✅ 最終確認: 2026-04-04
⚡ 電気担当
校正¶
30秒まとめ¶
計装器の校正は「ゼロトリム → スパン調整 → 中間点確認」の順で行う。校正機器は JCSS 校正済みの標準器を使い、トレーサビリティを確保する。校正周期は「プロセス重要度 × 過去のドリフト実績」で決める。
伝送器の校正手順(圧力伝送器の例)¶
準備¶
- 校正機器:デッドウェイトテスター(圧力標準)またはデジタル圧力計(JCSS 校正済み)
- ループキャリブレーター(4-20mA の入出力を測定)
- 作業許可証(PTW)の取得
- DCS 側の校正モード設定(手動保持またはアラーム抑制)
手順書形式¶
1. 伝送器の電源確認(24VDC ループ電源)
2. プロセスを隔離(ルートバルブ閉・ベントバルブでゼロ点確認)
3. ゼロ点確認
- 入力:大気圧(0 Pa)
- 出力確認:4.000mA であること(4mA = ゼロ)
- ずれがある場合:HART ハンドヘルドで ZERO TRIM を実行
4. スパン確認
- 入力:規定の最大圧力(例:500kPa)
- 出力確認:20.000mA であること(20mA = スパン)
- ずれがある場合:SPAN TRIM を実行
5. 中間点確認(任意)
- 入力:フルスケールの 25%, 50%, 75% で出力確認
- 各点で誤差 ± 0.5% 以内
6. DCS 指示値との確認
- 伝送器出力 mA と DCS の表示値(工業単位)が一致すること
7. 校正記録の作成(機器番号・校正日・Before/After 値・担当者)
校正中のプロセス影響に注意
校正のためにプロセスを隔離する際、プロセス値が DCS で「固定値(ホールド)」になっていることを確認する。誤ってアラームが発報すると不要な操業停止につながる。
校正に必要な機器一覧¶
| 機器 | 用途 | 必要精度 |
|---|---|---|
| デッドウェイトテスター | 圧力の一次標準 | 0.05% 以上 |
| デジタル圧力計 | 現場校正用圧力標準 | 0.1% 以上(JCSS 校正済み) |
| 温浴槽(オイルバス・砂浴) | 温度伝送器・熱電対の校正 | ±0.1℃ 以上 |
| 基準抵抗温度計(PT100) | 温度標準器 | JCSS 校正済み |
| ループキャリブレーター | 4-20mA 信号の送出・測定 | 0.01mA 分解能以上 |
| HART ハンドヘルドコミュニケーター | HART 機器のパラメータ設定・校正 | — |
| 電圧標準(標準電池または基準電圧源) | 電圧計・電位差計の校正 | 0.01% 以上 |
トレーサビリティの確保¶
国際標準(SI 単位系)
│
BIPM(国際度量衡局)
│
NITE(製品評価技術基盤機構)
│
JCSS(計量法校正事業者登録制度)認定校正機関
│
工場内の標準器(JCSS 校正証書付き)
│
現場の伝送器・測定器
JCSS 校正証書の確認ポイント:
- 校正機関名・認定番号
- 測定範囲・不確かさ
- 校正有効期限(通常 1 年)
- トレーサビリティ連鎖の記載
校正周期の根拠¶
| 根拠 | 内容 |
|---|---|
| プロセス重要度 | A ランク設備(安全系・品質保証)は 1 年以内 |
| 過去のドリフト実績 | 前回校正時のずれ量から劣化速度を推定 |
| メーカー推奨 | 機器仕様書の推奨周期を参考 |
| 法規要求 | 計量法・高圧ガス保安法の定期検査要件 |
実務的な目安:
| 機器種別 | 標準周期 |
|---|---|
| 安全計装用伝送器(SIL 対応) | 1 年以内(IEC 61511 要求) |
| プロセス管理用伝送器 | 1〜2 年 |
| 補助的な伝送器 | 2〜5 年(ドリフト実績で見直し) |
ループ校正(現場伝送器〜DCS 表示まで一括確認)¶
単体の伝送器校正だけでなく、ループ全体(現場機器〜変換器〜DCS 表示)を確認するループ校正が推奨される。
確認ポイント:
[現場伝送器] → [ジャンクションボックス] → [DCS アナログ入力] → [DCS 表示値]
↑ 標準入力印加 ↑ DCS 表示確認
確認項目:
- 標準入力 0% → DCS 表示 0% に対応するか
- 標準入力 100% → DCS 表示 100% に対応するか
- アラーム設定点(例:80%)で警報が発報するか
- ケーブル断線で NAMUR NE43(3.6mA)断線検出が動作するか