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✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当

温度計測

30秒まとめ

RTD(Pt100)は精度重視・低温〜中温向け。熱電対は高温・応答速度重視向け。補償導線の誤接続・逆接は計測値を大きく狂わせる現場での代表的ミス。


RTD vs 熱電対 比較表

項目 RTD(Pt100) 熱電対 K型 熱電対 J型
測定範囲 -200〜+600℃ -200〜+1200℃ -40〜+750℃
精度(標準) ±0.3℃(Class B) ±2.2℃ または ±0.75% ±2.2℃ または ±0.75%
高精度品 ±0.1℃(Class A) ±1.1℃ または ±0.4%
出力 抵抗値(Ω) 起電力(mV) 起電力(mV)
配線方式 2線/3線/4線式 2線式 2線式
コスト 中〜高 低〜中
応答速度 遅め 速い 速い
主な用途 化学プロセス管理 高温炉・燃焼管理 蒸気・一般用途

化学プラントでの選び方

精度が要求されるプロセス温度管理(反応器・蒸留塔)→ RTD(Pt100) 高温(600℃超)または応答速度重視 → K型熱電対


Pt100 配線方式と誤差補正

2線式

ケーブル抵抗が直接誤差になる。例えばケーブル抵抗が1Ωなら約2.5℃の誤差。長距離配線では絶対に使わない。

3線式(現場標準)

[Pt100]──A線──[変換器]
       ──B線──
       ──C線──(A線と同材質・同長)

変換器内部でA線とC線の抵抗を差し引き補正。現場では最も多く使われる。

3線式の前提条件

A線とC線は同一ケーブル内の同材質・同長の芯線でなければ補正が機能しない。 異なる長さや材質の線で接続すると補正が不完全になり誤差が残る。

4線式(高精度用)

定電流を2線で通電し、別の2線で電圧を計測。ケーブル抵抗の影響をほぼゼロにできる。ラボ・校正用途向け。


熱電対 起電力一覧(0℃基準)

型式 素線(+/-) 測定範囲 100℃時 500℃時
K型 クロメル/アルメル -200〜1200℃ 4.096 mV 20.644 mV
J型 鉄/コンスタンタン -40〜750℃ 5.269 mV 27.393 mV
T型 銅/コンスタンタン -200〜350℃ 4.279 mV
E型 クロメル/コンスタンタン -200〜800℃ 6.319 mV 33.275 mV
R型 白金ロジウム13%/白金 0〜1600℃ 0.647 mV 5.583 mV

補償導線の種類と選定

熱電対の起電力は冷接点(変換器入力端子)の温度を基準とするため、冷接点から変換器まで熱電対と同じ特性の補償導線で接続する必要がある。

補償導線記号 対応熱電対 使用温度範囲 識別色(JIS)
KX K型(延長形) 0〜200℃ 赤/白
JX J型(延長形) 0〜200℃ 赤/白
TX T型(延長形) -25〜100℃ 赤/白
KCB K型(補償形) 0〜80℃ 赤/青

補償導線の禁止事項 3選

1. 逆接続 +/-を逆に繋ぐと測定値が基準温度の2倍のズレになる。 配線色を必ず確認する(K型:赤=+、白または青=-)。

2. 延長線の代用 補償導線の代わりに銅線を使うと冷接点補償ができず大きな誤差が生じる。 「なぜか温度が高い/低い」トラブルの定番原因。

3. 途中での材質切り替え 補償導線をスプライスで銅線に切り替えた接続部が新たな冷接点となり誤差源になる。 中継盤内でも補償導線を継続するか、冷接点補償機能付き端子台を使用する。


保護管の材質選定

材質 最高使用温度 耐薬品性 主な用途
SUS304 900℃(酸化雰囲気) 一般用途
SUS316 900℃ 塩化物やや弱い 化学プロセス標準
SUS316L 900℃ 溶接耐食性が高い 配管溶接部近傍
ハステロイC-276 1100℃ 塩酸・硫酸・HF強 腐食性流体
セラミック(アルミナ) 1700℃ 酸に弱い・アルカリ強 高温炉内

化学プラントでの選定基準

  • 腐食性薬液(塩酸・フッ酸系)→ ハステロイC-276
  • 蒸気・一般液体 → SUS316
  • 高温炉内(600℃超)→ セラミック + K型熱電対の組み合わせ

よくあるミスと対処

補償導線の誤接続

症状: 温度が実際とかけ離れた値を示す(特に外気温の季節変動で変化する) 確認: 変換器端子で補償導線の+/-極性と種類記号を確認する

延長部での温度補償漏れ

症状: 現場盤での中継端子から先を銅線に切り替えた箇所で誤差発生 対処: 中継盤内での接続は補償導線を継続するか、冷接点補償機能付き端子台を使用する

3線式の1芯断線

症状: 指示値が急にフルスケールまたはゼロになる 確認: 変換器側で3線の抵抗バランスを確認。1本断線すると抵抗値が急変する