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B問題得点戦略

電力科目B問題(計算問題)の出題パターンと解法テンプレートをまとめる。 本ページの目的は「手が動く」レベルまでパターンを定着させること。

棲み分け: 本ページは計算テンプレート用。因果の理解は 引っかけパターン集、直前の高速確認は 試験直前3日チェックリスト を参照。


B問題の基本構造

項目 内容
問題番号 問15〜問17(3問出題)
解答数 3問すべて解答(科目内の選択はない)
各問配点 10点(小問a・bの2問構成)
B問題合計 30点
目標得点 18点(3問中1〜2問完答+残りを部分点)

着手順の戦略

3問とも必答なので捨てられない。事前に「得意テーマから着手する」順番を決めておく。 試験当日に悩む時間を消費しないことが重要。 得意分野がない場合は、計算ステップ数が少ない問題から先に解いて得点を確保する。


最頻出テーマ別:出題傾向と配点

1位:配電線路(電圧降下・電力損失)

出題頻度: ほぼ毎年(R01〜R07の11回中10回。R06下のみ欠落)

出題パターン:

  • 負荷が末端に集中している単純な系統
  • 途中に分岐がある系統(合成抵抗・合成電流の計算)
  • 力率改善前後の比較

計算テンプレート:

Step 1: 負荷電流を求める
        I = P / (√3 · V · cosΦ)    [三相の場合]
        I = P / (V · cosΦ)          [単相の場合]

Step 2: 電圧降下を求める
        v = √3 · I(R·cosΦ + X·sinΦ)  [三相3線式]
        v = 2I(R·cosΦ + X·sinΦ)      [単相2線式]

Step 3: 電力損失を求める
        P_loss = 3I²R               [三相]
        P_loss = 2I²R               [単相2線]

Step 4: 送電端電圧 or 受電端電圧を求める
        Vs = Vr + v  (受電端基準)
        Vr = Vs - v  (送電端基準)

よくある計算ミス

  • sinΦの計算忘れ: cosΦ=0.8 → sinΦ=0.6、cosΦ=0.6 → sinΦ=0.8(3-4-5の直角三角形)
  • 抵抗Rの単位: [Ω/km]なら線路長[km]を掛けることを忘れない
  • 三相と単相の係数(√3 vs 2)を取り違える

2位:火力発電(熱効率・CO₂排出量計算)

出題頻度: B問題(問15〜17)の枠内で11回中6回。問2・問3などA問題側の計算まで含めると11回中9回(R02・R06上のみ欠落)と配電に次ぐ高頻度

出題パターン:

  • 熱効率(発電端・送電端)の計算
  • 燃料消費量から発電電力量を求める計算
  • CO₂排出量の計算(炭素比・燃焼反応式)

計算テンプレート:

熱効率:  η = P・t / (B・H) × 100  [%]
  P: 出力 [kW]、t: 時間 [h]、B: 燃料消費量 [kg]、H: 発熱量 [kJ/kg]

燃料消費量:  B = P・t / (η・H)

CO₂排出量:  CO₂ = B × 炭素比 × 44/12
  ※ 44/12 は炭素(C)からCO₂への分子量換算係数

単位換算に注意

発熱量は [kJ/kg]・[MJ/kg] など問題によって単位が異なる。出力の [kW]・[kWh] との単位換算(1kWh = 3600kJ)を必ず確認する。


3位:水力発電(出力計算・揚水)

出題頻度: ほぼ毎回〜隔回で出現(R01〜R07の11回中7回)

出題パターン:

  • 発電出力・年間発電量の計算
  • 揚水発電の総合効率計算
  • 有効落差の変化に伴う出力変化

計算テンプレート:

発電出力:  P = 9.8 × Q × H × η  [kW]
揚水入力:  P = 9.8 × Q × H / η  [kW]

総合効率(発電+揚水サイクル):
  η_total = η_発電 × η_揚水

年間発電量:
  E = P × 設備利用率 × 8760 [kWh]

有効落差Hの考え方

有効落差 = 総落差 - 損失落差(管路摩擦・弁損失など) 問題文に「損失水頭○m」とあれば総落差から引く。


4位:変圧器(効率・負荷分担)

出題頻度: B問題(問15〜17)の枠内で11回中3回程度。並行運転の負荷分担や全日効率の計算が中心

出題パターン:

  • 全日負荷曲線による1日の効率・損失エネルギー計算
  • 2台並行運転時の負荷分担
  • 最大効率時の負荷率計算

計算テンプレート(効率):

全日効率 = 全日出力エネルギー / 全日入力エネルギー

全日出力エネルギー = Σ(P_出力 × 時間)
全日入力エネルギー = Σ(P_出力 × 時間) + 鉄損 × 24h + Σ(銅損 × 負荷率² × 時間)

最大効率条件: 鉄損 P_i = 銅損 P_c
最大効率時の負荷率: m = √(P_i / P_cn)
  ※ P_cn = 定格銅損(全負荷時の銅損)

計算テンプレート(並行運転負荷分担):

2台の変圧器A・Bが並行運転するとき:
  I_A : I_B = (1/%Z_A) : (1/%Z_B) = %Z_B : %Z_A
              ↑ インピーダンスが小さい方に多く電流が流れる

担当容量:
  P_A = P_total × %Z_B / (%Z_A + %Z_B)

負荷分担の方向を間違えやすい

インピーダンスが小さい方が多く電流を引き受ける。 直感と逆になりやすいので注意。理由:並列回路では抵抗が小さい方に電流が集まる。


5位:架空送電線路

出題頻度: A問題・B問題を合わせた計算系論点として11回中9回。B問題(問15〜17)への登場は不定期だが、A問題側(問11等)の論説・穴埋を含めると頻出

出題パターン:

  • 電線のたるみ(弛度)計算
  • コロナ発生限界電圧
  • 中性点接地方式と故障時電圧・電流

計算テンプレート(弛度):

弛度 D = wS² / (8T)
  w: 電線単位長さあたりの荷重 [N/m]
  S: 径間 [m]
  T: 電線の水平張力 [N]

電線長 L = S + 8D²/(3S)  (近似式)

6位:保護継電器・開閉装置

出題頻度: B問題(問15〜17)での計算出題はなく、保護継電器の計算はR01問8(A問題枠)の1回のみと極めて稀。中心はA問題(問6〜8に分散)の論説・穴埋で、そちらはR04下・R05下・R07下を除く8/11で出題(固定枠ではない)

出題パターン:

  • 各継電器の役割と動作条件
  • CB・DSの操作手順
  • 変流器(CT)・計器用変圧器(VT)の役割

B問題としては計算よりも知識問題に近い出題が中心(過去に出た計算はR01の1回のみ)で、出た場合は得点しやすい部類。


時間配分

フェーズ 時間 内容
着手順決定 5分 3問(問15〜17)を流し読みし、着手順を決める
B問題解答 45〜55分 1問15〜17分
A問題見直し 残り時間 マークミス確認・未解答の再挑戦

1問の時間内訳(15分)

  • 問題読込・方針確認: 3分
  • 計算実行: 8分
  • 検算・単位確認: 4分

後回し(着手順)の判断基準

3問とも必答なので完全に捨てることはできない。以下の条件が重なる問題は後回しにし、得点しやすい問題を先に確保する:

  1. 計算ステップが4段階以上かつ途中で条件変換が必要
  2. 見慣れない系統構成(T分岐+ループなど複合系統)
  3. 問題文が長く条件整理に5分以上かかりそう

後回しを決めたら、まず取りやすい問題から確実に得点する。難問は最後に回し、完答できなくても小問aや途中式で部分点を取りにいく。1問に固執して時間を溶かすのが最悪パターン。


計算ミス防止チェックリスト

問題を解き終えたら、提出前に以下を確認する:

  • [ ] 単位が揃っているか([kW]・[W]の混在、[kV]・[V]の混在)
  • [ ] 三相か単相かに応じた係数(√3 or 2)を使っているか
  • [ ] sinΦを正しく計算したか(cosΦとsinΦを取り違えていないか)
  • [ ] 求めたのが「送電端」か「受電端」か問題と一致しているか
  • [ ] 効率η: 出力側はηを掛け、入力側はηで割っているか

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