出力(0%/100%/保持) プロセスによる

出力リミットの設定を忘れない

調節計の出力リミットを適切に設定しないと、スタートアップ時に出力が100%まで行って 弁を急開させる可能性がある。スタートアップロジックと合わせて出力上限を設定する。


ペーパーレスレコーダの設定

チャンネル設定

設定項目 内容
入力種別 4-20mA / Pt100 / 熱電対 / DI(接点)
スケール 表示・記録の範囲(下限〜上限)
単位 表示単位(℃ / kPa / m³/h 等)
サンプリング周期 記録間隔(125ms〜60min)
アラーム 上上限・上限・下限・下下限の各設定
フィルタ ノイズ除去フィルタ時定数

アラーム設定の推奨構成

アラーム種別 設定の考え方
上上限 (HH) プロセス安全上限。インターロックと連動
上限 (H) 操業管理上限。DCS / 調節計へ通知
下限 (L) 操業管理下限。DCS / 調節計へ通知
下下限 (LL) プロセス安全下限。インターロックと連動

データ抽出とトレンド確認

SDカード / USBによるデータ取り出し

1. 記録計のメニューから「データ保存」を実行
2. SDカードまたは USB メモリにCSV形式で保存
3. PC上で専用ソフト(またはExcel)で開いてトレンドを確認
4. 異常発生時刻付近のデータを抽出して原因解析に使用

定期データバックアップ

ペーパーレスレコーダの内部メモリ容量は機種によって異なる(数週間〜1年)。 内部メモリが満杯になると古いデータが上書きされる機種がある。 トラブル解析のためにも月次・四半期でのデータバックアップを運用ルール化する。


RS-485 / Modbus 通信設定

単体調節計をDCSや上位システムに接続する場合に使用。

Modbus RTU 設定チェックリスト

設定項目 内容 注意点
スレーブアドレス 1〜247(重複禁止) 同一バス上で重複すると通信不能
ボーレート 9600 / 19200 / 38400 bps 全機器で統一すること
データビット 8 bit 標準
パリティ None / Even / Odd 全機器で統一すること
ストップビット 1 または 2 全機器で統一すること
終端抵抗 バス両端のみ 120Ω バス中間の機器に付けない

RS-485 の終端抵抗

RS-485 バスは両端の機器のみに終端抵抗(120Ω)を付ける。 中間の機器にも付けると信号が減衰して通信エラーが多発する。 調節計に終端抵抗スイッチが内蔵されているものは ON/OFF を確認する。


よくあるトラブル

電源投入時に出力が暴れる

原因:ウォームアップ中の入力値不安定 / 積分ワインドアップ 対処:電源投入後のウォームアップ時間(30秒〜2分)を待ってから AUTO に切り替える。 スタートアップ時はまず MANUAL で安定させてから AUTO へ移行する。

Modbus 通信が繋がらない

確認順序: 1. スレーブアドレスの重複確認 2. ボーレート・パリティ・ストップビットの統一確認 3. 終端抵抗の設定確認(両端のみ) 4. A/B 線の結線順確認(機器によって A+ / B- の定義が逆の場合あり)