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📖 用語の定義

法規科目の「共通言語」。ここを制する者が法規を制する。

出題頻度: 出題実績の自動集計ブロックを参照(kakomon.yml から常時生成。手書きの回数はここに置かない)

根拠条文: 省令第1条, 第2条 / 解釈第1条


🧠 正答者 vs 誤答者の視点差

まず「正答者はどう考えているか」のゴールを見てから詳細に入ると効率が良い。

観点 ❌ 誤答者 ✅ 正答者
使用電圧 vs 最大使用電圧 「同じ意味」と雑に処理し、絶縁耐力試験の計算で基準値を間違える 「係数をかけて変換する関係」と理解。公称電圧 → 最大使用電圧 → 試験電圧の変換を一本の流れで把握
電圧区分の直流境界 「低圧 = 600V以下」だけ覚えて直流750Vを見落とす 「交流600 / 直流750 — 直流は150V高い」と意識。なぜ高いかも説明できる(直流はピーク値)
電気工作物の分類境界 「低圧受電 = 一般用」と単純化。発電設備容量の条件を無視 受電電圧だけでなく発電設備の出力(太陽光なら 10kW未満か)も判断基準に含める
接触防護の高さ 2.3mと1.8mを感覚で選んで混同 「誰を守るか(全員 = フル 2.3m / 大人だけ = 簡易 1.8m)」から論理的に導く

法的根拠ピラミッド

🟥 電気事業法         ← 「電気工作物」等の基本用語を定義
🟨 電気設備技術基準(省令)← 第1条(用語の定義)、第2条(電圧の種別)
🟩 電技解釈           ← 第1条(用語の定義・具体的数値)

📐 WHYから理解する(法令の必然性)

層 法令 問いかけ 答え
🔴 法律 電気事業法 第2条・第38条 なぜ規制するのか 電圧・設備の種類によってリスクが異なるため、用語を法律で統一定義する必要がある
🟠 政令 電気事業法施行令 第1条 規制の範囲は? 低圧(交流600V以下・直流750V以下)/ 高圧(7,000V以下)/ 特別高圧(7,000V超)を規定
🟡 省令 電気事業法施行規則 何を守るか 電気工作物の種別(一般用・小規模事業用・自家用・事業用)ごとの規制を適用
🟢 告示 電技解釈 第1条 どうやって守るか 電圧区分に応じて絶縁抵抗・接地工事・離隔距離の数値基準が変わる
🔵 規格 JIS C 0446(色識別) 実務では? 電線の色分け・表示で電圧区分を識別

🧠 線の記憶ポイント: 電圧区分はすべての法規問題の前提条件。「まず電圧区分を特定してから条文を当てはめる」が正答への最短ルート。直流は交流より150V高い(低圧:750V vs 600V)。


🧠 概念・趣旨

法規の全条文で使われる共通言語の定義集。ここを曖昧にすると、他の条文を正しく読めなくなる。

  • 「使用電圧」と「最大使用電圧」は別の概念 — 混同すると絶縁耐力試験の基準電圧を間違える
  • 「接触防護措置」と「簡易接触防護措置」は防護レベルが異なる — 要求される場面が違う
  • 「電気使用場所」「需要場所」「受電点」など、似た用語が微妙に異なる意味を持つ

⚡ 5秒で思い出す: 用語定義 = 法規の共通言語。「使用電圧 ≠ 最大使用電圧」「交流600V / 直流750V」「一般用は低圧受電 + 小出力のみ」の3点を押さえれば全問題に対応できる


🔍 技術翻訳表

条文の表現 現場で言うと 物理で言うと
使用電圧(省令第1条) 公称電圧・定格電圧(例: 6.6kV、200V) 電路を代表する線間電圧。機器選定・絶縁耐力試験の基準値
最大使用電圧(解釈第1条) 系統で実際に出る最大値(例: 6.6kV系 → 6.9kV ✅) 使用電圧に換算係数を乗じた値。絶縁耐力試験電圧の直接基準
低圧(交流600V以下・直流750V以下) 一般電灯・コンセント・三相200V動力 人体の安全限界(50Hz交流 約50mA)に基づく区分 ✅
高圧(交流600V超〜7,000V以下) 受電キュービクル・6.6kV配電線 感電時の重症化リスクが飛躍的に高まる電圧域
特別高圧(7,000V超) 66kV・154kV送電線・特高受電設備 電弧放電が空気中でも発生する領域。近接するだけで危険
一般用電気工作物 家庭・小規模店舗の設備 受電電圧600V以下+小規模発電設備で出力が省令未満(太陽光 10kW未満)のもののみ持つ設備 ✅
自家用電気工作物 工場・ビルの受電設備(キュービクル等) 高圧または特別高圧で受電する需要家の電気工作物全般
電気使用場所 需要家側・工場フロア・事務室 電気を使用するために施設した場所(「使用」が目的)
需要場所 お客さんの敷地全体・構内 電気使用場所を含む1の構内(「場所 ⊂ 構内」の関係)✅

📊 比較表

電圧の種別(省令第2条)

⚡ 5秒で思い出す: 交流は「ろっぴゃく / ななせん」、直流は「ならびに ひゃくごじゅう 増し(750/7,000)」 — 直流の下限だけ150V高い

種別 交流 直流
低圧 600V以下 ✅ 750V以下 ✅
高圧 600V超〜7,000V以下 ✅ 750V超〜7,000V以下 ✅
特別高圧 7,000V超 ✅ 7,000V超 ✅

電気工作物の分類(電気事業法)

分類 対象 保安規程 主任技術者
一般用電気工作物 低圧受電(600V以下)・小規模発電設備で出力が省令未満(太陽光 10kW未満)✅ 不要 不要
小規模事業用電気工作物 太陽光 10kW以上50kW未満/風力 20kW未満(2022年改正で新設・事業用) 不要 不要
自家用電気工作物 高圧以上で受電・または一般用に該当しない電気工作物 必要 必要(電気主任技術者)
電気事業用電気工作物(電力会社等) 発電所・変電所・送配電設備。「事業用電気工作物」はこの行のことではない——法第38条第2項で「事業用電気工作物とは、一般用電気工作物以外の電気工作物」と定義され、下2行(小規模事業用・自家用)もすべて事業用に含まれる 必要 必要

この表の4区分は排他ではない(包含関係がある)

まず 事業用電気工作物=一般用電気工作物以外のすべて(法第38条第2項・e-Gov 339AC0000000170 で実測)。したがって表の下3行(小規模事業用・自家用・電気事業用)は いずれも事業用の内側にある。そのうえで 小規模事業用電気工作物 ⊂ 事業用であり、かつ ⊂ 自家用。直接の条文証拠は 法第43条第2項「自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者は…」—— 含まれないなら「除く」と書く必要がない(e-Gov 339AC0000000170 で実測)。 保安規程・主任技術者が不要なのは、第42条の括弧書き「小規模事業用電気工作物を除く。以下この款において同じ」が 同じ款の第43条にも及ぶため。「それ以外は自家用」と丸暗記すると、10〜50kW の太陽光が 自家用にも当たること(=表の2行にマッチすること)を見落とす。

⚡ 5秒で思い出す: 「600V以下・太陽光 10kW未満 → 一般用。10〜50kW は小規模事業用(自家用でもあるが保安規程・主任技術者は不要)。それ以外は自家用(キュービクル持ちは全員自家用)」

最大使用電圧の換算(解釈第1条)

使用電圧の区分(1-1表 逐語) 係数 最大使用電圧の計算例
1,000V以下 1.15 200V × 1.15 = 230V(=最大使用電圧。試験電圧ではない)
1,000Vを超え500,000V未満 1.15/1.1 6,600V × 1.15/1.1 = 6,900V / 22,000V × 1.15/1.1 = 23,000V
500,000V 1.05、1.1又は1.2 —
1,000,000V 1.1 —

230V は最大使用電圧であって試験電圧ではない。絶縁耐力試験電圧はさらに倍率を掛けた値(低圧の電路なら 230 × 1.5 = 345V → 500V未満なので下限の 500V。解釈第16条 16-4表)。

「1.15/1.1」は系統によって選ぶ値ではなく、1つの係数(≒1.045)。値が選択肢になるのは 500,000V の行(1.05、1.1又は1.2)だけ。出題では「6.6kVの最大使用電圧は6,900V」レベルの理解で足りることが多い。

典拠: 解釈第1条第二号イ・1-1表(同梱PDF p.3 を逐語照合・2026-09-08)

接触防護措置 vs 簡易接触防護措置

項目 接触防護措置 簡易接触防護措置
さく・へいの高さ 2.3m以上(屋内)/ 2.5m以上(屋外)✅ 1.8m以上(屋内)/ 2.0m以上(屋外)✅
さく・へいと充電部の距離 さくの上部から充電部まで+α ✅ 同左(緩和あり)✅
金属管等の防護 堅ろうな絶縁管・金属管等で覆う 同左
想定する接触者 すべての人(幼児含む)✅ 取扱者以外(成人を想定)✅
適用場面 住宅等の一般公衆が触れる場所 ✅ 電気室等の関係者が入る場所 ✅

🧠 覚え方: 「接触防護」はフル防護(子供も守る)、「簡易」は大人向け簡略版 → 高さの差(2.3m vs 1.8m)は子供の手が届くかどうかの差

⚡ 5秒で思い出す: 「フル防護 = にてんさん(2.3m)、簡易 = いちてんはち(1.8m)。差は子供の肩車分」


🕳️ 頻出論点と落とし穴

危険度ランク: 🔴致命(連鎖失点リスク)/ 🟡要注意(単発失点)/ 🟢安心(加点要素)

  1. 🟡 🎯 低圧の境界値:交流と直流で異なる

    • 交流: 600V以下 が低圧
    • 直流: 750V以下 が低圧 ← 直流の方が150V高い
    • 引っ掛けパターン:「低圧は600V以下」と書いて正誤を問う。直流750Vを見落とすと誤答
  2. 🔴 🎯 使用電圧 ≠ 最大使用電圧 — 係数を意識する

    • 使用電圧 = 電路の公称電圧(例: 6,600V)
    • 最大使用電圧 = 通常運転で生じる最大値(例: 6,900V ✅)
    • なぜ重要か: 絶縁耐力試験の印加電圧が「最大使用電圧の何倍」で規定されているため、ここを混同すると試験電圧計算が根本的に狂う
  3. 🔴 🎯 電気工作物の分類:境界条件に注意

    • 「高圧または特別高圧で受電 → 自家用」は確実
    • 引っ掛け:低圧受電でも*出力50kW以上の発電設備*を持つ場合は一般用ではない ✅
    • さらに引っ掛け:小規模太陽光(10kW未満)は一般用に含まれる場合あり ✅
  4. 🟡 🎯 接触防護の高さ:2.3m と 1.8m を逆に覚えない

    • 接触防護措置(フル)= 2.3m以上 ← 子供・幼児も想定
    • 簡易接触防護措置 = 1.8m以上 ← 取扱者(大人)想定
    • 出題パターン:「さく・へいの高さ1.8m以上」が正しいのは簡易の方。フルに1.8mを当てはめると誤答
  5. 🟢 🎯 「電気使用場所」と「需要場所」の包含関係

    • 電気使用場所(電気を使う場所そのもの)⊂ 需要場所(構内全体)
    • 引っ掛け:「需要場所」の問いに「電気を使用するために施設した場所」と答えると誤り。需要場所は「電気使用場所を含む1の構内」✅

📝 出題実績

出題傾向(自動集計 · kakomon.yml)

出題頻度: △ 6問 / 6年出題(H25〜R07)

直近の出題実績:

年度 問 形式 出題内容
R6上 問3 穴埋 光ファイバケーブルの定義
R4下 問2 穴埋 電気設備技術基準に規定されているものの選定
R4上 問5 穴埋 電線路の接近状態に関する用語定義
R2 問7 穴埋 引込線における用語の定義
H29 問6 穴埋 用語の定義
年度 問 形式 何が問われたか 条文
R06上 問3 穴埋 光ファイバケーブルの定義 省令第1条
R04下 問2 穴埋 電気設備技術基準に規定されているものの選定 省令第1条〜第4条
R04上 問5 穴埋 電線路の接近状態に関する用語定義 解釈第1条
R02 問7 穴埋 引込線における用語の定義 解釈第1条
H29 問6 穴埋 用語の定義 解釈第1条
H26 問7 穴埋 接触防護措置及び簡易接触防護措置の用語の定義 解釈第1条

出題頻度: 過去問 SoT(_data/kakomon.yml・H23〜R07下 全247問)で theme=yogo-teigi は 6問

出題実績の SoT 再構成(2026-08-29)

本テーブルは _data/kakomon.yml(過去問の Single Source of Truth)を機械投影して再構成した。旧版は 2026-03-30 版のままで、— のみのプレースホルダ行・「未調査」行が残り、直近期(R06・R07)の出題や SoT 登録済みの過去問が反映されていなかった。

  • 追加 4件: R06上問3(光ファイバケーブルの定義)/R04下問2(電気設備技術基準に規定されているものの選定)/R04上問5(電線路の接近状態に関する用語定義)/H26問7(接触防護措置及び簡易接触防護措置の用語の定義)
  • 記述・形式・条文をすべて SoT 由来に統一(2026-08-29 の別モデル反証監査を反映): 当初は「既存の詳しい記述を温存」する規則を入れていたが、温存した行が SoT と食い違う実例が出た(yogo-teigi R02問7 は実際には「引込線における用語の定義」/shijimono H27問11・shiyo-basho H29問11 は「計算」なのに「択一」「4択」と表示していた)。温存できる詳述と、誤った旧記述とを機械では判別できないため、原典と突合済みの1行(chichuu-densen H28問8)を除き、表の3列は SoT の値に統一した。
  • 直近5問と出題頻度バッジは冒頭の自動集計ブロック(render_freq_summary)が kakomon.yml から常時生成する。以後この節は手動更新しても陳腐化しない。

🔗 混同注意


⚡ 5秒で思い出す

  • 電圧区分: 交流600V / 直流750V / 高圧7kVまで / それ超えたら特高
  • 接触防護: フル=2.3m(子供も守る)、簡易=1.8m(大人向け)
  • 使用電圧 ≠ 最大使用電圧: 最大使用電圧 = 使用電圧 × 係数(1.15/1.1)
セルフチェック①: 低圧の上限が交流600V・直流750Vと、直流の方が150V高く設定されているのはなぜか。

交流は実効値表示でピーク値は√2倍に達するのに対し、直流は表示値がそのままピーク値であり、同じ表示電圧なら交流の方が瞬間的な危険度が高いため、直流の境界は高めに設定されている。 結果として低圧は交流600V以下/直流750V以下。

セルフチェック②: 使用電圧6,600Vの設備における最大使用電圧はいくらか?

6,600V × 1.15/1.1 = 6,900V。1,000Vを超え500,000V未満の区分は換算係数 1.15/1.1(≒1.045 の1つの値。選択肢ではない)。絶縁耐力試験の印加電圧はこの最大使用電圧を基準に計算する。


Level 2: 物理的背景 🔬

  • なぜ交流と直流で電圧区分が違う?: 交流は実効値表記だがピーク値は√2倍。直流は常にピーク値。人体への危険度(感電時の離脱可能性)が異なるため、直流の方が境界が高い ✅
  • なぜ2.3mと1.8m?: 人間の平均身長+腕を伸ばした到達距離を根拠とする。2.3mは幼児が肩車された状態も考慮 ✅

Level 3: 設計パラメータ 📐

  • 最大使用電圧の換算係数は公称電圧の段階で異なる(例: 6.6kV系 → 最大使用電圧6.9kV ✅)
  • 接触防護措置のさく・へいの具体的仕様は解釈で規定

最終確認: 2026-08-29 | ステータス: v1.1(出題実績を過去問 SoT _data/kakomon.yml へ再同期し R06・R07 期の出題を反映/直近実績は自動集計ブロックで常時更新。条文本文・数値の法令再照合は本改訂では未実施=v1.0(2026-03-30)時点のまま)| バージョニング基準


監修ログ

  • 2026-09-08 監査是正(横展開ラウンド): 解釈第1条 1-1表の転記を是正。①「1,000V超〜500kV未満 ×1.15/1.1(系統による)」→ 1.15/1.1 は1つの係数(≒1.045)で選択肢ではない。値が選択肢になるのは 500,000V ちょうどの行(1.05、1.1又は1.2)だけ。②「500kV以上 × 1.1」→ 原典の区分は「500,000V」と「1,000,000V」の2行で、「500kV以上は一律1.1」という規定は無い。③「200V × 1.15 = 230V(低圧機器の絶縁耐力試験基準)」→ 230V は最大使用電圧であって試験電圧ではない(低圧の電路の試験電圧は 230×1.5=345V → 500V未満なので下限の500V)。典拠: 同梱PDF p.3 第1条第二号イ・1-1表を逐語照合。