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電技解釈 第14条 — 低圧電路の絶縁性能

📜 一次ソース確認のお願い(2026-05-10)

本ページは電気設備の技術基準の解釈(経済産業省が省令の解釈として示すもの)を学習用に整理したものです。電技解釈は eGov 法令API に登録されていないため、本Wikiの品質保証は wiki内クロスリファレンスと過去問データベース(kakomon.yml)への照合に依存しています。重要な実務判断や試験直前の最終確認は、必ず経産省公式の最新告示PDF(電気設備の技術基準の解釈)に当たってください。誤記を発見された場合は GitHub Issues でご連絡ください。

📊 試験対策メタ

  • 出題頻度: 🔥🔥(過去14年で 3 回出題)
  • 重要度: A(重要必須)
  • 直近出題: R06上 問8(穴埋・省令第58条と一体)/R03 問1(穴埋・事業法第57条の調査義務と複合)/H26 問6(穴埋・省令第58条と一体)

低圧電路の絶縁抵抗は、使用電圧区分と対地電圧の2軸==で決まる3段階の基準値以上でなければならない。漏えい電流を1mA以下==に抑える設計思想(解釈第14条第1項第二号)が根拠。


⚡ 5秒で思い出す

  • 300V以下・対地150V以下 → 0.1MΩ
  • 300V以下・対地150V超 → 0.2MΩ
  • 300Vを超えるもの → 0.4MΩ
  • 判断軸は「使用電圧」と「対地電圧」の2つ。使用電圧だけ見ると誤る
セルフチェック: 単相3線式100/200V回路の絶縁抵抗基準はどう判定するか(200V回路なら0.2MΩでよいか)?

中性線がある接地式のため、対地電圧 = 100V(150V以下)。使用電圧は300V以下。 よって基準値は 0.1MΩ以上。 「200V回路だから0.2MΩ」は誤り。線間電圧200Vでも対地電圧は100V。


📋 条文の概要

項目 内容
条文 電技解釈 第14条
上位規定 電技省令 第58条(低圧の電路の絶縁性能)
適用対象 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路
測定単位 開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと
測定方法 電路を停電して絶縁抵抗計(メガー)で測定
代替確認 絶縁抵抗測定が困難な場合、活線状態で漏えい電流が 1mA以下 であることを確認(第14条第1項第二号)

絶縁抵抗値の一覧表

電路の使用電圧の区分 対地電圧 絶縁抵抗値
300V以下 150V以下 0.1MΩ以上
300V以下 150V超 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの — 0.4MΩ以上

ひっかけ:「300V超=0.4MΩ」は正しいが「対地150V超=0.4MΩ」は誤り

「対地電圧が150Vを超えるから0.4MΩ」と答えると誤り。 対地電圧150V超でも使用電圧が300V以下なら 0.2MΩ。 0.4MΩが適用されるのは使用電圧が300Vを超える電路のみ。


🔍 なぜこの数値なのか(因果理解)

絶縁抵抗の基準値は「漏えい電流を 1mA 以下に抑える」設計思想から導かれている。これは解釈第14条第1項第二号で「使用電圧が加わった状態における漏えい電流が 1mA以下 であれば省令第58条の絶縁抵抗値と同等以上の絶縁性能を有しているとみなす」と明文化されている。

1mA基準と3段階値の対応

オームの法則 I = V ÷ R で各区分を逆算すると、いずれも漏えい電流が概ね 1mA以下 に収まる:

  • 対地電圧 100V ÷ 0.1MΩ = 1.0mA(ゾーン1:単相100V系)
  • 対地電圧 200V ÷ 0.2MΩ = 1.0mA(ゾーン2:単相200V/非接地三相200V)
  • 対地電圧 300V ÷ 0.4MΩ = 0.75mA(ゾーン3:300V超/設計余裕あり)

電圧が2倍になれば、同じ1mAに抑えるために必要な絶縁抵抗も2倍にする ― これが3段階基準値の物理的根拠。

つまり「覚える数値」ではなく「電圧が上がれば、同じ漏えい電流に抑えるために絶縁抵抗も比例的に上げる必要がある」という物理的な因果関係が背景にある。


📐 電路別の対地電圧と絶縁抵抗値

電路の種類 使用電圧 対地電圧 適用絶縁抵抗値
単相2線式(接地式) 100V 100V 0.1MΩ
単相3線式(中性線接地) 100/200V 100V 0.1MΩ
単相2線式(非接地式) 200V 200V 0.2MΩ
三相3線式 200V(Δ結線・一般低圧動力) 200V 200V 0.2MΩ
三相4線式 400V/230V(Y結線・中性点接地) 400V/230V 230V 0.4MΩ(使用電圧300V超で確定)

三相3線式200Vの対地電圧は200V(0.2MΩ)

日本の低圧三相配電は Δ-Δ結線が主流。B種接地は通常「1相接地(角接地)」または「混触防止板接地」で施され、いずれの場合も他相と大地との間の電圧 = 線間電圧 = 200V。したがって第58条の対地電圧 = 200V → 0.2MΩ。

「三相200V → 0.1MΩ」「B種接地あり → 約115V → 0.1MΩ」は 誤り。約115V(= 200V ÷ √3)になるのは、Y結線で中性点を接地・中性線を引き出さない特殊構成のみで、日本の低圧配電ではほぼ存在しない。

三相4線式400V/230V系の判定(最頻出ひっかけ)

対地電圧 230V(= 400÷√3)だけ見て「ゾーン2(>150V≦300V)→ 0.2MΩ」と誤判定しやすいが、第58条は 使用電圧(線間)で第1段階区分 する条文構造。線間 400V > 300V → 0.4MΩ以上 が正解。使用電圧 ≤ 300V のときだけ、対地電圧で 0.1/0.2MΩ を切り分ける。


🔌 測定条件と注意事項

停電測定の手順(現場実務)

  1. 対象回路の電源を遮断器で切断
  2. コンデンサ(モーター・インバータ等)の放電確認
  3. 絶縁抵抗計(メガー)の印加電圧を電路電圧に合わせて選定(100V回路→250Vメガー等)
  4. 「電線相互間」と「電路と大地間」の両方を測定
  5. 基準値以下の場合は原因箇所の特定(漏電箇所の切り分け)

測定単位の定義: 「開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」 = 配電盤のブレーカー1個で遮断できる範囲 = 1回路。フロアまるごとでも、コンセント1つでも「区切れる単位」が測定単位。


⚡ 活線測定による代替確認(漏えい電流1mA以下)

絶縁抵抗測定が困難な場合は、第14条第1項第二号の規定により、使用電圧が加わった状態での 漏えい電流が 1mA以下 であることを確認することで、絶縁抵抗値と同等以上の絶縁性能を有しているとみなされる。

活線測定の判定基準

クランプ式漏電計で測定した漏えい電流が 1mA以下 であれば合格。 最大供給電流の大小(20A・30A・100A 等)に依存せず、判定値は常に 1mA以下 で一定。 ただし、この代替方法は「絶縁抵抗測定が困難な場合」が前提であり、原則は停電してのメガー測定。

「最大供給電流の1/2000以下」は別概念(混同注意)

一部の解説書で「漏れ電流は最大供給電流の1/2000以下」とする表現が見られるが、これは電技解釈第14条の規定ではない(別系統の設計目安・古い慣行値)。電技解釈第14条第1項第二号の現行規定は 「漏えい電流1mA以下」 で、最大供給電流に依存しない一定値。試験ではこの混同を狙う問題が出題され得る。


🕳️ 頻出落とし穴

  1. 🔴 「単相3線式100/200V → 0.2 MΩ 」の誤答 → 中性線接地のため線間200V回路でも対地電圧は 100V のまま → 0.1MΩ。一方 三相3線式200V(Δ結線・一般低圧動力)の対地電圧は 200V で 0.2MΩ。両者を混同しない
  2. 🔴 「対地電圧150V超 → 0.4 MΩ 」の誤答 → 0.4MΩは使用電圧300V超のみ。対地電圧が150V超でも使用電圧が300V以下なら 0.2MΩ
  3. 🟡 単位ミス( Ω を MΩ と間違える) → 「0.1MΩ = 100,000Ω」の感覚を持つ。試験選択肢にΩ表記が混入することがある
  4. 🟡 「電路と大地間」だけ測定して合格 → 条文は「電線相互間」と「電路と大地間」の両方が対象
  5. 🟢 絶縁抵抗計の印加電圧設定ミス → メガー印加電圧は電路電圧に応じて選定。低圧電路への高電圧印加は機器破損の原因

📜 条文原文(同梱PDF 逐語転記)

条文原文 — 電技解釈 第14条(令和7年11月版・逐語)

経産省告示PDF(docs/assets/pdf/denken-kaishaku-r07-11.pdf)の抽出テキストから 項・号の構造ごと転記した。scripts/check_law_verbatim.py が本ブロックを原典と逐語照合する。 表は原文の枠を崩さず転記できないため ※ で示し、本ページの解説表に委ねている。

第1項 電気使用場所における使用電圧が低圧の電路(第13条各号に掲げる部分、第16条に規定するもの、第189条に規定する遊戯用電車内の電路及びこれに電気を供給するための接触電線、直流電車線並びに鋼索鉄道の電車線を除く。)は、第147条から第149条までの規定により施設する開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

一 省令第58条によること。

二 絶縁抵抗測定が困難な場合においては、当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が、1mA以下であること。

第2項 電気使用場所以外の場所における使用電圧が低圧の電路(電線路の電線、第13条各号に掲げる部分及び第16条に規定する電路を除く。)の絶縁性能は、前項の規定に準じること。


📝 過去問実績

年度 問 形式 論点
R06上 問8 穴埋 低圧の電路の絶縁性能(省令第58条と一体・H26問6 と同一文の再出題)
R03 問1 穴埋 電気事業法第57条の調査義務(一般用電気工作物の技術基準適合判定に本条の絶縁基準が登場)
H26 問6 穴埋 低圧の電路の絶縁性能(省令第58条と一体)

旧版の実績訂正(2026-06-10)

旧版は H24問5 を「電路の絶縁(低圧電路の絶縁抵抗値)」として掲載していたが、denken-ou 一次照合の結果、H24問5 は 省令第5条・解釈第13条(電路の絶縁の例外規定・論説)の出題で、本条の絶縁抵抗値(0.1/0.2/0.4MΩ)は論点に含まれない。kakomon.yml と合わせて訂正済み。

出題傾向と対策

単独条文としての出題より、省令第58条の穴埋(H26問6・R06上問8)や調査義務(R03問1)など、条文知識として他の問題に組み込まれて出題されるケースが多い。

頻出パターン: - 各電路の使用電圧・対地電圧から絶縁抵抗基準値を選ぶ正誤問題 - 「開閉器または過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」の意味を問う問題 - 活線測定による代替確認(第14条第1項第二号「漏えい電流1mA以下」)

対策: 表の3行を丸暗記するのではなく、対地電圧の計算(÷√3や中性線の有無)と2軸判断の手順を体得する。


📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)

各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます

上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。

👉 間違えノートを開く(法規Wiki/直前まちがいノート)

  • ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
  • メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
  • 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)

🔗 関連ページ

📜 監修ログ

  • 2026-08-29 監査是正: 「条文原文(同梱PDF 逐語転記)」節を新設し、経産省告示PDF(令和7年11月版)の抽出テキストから項・号の構造ごと逐語転記した。従来このページは「照合済」と宣言しながら機械が逐語照合できる条文原文を持たなかったため、宣言の裏付けが取れなかった。本節の追加により scripts/check_law_verbatim.py の照合対象になる(転記後の全引用が原典と一致することを確認済み)。表は原文の枠を崩さず転記できないため※ で示し、本ページの解説表に委ねている。

最終確認: 2026-06-10 | ステータス: v1.3 | バージョニング基準 v1.3 (2026-06-10): 過去問実績を denken-ou 一次照合で再構成。H24問5(実際は省令第5条・解釈第13条の例外論説)を除外し、実出題3件(H26問6・R03問1・R06上問8)に差し替え。出題頻度 6回 → 3回に訂正。 v1.1 (2026-05-31): 第14条第1項第二号の根拠を「漏えい電流1mA以下」に修正(旧版の「最大供給電流1/2000以下」「第15条との関係」は誤り)。ChatGPTレビュー反映。 v1.2 (2026-05-31): 三相3線式200Vの絶縁抵抗値を 0.2MΩ に訂正(旧版・v1.1の「B種接地あり = 115V = 0.1MΩ」「Y結線・2次中性点接地 = 115V」は業界標準テキスト(電気書院・オーム社等)の扱いと不一致のため)。kijun/58.md L477-484 の電路形態テーブルと整合。行5を三相3線式400V→三相4線式400V/230Vに訂正。