電技解釈 第59条 — 架空電線路の支持物の強度等¶
📜 一次ソース確認のお願い(2026-05-10)
本ページは電気設備の技術基準の解釈(経済産業省が省令の解釈として示すもの)を学習用に整理したものです。電技解釈は eGov 法令API に登録されていないため、本Wikiの品質保証は wiki内クロスリファレンスと過去問データベース(kakomon.yml)への照合に依存しています。重要な実務判断や試験直前の最終確認は、必ず経産省公式の最新告示PDF(電気設備の技術基準の解釈)に当たってください。誤記を発見された場合は GitHub Issues でご連絡ください。
📊 試験対策メタ
- 出題頻度: 🔥(過去14年で 1 回出題)
- 重要度: C(基本)
- 直近出題:
架空電線路の支持物(電柱・鉄塔等)は、想定される==最大荷重==に対して規定の==安全率==以上の強度を持たなければならない。電技省令第32条(支持物の倒壊防止)の具体化条文。
⚡ 5秒で思い出す¶
- 支持物の強度 = 最大荷重 × 安全率 の確保
- 安全率の数値規定があるのは 木柱の 2.0 のみ(風圧荷重に安全率2.0を乗じた荷重に耐える強度)。鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔は 59-2表以下に規定する荷重に耐える強度で、条文に安全率の数値はない(基礎の安全率2・鉄塔の異常時想定荷重1.33 は第60条)
- 荷重の種類: 風圧荷重(水平)・垂直荷重(電線重量等)・水平荷重
- 第59条で安全率が数値で出るのは 木柱の2.0 だけ — 材料の不均一性・劣化リスクを見込んでいる
- 省令第32条の「倒壊防止」を数値で具体化したのがこの条文
セルフチェック: 木柱だけ安全率が高い(2.0)のはなぜか。鉄筋コンクリート柱・鉄柱との違いとともに説明せよ
- 木柱: 安全率2.0(第59条第1項第一号)
- 鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔: 安全率の数値規定はなく、59-2表以下の荷重に耐える強度で規定
- 「1.5」は本条の値ではない(支線の特例値=第61条/基礎は第60条で2・鉄塔異常時1.33)
木柱のみ安全率が高い(2.0)。材料のばらつきや腐食劣化に対する余裕を大きくとるため。
📋 条文の概要¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 電技解釈 第59条 |
| 対象 | 架空電線路の支持物(電柱・鉄塔等) |
| 強度要件 | 想定最大荷重に対し規定安全率以上 |
| 根拠省令 | 電技省令 第32条(支持物の倒壊防止) |
| 支持物の種類 | 第59条の規定のしかた |
|---|---|
| 木柱 | 風圧荷重に 安全率2.0 を乗じた荷重に耐える強度(第1項第一号) |
| A種鉄筋コンクリート柱 | 59-2表 の荷重に耐える強度+根入れ深さ(第2項)。安全率の数値規定なし |
| A種鉄柱 | 59-4表 の荷重に耐える強度+根入れ深さ(第3項)。安全率の数値規定なし |
| B種鉄筋コンクリート柱・B種鉄柱・鉄塔 | 59-6表 の荷重(低圧=風圧荷重/高圧・特別高圧=常時想定荷重 等)に耐える強度(第4項)。安全率の数値規定なし |
ひっかけ:第59条で「安全率」が数値で出てくるのは木柱だけ
「すべての支持物の安全率は1.5以上」も「鉄塔の安全率は1.5以上」も 誤り。 第59条に 1.5 という数値は一度も出てこない(同梱PDF 第59条で全項を照合)。
- 木柱以外は「安全率いくつ」ではなく 59-2表〜59-6表の荷重に耐える強度 という形で規定される
- 混同源: 基礎の安全率 2(鉄塔の異常時想定荷重・異常着雪時想定荷重は 1.33)は 第60条 / 支線の安全率 2.5(第62条・第70条第3項の支線は 1.5)は 第61条
木材は腐朽・乾湿による強度変化が大きいため、風圧荷重に安全率2.0を乗じた荷重で設計させる。これが「なぜ木柱だけ2.0か」の理由。
59-1表〜59-6表(原典の表・逐語転記)¶
告示PDF(令和7年11月版)から逐語転記。条文本文が「◯◯表に規定する」とだけ書く部分の中身なので、ここを読まないと第2項〜第4項は数値を持たない。
59-1表(木柱のわん曲に対する破壊強度・第1項第一号)
| 木柱の種類 | 破壊強度(N/mm²) |
|---|---|
| 杉 | 39 |
| ひのき、ひば及びくり | 44 |
| とど松及びえぞ松 | 42 |
| 米松 | 55 |
| その他 | 上に準ずる値 |
59-2表(A種鉄筋コンクリート柱が耐えるべき荷重・第2項第一号)
| 使用電圧の区分 | 種類 | 荷重 |
|---|---|---|
| 低圧 | 全て | 風圧荷重 |
| 高圧又は特別高圧 | 複合鉄筋コンクリート柱 | 風圧荷重及び垂直荷重 |
| 高圧又は特別高圧 | その他のもの | 風圧荷重 |
59-3表(A種鉄筋コンクリート柱の根入れ深さ・第2項第二号)
| 設計荷重 | 全長 | 根入れ深さ |
|---|---|---|
| 6.87kN以下 | 15m以下 | 全長の1/6 |
| 6.87kN以下 | 15mを超え16m以下 | 2.5m |
| 6.87kN以下 | 16mを超え20m以下 | 2.8m |
| 6.87kNを超え9.81kN以下 | 14m以上15m以下 | 全長の1/6に 0.3m を加えた値 |
| 6.87kNを超え9.81kN以下 | 15mを超え20m以下 | 2.8m |
| 9.81kNを超え14.72kN以下 | 14m以上15m以下 | 全長の1/6に 0.5m を加えた値 |
| 9.81kNを超え14.72kN以下 | 15mを超え18m以下 | 3m |
| 9.81kNを超え14.72kN以下 | 18mを超え20m以下 | 3.2m |
「全長の1/6」は 15m以下 に限られる
最頻出は 設計荷重6.87kN以下・全長15m以下 → 全長の1/6。16mを超えると 1/6 ではなく 2.8m の実寸に切り替わる点が境界の罠(弱点カテゴリ①数値境界)。設計荷重が重くなる区分では「1/6 に 0.3m/0.5m を加える」という 加算形式に変わり、割合だけでは決まらない。
59-4表(A種鉄柱が耐えるべき荷重・第3項第二号)
| 架空電線路の使用電圧 | 荷重 |
|---|---|
| 低圧 | 風圧荷重 |
| 高圧又は特別高圧 | 風圧荷重及び垂直荷重 |
59-5表(A種鉄柱の根入れ深さ・第3項第三号)
| 全長 | 根入れ深さ |
|---|---|
| 15m以下 | 全長の1/6 |
| 15mを超え16m以下 | 2.5m |
A種鉄柱は本文で 設計荷重6.87kN以下 に限定されるため、59-3表のような設計荷重の軸を持たない(全長だけで決まる)。
59-6表(B種鉄筋コンクリート柱・B種鉄柱・鉄塔が耐えるべき荷重・第4項)
| 使用電圧の区分 | 種類 | 荷重 |
|---|---|---|
| 低圧 | 全て | 風圧荷重 |
| 高圧 | 全て | 常時想定荷重 |
| 特別高圧 | 鉄筋コンクリート柱又は鉄柱 | 常時想定荷重 |
| 特別高圧 | 鉄塔 | 常時想定荷重の1倍及び異常時想定荷重の2/3倍(腕金類については1倍)の荷重 |
典拠: 経済産業省告示「電気設備の技術基準の解釈」令和7年11月版 PDF p.77〜78(同梱
docs/assets/pdf/denken-kaishaku-r07-11.pdf)の 59-1表〜59-6表を pymupdf で座標抽出し逐語転記(2026-09-07 一次照合)。空欄セルは原典の縦結合を展開したもの。
荷重の種類と意味¶
暗記の核心:3種類の荷重
| 荷重の種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 風圧荷重 | 風が電線・支持物に当たる水平方向の力 | 台風・強風時の横押し |
| 垂直荷重 | 電線・架渉物・着雪の重量による下向きの力 | 電線の自重・氷雪荷重 |
| 水平荷重 | 電線の張力の不均一による水平方向の力 | 引留め点での片引き |
支持物はこの3つの合力(「想定最大荷重」)に耐えなければならない。
出題予測
木柱の安全率2.0 の穴埋め、または「支持物の安全率は一律1.5以上」を誤りと判定させる正誤問題が中心。 1.5 を選ばせる選択肢は、第60条(基礎=2/鉄塔異常時=1.33)・第61条(支線=2.5/特例1.5)からの持ち込みなので、条ごとに分けて覚える。荷重の種類名も選択肢として登場しうる。
🕳️ 頻出落とし穴¶
- 「支持物の安全率は一律1.5以上」と思い込む → 第59条に 1.5 は無い。数値で安全率が出るのは 木柱の2.0 だけで、他は表の荷重に耐える強度で規定される
- 安全率と強度の混同 → 安全率は「余裕の倍率」。安全率2.0 = 実際の想定荷重の2倍に耐える設計
- 省令と解釈の関係を忘れる → 電技省令第32条が「倒壊してはならない」という原則、解釈第59条が「具体的に何倍」という数値
📜 条文原文(同梱PDF 逐語転記)¶
条文原文 — 電技解釈 第59条(令和7年11月版・逐語)
経産省告示PDF(docs/assets/pdf/denken-kaishaku-r07-11.pdf)の抽出テキストから
項・号の構造ごと転記した。scripts/check_law_verbatim.py が本ブロックを原典と逐語照合する。
表は原文の枠を崩さず転記できないため ※ で示し、本ページの解説表に委ねている。
第1項 架空電線路の支持物として使用する木柱は、次の各号に適合するものであること。
一 わん曲に対する破壊強度を59-1表に規定する値とし、電線路に直角な方向に作用する風圧荷重に、安全率2.0を乗じた荷重に耐える強度を有すること。
※ 59-1表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
二 高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用するものの太さは、末口で直径12cm以上であること。
第2項 架空電線路の支持物として使用するA種鉄筋コンクリート柱は、次の各号に適合するものであること。
一 架空電線路の使用電圧及び柱の種類に応じ、59-2表に規定する荷重に耐える強度を有すること。
※ 59-2表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
二 設計荷重及び柱の全長に応じ、根入れ深さを59-3表に規定する値以上として施設すること。
※ 59-3表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
三 水田その他地盤が軟弱な箇所においては、設計荷重は6.87kN以下、全長は16m以下とし、特に堅ろうな根かせを施すこと。
第3項 架空電線路の支持物として使用するA種鉄柱は、次の各号に適合するものであること。
一 鋼板組立柱又は鋼管柱であること。
二 架空電線路の使用電圧に応じ、59-4表に規定する荷重に耐える強度を有すること。
※ 59-4表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
三 設計荷重は6.87kN以下とし、柱の全長に応じ根入れ深さを59-5表に規定する値以上として施設すること。
※ 59-5表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
四 水田その他地盤が軟弱な箇所においては、特に堅ろうな根かせを施すこと。
第4項 架空電線路の支持物として使用する、B種鉄筋コンクリート柱、B種鉄柱及び鉄塔は、架空電線路の使用電圧及び支持物の種類に応じ、59-6表に規定する荷重に耐える強度を有するものであること。
※ 59-6表 は本ページの解説表を参照(原文の表は未転記)
第5項 着雪厚さの大きい地域において特別高圧架空電線路の支持物として使用する鉄塔であって、次の各号のいずれかに該当するものは、異常着雪時想定荷重の2/3倍の荷重に耐える強度を有するものであること。ただし、当該地点の地形等から着雪時の風向が限定され、電線路がこの風向とほぼ並行する場合、及び当該鉄塔が標高800~1,000m以上の箇所に施設される場合はこの限りでない。
一 河川法(昭和39年法律第167号)に基づく一級河川及び二級河川の河川区域を横断して施設する特別高圧架空電線路であって、次の図に示す横断径間長が600mを超えるものの、当該横断部の支持物として使用する鉄塔(以下この項において「横断鉄塔」という。)
二 前号の箇所と地形及び気象条件が類似する、開けた谷その他の地形的に風が通り抜けやすい箇所を横断して施設する特別高圧架空電線路における横断鉄塔
三 第一号の鉄塔の両側それぞれ2基までの鉄塔。ただし、次の図に示す条件に該当する場合は、当該地点の地形の状況を考慮した上、当該鉄塔の異常着雪時想定荷重の計算における着雪量を低減することができる。
四 着雪量の評価に関する最新の知見に基づいて作成された着雪マップにおいて、想定着雪厚さが35mm以上とされている地域に施設する特別高圧架空電線路であって、鉄塔両側の電線の標高差により、着雪量が著しく不均等となるおそれがある箇所に施設する鉄塔。河川区域特別高圧架空電線路横断径間長河川区域特別高圧架空電線路横断径間長横断径間長:横断鉄塔:その他の鉄塔特別高圧架空電線路電線路が河川区域と直交しない場合は、直角投影長とする。河川区域河川区域外に施設する横断鉄塔が耐張がいし装置を使用するものである場合特別高圧架空電線路河川区域特別高圧架空電線路河川区域外に施設する横断鉄塔に隣接する鉄塔が耐張がいし装置を使用するものである場合:横断鉄塔:その他の鉄塔:着雪量を低減できる鉄塔:耐張がいし装置を使用する鉄塔河川区域
第6項 架空電線路の支持物として使用する木柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄柱において、支線を用いてその強度を分担させる場合は、当該木柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄柱は、支線を用いない場合において、この解釈において耐えることと規定された風圧荷重の1/2以上の風圧荷重に耐える強度を有するものであること。
第7項 架空電線路の支持物として使用する鉄塔は、支線を用いてその強度を分担させないこと。
📝 過去問実績¶
| 年度 | 問 | 形式 | 論点 |
|---|---|---|---|
| 出題記録あり(H〜R) | — | 穴埋め・正誤 | 木柱の安全率2.0 / 支持物の荷重規定 |
R08 出題予測
出題頻度は低め(★★☆☆☆)。ただし安全率の数値は表形式の穴埋め問題として出やすい。 木柱2.0(第59条)/基礎2・鉄塔異常時1.33(第60条)/支線2.5・特例1.5(第61条) の3条の対比を確実に押さえておくこと。
📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)¶
各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます
上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。
- ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
- メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
- 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)
🔗 関連ページ¶
変更履歴¶
-
2026-09-07 監査是正(表の値の一次照合ラウンド): 59-1表〜59-6表を本文に転記した。従来このページは条文原文で「※ 59-N表 は本ページの解説表を参照」と読者を送りながら、送り先の解説表が存在しなかった(59-2・59-4・59-6 は要点表で一言触れるのみ、59-1・59-3・59-5 はページ内に一度も現れなかった)。とくに 59-3表(A種鉄筋コンクリート柱の根入れ深さ・全長の1/6/2.5m/2.8m/3m/3.2m)は頻出でありながら値がページに無かった。原典の縦結合を展開して6表すべてを転記し、「全長の1/6 は 15m以下 に限られ、16m超では 2.8m の実寸に切り替わる」という境界の罠を tip で明示。典拠: 同梱PDF p.77〜78 を pymupdf で座標抽出。新設ゲート
scripts/check_hyou_pointer.pyが検出(是正前 15件 fire)。 -
2026-08-29 監査是正: 「条文原文(同梱PDF 逐語転記)」節を新設し、経産省告示PDF(令和7年11月版)の抽出テキストから項・号の構造ごと逐語転記した。従来このページは「照合済」と宣言しながら機械が逐語照合できる条文原文を持たなかったため、宣言の裏付けが取れなかった。本節の追加により
scripts/check_law_verbatim.pyの照合対象になる(転記後の全引用が原典と一致することを確認済み)。表は原文の枠を崩さず転記できないため※で示し、本ページの解説表に委ねている。 - 2026-08-29 監査是正: 2026-08-28 の是正が冒頭とセルフチェックにしか届いておらず、安全率表・ひっかけ・出題予測・落とし穴・過去問実績・R08予測の6箇所が「鉄筋コンクリート柱/鉄柱/鉄塔=1.5以上」のまま残っていた(value-correction sweep 漏れ)。同梱PDF 第59条を全項照合し、1.5 が一度も出てこないことを確認したうえで、安全率表を「第59条の規定のしかた」(木柱=風圧荷重×安全率2.0/A種コン柱=59-2表/A種鉄柱=59-4表/B種・鉄塔=59-6表)に置き換えた。混同源(基礎2・鉄塔異常時1.33=第60条/支線2.5・特例1.5=第61条)も明示。新設ゲート
scripts/check_verified_facts.pyが検出。 - 2026-08-28 監査是正(ChatGPT/Fable 監査 → Claude 一次照合): 安全率の数値規定を是正。第59条で数値付き安全率が定められているのは木柱の2.0のみで、鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔に「1.5」という規定は存在しない(59-2表以下の荷重に耐える強度で規定)。基礎の2・鉄塔の異常時想定荷重1.33は第60条。典拠: 同梱PDF 第59・60条。
最終確認: 2026-04-20 | ステータス: v1.0 | バージョニング基準