電技省令 第10条 — 電気設備の接地¶
📊 試験対策メタ
- 出題頻度: 🔥 ★★☆☆☆(過去14年で 2 回出題・参考条文/実問は解釈第17〜19条が頻出)
- 重要度: C(基本)
- 直近出題: —
電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 電気設備技術基準 第10条 |
| 規定内容 | 電気設備の接地義務(異常時の感電・火災・物件損傷防止) |
| 性格 | 保安措置の原則規定(規範型A)(具体的接地抵抗値・適用区分は解釈に委任) |
| 委任先 | 解釈第17〜19条(A〜D種接地工事) |
| 試験重要度 | 第10条本体は出題なし。解釈側(A〜D種接地)が頻出 |
1. 全体像と要点¶
① 全体像 — 第10条の位置づけ(初学者向け:先に森を見る)¶
| 条文 | 役割 | 第10条との関係 |
|---|---|---|
| 省令第5条系 | 電路の絶縁原則 | 第10条の上位思想(安全設計の総則) |
| 省令第11条 | 接地の方法(接地線・接地極の仕様) | 第10条と並立(接地の具体方法を規定) |
| 省令第15条 | 地絡に対する保護対策 | 第10条の補完保護(接地で電位低下、地絡遮断器で電流遮断) |
| 解釈第17〜19条 | A〜D種接地工事 | 第10条の実装規定(接地抵抗値・適用機器の具体仕様) |
→ 第10条は「接地その他の適切な措置」の総括規定。具体的な接地抵抗値(A種10Ω・D種100Ω等)・適用区分は解釈第17〜19条に委任。装置設置だけでなく避雷装置・二重絶縁等の代替手段も含む。
② 要点(既習者向け:試験前30秒復習用)¶
- 接地の役割: 地絡時に大地への低インピーダンス経路を提供→電位差を低下させる
- 保護対象は「感電・火災・物件損傷」の3点(条文の核心要素)
- 異常時の例:地絡・雷サージ・高電圧侵入
- 接地だけでなく「その他の適切な措置」も含む(絶縁強化・避雷装置・保護装置)
- 上位原則法:具体的な接地方法・数値は解釈第17〜19条(A〜D種接地)で規定
- 「必要な箇所」の判定:地絡電流の危険性によって決定
- 接地抵抗値(解釈第17条):A種10 Ω(第1項第一号)/ B種150÷Ig(第2項第一号・17-1表)/ C種10 Ω(第3項第一号)/ D種100 Ω(第4項第一号)。17-1表はB種専用で、A・C・D種の値は本文の各項に直接書かれている
セルフチェック: 第10条で「接地抵抗値(Ω)」が具体的に決まるか?
いいえ。第10条は原則を定めるだけ。具体的な数値(A種10Ω、D種100Ω等)は解釈第17〜19条(ABCD種接地)で規定される。第10条は「接地しろ」という指示、第17〜19条は「こうやってしろ」という実装方法。
セルフチェック: 「接地」が唯一の対策か?
いいえ。条文は「接地その他の適切な措置」と明記。代替手段として(1)避雷装置(雷サージ対応)、(2)二重絶縁(小型工具等)、(3)漏電遮断器・地絡継電器(電流遮断)等を組み合わせて適用できる。「接地のみ」と書くと誤答。
2. 条文原文¶
電気設備技術基準 第10条(電気設備の接地)
電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に 危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を 講じなければならない。ただし、電路に係る部分にあっては、第五条第一項の規定に 定めるところによりこれを行わなければならない。
原文確認済
e-Gov公式(電気設備に関する技術基準を定める省令第10条)から転記済み。条文転記は2026-05-02時点。
3. 原文解析¶
| ブロック | 原文 | 意味 | 試験ポイント |
|---|---|---|---|
| 主語 | 電気設備の必要な箇所には | 全電気設備が対象(必要性は解釈に委任) | — |
| 起動条件 | 異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による | 地絡・雷サージ・混触等の事故全般 | 「異常時」=平常運用中の事故全般(ひっかけ注意) |
| 保護対象 | 感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう | 人体・火災・物件の3点 | 頻出ひっかけ(感電のみは誤り) |
| 措置 | 接地その他の適切な措置 | 装置以外(二重絶縁・避雷装置等)も含む | (ウ)の穴埋め |
| 義務 | 講じなければならない | 強制義務(努力義務ではない) | — |
| 委任先 | 第五条第一項の規定に定めるところにより | 電路部分は第5条(絶縁)に従う | 関連条文の整理に必須 |
「その他の適切な措置」の含意
接地工事の設置だけが解ではない。避雷装置・二重絶縁・漏電遮断器等の代替手段でも要件を満たせる。「接地一択」と書くのは誤り。
4. 法規特有表現¶
条文を読む前に、日常語と法規表現の対応を頭に入れておくと、原文の意味が一気に通る。
| 日常語 | 法規表現 | 試験での意味 | 混同注意 | 例文(条文調) |
|---|---|---|---|---|
| アースを取る | 接地を施す | 大地と電気的に接続する保安措置 | 「アース」は俗称・条文には登場しない/「設置する」では不可 | 電気設備には、接地を施さなければならない |
| 何かあったら | 異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による | 接地義務の起動条件(地絡・雷サージ・混触の総称) | 「故障時」「事故時」より広い概念。平常運用中の事故全般を含む | 異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電を防止する |
| 大地につなぐ | 接地 | 大地と電気的に接続すること | 「アース」「グラウンド」は俗称、法規では「接地」 | 必要な箇所に接地を施す |
| 接地以外の対策もあり | 接地その他の適切な措置を講じなければならない | 接地に限らず代替措置(避雷装置・二重絶縁等)も認める | 「接地のみが必須」と読まない。「その他」に装置と設計手法の両方を含む | 接地その他の適切な措置を講じなければならない |
| 危険を防ぐ | 感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう | 保護対象は人体・火災・物件の3点セット | 「感電のみ」と読まない。火災・物件損傷も保護対象 | 人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう |
この条文で覚えるべき言い回し¶
- 「異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による」(接地義務の起動条件・典型表現)
- 「接地その他の適切な措置」(接地に限らず代替手段を含む含意)
- 「感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう」(保護対象3点:人体・火災・物件)
- 「講じなければならない」(義務の強さを示す法規動詞・努力義務ではなく強制義務)
- 「必要な箇所」(適用範囲を抽象的に示す表現・具体仕様は解釈に委任)
- 「電気設備」(条文の主語・電線・機器・配線等の総称)
ひっかけ表現¶
| 誤った理解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 第10条で具体的な接地抵抗値(A種10Ω等)が決まる | 第10条は原則のみ。数値は解釈第17〜19条で規定 |
| 接地が唯一・必須の対策である | 「接地その他の適切な措置」も認められる(避雷装置・二重絶縁等) |
| 「接地」と「アース」を法規用語として併用できる | 法規は「接地」が正式。「アース」は俗称で条文には登場しない |
| 保護対象は「感電」のみである | 「感電・火災・物件損傷」の3点セット |
| 「設置する」と「施す」を同じに扱う | 法規では接地に対し「接地を施す」「講ずる」が正式 |
| 接地深さ・接地線太さは第10条で規定される | 第11条(接地工事の種類及び施設方法)が規定。第10条は「施せ」だけ |
| 「異常時」=平常運用時の異常 | 地絡・雷サージ・高電圧侵入の総称(運用中の事故全般) |
まぎらわしい用語の比較(接地族)¶
| 用語 | 意味 | 適用 | 試験での出方 |
|---|---|---|---|
| 接地 | 大地と電気的に接続すること | 第10条の中核用語。全ての接地工事の総称 | 「接地を施す」の主語・目的語として頻出 |
| アース | 接地の俗称(口語・実務略語) | 条文には登場しない | ひっかけ語として出題される(「法規上の用語はどれか」) |
| 等電位ボンディング | 複数の金属体を導体で接続し等電位に保つ | 接地の一形態。浴室の金属管・配管接続等 | 第59条系・需要場所の保安措置で出題 |
| 中性点接地 | 変圧器の中性点を接地すること | B種接地の対象。高低圧混触時の電位上昇抑制 | B種接地の目的説明で頻出 |
まぎらわしい用語の比較(接地工事種別 A〜D種)¶
| 種別 | 適用機器 | 接地抵抗 | 0.5秒以内遮断時の特例 | 第10条との関係 |
|---|---|---|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧用機器の鉄台等 | 10Ω以下 | — | 第10条の高圧側実装規定 |
| B種 | 変圧器低圧側中性点(高低圧混触防止) | 150÷Ig( Ω ) | — | 第10条の混触対策実装規定 |
| C種 | 300V超の低圧機器外箱 | 10Ω以下 | 500Ω以下 | 第10条の低圧(高めの電圧)実装規定 |
| D種 | 300V以下の低圧機器外箱 | 100Ω以下 | 500Ω以下 | 第10条の低圧(一般)実装規定 |
→ 第10条は「接地を施せ」と命じ、「いくらの抵抗値で」は解釈第17条で規定(A種=第1項第一号/B種=第2項第一号の17-1表/C種=第3項第一号/D種=第4項第一号)。試験では「機器の電圧区分 → 種別 → 抵抗値」の対応が問われる。
一目でわかる「接地その他の適切な措置」¶
| 対策 | 効果 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 接地(A〜D種) | 大地への低インピーダンス経路提供・電位低下 | 全電気設備の基本対策 |
| 避雷装置 | 雷サージの大地放出・電位上昇抑制 | 高い建物・露出設備・特別高圧設備 |
| 二重絶縁 | 1段目絶縁が破れても2段目で保護 | 小型電動工具・照明器具・移動機器 |
| 漏電遮断器(ELB)/地絡継電器(GR) | 地絡電流の迅速遮断 | 第15条(地絡保護)と併用、低圧屋内配線等 |
→ 「接地その他の適切な措置」の「その他」には装置設置(避雷装置・遮断器)と設計手法(二重絶縁)の両方を含む。条文の「その他」を狭く解釈せず、保護目的を達成する代替手段全般と理解する。
5. かみ砕き解説¶
接地は「地絡電流を大地へ逃がす」だけでなく、「機器外箱の対地電圧を下げて感電を緩和」「等電位化で接触電位差をゼロにする」役割もある。
地絡時の電位上昇を抑制する¶
- 地絡回路: 大地 ← 接地抵抗 ← 接地線
- 接地抵抗が高い → 機器外箱の対地電圧が大きくなる → 感電リスク高
- 接地抵抗を下げる → 接地線を太く・接地極を深く埋設 → 対地電圧が下がる → 感電リスク低
計算例:
- 地絡電流 Ig = 100A、接地抵抗 R = 10Ω → 対地電圧 V = I × R = 1,000V(危険)
- 接地抵抗 R = 1Ω → 対地電圧 V = 100V(低下)
雷サージ(高電圧侵入)への対応¶
- 落雷時に建物に侵入する過渡高電圧を迅速に大地へ放出
- 低インピーダンス接地路 → サージ電流の速やかな分散 → 機器損傷防止
等電位化との関係
接地は「大地に電流を逃す」だけでなく、「複数の金属体を等電位に保つ」役割もある。これにより接触電位差がゼロに近づく。浴室の金属管接続(等電位ボンディング)が代表例。
セルフチェック: 接地抵抗を下げると何が改善するか?
地絡時の対地電圧(V = Ig × R)が下がる → 人体に印加される電圧が下がる → 感電電流が下がる。同時に地絡電流自体は増える(V/R が大きくなる)ので、地絡遮断器(第15条)の検出感度が高まり、より早く回路が遮断される。接地と地絡遮断は併用が原則。
6. 図で理解¶
図解 1:接地による電位差低下のメカニズム¶
地絡発生時、機器外箱の対地電圧は「地絡電流 × 接地抵抗」で決まる。接地抵抗を低くすることで、人体に印加される電圧を安全レベルまで下げられる。
接地抵抗を 10Ω → 1Ω に下げるだけで、対地電圧が 1000V → 100V と1/10 になる。これが第10条が「接地その他の適切な措置」を要求する物理的根拠。
図解 2:A〜D種接地の適用区分¶
電圧区分と機器種別ごとに、A種〜D種の4種類が割り当てられている。電圧が高いほど接地抵抗値の要求が厳しい。
C種は低圧でも 300V 超のため、A種と同等の 10Ω が要求されている。「電圧が高い = 接地抵抗を低く」が大原則。
判定フローチャート: 接地工事の選定¶
実機選定では、電圧区分 → 機器の種類 → 接地種別の順に判定する。
flowchart TD
START["電気設備の接地工事選定"] --> Q1{"電圧区分は?"}
Q1 -->|"高圧・特別高圧"| A["A種接地工事<br/>R ≦ 10Ω"]
Q1 -->|"低圧"| Q2{"変圧器の<br/>低圧側中性点?"}
Q1 -->|"避雷器"| LIGHT["避雷器接地<br/>(別途規定)"]
Q2 -->|"YES"| B["B種接地工事<br/>R ≦ 150÷Ig"]
Q2 -->|"NO"| Q3{"使用電圧は<br/>300V超?"}
Q3 -->|"YES"| C["C種接地工事<br/>R ≦ 10Ω<br/>(0.5秒遮断時 500Ω)"]
Q3 -->|"NO"| D["D種接地工事<br/>R ≦ 100Ω<br/>(0.5秒遮断時 500Ω)"]
style A fill:#ffebee,stroke:#c62828
style B fill:#fff3e0,stroke:#ef6c00
style C fill:#fffde7,stroke:#f9a825
style D fill:#e8f5e9,stroke:#2e7d32
暗記の核心
「電圧が高いほど厳しい接地」 = A種(10Ω) → C種(10Ω・低圧高電圧) → D種(100Ω)
B種だけ別系統(変圧器中性点専用・「150÷Ig」という計算式)。
7. 条文固有の深掘り¶
第10条の本質を理解するための3つの問い。試験では因果説明型・条文構造の出題に直結。
問い1: なぜ「接地」だけでなく「その他の適切な措置」が必要なのか¶
第10条が「接地その他の適切な措置」と書くのは、接地が万能ではないためである。代替手段の存在は3つの理由で必要:
- 機器によっては接地が困難: 小型電動工具・移動機器は接地線の取り回しが現実的でない → 二重絶縁で対応
- 接地だけでは雷サージに不十分: 落雷の数十kV侵入には接地と並んで避雷装置が必要
- 接地は「電圧低下」だけ・「電流切断」は別装置: 地絡電流の遮断は漏電遮断器(ELB)等が担当 → 第15条と併用
| 対策 | 効果 | 接地との関係 |
|---|---|---|
| 接地(A〜D種) | 対地電圧を下げる(V=Ig×R) | 主装置 |
| 二重絶縁 | 絶縁を多重化し地絡を予防 | 接地不要な代替 |
| 避雷装置 | 雷サージを大地へ放出 | 接地と並用 |
| 漏電遮断器・地絡継電器 | 地絡電流を切断 | 第15条と併用 |
→ 「接地一択」と書くのは誤り。代替手段でも要件を満たせるのが第10条の柔軟性。
問い2: 第10条と解釈第17〜19条の関係はどうなっているのか¶
第10条は「何を守るか」を抽象的に定め、解釈第17〜19条は「どのくらいの数値で守るか」を具体的に定める。両者は階層関係:
第10条(省令):「接地その他の適切な措置を講じよ」
↓ 実装方法の詳細指示
解釈第17条:
├─ A種接地:R ≦ 10Ω(高圧・特別高圧機器) ← 第1項第一号
├─ B種接地:R ≦ 150÷Ig(変圧器低圧側中性点) ← 第2項第一号・17-1表
│ (自動遮断装置あり: 1秒超2秒以下→300÷Ig / 1秒以下→600÷Ig)
├─ C種接地:R ≦ 10Ω(300V超低圧機器、0.5秒遮断時 500Ω) ← 第3項第一号
└─ D種接地:R ≦ 100Ω(300V以下低圧機器、0.5秒遮断時 500Ω)← 第4項第一号
出典:電技解釈第17条(同梱PDF 令和7年11月版 p.32-33 で逐語照合・2026-08-28)。17-1表はB種の接地抵抗値の表であり、A・C・D種の値を 17-1表 に帰属させるのは誤り(2026-08-28 是正)。
試験での出題区分
kakomon.yml 集計上、第10条本体の出題は0回。接地工事(A〜D種)の具体的問題は解釈第17〜19条として登録されている。第10条は「趣旨理解」が問われる(数値計算は出ない)。
問い3: 接地(第10条)と地絡遮断(第15条)はなぜ併用が必要か¶
両者はどちらも「地絡時の人体・設備保護」を目的とするが、作用する物理量が違うため、片方だけでは保護が不完全になる。
- 接地(第10条)= 電位差低下(V = Ig × R を小さくして感電緩和)
- 地絡遮断(第15条)= 電流遮断(通電時間を短縮し被害拡大を防止)
- 役割が違うため代替不可。両方併用が原則。
地絡発生からの保護階層(時系列)
| 時刻 | 保護機構 | 役割 |
|---|---|---|
| 0ms(地絡発生) | 接地(第10条) | 機器外箱の対地電圧を低く保つ → 感電電流を制限 |
| 〜30ms | ELB(第15条・低圧) | 零相電流検出 → 遮断 → 通電時間短縮 |
| 〜数秒 | GR + 遮断器(第15条・高圧) | 保護協調を考慮した遮断 |
→ 接地は「初期対応(電位を下げる)」、地絡遮断は「最終対応(電流を切る)」。両者で人体への通電エネルギーを最小化する。
セルフチェック: 接地と地絡遮断のどちらが優先か?
両方併用が原則。優先順位ではなく役割分担。接地は地絡発生の瞬間から対地電圧を下げ続け、地絡遮断器は数十ms〜数秒で電流を切る。両者で時間軸の異なる保護を提供する。「片方だけで十分」と書くと誤答。
8. 試験で問われること¶
第10条本体の出題は0回。ただし「条文の趣旨理解」「接地と他条文の役割分担」は周辺問題で問われる。解釈第17〜19条として接地抵抗値・適用区分が頻出。
出題予測(過去14年の統計)
第10条直接の出題は0回。出題時は次のいずれか:
- 接地の役割の趣旨理解: 「次のうち接地の目的でないものはどれか」
- 正解候補: 接地以外の選択肢(例:力率改善・電圧降下抑制)
-
ひっかけ: 「電位差低下」「等電位化」「サージ放出」は全て接地の役割
-
「異常時」の意味: 「第10条の『異常時』に含まれないものはどれか」
- 正解: 平常運用(含まれない)
-
含まれる: 地絡・雷サージ・高低圧混触
-
第10条と解釈第17〜19条の関係: 「第10条で接地抵抗値が決まるか」
- 正解: 決まらない。第10条は原則のみ
-
ひっかけ: 「A種10Ω等は第10条に書かれている」→ 解釈側
-
「その他の適切な措置」の例: 二重絶縁・避雷装置・漏電遮断器等
解釈側出題(A〜D種接地)
H30問5「接地工事の種類及び施工方法」(解釈第17条)、H28問2「接地工事」(解釈第19条・第24条・第28条の複合)など、接地工事の具体出題は解釈側の条文として登録されている。第10条記事ではなく解釈側記事も併せて学習すること。
9. 頻出ひっかけ¶
🔴 致命的ひっかけ(必ず即答できる必修事項)¶
| 誤った主張 | 正しくは |
|---|---|
| 「第10条で接地抵抗値が決まる」 | 誤り。原則のみ。具体値は解釈第17〜19条 |
| 「接地が必須・唯一の対策」 | 誤り。「その他の適切な措置」も認められる |
| 「接地」と「アース」を法規用語として併用できる | 法規は「接地」のみ。「アース」は俗称 |
🟡 注意ひっかけ(細部の表現に注意)¶
| 誤った主張 | 正しくは |
|---|---|
| 「C種・D種接地は不要」 | 誤り。低圧でも中性線・外枠の接地は法定義務 |
| 接地深さ・太さは第10条で規定 | 誤り。第11条で規定(混同注意) |
| 「保護対象は感電のみ」 | 誤り。「感電・火災・物件損傷」の3点 |
🟢 軽度ひっかけ(用語の確認)¶
| 誤った主張 | 正しくは |
|---|---|
| 「異常時」の意味 | 地絡・雷サージ・異常電圧の総称。運用中の異常状態(平常時を含まない) |
セルフチェック: 「接地その他の適切な措置」の「その他」に含まれないものは?
力率改善コンデンサ・電圧降下対策(経済性・運用効率の対策であり、感電・火災防止ではない)。 含まれる例: 避雷装置・二重絶縁・漏電遮断器・絶縁監視装置・低電圧装置(36V以下)。条文の保護目的(感電・火災・物件損傷の防止)に対応する代替手段のみが「その他」に該当する。
❌ 誤った認識 vs ✅ 正しい認識¶
| ❌ 誤った認識 | ✅ 正しい認識 |
|---|---|
| 第10条で接地抵抗値(A種10Ω等)が直接決まる | 第10条は原則のみ。具体値は解釈第17〜19条で規定(条文の階層を区別する) |
| 接地が唯一・必須の対策である | 「接地その他の適切な措置」も認められる(避雷装置・二重絶縁・漏電遮断器も可) |
| 保護対象は感電のみである | 感電・火災・物件損傷の3点セットが保護対象(条文の核心要素) |
| 「異常時」=平常運用時の異常状態 | 地絡・雷サージ・高低圧混触等の事故全般を指す(平常時は含まない) |
| 「接地」と「アース」は法規上同義語として使える | 法規用語は「接地」のみ。「アース」は俗称で条文には登場しない |
| --- | |
| ## 10. 穴埋め過去問チャレンジ |
問題(学習用・第10条本体・難易度 ★★☆☆☆)
次の文章は「電気設備に関する技術基準を定める省令」第10条に関する記述である。 空欄(ア)〜(ウ)に入る語句の組合せとして正しいものを選べ。
電気設備の必要な箇所には、(ア) の電位上昇、高電圧の (イ) 等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、(ウ) その他の適切な措置を講じなければならない。
解答を見る
| 空欄 | 正答 |
|---|---|
| (ア) | 異常時 |
| (イ) | 侵入 |
| (ウ) | 接地 |
読み解きポイント:
- (ア)異常時 :「平常時」「故障時」では誤り。地絡・雷・混触全般を含む「異常時」が正
- (イ)侵入 :「流入」「漏入」では誤り。雷サージ等の高電圧が外部から入ってくることを「侵入」と表現
- (ウ)接地 :「絶縁」「遮断」では誤り。条文の主装置は接地。「その他の適切な措置」が代替手段の余地を残す
11. まぎらわしい選択肢と正解の違い¶
| 空欄 | よくある誤答 | 正答 | なぜ違うか |
|---|---|---|---|
| (ア) | 平常時 | 異常時 | 平常時に接地は不要。地絡・雷等の異常時の保安が条文の目的 |
| (ア) | 故障時 | 異常時 | 「故障」は機器内部の不具合に偏る語。「異常」はより広い(地絡・侵入・混触全般) |
| (イ) | 流入 | 侵入 | 「流入」は通常運用の電流流入を連想させる。条文は外部からの異常電圧を指すため「侵入」 |
| (ウ) | 絶縁 | 接地 | 絶縁は第5条が担当。第10条の主装置は接地 |
| (ウ) | 遮断 | 接地 | 遮断は第14・15条(過電流・地絡)が担当。第10条は接地 |
| 措置 | 接地のみ | 接地その他の適切な措置 | 「その他」を省略すると代替手段(避雷装置・二重絶縁等)が排除される |
第10条と関連条文の混同に注意¶
| 条文 | 主装置 | 役割 |
|---|---|---|
| 第5条 | 絶縁強化 | 地絡を予防(電気が流れないように) |
| 第10条 | 接地 | 地絡時の電位低下(電気が流れても感電しないように) |
| 第15条 | 地絡遮断器(ELB/GR) | 地絡時の電流遮断(流れ続けないように) |
→ 三者は時間軸で連携:絶縁(予防)→接地(緩和)→遮断(終結)。
📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)¶
各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます
上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。
- ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
- メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
- 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)
12. 関連条文¶
接地の方法・具体仕様 - 電気設備の接地の方法 第11条 — 接地線・接地極の具体仕様(第10条と並立)
並用される保護条文 - 過電流からの保護 第14条 — 短絡・過負荷対策(第10条と併用) - 地絡に対する保護対策 第15条 — 地絡遮断装置(第10条と併用・補完関係) - 電路の絶縁 第5条 — 絶縁強化(地絡そのものの予防・上位条文)
具体的施設要件の委任先(解釈) - 電技解釈 第17条 A〜D種接地工事 — 具体的な接地抵抗値・計算式・適用区分
横断テーマ - 保護装置テーマ — 全保護装置の体系横展開
13. 過去問実績¶
| 年度 | 問 | 形式 | 論点 |
|---|---|---|---|
| H30 | 問5 | 選択 | 接地工事の種類及び施工方法(解釈第17条として出題) |
| H28 | 問2 | 選択 | 接地工事(解釈第19条・第24条・第28条として出題=2026-06-11 denken-ou 一次照合で再帰属) |
出題は省令第10条ではなく解釈第17〜19条として登録
_data/kakomon.yml 集計上、本条直接の出題は0回。接地工事(A〜D種)の具体的問題は解釈側で登録されている。詳細は解釈第17〜19条の解説。
R08 出題予測
低確率(2〜3年に1回)。出題時は「接地の役割」「異常時の意味」「原則と実装の分離」が問われる。
近年は第10条より第11条(接地方法・数値)、第14条(過電流)、第15条(地絡)との組み合わせで出題される傾向。
14. 最終チェック¶
📜 条文の核心
- 「電気設備の必要な箇所には〜接地その他の適切な措置」を即答できる
- 保護対象は「感電・火災・物件損傷」の3点セットだと言える
- 「異常時」の意味(地絡・雷・混触の総称)を即答できる
🌍 接地の役割と実装
- V = Ig × R で対地電圧が決まることを説明できる
- A種10Ω / B種150÷Ig / C種10Ω / D種100Ω を即答できる
- C種とD種の境界(300V)を即答できる
- B種だけ計算式(150÷Ig)で別系統である理由(変圧器中性点専用)を言える
🔗 関連条文との関係
- 第11条(接地方法)との分担を説明できる(第10条=義務、第11条=方法)
- 第15条(地絡遮断)との併用関係を説明できる(接地=電位低下、地絡遮断=電流切断)
- 第5条(絶縁)との階層を説明できる(予防→緩和→終結)
📖 法規特有表現
- 「接地」と「アース」の違いを言える(条文用語は「接地」)
- 「その他の適切な措置」に含まれる代替手段(避雷装置・二重絶縁等)を3つ挙げられる
- 「講じなければならない」が強制義務であると説明できる
監修ログ¶
- 2026-08-28 監査是正(Fable 一任セッション・Claude 一次照合): 接地抵抗値の帰属を是正(「A〜D種=解釈第17条 17-1表」→ 17-1表はB種専用。A種=第1項第一号/B種=第2項第一号の17-1表/C種=第3項第一号/D種=第4項第一号)。B種の緩和(1秒超2秒以下→300÷Ig/1秒以下→600÷Ig)も併記。出典表記を二次サイト3ソースから同梱PDF 令和7年11月版 p.32-33 の逐語照合に差し替え。
- 2026-05-02(v1.1 初回三段監修): DENKEN-WIKI監修部による初回三段監修(不動・江間・早川)。江間が接地抵抗値テーブル(A種10Ω/B種150-Ig/C種10Ω・0.5秒遮断時500Ω/D種100Ω・0.5秒遮断時500Ω)を電技解釈第17条と照合 → 全件正値で一致。L20セルフチェックの例示「200Ω」を「D種100Ω」に修正(11.mdの旧誤値の波及を遮断)。本条は第2条「条文原文」を独立セクションとして持たない構造(メタブロックに直接埋め込み型)なので将来再構成推奨 → v3.0で対応済。
- 2026-05-02(v3.0 56条同等化リビジョン): 並列エージェント3体で第1条全体像と要点(クロスSVG+3ブロック構造)・第4条法規特有表現(ブロックA-D・接地族/工事種別/その他の措置の3用語比較表)・第6条図で理解(接地電位低下SVG×1+A〜D種適用区分SVG×1+mermaid判定フローチャート×1)を新規生成。既存第3条「接地が必要な理由」を第5条かみ砕き解説に統合、第4条「その他の適切な措置」具体例+第5条省令-解釈関係図を第7条条文固有の深掘り(3つの問い形式)に統合・拡張。第2条条文原文を独立セクション化、第3条原文解析・第10条穴埋め過去問チャレンジ・第11条まぎらわしい選択肢・第14条最終チェックを新規追加。規範型A標準14セクション完全準拠。数値検証判定: PASS(A種10Ω / B種150÷Ig / C種10Ω / D種100Ω / 0.5秒遮断時500Ω — 全数値はv1.1 PASS実績を継承、新規追加なし)。
- 2026-05-10(v2.6 必須ブロック準拠改修): I07ひっかけ説明に❌✅対比表を追加(5項目)、I18確認問題ブロックを
!!! noteから!!! abstractに変更、I17メタ概要に🔥アイコン+重要度bold化を実施。本文既存内容は全て維持・追記のみ。総合スコア 88/100 (A) → 95+/100 (S) を目標に最小編集で対応。
最終確認: 2026-05-02 | 数値検証完了: 2026-05-02(PASS・接地抵抗値全件公式値一致) | ステータス: v3.0(56条同等化・規範型A標準14セクション完全準拠・法規特有表現ブロックA-D追加) | バージョニング基準