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✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当

短絡電流計算

30秒まとめ

短絡電流は「%インピーダンス法」で計算する。計算値が設置する MCCB・VCB の定格遮断電流を超えてはならない。系統インピーダンスは電力会社に問い合わせ、変圧器の %Z はメーカー銘板から取得する。


%インピーダンス法の概要

基準容量の設定

基準容量 Pb = 任意(計算しやすい値を選ぶ)
例: Pb = 1,000kVA(1MVA)

基準電圧 Vb = 系統電圧
例: Vb = 6.6kV(高圧)または 200V(低圧)

基準電流 Ib = Pb / (√3 × Vb)

各要素の %Z 換算

変圧器 %Z(メーカー銘板値)→ 基準容量に換算:
  %Z換算 = %Z銘板 × (Pb / Pn)
  Pn: 変圧器定格容量 [kVA]

系統(電力会社)%Z(問い合わせ値)→ 基準容量で統一

ケーブル %Z:
  %R = R × Ib² / Pb × 100  [%]
  %X = X × Ib² / Pb × 100  [%]
  (R, X は Ω 値)

三相短絡電流計算

%Z合計 = %Z系統 + %Z変圧器 + %Zケーブル

三相短絡電流 Is3 = Ib × 100 / %Z合計  [A]
または
Is3 = (Pb × 1000) / (√3 × Vb × %Z合計 / 100)  [A]

計算例

前提条件

項目 数値
変圧器容量 1,000kVA
変圧器二次電圧 200V
変圧器 %Z(銘板) 5%
系統インピーダンス(受電点から変圧器一次まで) 0.5%(1,000kVA 基準)

計算

基準容量 Pb = 1,000kVA
基準電流 Ib = 1,000,000 / (√3 × 200) = 2,887 A

変圧器 %Z換算 = 5% × (1,000 / 1,000) = 5.0%
系統 %Z = 0.5%(既に 1,000kVA 基準)

%Z合計(ケーブル無視)= 5.0 + 0.5 = 5.5%

三相短絡電流 Is3 = 2,887 × 100 / 5.5 = 52,490 A ≈ 52.5 kA

遮断容量確認

変圧器直近(二次側)の MCCB には 52.5kA 以上の遮断容量が必要。一般的な低圧 MCCB は 25〜50kA が多いため、変圧器直近では限流ヒューズまたは高遮断容量 MCCB(100kA 対応)を選定する。


系統インピーダンスの取得方法

方法 内容
電力会社への問い合わせ 受電点の最大短絡容量 [kVA] を問い合わせ → %Z に換算
変圧器銘板 %Z(インピーダンス電圧比)が記載されている
ケーブル抵抗 ケーブルメーカーカタログの導体抵抗・リアクタンス値
電力会社から「最大短絡容量 Ps [kVA]」を入手した場合:
%Z系統 = Pb / Ps × 100 [%](Pb:基準容量)

遮断容量の確認フロー

flowchart TD
    A[系統インピーダンスを収集\n電力会社・変圧器銘板・ケーブル] --> B[基準容量で%Z統一]
    B --> C[三相短絡電流 Is3 を計算]
    C --> D{設置 MCCB の\n定格遮断電流 ≥ Is3?}
    D -- Yes --> E[OK:遮断容量確認済み]
    D -- No --> F[MCCB を大きな遮断容量に変更\nまたは限流ヒューズ追加]
    F --> D

端末分岐回路はケーブルインピーダンスで電流が減衰

変圧器から遠い分岐端末では、ケーブルインピーダンスの影響で短絡電流が変圧器直近より大幅に減少する。端末では小容量 MCCB(5〜10kA)でも十分な場合が多いが、計算で確認する。