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⚡ 電気担当

定期点検

30秒まとめ

高圧設備の年次点検は、電気事業法第42条第1項に基づき自事業場で定める保安規程により実施する(「年1回」の頻度・点検項目は法定値ではなく保安規程で決まる。詳細は下記「根拠」)。低圧・計装は月次の外観・動作確認が基本。点検結果は数値で記録し「前回比」でトレンド管理することが早期異常検出の鍵。


高圧設備の年次点検項目(停電時)

点検項目 方法 判定基準
絶縁抵抗測定(変圧器・ケーブル) 5000V メガー(高圧 6.6kV 機器) 判定は絶対値でなくトレンド管理(前回比の急低下に注意)。基準は絶縁管理を参照
VCB 動作試験 操作機構の投入・開放動作確認 正常動作、動作時間は仕様値以内
VCB 接触抵抗測定 マイクロオームメーター 初期値から 50% 以上増加で要検討
DS(断路器)目視確認 接触部の変色・損傷確認 変色・溶損なし
保護継電器動作試験 継電器試験器での注入試験 設定値どおりに動作
変圧器絶縁油劣化確認 絶縁油採取・試験 絶縁破壊電圧 30kV 以上
接地抵抗測定 接地抵抗計 A 種: 10Ω以下、D 種: 100Ω以下
端子の増し締め トルクレンチ 規定トルクで締め付け確認
盤内清掃 ブロワー・ウエス 粉塵・異物なし

高圧設備の年次点検項目(活線時)

点検項目 方法 判定基準
負荷電流測定 クランプメーター 定格電流の 80% 以下
温度測定(接続部) 放射温度計・熱電対 外気温 + 40℃ 以下(目安)
異音・異臭確認 聴診器・嗅覚 異常音・焦げ臭なし
計器類の指示確認 目視 電圧計・電流計の指示が正常範囲

活線作業は電気主任技術者の監督下で実施

高圧活線での作業は感電・フラッシュオーバーのリスクがある。絶縁保護具(絶縁手袋・絶縁長靴・絶縁工具)を着用し、必ず 2 名以上で作業する。


低圧・計装の月次点検項目

点検項目 確認内容 記録方法
制御盤・MCC 外観 異音・異臭・過熱・警報ランプ 目視確認記録
負荷電流確認 クランプメーターで主回路電流測定 数値記録(トレンド管理)
UPS 状態確認 充電電圧・バッテリー警報 UPS 表示値を記録
計装機器ゼロ確認 主要伝送器の指示値確認 DCS 値と現場指示値の比較
接続箱外観 水の侵入・腐食・シールの状態 目視確認記録
回転機(電動機)運転確認 電流・振動・温度の測定 数値記録

定期修理時の重点点検項目

作業 内容 頻度
計装全校正 ゼロ・スパン校正、ループ校正 T/A ごと(1〜5 年)
制御弁分解点検 パッキン・シート・プラグの交換 T/A ごと
リレー・サーマル交換 動作回数・年数による計画交換 T/A ごと
PLC バッテリー確認 電圧確認・必要に応じ交換 T/A ごと
安全計装(SIS)機能テスト 緊急遮断弁の動作テスト(プルーフテスト) T/A ごとが実務慣行。周期そのものは SIL 計算のプルーフテスト周期で決まる(SIS・SIL)

点検結果の判定基準

判定 基準 対応
良 前回値との差が ±10% 以内かつ基準値以内 次回点検まで経過観察
要注意 前回値から 10〜50% 変化、または基準値の 50〜80% 短縮点検(3〜6 ヶ月以内に再測定)
要修理 基準値を超えた、または前回値から 50% 以上変化 早急に対処・計画修理

高圧ガス保安法の自主検査記録の書き方

記録に必要な項目

項目 記載内容
検査対象設備 設備名・設備番号・設置場所
検査年月日 実施日時
検査実施者・監督者 実施者の氏名と、検査の実施について監督を行った保安係員(特定高圧ガス消費者では取扱主任者)の氏名。監督者の氏名は法定記載事項(一般高圧ガス保安規則 第83条第5項第四号)
検査方法 使用した測定器・試験方法
検査結果 測定値・合否判定
指摘事項 異常があった場合の内容と対処方法
確認者 保安担当責任者の署名

法定の記載事項は上表のうち「検査をしたガス設備」「設備ごとの検査の方法・結果」「検査年月日」「監督を行った保安係員等の氏名」の4つ(一般高圧ガス保安規則 第83条第5項)。指摘事項・確認者サインの欄は記録の実効性を高めるための社内上乗せです。

保存期間: 高圧ガス保安法第35条の2は検査記録の作成・保存を義務付けていますが、保存期間の数値は法にも一般高圧ガス保安規則にもありません。何年保存するかは保安規程・社内規定で定めます(帳簿の異常時記録の保存期間〔記載の日から10年間=一般則第95条〕と揃える運用が実務的な目安)。

根拠

法令に基づく事項(e-Gov 現行条文で 2026-08-01 に逐語照合)

  • 年次点検の法的位置づけ: 電気事業法(昭和39年法律第170号)第42条第1項が保安規程の作成・届出・遵守を義務付け、電気事業法施行規則第50条第3項が保安規程に定めるべき事項として巡視・点検・検査を挙げています。電気事業法に「年次点検」「年1回」を直接定める条文はありません——頻度・項目は自事業場の保安規程で決まります(保安規程の制度と点検頻度の性格は 保安規程の管理・法定義務一覧 が正典)。かつて本ページは「年次点検は電気事業法に基づく義務」と直接帰属で書いていましたが、法定なのは保安規程の作成・遵守であり点検頻度は保安規程で定める事項のため、2026-08-01 に是正しました。
  • 高圧ガスの定期自主検査: 高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第35条の2が定期自主検査の実施と検査記録の作成・保存を義務付け、一般高圧ガス保安規則(昭和41年通商産業省令第53号)第83条が、頻度(第3項: 1年に1回以上。経済産業大臣が定める設備・施設は別に定める期間)、監督体制(第4項: 選任した保安係員〔特定高圧ガス消費者は取扱主任者〕に監督を行わせる)、記録の法定記載事項(第5項: 検査をしたガス設備・設備ごとの検査の方法及び結果・検査年月日・監督を行った保安係員等の氏名)を定めています。電磁的方法による保存も認められます(第83条の2)。
  • 検査記録の保存期間は法定されていない: かつて本ページは「保存期間:10 年以上(高圧ガス保安法施行規則による)」としていましたが、「高圧ガス保安法施行規則」という名称の省令は存在せず(同法の下位省令は一般高圧ガス保安規則等)、法第35条の2にも一般則第83条にも保存期間の数値はないため、2026-08-01 に是正しました。「10年」は帳簿の保存期間(法第60条第1項→一般則第95条: 製造施設に異常があった場合の記録は記載の日から10年間。正典は トラブルシューティングの基本 の根拠節)との混同とみられます。

実務慣行・メーカー目安(法定・規格値ではない)

  • 年次・月次の点検項目表そのもの、負荷電流「定格の 80 % 以下」、接続部温度「外気温 + 40 ℃ 以下」、VCB 接触抵抗「初期値から 50 % 増で要検討」、判定基準表(前回比 ±10 % 等)、T/A 周期(1〜5 年)は、いずれも実務慣行・メーカー整備基準の目安であり、法令・JIS の規定値ではありません。
  • 絶縁油の「絶縁破壊電圧 30 kV 以上」は保守判定の実務目安です。試験方法・判定値とも規格原本との照合は行っていません(honest hold)。
  • 6.6 kV 機器への「5000 V メガー」は実務慣行の選定です。絶縁抵抗計の電圧選定と判定は 絶縁管理 が正典です。

正典参照

  • 接地抵抗の種別ごとの判定値 → 接地抵抗測定手順・低圧接地 が正典(本ページの年次点検表の値が正典と一致することを 2026-08-01 に確認)
  • SIS のプルーフテスト周期(PFDavg とテスト周期 T の関係)→ SIS・SIL。「T/A ごと」は実務慣行であり、IEC 61511 が周期の数値を固定しているわけではありません(同規格は原本未照合のため本ページでは要求内容を引用しません)
  • 停電作業の法定措置(安衛則第339条・第340条)→ 停電作業

照合の限界

  • 高圧ガスの下位規則は施設区分で異なります。本ページで照合したのは一般高圧ガス保安規則のみで、適用規則が異なる施設(液化石油ガス・冷凍等)では頻度・記載事項が異なり得ます。自社の適用規則と保安規程で確認してください。

条文リンク(e-Gov 法令検索・2026-09-18 閲覧)

本節で引用した条文の所在です。e-Gov のリンクは現行条文で、2026-09-18 に e-Gov 法令 API(v1)で取得した本文と本節の引用内容が一致することを再確認しました。アンカー ID は e-Gov 法令 API の XML 階層(章・節・款)から算出しています。ただし e-Gov は読み込み直後に該当条まで自動でスクロールしないことがあります。その場合は画面左の目次または法令内検索で条番号へ移動してください。

  • 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号): 第339条・第340条
  • 電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第77号): 第50条

関連ページ

  • 保全体系 — TBM/CBM の考え方と設備重要度ランクの判断基準
  • 絶縁管理 — 年次点検での絶縁抵抗測定の詳細手順・判定基準
  • データ活用・予兆保全 — 点検記録データのトレンド分析・予兆検知への活用
  • 停電作業 — 年次停電点検時の停電手順・LOTO・復電前チェックリスト
  • 測定器の使い方 — 点検で使用するメガー・クランプメーター・検電器の操作
  • 規格・法規 — 電気事業法・高圧ガス保安法の全体像(手続き区分の条文照合は同ページの根拠節)
  • 接地抵抗測定手順 — 年次点検の接地抵抗測定を現場でそのまま実施できる手順書
  • 保護リレー試験手順 — 年次点検の保護継電器動作試験の具体的な試験手順・判定基準
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