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✅ 最終確認: 2026-04-04

電力会社との窓口業務

供給契約の種類と電気主任技術者の関与

主な契約種別

契約種別 受電電圧 対象規模 電気主任技術者の役割
低圧契約 100V/200V 小規模(50kW未満) 対象外(電気主任技術者選任不要)
高圧契約 6kV 中規模(50kW〜2,000kW未満が多い) 選任必須
特別高圧契約 22kV/66kV/154kV等 大規模 選任必須(常駐義務あり)

鶴見工場: 化学工場として特別高圧または高圧受電の可能性が高い。受電電圧・契約電力は設備台帳で確認すること。

契約変更・更新時の電気主任技術者の関与

  • 契約電力の増減: 電気主任技術者の確認・署名が求められる場合がある
  • 受電点の変更: 電力会社と協議の上、保安規程への反映も必要
  • 料金メニューの変更: 夜間割引・季時別料金等の変更は主任技術者の判断材料として電気使用量データを提供

電力会社への設備変更連絡が必要なケース

以下の設備変更は、電力会社への事前連絡・協議が必要。

変更内容 理由 連絡タイミング
大型モーター・変圧器の増設(契約電力増加) 契約変更・系統容量確認 計画段階(3〜6か月前)
自家発電設備(系統連系なし)の新設 保護協調の確認 工事計画届出と同時
太陽光・コジェネ等の系統連系 逆潮流・系統保護の協議 計画段階(6か月以上前)
大型インバータ・整流器の増設 高調波影響の確認 設備計画段階
受電設備の主要機器更新(CB・変圧器等) 保護協調の見直し 工事前

高調波は電力会社に協議義務あり

電力品質ガイドライン(電力会社自主規制)により、高調波発生機器を増設する場合は電力会社への事前協議と高調波流出電流計算が求められる。 大型インバータ増設時は必ず協議すること。


停電計画の申請・調整手順

停電の種類

種別 内容
工場都合停電 年次点検・設備改造のための計画停電
電力会社都合停電 電力系統の保守・工事による停電(事前通知あり)
事故停電 系統事故・構内事故による突発停電

工場都合停電の申請手順(高圧受電の場合)

1. 停電計画の立案(日時・範囲・作業内容)
    ↓
2. 電力会社の担当窓口(系統管理部門)へ事前相談
   → 系統側の停電可否・停電範囲の確認
    ↓
3. 停電申請書の提出(電力会社指定様式)
   → 提出は工事の2〜4週間前が一般的(電力会社によって異なる)
    ↓
4. 電力会社の停電可否回答・作業手順の確認
    ↓
5. 停電当日: 電力会社の現地確認員との作業前確認
   → 「停電確認・検電」は工場側が実施
    ↓
6. 作業終了後: 受電前の確認(絶縁抵抗・接地確認)
    ↓
7. 電力会社へ受電可能の連絡 → 送電開始

申請期限を守る

電力会社は系統全体の停電スケジュールを管理している。直前の申請は断られることがある。 年次点検の停電は年度初めに仮押さえし、3か月前には本申請を完了する習慣をつける。

特別高圧受電の場合

  • 停電申請はより早め(1〜3か月前)が必要
  • 電力会社との保護協調確認・作業手順書の事前提出が求められる場合がある
  • 停電当日は電力会社の現地立会が必要なことが多い

受電点の電力品質確認

定期確認事項

項目 確認頻度 基準値
受電電圧(kV) 月次 契約電圧の±10%以内
不平衡電圧 年次 3%以内(200V系では特に注意)
力率 月次(検針票) 85%以上(電力特典確保)
高調波電流(THD) 設備増設時 電力会社ガイドライン値以内

電圧変動・フリッカーの問題

大型モーターの頻繁な起動や、溶接機等のフリッカー発生源がある場合、近隣工場や住宅への影響が問題となることがある。 電圧変動が基準を超えると電力会社から改善要求が来る。

対策例: ソフトスタータ・インバータ導入、起動タイミングの分散、SVR(自動電圧調整器)設置


受電点の計器(電力量計)の立会検針

検針の仕組み

電力会社の電力量計(取引用計量器)は月1回検針される。 鶴見工場の場合、担当の電力会社(東京電力等)の検針員が構内に入り、受電点の電力量計を確認する。

電気主任技術者の関与

  • 鍵管理: 受電設備室の鍵を管理し、検針員が入室できるよう手配
  • 立会: 電力会社の求めに応じて立会(通常は検針員のみで実施)
  • 検針値の照合: 毎月の検針票と自社記録(PIヒストリアン等)を照合し、大きな差異がないか確認
  • メーター異常時: 検針員から異常の申告があった場合は立会い確認し、必要に応じて計器交換を依頼

検針票の活用

検針票に記載される主な情報:
  - 当月電力量(kWh)
  - 最大需要電力(kW)← デマンド管理に使用
  - 力率(%)← 力率割引/割増の確認
  - 使用日数

検針票は省エネ法の定期報告書作成にも使用する。毎月必ずコピーを保管し、少なくとも3年分は手元に置く。


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