🛡️ 電気設備技術基準の保安原則(省令第4条〜第18条)¶
2026-07-26 条番号の全面是正(原典逐語照合)
本ページは従来「保安原則=省令第1条〜第4条」として第1条=人体・物件/第2条=電路の絶縁…と記載していたが、これは誤りだった。電技省令(令和5年版PDF)を逐語照合した結果、正しくは以下。 省令第1条=用語の定義/第2条=電圧の種別等/第3条=適用除外であり、保安原則は第三節(第4条〜第18条)である。
| 本ページの旧表記 | 正しい条 | 見出し(原典逐語) |
|---|---|---|
| 第1条(人体・物件) | 第4条 | 電気設備における感電、火災等の防止 |
| 第2条(電路の絶縁) | 第5条 | 電路の絶縁 |
| 第3条(機器の熱) | 第8条 | 電気機械器具の熱的強度 |
| 第4条(他の工作物・植物) | 第29条 | 電線による他の工作物等への危険の防止(※第2章=保安原則の外) |
| 第4条の2(国際規格) | 解釈第218条 | IEC60364規格の適用(根拠=省令第4条) |
| 第20条(供給の確実性) | 第18条 | 電気設備による供給支障の防止(※第20条は「電線路等の感電又は火災の防止」/「電気の供給のための電気設備の施設」は第2章の章名) |
出題頻度: 3回/6年 ★★★☆☆
R04下・R05下・R06下・R07下で4回連続出題。R08上期も出題確率★★★(最優先)。
形式が変化中: R04下〜R06下 = 論説型、R07下 = 穴埋め型。両パターン対応必須。
🧠 正答者 vs 誤答者の視点差¶
| 観点 | ||
|---|---|---|
| 第4条の保護対象 | 「使用者」「電気工作物の利用者」と思う | 「人体」(通行人・第三者も含む)と断定 |
| 第5条の例外規定 | 「電路は必ず大地から絶縁」と覚えている | 「構造上やむを得ない場合はこの限りでない」の但し書きを知っている |
| 第8条の対象 | 「人体への危害」と混同する | 電気機械器具自身の熱的強度(発生する熱に耐える)— 第4条とは対象が違う |
| 第29条の保護対象 | 「電線だけ」と思う | 他の工作物・植物を損傷しないよう施設(電線路の電線・電車線等) |
| 出題形式 | 論説型しか対策していない | R07下で穴埋め型に変化。条文の正確な文言も記憶している |
⚡ 5秒で思い出す¶
第4条=人体・物件 / 第5条=大地から絶縁(例外あり)/ 第8条=機器の熱的強度 / 第18条=供給支障の防止
セルフチェック①: 第4条で保護される対象は何か?
電気設備は、感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。
「使用者」「第三者」「設備」ではなく「人体」「物件」の2ワードが正解。
セルフチェック②: 第5条に例外規定はあるか?
ある。但し書きは2つの除外事由を持つ(原典逐語):
「構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない」
→ 「電路は必ず大地から絶縁しなければならない(例外なし)」は誤り。※「安全上」ではなく「保安上」。
📋 第1条〜第4条の条文キーワード一覧(穴埋め対応)¶
⬜ = 穴埋めの空欄になりやすい箇所
省令 第4条(電気設備における感電、火災等の防止)¶
電気設備は、⬜感電⬜、⬜火災⬜その他⬜人体⬜に危害を及ぼし、又は⬜物件⬜に
損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。
「事業用電気工作物は…」は電気事業法側の文言
よく似た「事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること」は、電気事業法第39条第2項第一号(技術基準が満たすべき要件)の文言。省令第4条の主語は「電気設備」で、「感電、火災その他」が付く。穴埋めではこの差が空欄になりうる。
| キーワード | ひっかけ選択肢 |
|---|---|
| 人体 | 使用者 / 従業員 / 電気工作物 |
| 物件 | 財産 / 設備 / 建物 |
省令 第5条(電路の絶縁)¶
電路は、⬜大地⬜から絶縁しなければならない。ただし、⬜構造上⬜やむを得ない場合
であって通常予見される使用形態を考慮し⬜危険のおそれがない⬜場合、又は混触による
高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の
⬜保安上⬜必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
| キーワード | ひっかけ選択肢 |
|---|---|
| 大地 | 他の電路 / 電源 / 中性点 |
| 構造上 | 技術上 / 施工上 / 設計上 |
| 保安上 | 安全上 / 技術上 / 管理上 |
第5条の例外規定は必出(除外事由は2つ)
「大地から絶縁する」の但し書きが論説型では誤答選択肢として、穴埋め型では空欄として出る。
但し書きは ①通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合/②混触等の異常時の危険回避のための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合 の2本立て。片方だけに圧縮した記述は不正確。
「構造上やむを得ない場合」= 接地線・中性線等が大地と接続される場面を指す。
省令 第8条(電気機械器具の熱的強度)¶
⬜電路に施設する⬜電気機械器具は、通常の使用状態においてその電気機械器具に
発生する⬜熱⬜に耐えるものでなければならない。
第8条は第4条と混同しやすい
- 第4条 → 人体・物件への危害防止(感電・火災)
- 第8条 → 電気機械器具自身が発生する熱に耐えること(熱的強度)
「電気機械器具が発生する熱・爆発・火災から人体を守る」→ 第8条ではなく第4条の話。
また第8条の条文に「爆発」「火災」の語は無い(爆発の危険場所の規定は第69条系)。旧記述「熱に耐え、かつその他の障害(爆発・火災等)が発生しないように施設」は原典と不一致だったため是正。
省令 第29条(電線による他の工作物等への危険の防止)※保安原則の節の外¶
⬜電線路の電線⬜又は電車線等は、他の⬜工作物⬜又は⬜植物⬜と接近し、又は交さする
場合には、他の工作物又は植物を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって
生じる⬜感電又は火災⬜のおそれがないように施設しなければならない。
| キーワード | ひっかけ選択肢 |
|---|---|
| 電線路の電線・電車線等 | 電気工作物 / 電気機械器具 |
| 植物 | 農作物 / 自然物 |
| 工作物 | 電線路 / 通信線 |
この条は「保安原則」ではない(第2章の規定)
旧記述は本条を「省令第4条(電気工作物の他への損傷防止)」としていたが誤り。第29条は第2章「電気の供給のための電気設備の施設」に属し、保安原則(第三節・第4条〜第18条)の外。主語も「電気工作物」ではなく「電線路の電線又は電車線等」。
解釈 第218条(IEC60364規格の適用)/根拠=省令第4条¶
需要場所に施設する低圧(省令第2条第1項に規定)で使用する電気設備は、解釈第3条から第217条までの規定によらず、218-1表に掲げる IEC 60364/JIS C 60364 規格によることができる。電技解釈の第7章「国際規格の取り入れ」(第218条・第219条)に置かれている。
R07下問7で独立出題
旧記述は「省令第4条の2」としていたが、省令に「国際規格」の語は無い(原典検索 0 件)。正しくは電技解釈 第218条(根拠省令は第4条)。
詳細は 国際規格の取り入れ を参照。
省令 第18条(電気設備による供給支障の防止)¶
⬜高圧又は特別高圧⬜の電気設備は、その⬜損壊⬜により一般送配電事業者又は
配電事業者の電気の供給に著しい⬜支障⬜を及ぼさないように施設しなければならない。
| キーワード | ひっかけ選択肢 |
|---|---|
| 高圧又は特別高圧 | 低圧を含む全電圧 / 特別高圧のみ |
| 損壊により | 通常の使用状態で / 過負荷により |
| 一般送配電事業者又は配電事業者 | 電気使用者 / 発電事業者 |
「第20条=電気供給のための電気設備の施設」は誤り(章名との取り違え)
「電気の供給のための電気設備の施設」は第2章の章名であって条の見出しではない。
省令第20条の見出しは「電線路等の感電又は火災の防止」(電線路又は電車線路は、施設場所の状況及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない)。
旧記述が説明していた「供給の確実性・安定性」の内容は 第18条(電気設備による供給支障の防止) に対応する。
第18条 と 第4条〜第11条 の違い
- 第4条〜第11条(第一款 感電、火災等の防止): 人体・物件・機器への危害防止(安全規定)
- 第18条(第四款 供給支障の防止): 電気の供給に著しい支障を及ぼさないこと(供給信頼性規定)
どちらも第三節「保安原則」の中にあるが、款が違う。
🕳️ 頻出落とし穴¶
危険度ランク: 🔴致命 / 🟡要注意 / 🟢安心
- 🔴 条番号を「保安原則=第1条〜第4条」と覚えてしまう
- 第1条=用語の定義/第2条=電圧の種別等/第3条=適用除外。保安原則は第三節(第4条〜第18条)
-
「総則レンジ(第1条〜第4条)」は過去問の出題範囲ラベル(R01問3・R04下問2)であって、保安原則そのものではない
-
🔴 第4条で「使用者(ユーザー)」と書いてしまう
- 正しくは「人体に危害を及ぼし」(通行人・第三者も含む広い概念)
-
試験では「利用者」「電気の使用者」「設置者」が罠として登場
-
🔴 第5条を「例外なしの絶縁義務」と覚えている
- 「構造上やむを得ない場合はこの限りでない」が必ず付いている(除外事由は2つ)
-
論説型では「電路は例外なく大地から絶縁しなければならない」= 誤り選択肢
-
🟡 第8条の対象を「人体」と混同する
- 第8条は電気機械器具自身が発生する熱に耐えること(熱的強度)
-
「機械器具から発生する熱で人体がやけどしないよう」= 第8条ではなく第4条の話
-
🟡 第29条の保護対象に「植物」が入ることを知らない
- 架空電線の樹木接触・延焼を想定した規定(主語は電線路の電線又は電車線等)
-
「電線と他の電線路だけを保護する」= 誤り
-
🟢 穴埋め型で「構造上」を「技術上」、「保安上」を「安全上」と書いてしまう
- 「技術上やむを得ない」は保安規程の表現。第5条は「構造上やむを得ない」
- 但し書き後段は「保安上必要な措置を講ずる場合」(「安全上」ではない)
📝 論説型 正誤判定パターン集¶
実際の試験形式に近い形で練習する。○か×か答えてから答えを開く。
① 事業用電気工作物は、電気の利用者に危害を及ぼさないように施設しなければならない。
× 誤り。「電気の利用者」ではなく「人体」。利用者に限定しない広い概念。
② 電路は大地から絶縁しなければならず、例外はない。
× 誤り。「構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない」(省令第5条)という例外規定がある。
③ 電気機械器具は、通常の使用状態において発生する熱に耐えるものでなければならない。
○ 正しい(省令第8条・電気機械器具の熱的強度)。ただし主語は「電路に施設する電気機械器具」。条文に「爆発」「火災」の語は無い。
④ 電線路の電線は、他の工作物だけでなく、植物にも損傷を与えないように施設しなければならない。
○ 正しい(省令第29条)。植物も保護対象に含まれる。※本条は保安原則の節ではなく第2章。
⑤ 保安原則の規定(省令第4条〜第18条)は、一般用電気工作物には適用されない。
× 誤り。省令の主語は「電気設備」であり、事業用に限定されない。試験では「事業用のみ」という限定を加えた誤り選択肢が出る(「事業用電気工作物は…」は電気事業法第39条第2項側の文言)。
📝 出題実績と形式変化¶
| 年度 | 問 | 形式 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| R07下 | 問3 | 穴埋め ✅ | 電気設備の保安原則(省令第10条・第11条) | 第10条・第11条の空欄(電位上昇・接地・大地 等) |
| R07下 | 問7 | 穴埋め | 国際規格の取り入れ(解釈第218条) | 解釈第218条の条文空欄(IEC・同等以上・みなす 等)→ 詳細 |
| R04下 | 問2 | 論説 | 電気設備技術基準に規定されているものの選定 | 5択から正しい記述を選択 |
R08 出題予測
総則(省令第1条〜第4条)・保安原則(第4条〜第18条)は R04下・R07下 で出題(R05下・R06下 は本テーマの出題なし)。R08 でも出題の可能性。
形式予測: - R07下で穴埋め型に変化 → 穴埋め継続(第5条の但し書きの空欄、または第10条・第11条の接地) が有力 - または論説型に戻る可能性もある → 両方の対策が必要
最重要対策: 1. 条番号と見出しの対応を正しく覚える(第1条=用語定義/第4条=感電火災等の防止/第5条=電路の絶縁/第8条=熱的強度/第10・11条=接地/第18条=供給支障の防止) 2. 第4条「人体・物件」の2ワードを即答できること 3. 第5条の但し書き「構造上やむを得ない場合」+除外事由2つ(危険のおそれがない/保安上必要な措置)を文言レベルで覚えること 4. 第8条と第4条の対象の違い(機器自身の熱的強度 vs 人体・物件の危害防止)を整理
🔗 関連テーマ¶
- 電気事業法の体系 — 電気事業法第39条第2項(技術基準が満たすべき要件)との関係
- 接地工事 — 第5条の「大地から絶縁」の例外と接地(第10条・第11条)の関係
- 電磁誘導 — 電磁誘導作用による人の健康影響の防止(省令第27条の2)
- 国際規格の取り入れ — 解釈第218条(H25問9・R07下問7)の詳細解説
- 配線工事・屋内配線 — 第56条・第57条(感電・火災防止)の配線への具体的適用
🔍 一次照合の痕跡¶
| 対象 | 典拠 | 照合日 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第4条・第5条・第8条・第18条・第20条・第29条 の見出しと本文 | 電気設備に関する技術基準を定める省令(令和5年版・原典PDF) | 2026-07-26 | 逐語一致を確認。旧記述の第1条〜第4条・第20条の帰属は誤りと確定 |
| 「事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること」 | 電気事業法 第39条第2項第一号(原典PDF) | 2026-07-26 | 逐語一致(省令第4条とは別文言) |
| 「国際規格」の語 | 電技省令 原典PDF 全文検索 | 2026-07-26 | 出現 0 件 → 省令「第4条の2」は不存在。正しくは解釈第218条 |
| 解釈第7章「国際規格の取り入れ」(第218条・第219条)/【IEC60364規格の適用】(省令第4条) | 電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月版・原典PDF) | 2026-07-26 | 逐語一致 |
最終確認: 2026-07-26 | ステータス: v2.0(条番号の全面是正・原典逐語照合)| バージョニング基準