✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
盤設計¶
30秒まとめ¶
制御盤の設計で最初に決めるのは「機器配置スペース + 保守スペース + 発熱計算」の 3 点。配線ダクト充填率は 40% 以下、端子台は機能別に分離する。屋外・腐食雰囲気は IP65 以上 + SUS 製を標準とする。
盤サイズ選定¶
考え方¶
- 機器配置スペース:全機器の外形寸法を積み上げ、必要な取付面積を計算
- 保守スペース:前面扉を開けての作業に必要な奥行き(標準 250mm 以上)
- 将来拡張スペース:現時点で使用するスペースの 20〜30% を予備として確保
- 配線スペース:配線ダクトのスペースを盤幅・高さに対して確保
一般的な盤サイズ¶
| 盤種別 | 標準外形(幅 × 奥 × 高) | 適用 |
|---|---|---|
| 小型制御盤 | 600 × 300 × 1200 | PLC + 小型 MC 数台 |
| 中型動力制御盤 | 800 × 400 × 2000 | MC × 10 台程度 |
| 大型分電盤 | 1000 × 500 × 2000 | トランス二次側受電 + 分岐 20 回路 |
端子台配列規則¶
端子台は機能別にグループ化し、グループ間に空き端子(スペーサー)を挿入して識別性を高める。
| グループ | 内容 | 配列位置 |
|---|---|---|
| 電源端子(L/N または R/S/T) | 主電源の入出力 | 上段(L1/L2/L3 順) |
| 制御端子(AC 100V) | MC コイル・表示灯等 | 電源端子の次 |
| 制御端子(DC 24V) | PLC I/O・センサー | DC 専用エリアに分離 |
| 信号端子(4-20mA / パルス) | 計装信号 | 最下段または専用エリア |
| 接地端子(PE) | 盤内機器のアース | 独立した接地バー |
AC と DC の混在端子は禁止
AC 100V と DC 24V を同一端子台に並べると作業者の誤接続・混触リスクが生じる。電圧種別ごとに端子台を物理的に分離する。
配線ダクト充填率¶
充填率 = 収容電線断面積の合計 / ダクト断面積 × 100 [%]
推奨:40% 以下
上限:60%(将来追加を考えると 40% 以下が実用的)
充填率超過の影響¶
- 熱がこもり絶縁劣化の原因になる
- ケーブルの追加・変更作業が困難になる
- 配線の識別・トレースが困難になる
盤内温度上昇計算¶
計算式¶
ΔT = Q / (k × A)
ΔT : 周囲温度に対する盤内温度上昇 [℃]
Q : 盤内発熱量 [W](全機器の損失合計)
k : 放熱係数 [W/(m²・℃)](密閉盤:5.5、自然換気盤:7.7)
A : 有効放熱面積 [m²](盤の表面積から床面・背面を除く)
発熱量の主要機器目安¶
| 機器 | 発熱量の目安 |
|---|---|
| MCCB(定格 100A) | 10〜20W |
| 電磁接触器 SC-05 級 | 5〜10W |
| 電源ユニット(100W 出力) | 15〜25W(効率 80% 時) |
| PLC CPU モジュール | 5〜15W |
| インバータ(2.2kW) | 80〜100W(効率 95% 時) |
温度上昇が許容値を超える場合
盤内に換気ファンを設ける(換気ファンによる強制対流で放熱係数が向上)。屋外盤の夏季や高温室では空冷式クーラーの設置を検討する。
防塵防水等級選定¶
| 設置環境 | 推奨 IP 等級 | 外箱材質 |
|---|---|---|
| 屋内・乾燥・清浄 | IP41 以上 | SECC(鋼板塗装) |
| 屋外(雨ざらし) | IP65 以上 | SECC または SUS304 |
| 腐食雰囲気(化学プラント) | IP55〜IP65 | SUS304 または SUS316 |
| 粉塵環境 | IP6X(粉塵完全遮断) | SUS304 |
| 洗浄あり | IP66 以上 | SUS316 |
化学プラントの標準
化学プラント屋外盤は IP65 + SUS304 を最低基準とする。塩素・硫酸雰囲気では SUS316 を選定する。SUS と SECC の混在はガルバニック腐食の原因になるためボルト・ナットも SUS で統一する。