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✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当

仕様書の書き方

30秒まとめ

良い仕様書は「誰が読んでも同じ機器が発注できる」こと。曖昧な表現(「適切な」「一般的な」)は後のトラブルの種。電気仕様書と計装仕様書それぞれに必須項目があり、RFQ は Q&A サイクルを含む工程を確保することが重要。


電気仕様書の必須項目

項目 記載内容の例 曖昧にしやすい点
電源 AC 3相 3線 200V ±10%、50Hz 電圧変動許容値を必ず記載
容量 定格出力 15kW、力率 0.85 以上 「大型」「中型」などの表現は使わない
保護等級 IP65(屋外設置)、SUS304 外箱 環境条件(腐食性・洗浄)を明記
接地 D 種接地(10Ω以下)、接地端子付き 接地方式の明示
防爆要否 Ex d IIB T4 Gb(Zone 1 設置) 危険場所区分を必ず明記
配線方式 CV 3.5sq × 3C、端子台接続(ネジ式 M4) ケーブル種類と接続方式
制御電源 DC 24V(UPS 経由)、消費電流 5A 以下 UPS 経由か否かを明記
通信 MODBUS RTU、RS-485 2 線式 プロトコル・物理層の両方
周囲条件 周囲温度 0〜60℃、相対湿度 90% 以下(結露なし)

計装仕様書の必須項目

項目 記載内容の例
測定対象 液体流量(稀硫酸 98%、密度 1.84 g/cm³)
測定範囲 0〜1,000 L/h
精度 ±0.5% of span(フルスケールに対して)
プロセス条件 温度 20〜80℃、圧力 0〜500 kPaG
材質 流体接触部:PTFE ライニング、フランジ:SUS316
信号出力 4〜20mA DC(2 線式)、HART 対応
防爆 Ex d IIB T4(Zone 1 設置)
設置方法 フランジ配管挿入型、管径 50A(JIS 10K)
電源 DC 24V、ループ電源(外部電源不要)
認証 CE マーキング、ATEX 認証

曖昧な仕様書が引き起こすトラブル事例

事例 1:防爆認証の確認漏れ

状況: 仕様書に「屋外設置、腐食雰囲気」とだけ記載。防爆要否を明記しなかった。

結果: メーカーが一般品(非防爆)を納品。Zone 1 エリアへの設置が不可となり、納期 3 ヶ月遅延。

教訓: 危険場所区分と防爆構造を仕様書に必ず明記する。

事例 2:「一般的な精度」の解釈の違い

状況: 圧力計の仕様書に「精度 1%」とだけ記載。

結果: メーカーは「フルスケール比」で 1% と解釈。実測値はスパンの最小領域で 5% 誤差となり使用不可。

教訓: 精度は「% of span」「% of reading」「% of full scale」のどれかを明示する。

事例 3:通信仕様の不一致

状況: 「MODBUS 対応」とだけ記載。

結果: 機器は MODBUS TCP(Ethernet)対応品を納品。既設 DCS は MODBUS RTU(RS-485)のみ対応で接続不可。

教訓: 物理層(RS-232/RS-485/Ethernet)とプロトコル(RTU/ASCII/TCP)を両方明記する。


RFQ(見積依頼書)のポイント

RFQ に含める項目

  1. 仕様書本体(上記必須項目を網羅)
  2. 数量・納期(希望納期と現場工事日程の関係)
  3. 提出書類一覧(技術資料・外形図・回路図・認証書)
  4. Q&A 期間(質問締切日・回答期限を明記)
  5. 比較評価軸(価格・納期・技術力・保守体制の重み付け)
  6. 見積有効期限(30〜90 日)

Q&A サイクルの工程確保

RFQ 発行 → 質問締切(2 週間後)→ 回答期限(さらに 1 週間後)
                                      → メーカーから見積提出(1〜2 週間後)
                                            → 技術評価・比較(1 週間)
                                                  → 発注

Q&A なしで発注すると

仕様の解釈違いを発注前に解消できず、納品後に設計変更が発生する。Q&A サイクルを工程に組み込むことで手戻りを防ぐ。