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電技解釈 第117条 — 高圧架空引込線等の施設

📜 一次ソース確認のお願い(2026-05-10)

本ページは電気設備の技術基準の解釈(経済産業省が省令の解釈として示すもの)を学習用に整理したものです。電技解釈は eGov 法令API に登録されていないため、本Wikiの品質保証は wiki内クロスリファレンスと過去問データベース(kakomon.yml)への照合に依存しています。重要な実務判断や試験直前の最終確認は、必ず経産省公式の最新告示PDF(電気設備の技術基準の解釈)に当たってください。誤記を発見された場合は GitHub Issues でご連絡ください。

📊 試験対策メタ

出題頻度: 🔥🔥(過去14年で 2 回出題・H28=R06上で同型再出題)

重要度: B(重要・電線種類と高さ緩和の数値暗記が核)

直近出題: R06上 問6(穴埋)/H28 問7(穴埋)

高圧架空引込線は、需要場所の引込口へ高圧電気を架空で引き込む電線路。条文は 電線の種類(高圧絶縁電線/引下げ用高圧絶縁電線/ケーブル)、施設方法(がいし引き又はケーブル)、高さ(原則は第68条準用、条件適合で 3.5m以上 に緩和)、ケーブル以外は下方に危険表示 の4点を規定する。穴埋め試験では 5mm/引下げ/3.5m/下方 の4キーワードがそのまま出題されている。

項目 内容
条文 電気設備の技術基準の解釈 第117条
規定内容 高圧架空引込線(屋側・屋上を含む)の施設要件
性格 施設規定(電線・施設方法・高さ・表示の組み合わせ)
上位省令(本条が解釈する範囲) 第6条(電線等の断線の防止)/第20条(電線路等の感電又は火災の防止)/第21条第1項(架空電線及び地中電線の感電の防止)/第25条第1項(架空電線等の高さ)/第28条(電線の混触の防止)/第29条(電線による他の工作物等への危険の防止)/第37条(屋内電線路等の施設の禁止)
横断的関連省令 第38条(連接引込線の禁止)— 高圧・特高は原則禁止(本条と独立して機能)
関連解釈 第67条(高圧架空ケーブル工事)/第68条(低高圧架空電線の高さ)/第111条第2〜5項(高圧屋側電線路)/第116条(低圧架空引込線等の施設)

1. 全体像と要点

🎯 試験で必ず問われる4語(最重要・絶対暗記セット)

H28問7・R06上問6 で実際に穴埋め出題された 4ヶ所そのまま。条文の記述順 で覚える。

条文の記述順で覚える4語 電線(直径) → 電線種別 → 高さ → 表示位置 ① 直径(mm) 5 mm 以上の硬銅線 条文 一号 イ ② 電線種別 引下げ 用高圧絶縁電線 条文 一号 ロ ③ 高さ(m) 3.5 m 以上(緩和時) 条文 四号本文 ④ 表示位置 下方 に危険表示 条文 四号 ロ
順 核心キーワード 意味 条文位置
① 5 mm 硬銅線の最低直径 一号 イ
② 引下げ 用高圧絶縁電線(製品名) 一号 ロ
③ 3.5 m 緩和時の最低高さ 四号 本文
④ 下方 危険表示の位置 四号 ロ

核心の確認:4語を1文でつなげられるか

「5mmの硬銅線(or 引下げ用電線)を、3.5m以上の高さに張り、ケーブル以外なら下方に危険表示」

この1文がスッと出れば本条の穴埋めは確実に取れる。

全体の要点

  • 電線の種類は3択: ① 引張強さ 8.01kN以上又は直径 ==5==mm以上の硬銅線を使用する 高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線、② ==引下げ==用高圧絶縁電線、③ ケーブル
  • 施設方法: 絶縁電線 → がいし引き工事/ケーブル → 第67条を準用
  • 高さの原則: 第68条第1項を準用(道路 6m / 鉄道 5.5m / 横断歩道橋 3.5m / その他 5m 以上)
  • 緩和規定: 道路横断・鉄道軌道横断・横断歩道橋上 のいずれにも該当しない場合は ==3.5==m以上に緩和できる
  • 危険表示: ケーブル以外(絶縁電線のとき)は 電線の 下方 に危険である旨の表示 が必要
  • 連接引込線禁止: 高圧の連接引込線は、省令第38条により原則禁止(特別の事情かつ承諾があれば例外)

ケーブル選択時の3点セット(必ずまとめて覚える)

ケーブルは「使える」だけでなく、施設方法と表示義務も他の電線と扱いが違う。3点を1セットで覚えることで、絶縁電線との対比が即座に思い出せる。

ケーブルだと… 内容 根拠条文
電線として 使える 条文一号 ハ(3択のひとつ) 引張強さ・直径の規定なし
施設方法は 第67条準用 条文三号 高圧架空電線路のケーブル工事に準ずる
下方の危険表示は不要 条文四号 ロ(除外条件) 「ケーブル以外のとき」と明記

→ 絶縁電線(①②)は「がいし引き工事 + 下方表示」が両方必要、ケーブル(③)は 両方不要。この 対比 で記憶する。

① 全体像 — 第117条が決める4つのレイヤー

第117条 — 高圧架空引込線の4要件 電線・施設・高さ・表示 を1条文で束ねる施設規定 解釈第117条 高圧架空引込線等の施設 ① 電線 高圧/特高絶縁電線 8.01kN/5mm硬銅線 引下げ用 高圧絶縁電線 ケーブル 3択のいずれか ② 施設方法 絶縁電線 → がいし引き工事 ケーブル → 第67条準用 電線種別で工事方法切替 ③ 高さ 原則:第68条1項準用 (道路6m/鉄道5.5m) 緩和:横断・橋上不該当 → 3.5m 以上 OK 引込専用の緩和規定 ④ 表示 ケーブル以外は 電線の 下方 に 危険である 旨の表示 緩和の前提条件 2項:屋側・屋上部分は第111条第2〜5項を準用/省令第38条:高圧連接引込線は原則禁止

読み解き: 第117条は「電線」「施設方法」「高さ」「表示」の4レイヤーを束ねた施設規定。試験では「3.5m緩和の条件」と「下方表示の必要性」が一体で問われる(緩和を受けるなら表示も必要)。

② 要点(試験前30秒復習用)

観点 内容
電線3択 高圧/特高絶縁電線(8.01kN/5mm硬銅線)/引下げ用高圧絶縁電線/ケーブル
施設方法 絶縁電線 → がいし引き工事/ケーブル → 第67条準用
高さの緩和値 横断・橋上不該当なら 3.5m以上
不適用 道路横断/鉄道・軌道横断/横断歩道橋上 → 緩和なし(原則の高さ)
下方表示 ケーブル以外は電線の 下方 に危険表示が必要
連接引込線 省令第38条で 原則禁止(高圧・特高)
セルフチェック: なぜ低圧(第116条)は2.5m緩和で済むのに、高圧(第117条)は3.5m必要なのか?

高圧は接近放電(アーク放電)のリスクがある。電線に直接触れなくても、近づくだけで空気が絶縁破壊して感電する。低圧は触れなければ大丈夫だが、高圧は 触れる前から危険距離 がある。

そのため低圧の最低高さ(2.5m)に対し、高圧は 1m余裕を見て3.5m が緩和下限となる。

セルフチェック: 道路を横断する高圧引込線で 3.5m に緩和できるか?

できない。条文は「道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合」のいずれにも該当しないこと、を緩和の前提としている。道路横断は除外条件のひとつ。

この場合は第68条第1項の原則値(道路横断は 路面上6m以上)が適用される。


2. 条文原文

電気設備の技術基準の解釈 第117条(高圧架空引込線等の施設)

高圧架空引込線は、次の各号により施設すること。

一 電線は、次のいずれかのものであること。

イ 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線

ロ 引下げ用高圧絶縁電線

ハ ケーブル

二 電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること。

三 電線がケーブルである場合は、第67条の規定に準じて施設すること。

四 電線の高さは、第68条第1項の規定に準じること。ただし、次に適合する場合は、地表上3.5m以上とすることができる。

イ 次の場合以外であること。

(イ)道路を横断する場合

(ロ)鉄道又は軌道を横断する場合

(ハ)横断歩道橋の上に施設する場合

ロ 電線がケーブル以外のものであるときは、その電線の下方に危険である旨の表示をすること。

五 電線が、工作物又は植物と接近又は交差する場合は、高圧架空電線に係る第71条から第79条までの規定に準じて施設すること。ただし、電線と高圧架空引込線を直接引き込んだ造営物との離隔距離は、危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号及び第78条第1項の規定によらないことができる。

2 高圧引込線の屋側部分又は屋上部分は、第111条第2項から第5項までの規定に準じて施設すること。

黄色マーカー = 過去問(H28問7・R06上問6)で実際に穴埋め出題された語句

上位省令との関係

省令第6条(電線等の断線の防止)・第20条(電線等からの電撃の防止)・第25条(架空電線等の高さ)の 解釈具体化。さらに省令第38条(連接引込線の禁止)により、高圧の連接引込線は本条に拘らず原則禁止される。

過去問で問われた箇所

第117条は過去14年で2回出題(H28/R06上)。R06上問6は H28問7の 完全な再出題 で、4つの穴埋め箇所がまったく同じ。

出題で狙われるキーワード 過去問での扱い
5(直径mm) 硬銅線の最小直径として穴埋め(H28/R06上)
引下げ(用高圧絶縁電線) 電線の種類として穴埋め(H28/R06上)
3.5(地表上m) 緩和規定の高さとして穴埋め(H28/R06上)
下方 危険表示の位置として穴埋め(H28/R06上)
8.01kN 引張強さの暗記値(選択肢ひっかけで頻出)
がいし引き 絶縁電線の施設方法(潜在的穴埋め候補)
横断歩道橋 緩和不適用の条件(潜在的穴埋め候補)

暗記の核心キーワード

  • 8.01kN/直径 5mm(硬銅線の最低スペック)
  • 引下げ用高圧絶縁電線(条文の正式名称)
  • 3.5m(緩和時の最低高さ)
  • 下方に危険表示(ケーブル以外)
  • 緩和不適用の3条件=道路横断/鉄道・軌道横断/横断歩道橋上

出典

電気設備の技術基準の解釈(経済産業省 産業保安グループ電力安全課・令和7年11月版)第117条 — 引込線の施設要件全般を規定。第116条(低圧版)との対比で覚える。


3. 原文解析(ブロック分解)

条文を意味ブロック単位に分解し、それぞれの試験ポイントを整理する。

原文ブロック 意味 試験のポイント
「高圧架空引込線は、次の各号により施設すること」 適用範囲=高圧の架空引込線(需要場所の引込口に至る部分) 低圧は第116条/屋側・屋上部分は本条第2項で第111条準用
一号 イ「引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線」 通常の絶縁電線使用時の 電線スペック 「8.01kN/5mm」のセット暗記。低圧(5.26kN/4mm)と数値が違う
一号 ロ「引下げ用高圧絶縁電線」 引下げ専用の絶縁電線(架空線を屋側に引き下ろす用途) 「引下げ用」という条文の語感をそのまま暗記。「引込用」は誤り
一号 ハ「ケーブル」 第3の選択肢 ケーブルは無条件で使える(スペック規定なし)
二号「絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設」 絶縁電線使用時の 施設方法=がいし引き 「合成樹脂管」「金属管」は誤り。架空はがいし引き
三号「ケーブルである場合は、第67条の規定に準じて施設」 ケーブル使用時は 第67条(高圧架空ケーブル工事)準用 ちょう架用線によるちょう架等の規定を呼び込む
四号本文「高さは、第68条第1項の規定に準じる」 原則の高さ=第68条準用(道路6m/鉄道5.5m/横断歩道橋3.5m/その他5m) 「第68条」という参照先も穴埋め候補
四号ただし書き「ただし、次に適合する場合は、地表上3.5m以上とすることができる」 3.5m緩和 の宣言 「3.5m」は最も狙われる数値。「3m」「4m」の誤答に注意
四号 イ(イ)(ロ)(ハ) 緩和不適用の3条件 「道路横断/鉄道・軌道横断/横断歩道橋上」の3点セット
四号 ロ「ケーブル以外のものであるときは、その電線の下方に危険である旨の表示」 下方表示 の義務 ケーブルなら表示不要。「下方」が穴埋め定番
第2項「屋側部分又は屋上部分は、第111条第2項から第5項までの規定に準じて施設」 屋側・屋上は第111条準用 第111条本則ではなく 第2〜5項のみ 準用
セルフチェック: 「8.01kN は8kNと同じだから 8kN と覚えてOK」は正しいか?

誤り。条文表記は 8.01kN で、選択肢には「8.0kN」「8.01kN」「9.0kN」が並ぶことがある。0.01の桁まで条文どおり に覚える。

出題時に「8.0kN」を選ぶと不正解になるパターンが定番。

セルフチェック: 「引込用高圧絶縁電線」と書かれた選択肢があったら?

不正解。条文の正式名称は「引下げ用高圧絶縁電線」。「引込」「引下」「引下げ」のうち、条文どおりは「引下げ」。

「引込線」の用途に使うのに、電線の名前は「引下げ用」というのが盲点で、ひっかけの定番。


4. かみ砕き解説(因果理解)

「引込線」と「引下げ(用電線)」の違い

混同しやすいが、レイヤーが違う用語。

用語 何を指す 言い換え
引込線 配電線(電柱)→ 需要家の建物 までの電線路(ルート) 配達ルートの名前
引下げ用高圧絶縁電線 屋側に引き下ろす用途に最適化された電線の製品種別 そのルートで使う電線の一車種

つまり「高圧引込線という"ルート"に、引下げ用高圧絶縁電線という"電線種"を使う」という入れ子構造。条文も次の2階層で書かれている。

高圧架空引込線(ルートの名前)
 └ 電線は次のいずれか(このルートに使ってよい電線3択)
    ├ 高圧/特別高圧絶縁電線(8.01kN・5mm)
    ├ 引下げ用高圧絶縁電線  ← ここの「引下げ」は製品名
    └ ケーブル

覚え方:方向のイメージで区別

  • 引込(ひきこみ) = 横方向のイメージ(外から中へ持ち込む)
  • 引下げ(ひきさげ) = 縦方向のイメージ(上から下へ降ろす)

電柱上の架空電線から建物の屋側まで電線を 垂直に近い角度で降ろす 用途に特化して設計された電線が「引下げ用」。曲げや支持に強く、屋側引下げの過酷な施工条件に耐える。

図解:ルート(引込線)に電線種(引下げ用電線)を乗せる

「引込線」=ルート / 「引下げ用電線」=電線種 ルート(場所の名前)に、電線種(製品の名前)を組み合わせて施設する 高圧配電線(外線) 第117条の対象外(架空電線路本体) 需要家(建物) 高圧架空引込線(ルート) 外線から需要家の引込口へ電気を引き込む電線路 第117条の対象 縦の引下げ 横の引込(架渡し) 屋側引下げ 引込口 このルートに使える電線(3択) ① 高圧/特高絶縁電線(5mm/8.01kN) ② 引下げ用高圧絶縁電線 ★製品名 ③ ケーブル 条文一号 イ・ロ・ハ のいずれか 電線種を ルートに乗せる 屋側部分は本条 第2項 (第111条第2〜5項を準用) 「引込線」(場所=ルート)と「引下げ用電線」(製品=電線種)は別レイヤー 第117条の主題は 緑のルート部分。そこに 3択の電線種 から1つを選んで施設する

読み解き: 緑の点線で囲った部分(電柱の架空線 → 屋側 → 引込口)が「高圧引込線というルート」。条文第117条はこのルートをどう作るかを規定する。そのルートに乗せる電線は 3択(①高圧/特高絶縁電線・②引下げ用高圧絶縁電線・③ケーブル)で、②が 製品名としての「引下げ用」。ルート名と製品名は別レイヤー であることを視覚で押さえる。

ややこしい関連用語:配電柱内の「高圧引下げ線」

電柱の構造図では、横に走る高圧線から 柱上変圧器(トランス) へ縦に降ろすジャンパ線も「高圧引下げ線」と呼ばれる。これは 配電事業者側の設備 で、第117条(需要家への引込)とは 別の場所。ただし 電線製品としては同じ「引下げ用高圧絶縁電線」 を使うことが多い。

「引下げ」が出てくる場面 場所 第117条の主題か
配電柱の高圧線 → 柱上変圧器 のジャンパ 配電事業者の設備内 ❌ 対象外
配電柱 → 需要家の屋側引込口 への電線路 需要家の引込線 ⭕️ 対象
どちらでも使う電線製品 カタログ上の品名 (製品名)

「引下げ=縦に降ろす」という設計思想が共通なので、同じ製品が両方の場面で使われる。条文用語の混乱を防ぐには「ルートの名前か製品の名前か」を毎回意識する。

選択肢に「引込用高圧絶縁電線」と書いてあったら誤り

条文の正式名称は 「引下げ用高圧絶縁電線」。「引込線の用途に使う電線なのに、名前は引下げ用」というギャップがそのままひっかけポイント(H28問7・R06上問6 で実際に問われた)。

なぜ高圧引込線は3択(しかも引下げ用)なのか

低圧引込線(第116条)と並べると、高圧の特殊事情 が見えてくる。

観点 低圧(第116条) 高圧(第117条)
電線スペック 引張強さ 2.30kN以上又は 2.6mm以上の絶縁電線 引張強さ 8.01kN以上又は 5mm以上の硬銅線
専用品 一般的な絶縁電線・ケーブル 引下げ用 高圧絶縁電線(専用品)
施設方法 がいし引き等 がいし引き(必須)
高さ緩和 2.5m以上(特定条件) 3.5m以上(道路・鉄道・橋上不該当)
連接引込線 制限はあるが施設可 原則禁止(省令第38条)

因果: 高圧は 接近放電 のリスクがあるため、

  1. 機械的強度を高める(8.01kN・5mm硬銅線 = 低圧より太く強く)
  2. 引込専用の電線設計(引下げ用高圧絶縁電線 = 屋側引下げの曲げ・支持に最適化)
  3. 高さに余裕を持たせる(3.5m=低圧+1m)
  4. 裸電線は許されない(条文に「裸」なし)

数値の根拠(暗記しない覚え方)

「8.01kN/5mm/3.5m」は丸暗記対象に見えるが、物理現象とJIS規格 にひも付けると記憶が定着する。一度ストーリーで理解すると、選択肢の「8.0」「4mm」「3m」が直感的に違和感として浮かぶようになる。

本セクションは "暗記補助のための物理イメージ" — 公式根拠ではない

以下の数値導出は 教育的近似 であり、規格機関(JIS委員会・経産省)の公式な決定根拠そのものではない。

  • 「断面積×引張強度 ≈ 8.01kN」は JIS C 3105(硬銅線)の典型値での目安計算。実際の規格値は等級で異なる
  • 「+1m=接近放電の安全距離」は 空気絶縁破壊の一様電界モデルでの推定。条文の「3.5m」が この計算で導出されたという公式記録はない
  • 法令の数値は 複数の安全係数・運用経験・国際整合 を経て決定された 規格機関の判断値

試験対策上は規格値を覚えるのが正解。本セクションは「なぜその値か」を体に染み込ませて忘れにくくするための補助。「公式の導出」と混同しない。

① 直径5mmと8.01kNは「同じ物理量を2つの言い方で表現」

条文の「8.01kN以上のもの 又は 直径5mm以上の硬銅線」は、別々の基準ではなく JIS規格の硬銅線 5mm の物性値 をそのまま2軸で書いたもの。

対応関係 値
直径5mmの硬銅線(JIS規格品) 断面積 約 19.6mm²
硬銅線の引張強度(材料定数) 約 408 N/mm²
その積(最大引張荷重) 約 8.0 kN
規格切上げ・実測ばらつき考慮した最低保証値 8.01 kN

→ 「5mm 硬銅線 = 8.01kN 級」と紐付ければ片方覚えれば足りる。「または」は 同じ電線スペックを 直径 で測ってもいいし 強度 で測ってもいい、という意味。合金線・複合線など5mm未満でも 8.01kN を満たせばOK。

覚え方:「5mm 硬銅線 = 8.01kN」は1つのカードに書いて1セットで覚える

分けて覚えると「8.0」「8.5」「4.5kN」のひっかけに弱くなる。1枚のカードに 5/8.01 をセット記載して、片方を見たら相方が出てくる状態にする。

② なぜ低圧2.6mm → 高圧5mm(ほぼ2倍の太さ)か

電線にかかる力は3つに分けて考えると整理しやすい。

力 内容 高圧線で増える理由
自重 電線自身の重量 高圧は径間が長い(柱間が広い)→ 自重の累積大
風圧荷重 風で電線が押される力 太い線は表面積も大きく荷重↑だが、強度↑が上回る設計
断線リスク 切れたときの波及範囲 高圧切れ=地絡・火災・周辺停電。安全率を高めに取る

つまり 「低圧2.6mm vs 高圧5mm」の段差は電圧差ではなく "切れた時の被害の差" を反映 している。電圧2倍だから線も2倍、ではない(電圧は絶縁の話、太さは機械強度の話)。

③ 緩和高さ3.5m — 身体感覚で覚える

3.5mは 「人間が工具・運搬物を持ち上げても直接触れない最低ライン」 という実用設計値。

高さの目安 状況
〜1.7m 一般成人の身長
〜2.0m 手を伸ばして届く
〜2.5m 低圧緩和(人だけ通る場所)— 触らなければ安全
〜3.0m 梯子・棒・運搬物を頭上に持ち上げる
3.5m 高圧緩和— 工具を持ち上げても 直接接触はしない

しかも 3.5m は条文間で意図的に揃えられている数字。

  • 第68条「横断歩道橋上の架空電線」: 路面上 3.5m(歩道橋上で人が立っても触れない)
  • 第117条「高圧架空引込線の緩和」: 地表上 3.5m(同じ思想)

→ 「3.5m=歩道橋の上に人が立っても届かない高さ」と紐付けると忘れない。

④ 「+1m」の物理的意味(低圧2.5m → 高圧3.5m)

低圧と高圧の差「+1m」は、偶然の値ではなく 接近放電(アーク放電)の安全距離 に由来する。

  • 低圧(〜600V): 触れなければ感電しない → 手の届かない 2.5m で足りる
  • 高圧(600V超〜7,000V): 空気の絶縁破壊で接触前に感電する → 接近放電の安全距離 約1m を上乗せ

空気の絶縁破壊電圧は 約3kV/mm(標準条件下)= 1mで約3,000kV の見当だが、湿度・尖端電極効果・サージ等を見込むと、高圧(最大7kV)に対して安全マージン1mが実用設計値。これが「+1m」の出どころ。

→ 「低圧2.5m + 接近放電1m = 高圧3.5m」と式で覚えるのではなく、「電圧が高いと近づくだけで危ない → だから1m余分に離す」 という物理イメージで記憶する。

覚え方:4つの数字を1本のストーリーで束ねる

「5mmの硬銅線(=8.01kN)を、人が工具を持ち上げても届かない3.5mの高さ(=歩道橋上+接近放電1mの余裕)に張る」

これを音読すると、4つの数字(5・8.01・3.5・+1)がひとつの場面として頭に入る。バラバラに暗記しないのが核心。

「3.5m緩和」の論理

条文は「原則 = 第68条準用(最も厳しいケースで道路6m)」を出発点に、引込線の特性(短い区間・需要家敷地内・取扱者が予測可能)を踏まえて緩和を許容する。

ただし、緩和には 2つの条件 が連動する:

条件 内容 なぜ
横断・橋上の不該当 道路横断・鉄道軌道横断・横断歩道橋上 のいずれにも該当しないこと 不特定多数の通行リスクが高い場所では緩和不可
下方表示 ケーブル以外なら下方に危険表示 低い高さ(3.5m)では作業者が誤って近づく恐れ。可視化で予防
セルフチェック: ケーブルなら下方表示は不要?

その通り。条文「ケーブル以外のものであるときは…表示をすること」は裏返せばケーブルは表示義務から除外。

理由:ケーブルは外被(シース)で覆われており、外見からも「危険な裸絶縁電線ではない」と判別しやすい。一方、引下げ用絶縁電線は外被が薄く、誤接触のリスクが残る。

連接引込線の禁止(省令第38条)

第117条本文には書かれないが、省令第38条 が「高圧又は特別高圧の連接引込線は施設してはならない」と明確に禁止している。

連接引込線:1需要家の引込線から分岐して、2軒目以降に供給する形の引込線

低圧では条件付きで施設可だが、高圧は 1需要家ごとに個別の引込線が必要。これは事故波及を1需要家に限定するためのリスク管理。

ひっかけ:「ただし書きで連接引込線も施設可能」

省令第38条に「ただし、特別の事情があり、かつ造営物の所有者又は占有者の承諾を得た場合は、この限りでない」とあるため、形式上は 例外規定で施設可 になる。

しかし試験での原則回答は 「高圧連接引込線は原則禁止」。例外条項を選ばせる問題は稀で、「禁止」を覚えるのが第一。


5. 図で理解

判定フロー(高さの選び方)

flowchart TD
    Start[高圧架空引込線の高さ決定] --> Q1{道路を横断<br/>するか?}
    Q1 -->|Yes| R68[第68条原則:路面上6m以上]
    Q1 -->|No| Q2{鉄道・軌道<br/>を横断?}
    Q2 -->|Yes| R68b[第68条原則:レール面上5.5m以上]
    Q2 -->|No| Q3{横断歩道橋<br/>の上?}
    Q3 -->|Yes| R68c[第68条原則:路面上3.5m以上]
    Q3 -->|No| Q4{電線種別}
    Q4 -->|ケーブル| R35a[3.5m以上に緩和可<br/>(下方表示不要)]
    Q4 -->|絶縁電線| R35b[3.5m以上に緩和可<br/>+下方に危険表示]

    style R68 fill:#ffccbc,stroke:#d84315,stroke-width:2px
    style R68b fill:#ffccbc,stroke:#d84315,stroke-width:2px
    style R68c fill:#ffe0b2,stroke:#e65100,stroke-width:2px
    style R35a fill:#c8e6c9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px
    style R35b fill:#fff9c4,stroke:#f9a825,stroke-width:2px

電線3択と施設方法のひも付き

電線種別 → 施設方法 → 表示要否 3択の電線が、施設方法と表示義務を一意に決める ① 高圧/特高絶縁電線 引張強さ 8.01kN以上 又は直径 5mm以上の硬銅線 → がいし引き工事 ⚠ 下方に危険表示 (ケーブル以外なので必要) 短距離・端子接続部に多用 ② 引下げ用高圧絶縁電線 引下げ専用設計 (屋側への引下げ用途に最適化) → がいし引き工事 ⚠ 下方に危険表示 (絶縁電線なので必要) 引込の主流(柔軟性高い) ③ ケーブル 高圧用ケーブル (CV/CVT等) → 第67条準用 (ちょう架等の規定) ✅ 下方表示は不要 (ケーブルなので除外) 高層・市街地で多用

読み解き: 電線3択のうち①②(絶縁電線)は がいし引き+下方表示 がセット、③(ケーブル)だけ 第67条準用+下方表示なし。試験で「ケーブルでも下方表示が必要」とあれば誤り。

緩和条件と原則高さの位置関係(断面イメージ)

高さの基準値マップ — 第68条原則 vs 第117条緩和 引込線特有の3.5m緩和は「横断・橋上の不該当」が前提 地表 道路横断: 6m 第68条原則 鉄道横断: 5.5m 第68条原則 その他原則: 5m 第68条原則 第117条緩和: 3.5m 引込線特有の緩和 (横断・橋上のいずれにも該当しないとき) + ケーブル以外は下方に危険表示 6m 5.5m 5m 3.5m

読み解き: 第68条原則は3レベル(6m/5.5m/5m)に分かれる。緩和の3.5mは 「その他原則の5m」をさらに1.5m下げた値。緩和を受けるには「横断・橋上不該当」をクリアしなければならず、原則と緩和の使い分けが論点。


6. 第116条(低圧)との対比

低圧引込線(第116条)と数値・要件を並べ、ペアで暗記する。

観点 第116条(低圧) 第117条(高圧)
引張強さ/直径 2.30kN/2.6mm(一般)/1.38kN/2.0mm(径間15m以下のときの絶縁電線等) 8.01kN/5mm
専用品 — 引下げ用高圧絶縁電線
施設方法 — がいし引き(絶縁電線のとき)
高さ原則 第68条第1項に準じる(道路4m/鉄道5.5m/その他4m) 第68条第1項に準じる(道路6m/鉄道5.5m/橋上3.5m/その他5m)
高さ緩和 2.5m以上(特定条件) 3.5m以上(横断・橋上不該当)
下方表示 規定なし ケーブル以外は下方に危険表示
連接引込線 第106条で条件付き施設可 省令第38条で 原則禁止

ペア暗記の核心

数値の段差を 「低圧 → 高圧」で約2倍 とイメージ:

  • 引張強さ: 2.30 → 8.01kN(約3.5倍)
  • 直径: 2.6 → 5mm(約2倍)
  • 高さ緩和: 2.5 → 3.5m(+1m)

高さは「+1m」、機械強度は「2〜3.5倍」と覚えると、低圧と取り違えない。


7. 頻出ひっかけ・落とし穴

試験で実際に失点しやすいポイントを、重大度別に整理した。

🔴 致命的(これを間違えたら即失点)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
1 直径 4mm以上の硬銅線でよい 5mm以上の硬銅線(高圧版)。低圧用の4mmと取り違えない
2 緩和時の高さは 3m以上 3.5m以上。0.5mの差で正誤が分かれる定番ひっかけ
3 引込線だから 連接引込線も施設可 省令第38条で原則禁止(高圧・特高)

🟡 注意(出題頻度高い)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
4 「引込用高圧絶縁電線」が条文の正式名 正式名称は 「引下げ用高圧絶縁電線」。「引込」「引下」は誤字
5 道路を横断する場合でも 3.5m緩和可 緩和の前提条件が 道路・鉄道横断・横断歩道橋上の不該当。道路横断は緩和不可
6 ケーブルでも 下方に危険表示 が必要 表示義務は「ケーブル以外」のとき。ケーブルは表示不要
7 引張強さは 8.0kN以上 条文どおり 8.01kN以上。0.01桁まで覚える

🟢 軽微(余裕があれば)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
8 屋側部分は 本条1項 で規定 屋側・屋上部分は 第2項 で 第111条第2〜5項を準用
9 ケーブルは 第68条 を準用 ケーブルの施設方法は 第67条(高圧架空ケーブル工事)を準用
10 緩和不適用は 道路横断・鉄道横断の2つ 道路横断/鉄道又は軌道横断/横断歩道橋上の3つ。横断歩道橋を忘れない

8. 穴埋め過去問チャレンジ

問題1: 電線の種類

高圧架空引込線において、電線が高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線である場合、引張強さ 8.01kN 以上のもの又は直径( ア )mm 以上の硬銅線を使用する。また、( イ )用高圧絶縁電線、又はケーブルを使用することができる。

解答
  • ア = 5
  • イ = 引下げ
解説と復習導線

H28問7・R06上問6 で実際に問われた箇所。「引下げ」は条文の正式名称であり、「引込」「引下」と書くと不正解。

問題2: 高さの緩和

高圧架空引込線の電線の高さは原則として第68条第1項の規定に準じるが、道路・鉄道又は軌道・横断歩道橋上のいずれにも該当しない場合は、地表上( ウ )m 以上とすることができる。

解答
  • ウ = 3.5
解説と復習導線

「3m」「4m」のひっかけ選択肢が定番。低圧(第116条)の 2.5m と取り違えないこと。

問題3: 危険表示

緩和規定により地表上3.5m以上で施設する場合において、電線がケーブル以外のものであるときは、その電線の( エ )に危険である旨の表示をすること。

解答
  • エ = 下方
解説と復習導線

上方/側面ではなく 下方。地上から視認できる位置に表示することで、作業者が誤って近づくのを防ぐ。

問題4: ケーブル時の準用条文

高圧架空引込線において、電線がケーブルである場合は、第( オ )条の規定に準じて施設すること。

解答
  • オ = 67
解説と復習導線

第67条=高圧架空電線路のケーブル工事(ちょう架用線等)。低圧のケーブル準用条文(第67条)と同じ番号なので混乱しないこと。


9. まぎらわしい選択肢と正解の違い

誤った記述 正しい記述 なぜ違うか
「直径 4mm 以上の硬銅線」 5mm 以上の硬銅線 4mm は 低圧(第116条)の規定。高圧は5mm
「引込用高圧絶縁電線」 引下げ用高圧絶縁電線 条文の正式名称は「引下げ用」。引込線の用途でも電線名は引下げ
「地表上 3m 以上に緩和」 地表上 3.5m 以上 0.5m の差。低圧(2.5m)と取り違えないこと
「電線の 上方 に危険表示」 電線の 下方 に危険表示 地上から視認できるよう 下方。条文どおり
「ケーブルでも下方に危険表示が必要」 ケーブル以外のときに下方表示が必要 ケーブルは外被があり、表示義務から除外
「道路横断時も 3.5m に緩和できる」 道路横断は緩和不適用。原則の 6m以上 緩和は「横断・橋上不該当」が条件
「高圧連接引込線は 常に施設可 」 省令第38条で 原則禁止 例外条項はあるが、原則は禁止

📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)

各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます

上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。

👉 間違えノートを開く(法規Wiki/直前まちがいノート)

  • ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
  • メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
  • 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)

10. 関連条文・関連ページ

上位省令(本条が解釈する範囲)

電技解釈第117条は、以下の省令各条を 施設方法のレベルで具体化 したもの。穴埋めは解釈側のキーワードが狙われるが、論説問題で「どの省令を根拠としているか」を問う設問もあるため、省令タイトル をひも付けて覚える。

省令条文 タイトル 第117条との関係
第6条 電線等の断線の防止 電線スペック(8.01kN/5mm硬銅線)の上位根拠
第20条 電線路等の感電又は火災の防止 危険表示・接近距離の上位根拠
第21条第1項 架空電線及び地中電線の感電の防止 高さ規定・絶縁電線使用の上位根拠
第25条第1項 架空電線等の高さ 第68条準用 → 本条四号本文の上位根拠
第28条 電線の混触の防止 がいし引き工事による相互絶縁の上位根拠
第29条 電線による他の工作物等への危険の防止 屋側・屋上部分の施設規定の上位根拠
第37条 屋内電線路等の施設の禁止 引込線の経路制限の上位根拠

横断的関連省令

省令条文 タイトル 第117条との関係
第38条 連接引込線の禁止 高圧・特高の連接引込線は原則禁止(本条と独立して機能・他人の構内通過を制限)

関連解釈・テーマ


11. 過去問実績

年度 問 形式 論点
R06上 問6 穴埋 高圧架空引込線の施設(H28再出題)
H28 問7 穴埋 高圧架空引込線の施設

出題傾向

過去14年で2回出題。R06上 問6 は H28 問7 の 完全な再出題(4つの穴埋め箇所がそのまま)。穴埋め4ヶ所は 5(mm)/引下げ/3.5(m)/下方 の固定セット。

R08 出題予測

短期再出題(H28→R06上が8年差)の傾向から、R08までに再出題される可能性は低めだが、低圧版(第116条)は近年(R04下/R06下)に出題されており、「低圧と高圧をペアで対比する横断問題」 として出る可能性はある。

数値(5mm/8.01kN/3.5m)と「引下げ用」「下方表示」の語句は確実に押さえる。


12. 用語集

第117条の条文や出題で登場する主要用語を整理した。

用語 読み 意味 試験での注意点
高圧架空引込線 こうあつかくうひきこみせん 高圧の電気を需要場所の引込口へ架空で引き込む電線路 屋側・屋上部分を含めて第117条が規定
引込線 ひきこみせん 一需要場所の取付け点から構内の引込口に至る電線 「連接引込線」とは別概念(高圧連接は原則禁止)
連接引込線 れんせつひきこみせん 1需要家の引込線から分岐して、隣接する別需要家にも供給する形の引込線 高圧・特高は省令第38条で 原則禁止
引下げ用高圧絶縁電線 ひきさげようこうあつぜつえんでんせん 屋側引下げを含む引込用途に最適化された高圧絶縁電線 条文の正式名称。「引込用」と書くと誤り
高圧絶縁電線 こうあつぜつえんでんせん 高圧電路用の絶縁電線(一般用) 高圧引込線では 8.01kN/5mm硬銅線 のスペックが要求される
ケーブル けーぶる 導体を絶縁体・シース等で被覆した電線。CV/CVT等が代表例 第117条ではケーブル使用時のみ下方表示が 不要
がいし引き工事 がいしびきこうじ がいしで電線を絶縁支持して敷設する工事方法 絶縁電線使用時の必須施設方法
横断歩道橋 おうだんほどうきょう 道路をまたぐ歩行者用の橋 緩和不適用の3条件のひとつ。試験で見落としやすい
下方表示 かほうひょうじ 電線の下方に「危険である」旨を表示すること 地上から見える位置に表示。条文どおり「下方」
第67条準用 だいろくじゅうななじょうじゅんよう ケーブル使用時に第67条(高圧架空ケーブル工事)の規定を適用すること ちょう架用線等の規定が呼び込まれる

13. 最終チェック

数値暗記

  • 引張強さ 8.01kN以上又は直径 5mm以上の硬銅線
  • 緩和時の高さ = 地表上 3.5m以上
  • 原則の高さ(第68条準用)= 道路 6m/鉄道 5.5m/橋上 3.5m/その他 5m
  • 低圧の対応値(第116条)= 引張強さ 2.30kN/2.6mm/緩和 2.5m

条文キーワード

  • 電線3択 = 高圧/特高絶縁電線(8.01kN/5mm)/引下げ用高圧絶縁電線/ケーブル
  • 絶縁電線 → がいし引き 工事
  • ケーブル → 第 67 条準用
  • 高さ原則 → 第 68 条第1項準用
  • ケーブル以外 → 下方 に危険表示

緩和の論理

  • 緩和不適用の3条件 = 道路横断/鉄道又は軌道横断/横断歩道橋上
  • 緩和を受ける場合は 下方表示 がセット(ケーブル以外)

関連条文

  • 屋側・屋上部分 → 本条 第2項で 第111条第2〜5項 を準用
  • 高圧連接引込線 → 省令 第38条 で原則禁止
  • 低圧版 → 第116条(ペアで暗記)

ひっかけ対策

  • 「4mm」は誤り → 5mm
  • 「3m緩和」は誤り → 3.5m
  • 「引込用」は誤り → 引下げ用
  • 「上方表示」は誤り → 下方表示
  • 「ケーブルも表示必要」は誤り → ケーブル以外のとき必要

監修ログ

  • 2026-08-28 監査是正(ChatGPT/Fable 監査 → Claude 一次照合): 条文原文の逐語是正(第2項「高圧架空引込線の屋側部分…」→「高圧引込線の屋側部分…」)。典拠: 同梱PDF 第117条第2項。
  • 2026-05-05: 新規作成(v1.0)。kijun/58.md v2.2 ゴールドスタンダードに準拠して14セクション完備。条文原文は denken-ou H28問7・R06上問6 の正解情報および電験3種対策-MACの法令引用と照合し、第1項各号(一〜四)と第2項(第111条第2〜5項準用)を確定。穴埋めキーワード4点(5/引下げ/3.5/下方)に <mark> を付与。
  • 2026-05-05: v1.1。第4章冒頭に「引込線 vs 引下げ用電線」の用語整理ブロックを追加(横方向=引込/縦方向=引下げ のイメージ/2階層構造の図解)。H28問7・R06上問6で「引込用高圧絶縁電線」が誤答ひっかけになる文脈を明示化。
  • 2026-05-05: v1.2。第4章に「数値の根拠(暗記しない覚え方)」サブセクション追加。4つの主要数値(5mm/8.01kN/3.5m/+1m)を物理現象・JIS規格・身体感覚・接近放電の安全距離 にひも付け、4数値を1本のストーリー(「5mm硬銅線を3.5m高さに張る」)に束ねる記憶モデルを提示。
  • 2026-05-05: v1.3。「引込線(ルート)vs 引下げ用電線(電線種)」を視覚化するSVG図を第4章に追加(電柱→屋側→引込口の緑ルート+電線3択ピル+"電線種をルートに乗せる"の矢印)。配電柱内の「高圧引下げ線」(柱上変圧器ジャンパ)と需要家への高圧引込線が 同じ電線製品を別の場所で使う 関係を表で整理し、ユーザー混乱の根本原因を解消。
  • 2026-05-05: v1.4。第4章「数値の根拠」セクションに 教育的近似ガード警告 を冒頭追加。断面積×引張強度の目安計算と接近放電1m説は 記憶補助のための物理イメージ であり JIS委員会・経産省の公式導出ではない旨を明示。「試験対策上は規格値を覚えるのが正解」と原則を再確認。
  • 2026-05-05: v1.5。「ややこしい関連用語:配電柱内の高圧引下げ線」ブロックの視認性改善。!!! note 内に表をネストする構造(青枠 + 緑枠の入れ子)を解消し、#### 見出し + 本文 + 表 + 補足文 のフラット構造に変更。会話風の表記("あなたの2枚目の参考図")も削除。
  • 2026-05-05: v1.6(ChatGPTレビュー反映)。3点改修。
    1. 4語暗記カードSVG を第1章冒頭に新設(5/引下げ/3.5/下方)。条文の記述順で1文化(「5mmの硬銅線を3.5m以上に張り、ケーブル以外なら下方に表示」)。要点リストにも マーカー で連結。
    2. ケーブル選択時の3点セット表 を第1章に追加(使える+第67条準用+下方表示不要)。絶縁電線(がいし引き+下方表示)との対比で記憶定着。
    3. 関連省令を7条+横断1条に拡張:第6・20・21①・25①・28・29・37条(本条が解釈する範囲)と第38条(横断・連接引込線禁止)の2セットに整理。メタ表と第10章にひも付け表で配置。
  • 2026-05-10 Phase C: 一次ソース確認warning(経産省告示PDF参照)を冒頭に配置(電技解釈はeGov未登録のため読者保護目的)

最終確認: 2026-05-05 | ステータス: v1.6(4語暗記カード・ケーブル3点セット・関連省令拡張) | バージョニング基準