⚡ 電気担当
予備品管理¶
30秒まとめ¶
予備品選定は「調達リードタイム × 故障頻度 × 設備重要度」で決定する。廃番部品は廃番前の先行確保が必要。保管は防湿・温度・静電気対策を徹底する。使用後の即補充ルールを守らないと緊急時に在庫ゼロになる。
本ページの数値の出所
在庫数量・リードタイム・保管温湿度など本ページの数値は、すべて実務上の目安(社内基準の例)であり、法令・規格の要求値ではない。個別部品の保存条件・保存期限・交換可否はメーカー仕様書・取扱説明書が正。
予備品選定の基準¶
| 選定軸 | 内容 |
|---|---|
| 調達リードタイム | 調達に 1 ヶ月以上かかる部品は必ず在庫 |
| 故障頻度 | 過去の MTBF を参考に 1 年以内に交換の可能性がある部品 |
| 設備重要度 | A ランク設備の専用部品は最優先で在庫確保 |
| 廃番リスク | 廃番・入手困難になりそうな部品は先行確保 |
| 代替品の有無 | 容易に代替できない場合は在庫を多めに持つ |
在庫数量の目安¶
推奨在庫数 = 年間消費見込み数量 × 調達リードタイム[年] × 安全係数(1.5〜2.0)
推奨予備品リスト¶
伝送器・計装機器¶
| 機器 | 推奨在庫数 | 理由 |
|---|---|---|
| 圧力伝送器(主要型番) | 2〜3 台 | リードタイム 2〜4 週間 |
| 差圧伝送器(流量計用) | 1〜2 台 | 重要度高・高価 |
| 温度伝送器 | 2〜3 台 | — |
| 熱電対・測温抵抗体 | 各 3〜5 本 | 消耗品・劣化しやすい |
| ループキャリブレーター用電池 | 多めに確保 | — |
制御弁・電磁弁¶
| 機器 | 推奨在庫数 | 理由 |
|---|---|---|
| ポジショナー(主要型番) | 1〜2 台 | 修理に時間がかかる |
| 制御弁パッキンセット | 全口径を 1 セット | T/A での定期交換用 |
| 電磁弁(主要型番) | 2〜5 個 | 消耗品・安価 |
| アクチュエーター O リングセット | 各型番 2 セット | T/A 時の一括交換 |
継電器・開閉器¶
| 機器 | 推奨在庫数 | 理由 |
|---|---|---|
| 電磁接触器(主要サイズ) | 各 1〜2 台 | 修理不可・丸ごと交換 |
| MCCB(主要定格) | 各 1 個 | 短絡電流を遮断した後の再使用可否はメーカー基準による(交換前提の運用が多い) |
| 補助リレー(標準型番) | 5〜10 個 | 低価格・高頻度使用 |
| サーマルリレー(主要電流域) | 各 1 個 | 整定変更に注意 |
PLC モジュール¶
| 機器 | 推奨在庫数 | 理由 |
|---|---|---|
| CPU モジュール | 1 台 | 壊れると復旧が困難 |
| DI/DO モジュール(主要型番) | 各 1 枚 | モジュール交換が基本 |
| AI/AO モジュール | 各 1 枚 | 調達に時間がかかる |
| PLC バッテリー | 常時 2〜3 個在庫 | 定期交換必要 |
| 電源モジュール | 1 台 | 電源故障は全停止につながる |
保管条件¶
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 防湿 | 湿度 60% 以下の倉庫に保管。吸湿剤を適宜配置 |
| 温度 | 5〜30℃ の範囲(極端な温度変化は基板・電解液に悪影響) |
| 静電気対策 | 電子基板・半導体部品は静電気防止袋(ESD バッグ)に封入 |
| 直射日光防止 | 樹脂部品・ゴム部品の劣化防止 |
| 保管期限管理 | O リング・バッテリー・電解コンデンサは保存期限をラベルで管理 |
保管場所の整理整頓
予備品庫は機器種別・設備 TAG 別に整理し、取り出しやすいレイアウトにする。緊急時に探す時間は惜しい。
在庫管理ルール¶
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 使用後の即補充 | 在庫から使用したら翌日中に補充発注する |
| 最低在庫数の設定 | 各品目に最低在庫数を設定し、下回ったら自動発注 |
| 定期棚卸し | 年 1 回以上の現物確認(帳簿と実数の照合) |
| 廃番品のモニタリング | 年 1 回メーカーに継続販売確認 |
| 長期保管品の定期確認 | 3 年以上在庫の部品は劣化確認・使用可否判断 |
在庫管理システムへの登録項目¶
- 品目コード・型番・メーカー
- 保管場所(棚番号)
- 最低在庫数・現在在庫数
- 単価・調達先・リードタイム
- 使用設備 TAG 番号
- 最終入庫日・最終出庫日
セキュリティで見るところ¶
予備品として持つときの確認
- 予備品のファームウェア版数が現用機と一致しているか(差があると交換後に挙動が変わります)
- サポート期限切れの機種を「在庫があるから安心」と扱っていないか(在庫は寿命を延ばしません)
→ 7場面の全体は 制御セキュリティの現場チェック を参照してください。
根拠¶
本ページが正典の範囲¶
本ページは「予備品の選定基準・在庫管理・保管の実務ルール」の正典です。設備重要度ランクの定義は 保全体系、MTBF・廃番リスクの考え方は 寿命管理 が正典です。
是正の記録(2026-08-06)¶
- MCCB の理由欄「動作確認後は使い切り」→「短絡電流を遮断した後の再使用可否はメーカー基準による」 → MCCB は開閉・引外し動作そのもので使い切りになる機器ではなく(開閉耐久性を持つ)、交換判断が問題になるのは短絡電流の遮断後。機序の取り違えを是正
- ページ冒頭に「数値はすべて実務目安・メーカー仕様書が正」の注記を新設 → 在庫数・リードタイム・温湿度が規格値のように読める書き方だった
実務慣行(規格・法令の裏付けなし)— 出所の切り分け¶
| 数値・基準 | 出所 |
|---|---|
| 推奨在庫数の式(年間消費 × リードタイム × 安全係数 1.5〜2.0) | 実務慣行(在庫理論の簡易式。安全係数の値は社内で決める) |
| 「調達 1 ヶ月以上は必ず在庫」「1 年以内に交換の可能性」 | 社内基準の例 |
| 機器別の推奨在庫数(2〜3 台・各 1 枚 等) | 実務慣行。自工場の台数・重要度で増減する |
| リードタイム(圧力伝送器 2〜4 週間 等) | 実務目安。半導体不足・特注仕様では大幅に延びるため、発注実績で都度更新する |
| 保管条件(湿度 60% 以下・5〜30℃) | 一般的な実務目安。個別部品はメーカー保存条件が正(電解コンデンサ・電池・O リングは特に保存期限あり) |
| 棚卸し年 1 回・長期保管 3 年で劣化確認 | 社内基準の例 |
原本未照合(honest-hold)¶
- 「MCCB は短絡遮断後は交換前提の運用が多い」の可否・回数条件は、メーカーのカタログ・技術資料を本 Wiki では照合していない。自社採用メーカーの技術資料で確認すること
- 電子部品(電解コンデンサ・PLC バッテリー)の保存期限の具体年数は本ページでは示さない(メーカー・型式で異なるため)
正典参照¶
| 項目 | 正典 |
|---|---|
| 設備重要度 A ランクの基準 | 保全体系 |
| MTBF・廃番リスクと在庫数量の計算 | 寿命管理 |
| 遮断器(高圧)の寿命の目安 | 遮断器 |
| 製造中止品の代替調査・先行確保 | 改造・更新設計の注意点 |
照合日: 2026-08-06(本ページの数値を1件ずつ「実務慣行/社内基準例/メーカー正」に切り分け。法令・規格由来と誤読される記述がないことを確認、MCCB の機序誤りを是正)。
セキュリティ観点の節について(2026-09-17 追加)¶
本ページの「セキュリティで見るところ」節は運用上のチェック観点であり、法令・規格の逐語照合を持ちません。チェック項目の網羅性はなく、リスクアセスメントの代替にもなりません。限界の明示は 制御セキュリティの現場チェック の根拠節にあります。
関連ページ¶
- 保全体系 — 設備重要度 A ランク基準と予備品優先度の判断軸
- 寿命管理 — MTBF・廃番リスクを考慮した推奨在庫数量の計算
- 復旧性管理 — 「納期 > 許容停止時間」だけで判定せず、契約対応・対策後の到達・費用の 3 段で予備品要否を決める
- 定期点検 — T/A で使用する消耗品(パッキン・リレー等)の一括補充タイミング
- メーカー選定 — 既設メーカー統一の判断と部品互換性確認の考え方
- 改造・更新設計の注意点 — 製造中止品の代替品調査と先行確保の手順
- 制御セキュリティの現場チェック — 予備品管理で見る制御セキュリティの観点
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