✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
圧力計測¶
30秒まとめ¶
圧力の種類(ゲージ/絶対/差圧/封圧)を正確に区別することが選定の出発点。ダイヤフラム式が現場標準。高粘度・スラリー・腐食性・高温プロセスにはダイヤフラムシール付きが必須。
圧力の種類と定義¶
| 種別 | 定義 | 単位表記 | 用途例 |
|---|---|---|---|
| ゲージ圧 | 大気圧を基準(大気圧=0) | MPaG / kPaG | 配管内圧力・タンク圧 |
| 絶対圧 | 完全真空を基準(真空=0) | MPaA / kPaA | 真空系・蒸気圧 |
| 差圧 | 2点間の圧力差 | MPaD / kPaD | 流量計・液位計測 |
| 封圧(シール圧) | ダイヤフラムシール付き | — | 腐食性・高粘度流体 |
ゲージ圧と絶対圧の換算
絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧(約0.101325 MPa) 例:ゲージ圧0.5 MPaG = 絶対圧0.601 MPaA
ダイヤフラム式伝送器の選定¶
測定範囲の選び方¶
- 定常運転圧力がスパンの30〜80%に入るよう選定する
- 過圧条件(スタートアップ・異常時)を考慮してオーバーレンジ保護を確認する
材質選定¶
| プロセス流体 | ダイヤフラム材質 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般液体・水蒸気 | SUS316L | 標準選定 |
| 塩素・塩酸 | ハステロイC-276 | — |
| フッ酸・強酸化性 | タンタル | — |
| 海水・塩水 | ハステロイC-276 | — |
| 高温蒸気(200℃超) | SUS316L+ダイヤフラムシール | — |
プロセス接続形式¶
| 形式 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ルアー(1/2 NPT等) | 汎用・低コスト | 一般配管 |
| フランジ(JIS 10K/20K等) | 高圧・大口径対応 | 蒸気・高圧系 |
| フラッシュダイヤフラム | 詰まり防止 | スラリー・高粘度 |
ダイヤフラムシールが必要な条件¶
以下のいずれかに該当する場合はダイヤフラムシール(キャピラリー型)付きを選定する。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 高粘度流体(スラリー・ペースト) | 導圧管が詰まる |
| 腐食性流体(酸・アルカリ) | 伝送器ダイヤフラムが腐食 |
| 高温流体(120℃超) | 伝送器電子回路が過熱する |
| 固形物が混入する流体 | 導圧管に固形物が堆積する |
| 凝固・結晶化しやすい流体 | 導圧管が閉塞する |
ダイヤフラムシールの注意点
キャピラリー内にはシリコンオイルまたはフッ素系オイルが封入されている。 オイルの熱膨張がゼロ点ドリフトの原因になるため、長い導管は避ける。 推奨キャピラリー長:片側最大3m程度。
ゼロ点調整手順(ゼロトリム)¶
実施タイミング
設置後・修理後・定期点検時に実施する。現場でのゼロトリムは設備停止不要で実施できる場合が多い。
手順:
1. 大気開放またはゼロ点基準圧力を印加(弁操作で実施)
2. ループキャリブレータ(または HART コミュニケータ)を接続
3. "Zero Trim" または "Lower Trim" コマンドを実行
4. 4.000 mA になることを確認
5. 実施記録(実施日・実施者・調整量)を残す
過圧保護¶
スナッバー(Snubber)¶
導圧管の途中に取り付けるオリフィス状の絞り。急激な圧力パルス(ウォーターハンマー・蒸気パルス)から伝送器を保護する。
- 液体系:ピストン型スナッバー
- 蒸気系:サイノス型スナッバー(結露水でシール)
オーバーレンジ保護¶
伝送器カタログの「オーバーレンジ保護圧力」を確認し、プロセス最大圧力がこれを超えないこと。超える場合は上位レンジに変更するか安全弁を設置する。
差圧計の片側過圧に注意
差圧伝送器に片側だけ圧力がかかる(片弁操作)と過差圧状態になる。 弁操作は「均圧弁を開く → 高圧側弁を開く → 低圧側弁を開く → 均圧弁を閉じる」の順序を守る。