✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
計装配線¶
30秒まとめ¶
計装配線のトラブルの多くは「シールドの多点接地によるグラウンドループ」「動力線との近接によるノイズ」「ループ抵抗計算漏れ」の3つ。ケーブル選定・離隔距離・シールド接地を正しく管理する。
ケーブル種別の選定¶
| 種別 | シールド | 芯数 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| CVV-S(総合シールド) | あり(全体) | 2〜37芯 | 4-20mA 信号・計装一般 |
| MVVS(マルチペア) | あり(対シールド+総合) | 各ペアごと | 複数ループの一括配線 |
| KV(補償導線) | あり/なし | 2芯 | 熱電対補償導線 |
| FRXX-S(耐熱) | あり | 2芯 | 高温箇所(100℃超) |
| 耐薬品ケーブル | あり | 2芯 | フッ酸・塩酸等の薬液環境 |
シールドは片端接地が原則¶
多点接地はノイズの原因
シールドを両端で接地すると、2つの接地点間の電位差が「グラウンドループ電流」として流れ、 信号線にノイズとして重畳する。
正しい接地方法:
フィールド側 ──── DCS側
シールド未接地 シールド接地(IS アースまたは計装アース)
- 接地点は DCS(制御盤)側の1点のみ
- フィールド側は絶縁テープ等でシールド端末を絶縁処理する
- 補償導線のシールドも同様
動力線との離隔基準¶
| 条件 | 最小離隔距離 |
|---|---|
| 平行布設(金属仕切りなし) | 300 mm 以上 |
| 平行布設(金属仕切りあり) | 150 mm 以上 |
| 交差(クロス) | 90°で交差すれば離隔不要 |
インバータ配線との離隔
インバータ(VFD)の電力ケーブルは通常の動力線より高周波ノイズが多い。 計装ケーブルとの離隔は通常動力線の2倍(600mm以上)を確保することを推奨する。
強電 / 弱電ケーブルラックの分離¶
プラントのケーブルラックは以下の原則で分離する。
上段ラック:6.6kV・440V 動力ケーブル
中段ラック:100V 制御ケーブル
下段ラック:計装信号ケーブル(分離が難しい場合は金属セパレータで仕切る)
ループ抵抗計算¶
4-20mA ループで計器が正常動作するためには、ループ内の全抵抗が許容負荷抵抗以下であること。
計算式¶
許容負荷抵抗 = (電源電圧 - 伝送器最低動作電圧) / 最大電流
= (24V - 12V) / 0.020A
= 600 Ω (標準的な24V系の目安)
ループ抵抗の内訳¶
| 要素 | 抵抗値の目安 |
|---|---|
| ケーブル往復抵抗 | 導体断面積 1.25mm² の場合:約 28 Ω/km → 往復で約 56 Ω/km |
| DCS 入力抵抗 | 100〜250 Ω |
| 本安バリア(Zener型) | 100〜300 Ω |
| ループキャリブレータ接続時 | +50 Ω |
本安バリア追加時の注意
本安バリアを後から追加すると 100〜300 Ω が加算される。 既存ループに追加する場合はループ抵抗の再計算が必要。
端子台番号管理¶
計装配線は端子台経由で接続されることが多い。番号管理のルールを統一しておくことで保全・調査の効率が大きく向上する。
番号管理の推奨ルール¶
ループ番号 - 端子番号 の形式で管理
例:FIC-101 の配線は FIC101-01(+)、FIC101-02(-)、FIC101-03(シールド)
| 項目 | 推奨ルール |
|---|---|
| AI(アナログ入力) | +線・-線・シールドを連番で管理 |
| DI(接点入力) | 接点番号を明記 |
| 共通線(COM) | COM を明示して隣の端子と区別 |
| 予備端子 | SPARE として明記 |
端子台の配線図(ループ図)との照合
端子番号は「ループ図(Loop Diagram)」に記載されているはずなので、 工事後に必ずループ図と現場配線の照合を行う。ループ図が古いままのプラントでは この照合作業が保全工数削減の第一歩になる。