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🏗️ 高圧機械器具の施設(さく・へい)

出題頻度: 4回/14年 ★★★☆☆

R08上期(2026/8)は R07 で未出題。R04下〜R06上の3年間で3回連続出題後の空白。出題確率★★(中)。


法的根拠ピラミッド

🟥 電気事業法(電技省令)    ← 第9条(高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止)
🟨 電気設備技術基準の解釈    ← 第21条(高圧の機械器具の施設)← 試験の中心

🧠 覚え方: 省令第9条=「なぜ規制するか」(危険防止の目的規定)、解釈第21条=「どう施設するか」(施設方法の具体的数値)。試験では解釈第21条の数値が直接問われる。詳細は 解釈第21条 条文ページ を参照。

⚠️ 省令第21条 とは別物: 解釈第21条=高圧機械器具の施設、省令第21条=架空電線及び地中電線の感電の防止。条文番号は同じ「21」だが上位法と下位法で内容が異なる。ガス絶縁機器の危険防止は 省令第33条(H29問4)でさらに別論点。混同に注意。


🧠 正答者 vs 誤答者の視点差

観点 ❌ 誤答者 ✅ 正答者
施設方法の選択肢 「さく・へい」の数値だけ覚える 施設方法は4パターンあり、キュービクルなら「充電部露出なし」でさく不要と理解
さく・へいの「5m」の意味 「さくの高さが5m以上」と誤解 さくの高さ + さくから充電部までの距離の和が5m以上(どちらも可変)
充電部が高い場合 いつでもさくが必要と思い込む 充電部が地上4.5m以上(市街地外は4m以上)ならさく省略可
危険表示 「表示は任意」と思う さく・へいには危険表示が必須(省略すると不適合)
第9条 vs 第21条 vs 第33条 の違い 同じ条文だと思う 解釈第21条=さく・へいの施設基準、省令第9条=高圧・特高機器の危険防止の目的規定、省令第33条=ガス絶縁機器等の危険の防止(H29問4)

⚡ 5秒で思い出す

「高さ + 距離 = 5m以上 + 危険表示。充電部 4.5m 以上なら省略可」

セルフチェック①: さくの高さ2m、さくから充電部まで3mの場合、適合するか?

和 = 2 + 3 = 5m ≧ 5m → 適合。さくの高さは2mでも距離が3m確保できていればOK。

セルフチェック②: キュービクル(金属製外箱)を設置する場合、さく・へいは必要か?

不要。金属製外箱により「充電部分が露出しないよう施設」の条件を満たすため、さく・へいの施設は不要。工場の高圧受変電設備(キュービクル)はこの方法。


🧠 概念・趣旨

なぜ施設基準が必要か

高圧(6.6kV等)の機械器具(変圧器・高圧開閉器・コンデンサ等)に一般人が触れると感電死亡事故に直結する。

電力会社の変電所や開閉所は敷地全体が立ち入り制限されているが、工場・ビル等に設置するキュービクル・屋外変圧器は一般人や工場従業員が近づく可能性がある。そこで「どうやって人を守るか」の施設方法を規定したのが電技解釈第21条。


📐 施設方法(4パターン)

電技解釈第21条。高圧機械器具は以下のいずれかで施設する。

# 方法 具体例 数値条件
① 変電所等に施設 電力会社の変電所・開閉所・これに準ずる場所 一般人立ち入り禁止が前提
② 充電部が露出しない施設 キュービクル(金属製外箱)に収める等 充電部が完全に覆われていること
③ 取扱者専用の建物内 電気室・キュービクル室等(鍵管理) 取扱者以外の者が立ち入らない措置
④ さく・へい等を設ける 屋外変圧器に金属柵で囲む等 下記の数値条件あり

現場でよく見る②と④

  • ② = キュービクル: 工場・ビルの高圧受電設備の標準形。外側から充電部が見えないので安全。
  • ④ = さく囲い: 電柱の変圧器(柱上変圧器)や屋外変電設備等、箱に入れられない場合に使用。

📏 さく・へいを設ける場合の数値条件(④)

電技解釈第21条 第1項第4号

基本条件

\[ \text{さく・へいの高さ} + \text{さく・へいから充電部までの距離} \geq \mathbf{5 \text{ m}} \]

かつ、さく・へいに危険である旨の表示をすること。

省略条件

充電部分が地表上 4.5 m 以上(市街地外は 4 m 以上)の高さにある場合 → さく・へいを省略できる。

(省略した場合でも充電部の下方に危険の表示は必要)

数値のイメージ

例1) さくの高さ 2m + 充電部まで 3m = 5m → ✅ 適合
例2) さくの高さ 1.5m + 充電部まで 3.5m = 5m → ✅ 適合
例3) さくの高さ 2m + 充電部まで 2.5m = 4.5m → ❌ 不適合
例4) 充電部が地上 4.5m 以上 → ✅ さく省略可(表示は必要)

「5m」はどんな組み合わせでもOK

さくの高さに最低値の規定はなく、「高さ + 距離 ≥ 5m」を満たせばよい。 現実的には、人が乗り越えられない高さ(2m前後)にすることが多い。


🔍 技術翻訳表

条文の表現 現場で言うと 物理で言うと
高圧機械器具(解釈第21条) 変圧器・高圧開閉器・コンデンサ等 6.6kVを扱う設備。触れると即座に感電死亡事故に至る電圧
充電部分が露出しないように施設 キュービクル(金属製外箱)に収める 外箱が等電位シールドとして作用し、接触時に通電経路が形成されない
さく・へいを設ける 金属柵や壁で囲う 物理的に人が充電部に届かない距離を確保する受動的安全対策
高さ+距離 ≧ 5m 柵の高さ2m+柵から変圧器まで3m、など 人の手が届く最大リーチ(身長+腕)+余裕代で設定された実用的安全距離
地表上4.5m以上でさく省略可 充電部が2階の天井付近より高い 通常の動作で人が手を伸ばして届く高さを超えており、接触リスクが実質ゼロ ✅
危険である旨の表示 「高圧危険」などの標識設置 不注意による接近・接触の心理的抑止。法的には義務であり省略不可 ✅

🔍 関連条文との違い(出題上の注意)

このテーマの中心条文は 解釈第21条(高圧の機械器具の施設)。省令側の第21条(架空電線及び地中電線の感電の防止)とは別物。同番号でも上位法(省令)と下位法(解釈)で扱う論点が異なる点に注意。

条文 内容 出題年度
電技解釈第21条 高圧機械器具の施設方法(さく・へいの距離数値) R04下・R05下・R06上・H21
電技省令第9条 高圧又は特別高圧の電気機械器具の危険の防止(目的規定) 解釈第21条の上位
電技解釈第29条 高圧・特高機器の金属製外箱の接地(A種) R04下(第21条との複合)
電技省令第33条 ガス絶縁機器等の危険の防止 H29問4(別論点)

条文番号の混同に注意

  • 解釈第21条 = 高圧の機械器具の施設(このテーマ・5施設方法)
  • 省令第21条 = 架空電線及び地中電線の感電の防止(別論点)
  • 解釈第29条 = 機械器具の金属製外箱の接地(A種)
  • 解釈第38条 = 避雷器等の施設(避雷器・全くの別論点)

過去の wiki 内では「解釈第38条」と誤記していた時期がある(2026-05-05 修正)。試験勉強では 解釈第21条の「5m ルール」と「危険である旨の表示」 が核心。


🕳️ 頻出論点と落とし穴

危険度ランク: 🔴致命 / 🟡要注意 / 🟢安心

  1. 🔴 「さくの高さ5m以上」と誤解する
  2. 正しくは 「高さ + 距離 の和 が 5m 以上」
  3. さくが3mで距離が2mでも適合。さくが1.5mで距離が3.5mでも適合。

  4. 🔴 省略条件を「4m以上で省略可」とする(市街地の基準を忘れる)

  5. 市街地: 4.5m 以上 / 市街地外: 4m 以上
  6. 問題文に「市街地」の文言があるかを確認する

  7. 🟡 危険表示の義務を忘れる

  8. さく・へいを設けても表示がなければ不適合
  9. 「充電部の下方に危険表示」(省略した場合も必要)

  10. 🟡 キュービクルでさく不要なのに「さくが必要」と答える

  11. キュービクル(充電部が露出しない施設)= 方法②
  12. さくを設けるのは方法④であり、②を使えば④は不要

  13. 🟢 4パターンの施設方法の整理

  14. 変電所等 / 充電部露出なし / 取扱者専用建物 / さく・へい
  15. 工場の実態(キュービクル = 充電部露出なし)と条文を対応付けると記憶に残る

📝 出題実績

年度 問 形式 内容
R06上 問4 論説 高圧の機械器具の施設 正誤判定(解釈第21条 表記)
R05下 問4 穴埋め ✅ さく・へいの施設等(解釈第21条)空欄 (ア)〜(エ)
R04下 問3 穴埋め ✅ 高圧以上の電気機械器具の危険の防止(解釈第29条・第38条)複合
H29 問4 穴埋め ガス絶縁機器等の危険の防止(省令第33条)← 別論点
H21 問6 論説 高圧機械器具の施設条件(解釈第21条 表記)(kakomon.yml 範囲外=H23以降のみ収録)

R08 出題予測

R06上(2024/8)以降 2 年間未出題。R04下〜R06上で3連続出題後の空白。 出題確率★★(中)。穴埋め形式が定番。「5m」の数値と「充電部4.5m以上でさく省略可」が狙われやすい。



📝 過去問演習

使い方

問題を開く → 自分で解く → 解答・解説を開いて確認。二重折りたたみなので答えが先に見えません。

R05下 問4(穴埋)— さく・へいの施設等 | 解釈第21条

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧の機械器具の施設に関する記述である。

高圧の機械器具(がいし引き型の断路器、電力用コンデンサ等)を屋外に施設する場合は、さく・へい等を設けて施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、さく・へい等を省略できる。

さく・へいを設ける場合は、さく・へいの高さとさく・へいから充電部分までの距離との和を (ア) m以上とし、かつ、さく・へい等に (イ) 旨の表示をすること。

充電部分が地表上 (ウ) m(市街地外においては (エ) m)以上の高さにある場合は、さく・へい等を省略できる。

(ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 5 危険である 4.5 4
(2) 5 立入禁止の 4.5 3.5
(3) 5 危険である 5 4.5
(4) 4.5 立入禁止の 4 3.5
(5) 4.5 危険である 5 4
解答・解説

正解: (1) (ア)5 (イ)危険である (ウ)4.5 (エ)4

空欄 正答 根拠
(ア) 5 m 解釈第21条: 「高さ + 距離 ≧ 5m」の和の条件。どちらかが0でも合計5m以上が必要
(イ) 危険である 「危険である旨の表示」が条文の正確な表現。「立入禁止」は別物
(ウ) 4.5 m(市街地) 地上4.5m以上なら一般人が手を伸ばしても届かない高さ
(エ) 4 m(市街地外) 農村等の低密度地域での緩和規定。市街地の4.5mより0.5m低い

💡 得点のカギ: (ア)は「5」、(イ)は「危険である」の2点が最頻出。「立入禁止」という誘惑の選択肢に惑わされない。

R06上 問4(論説・適否判定)— 高圧の機械器具の施設 | 解釈第21条,第21条

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧の機械器具の施設に関する記述である。正しいものを選べ。

(1) 屋外に施設する高圧変圧器に対して、さく・へいの高さを2m、さく・へいから充電部分までの距離を2mとして施設した。

(2) 高圧の機械器具は、工場構内に設置する場合でも、必ずさく・へいを設けなければならない。

(3) 金属製の外箱に収めた高圧機械器具は、充電部が露出しないため、さく・へいを省略できる。

(4) 屋外変圧器の充電部が地表上4.5mの高さにあるため、さく・へいを省略し、かつ危険表示も省略した。

(5) 市街地外では、充電部が地表上4.5m以上の高さにあればさく・へいを省略できる(市街地は5m以上が必要)。

解答・解説

正解: (3)

選択肢 判定 理由
(1) ❌ 高さ2m+距離2m=4m。5m以上が必要なので不適合
(2) ❌ さく・へいは施設方法の一つ。キュービクル(充電部露出なし)等で代替可能
(3) ✅ 充電部が露出しないよう施設=解釈第21条の方法②に該当。さく・へいは不要
(4) ❌ さく省略の場合でも「充電部の下方に危険表示」は省略不可。表示義務は残る
(5) ❌ 逆。市街地が4.5m以上(厳しい)、市街地外が4m以上(緩和)。問題文は逆

💡 得点のカギ: (4)の「さく省略でも表示は必要」は最頻出の引っかけ。さくと危険表示は独立した義務。

R04下 問3(穴埋・複合)— 高圧以上の機械器具の危険防止 | 解釈第29条,第21条

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧以上の電気機械器具の施設に関する記述である。

高圧または特別高圧の電気機械器具の充電部分には、取扱者以外の者が触れるおそれがないよう、さく・へい等を設けること。ただし、次のいずれかに該当する場合は省略できる。

  • 充電部分が地表上 (ア) m以上(市街地外は (イ) m以上)の高さにある場合
  • 充電部分が露出しない施設(キュービクル等)の場合

また、使用電圧が低圧である機械器具の金属製の台及び外箱には、D種接地工事を施すこと。使用電圧が高圧または特別高圧の場合は (ウ) 接地工事を施すこと。

(ア) (イ) (ウ)
(1) 4.5 4 A種
(2) 4.5 3.5 B種
(3) 5 4.5 A種
(4) 5 4 C種
(5) 4 3 A種
解答・解説

正解: (1) (ア)4.5 (イ)4 (ウ)A種

空欄 正答 根拠
(ア) 4.5 m(市街地) 解釈第21条の省略条件。市街地は4.5m
(イ) 4 m(市街地外) 市街地外の緩和条件
(ウ) A種 解釈第29条: 高圧または特別高圧の機械器具の金属製外箱・台 → A種接地工事。低圧の場合はD種。接地種別は使用電圧に連動する

💡 得点のカギ: (ウ)は第21条だけでなく第29条(接地工事)との複合問題。「高圧機器の外箱=A種接地」のセット記憶が必要。第21条の施設条件だけ覚えていると(ウ)で失点する。


🔗 Level 2: 物理的背景 🔬

Level 2: 物理的背景

  • なぜ「高さ + 距離 = 5m」なのか: 高圧(6.6kV)の場合、空中での絶縁距離は理論上 cm 単位で済むが、感電防止・放電安全距離として「人の手が届かない範囲」を確保するための実用規定。身長+腕の長さ(約2m)+さらに余裕を含めた値。
  • なぜ4.5m(市街地)で省略可なのか: 地上4.5mはほぼ2階の高さ。一般人が偶然触れられる高さを超えているため、さくなしでも接触リスクが実質ゼロになる。市街地外(農村等)の4mは人の密度が低いことによる緩和。
  • キュービクルが普及した理由: さくを設けると土地が余分に必要になる。充電部を完全に封止する金属製外箱(キュービクル)は施設コストが低く、さく・危険表示も不要。現代の工場・ビルでは事実上全てキュービクルを採用。


Level 3: 設計パラメータ 📐

実務上の数値根拠

パラメータ 数値 根拠
さく高さ+距離の和 5 m以上 身長1.8m+腕のリーチ0.8m≒2.6m を大幅に超える安全距離。工場建屋の天井高(4〜5m)とも整合する実用値
市街地の省略可能高さ 4.5 m以上 2階床面高(約3m)+余裕。一般人が脚立なしに届く最大高さを超える ✅
市街地外の省略可能高さ 4 m以上 農村等の低人口密度地域での緩和。農業機械(トラクター等)の作業高さ(~3m)を超える設定
高圧機器外箱の接地 A種(10Ω以下) 地絡電流が大きい高圧では接地抵抗を低くして感電時の対地電位上昇を抑制。低圧D種(100Ω)より厳しい要件 ✅

なぜキュービクルが標準形になったか

さく・へい方式では:① 施設面積が約2〜3倍必要(さくの内側に作業スペース確保)② 危険表示の維持管理が必要 ③ 雨・鳥の侵入対策が別途必要。キュービクル(充電部露出なし)はこれら全てを金属外箱で解決し、追加工事面積もほぼゼロ。1980年代以降の工場・ビル新設では事実上全てキュービクルに移行。


⚡ R08対策: 穴埋めパターン(頻出3パターン)

パターン①: さく・へいの数値穴埋め(最頻出)

R05下問4 型。「(ア)m以上・(イ)旨の表示・(ウ)m(市街地外(エ)m)」の4空欄

空欄 正答 紛らわしい選択肢
和の距離 5 m 4.5、4
表示の内容 危険である 立入禁止の、高圧である
市街地の省略高さ 4.5 m 5、4
市街地外の省略高さ 4 m 3.5、4.5

暗記より理解で定着させる

「5m」は人の手が届かない距離の実用値。「4.5m(市街地)> 4m(市街地外)」は市街地が厳しい(人が多いから)。「危険である旨」は条文の正確な表現。

パターン②: 施設方法の適否判定(R06上型)

正誤の判定軸:

  1. さく高さ+距離の和が5m未満 → 不適合
  2. 「さくが必要」とキュービクルを否定 → 不適合(キュービクル=充電部露出なし=さく不要)
  3. さく省略時に危険表示も省略 → 不適合(さく省略でも表示義務は残る)
  4. 「市街地外4.5m、市街地4m」と逆転 → 不適合(市街地の方が厳しい)

パターン③: 第21条+第29条 複合(R04下型)

高圧機器の「施設方法(第21条)+外箱接地(第29条)」のセット出題。

確認ポイント 正答
さく省略条件の数値 市街地4.5m / 市街地外4m
高圧機器外箱の接地種別 A種(低圧はD種との対比で出題)

🔗 関連テーマ

同根拠(接地・条文連動)

  • 接地工事 — 機械器具の金属製外箱には接地工事(第29条)が必要。R04下問3は第21条+第29条の複合問題
  • 解釈第21条 条文ページ — 5施設方法・条文原文・穴埋め過去問チャレンジ

参考(別射程・弱リンク)

  • 電気施設管理 — 施設の点検・管理義務(本ページの「施設方法」とは射程が別。本条文の根拠論点には直接登場しない)

最終確認: 2026-05-05 | ステータス: v1.2(条文番号 第38条→第21条 修正・誤記事正常化) | バージョニング基準