電気事業法 第39条 — 事業用電気工作物の維持(技術基準適合義務)¶
📊 試験対策メタ
- 出題頻度: 🔥🔥(過去14年で 2 回出題)
- 重要度: B(重要)
- 直近出題:
H29(2017/9)が直近出題。直近7年超の出題ブランク。低出題頻度だが、第40条(適合命令)とセット出題される点が重要。
⚡ 5秒で思い出す¶
- 設置者の義務=「維持」(「努力」ではない)
- 竣工時の合格で終わりではなく、使用中も継続して基準に適合する状態を保つ
- 違反時の行政措置:技術基準適合命令(第40条) → 従わなければ使用停止
セルフチェック: 設置者の義務は『努力義務』か『法的義務』か。条文のどの文言からそう判別できるか述べよ。
法的義務。判別の決め手は条文末尾の文言で、「維持しなければならない」と書かれていれば義務、「~するよう努めなければならない」なら努力義務。第39条には「努力」の語が一切なく「維持しなければならない」とあるため法的義務。文末表現の差を読めるかが核心で、努力義務との混同は頻出ひっかけ。
📋 条文の概要¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 電気事業法 第39条 |
| 義務者 | 事業用電気工作物を設置する者(条文の逐語。自家用電気工作物は事業用電気工作物の一部であり、電気事業用も含む)(KAISEI-2022-001:小規模事業用電気工作物を設置する者にも本条が適用される) |
| 義務内容 | 電気設備に関する技術基準を定める省令(電技省令)に適合するよう維持 |
| 義務の性質 | 継続的な法的義務(竣工後も使用中ずっと) |
| 行政措置先(違反時) | 主務大臣 → 技術基準適合命令(第40条) |
KAISEI-2022-001:第39条は小規模事業用電気工作物にも適用される
2022年改正(令和5年3月20日施行)で電気事業法第38条が4区分体系(一般用・小規模事業用・自家用・電力会社等)に整理されたことに伴い、小規模事業用電気工作物を設置する者にも第39条の技術基準適合維持義務が及ぶ。
これは小規模事業用に課される3義務(技術基準適合維持/使用前自己確認/基礎情報届出)の1つであり、「小規模だから維持義務はない」と読み替えてはいけない。
詳細は 電気工作物の種別 第38条 ・ 法令改正一覧 を参照。
ひっかけ:「維持」vs「努力」
第39条 維持義務 → 「維持しなければならない」(法的義務)
試験の選択肢では「技術基準に適合するよう努力しなければならない」が罠として登場。
✗「努力」→ ○「維持」が正解。努力義務は別条文(第57条等)で登場することもある。
🔑 「設置者」は誰か¶
事業用電気工作物を設置し、使用する法人または個人。
条文の主語は「事業用電気工作物を設置する者」であり、自家用に限定されない(事業用 = 電気事業の用に供する電気工作物 + 自家用電気工作物)。受験対策では「自家用の話」と狭く覚えると、電力会社側の設備を含む正誤問題で誤答する。
| 該当 | 事例 |
|---|---|
| ✅ 設置者 | 工場・ビル・学校で受変電設備(特別高圧・高圧)を所有する企業・事業者 |
| ✅ 設置者 | 自社敷地内に発電設備を持つ企業 |
| ⚠️ 外部委託時も | 保安業務を外部委託していても、設置者の義務は消えない。委託先が代行するだけ |
キーポイント
「設置者 = 電気主任技術者を選任している組織」とほぼ一致する。 設置者が技術基準の判断・実行をするには電気の専門知識が必須 → 第43条で主任技術者の選任が義務化される理由。
「技術基準」とは何か¶
電気設備に関する技術基準を定める省令(電技省令)のこと。
- 法的性質: 経済産業省が定めた省令(政省令レベルの法規範)
- 内容: 電気工作物の絶縁性能・接地方式・遮断電流・保護協調など、設備の安全仕様全般
- 適用対象: 事業用電気工作物(自家用を含む)の設計→施工→使用中の全段階に適用
第39条の立て付け
技術基準自体の詳細は電技省令に委任されており、第39条は「維持しなければならない」という義務主体と継続性を明記する条文。
📊 第39条と関連条文の関係¶
第39条(維持義務)
↓ 違反時に
第40条(適合命令)→ 主務大臣が命令(修理・改造・移転・使用停止)
↓ 義務を履行するために
第43条(主任技術者選任)→ 専門家による継続的な判断・実行が必要
| 条文 | 役割 | 「維持義務」との関係 |
|---|---|---|
| 第39条 | 設置者に技術基準維持を義務付ける | 義務の根拠条文 |
| 第40条 | 違反時の行政措置(適合命令) | 義務を強制する手段 |
| 第42条 | 保安規程の届出 | 維持義務を組織的に実行する手順書 |
| 第43条 | 電気主任技術者の選任 | 維持義務を実現する専門家 |
🕳️ 頻出落とし穴¶
-
🔴 「努力義務」と答えてしまう → 第39条は「維持しなければならない」。努力義務ではなく法的義務。試験では「努力しなければならない」という選択肢が罠として登場
-
🔴 「竣工時の合格で義務は終わる」と勘違い → 誤り。竣工時の合格は出発点。使用中も継続的に基準に適合した状態を維持し続けることが義務
-
🔴 「小規模事業用電気工作物には技術基準適合義務がない」と誤解(KAISEI-2022-001)→ 誤り。2022年改正後、小規模事業用にも第39条の維持義務が課される。3義務(維持/使用前自己確認/基礎情報届出)の1つ
-
🟡 「設置者が外部委託したら、もう責任がない」 → 誤り。委託先が代行するだけで、設置者の義務は消えない。委託先が基準を満たさなくても設置者の責任
-
🟡 「最初から使用停止を命じる」 → 手順を踏む。第40条の「技術基準適合命令」(修理・改造等)が先。命令に従わない場合に使用停止に至る。なお第40条の命令権者は条文上主務大臣(一般用を扱う第56条は「経済産業大臣」と書き分けられている)
-
🟢 「技術基準」の内容を詳細に覚える必要はない → 第39条は「維持すること」が問われる。技術基準の詳細は電技省令を参照。試験では「適合」「維持」という義務の有無・性質が出題ポイント
📜 条文原文(e-Gov 一次照合・339AC0000000170)¶
条文原文 — 電気事業法 第39条 (事業用電気工作物の維持)
e-Gov 法令検索のキャッシュ(scripts/cache/egov-339AC0000000170.xml)から転記。
scripts/check_law_verbatim.py が本ブロックを原典と逐語照合する。
第1項 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
第2項 前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
一 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
二 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
三 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
四 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。
📝 過去問実績¶
| 年度 | 問 | 形式 | 論点 |
|---|---|---|---|
| H29 | 問1 | 正誤 ✅ | 技術基準への適合(維持義務の有無・性質) |
| H23 | 問2 | 正誤 ✅ | 技術基準適合命令(第40条とのセット出題) |
出題パターン予測
直近7年超未出題。以下のポイントが再出題可能性あり:
- 「維持」vs「努力」の正誤判定 — 基礎的だが頻出パターン
- 第39条(維持)と第40条(命令)のセット出題 — H23パターン
- 設置者の義務範囲(外部委託時の責任) — 実務的な誤解を狙う形式
📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)¶
各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます
上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。
- ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
- メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
- 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)
🔗 関連ページ¶
- 直前確認・図解(法規Wiki): 技術基準適合義務(電験3種法規Wiki) — 過去問のひっかけ・暗記表・図解で直前確認
- 電気事業法の体系 — 第39〜43条の連携構造・過去問全文
- 技術基準適合命令 第40条 — 違反時の行政措置(第39条とセット出題)
- 電気主任技術者 第43条 — 維持義務を実現する専門家
- 保安規程 第42条 — 維持義務を組織的に実行する手順書
- 電気工作物の種別 第38条 — 4区分体系(小規模事業用への適用根拠)
- 法令改正一覧 — KAISEI-2022-001 の改正趣旨
📜 監修ログ¶
- 2026-08-29 監査是正: 「条文原文」節を新設し、電気事業法第39条の全文を e-Gov キャッシュ(
scripts/cache/egov-339AC0000000170.xml)から項・号の構造ごと転記した。従来このページは「一次照合済」と宣言しながら機械が逐語照合できる条文原文を持たなかったため、宣言の裏付けが取れなかった。本節の追加によりscripts/check_law_verbatim.pyの照合対象になる。新設ゲートscripts/check_verification_claims.py(照合宣言 × 条文原文ブロックの突合)による。 - 2026-08-29 監査是正: 第40条の命令権者を「経済産業大臣」→ 条文どおり 主務大臣 に是正(e-Gov 一次照合
339AC0000000170第40条第1項「主務大臣は、事業用電気工作物が…」)。一般用を扱う第56条が「経済産業大臣」と書き分けられている点を併記した。 - v1.1(2026-05-07): KAISEI-2022-001(2022年改正・令和5年3月20日施行)追記。条文概要に小規模事業用への適用補足を追加し、警告ブロックと落とし穴1項目(🔴)を追加。関連ページに第38条・法令改正一覧へのリンクを追加。
- v1.0(2026-04-20): 初版。
最終確認: 2026-05-07 | ステータス: v1.1 | バージョニング基準
- 2026-07-28 義務者の是正(原典逐語照合): 義務者を「自家用電気工作物を設置する者」としていたのを条文どおり「事業用電気工作物を設置する者」に是正(自家用は事業用の一部であり、電気事業用も含む)。同一ページ内で H1・index の「事業用」と食い違っていた。典拠: 電気事業法 第39条第1項/原典PDF p.28/照合日 2026-07-28。