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🛡️ 保護装置(過電流・地絡)

出題頻度: 出題実績の自動集計ブロックを参照(kakomon.yml から常時生成。手書きの回数はここに置かない) 本ページの射程: 低圧電路の保護装置(MCCB・ELB・低圧ヒューズ) 関連条文(計算根拠): 省令第14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)・第15条(地絡に対する保護対策)/解釈第33条(低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等)・第36条(地絡遮断装置の施設=漏電遮断器)・第17条(接地工事の種類及び施設方法。C種/D種の500Ω緩和はこの条の第3項・第4項であって第36条ではない) 関連条文(背景): 解釈第148条(低圧幹線の施設)・第37条の2(特殊ケース) 対比(別ページ): 高圧側の保護は 保護リレー(OCR・OVR・DGR等)/高圧B種接地は B種接地150/Ig パターン 過去問: R04上問10, R03問4, H30問4, H28問5, H28問11, H27問4, H25問6


射程の取り違いに注意

本ページの解釈第33条・第35条・第36条はすべて 低圧電路 が射程(漏電遮断器の施設根拠は第36条「地絡遮断装置の施設」。第37条は「避雷器等の施設」で別論点)。高圧電路の保護装置(OCR・GR・DGR 等の継電器系)は射程外 → 保護リレー を参照。低圧と高圧で適用条文・整定値・試験基準が異なる。

まず「正答者はどう考えているか」のゴールを見てから詳細に入ると効率が良い。

🧠 正答者 vs 誤答者の視点差

観点 正答者の思考 誤答者の思考
動作時間 「定格電流の区分→動作時間」とセットで判断 「1.25倍=60分」だけ覚えて全区分に適用
省略条件 省略できる条件を全て確認してから判断 「乾燥した場所ならOK」と単純化
保護対象 過電流=設備保護、地絡=人体保護と区別 「ブレーカーが落ちる」で一括り

法的根拠ピラミッド

🟥 電気事業法 第39条        ← 技術基準への適合義務
🟨 省令第14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)← 過電流による危険防止
🟨 省令第15条(地絡に対する保護対策)← 地絡時の感電・火災防止
🟩 解釈第33条(低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等)← 低圧遮断器の具体的要件
🟩 解釈第35条(過電流遮断器の施設の例外)← 施設しなくてよい箇所
🟩 解釈第36条(地絡遮断装置の施設)← 地絡保護=漏電遮断器の設置要件・感度・動作時間
🟩 解釈第148条(低圧幹線の施設)  ← 幹線保護の具体的数値
🟩 解釈第37条の2              ← 特殊ケースの保護要件
🟦 JIS C 8201(低圧開閉装置) ← 具体的な試験方法・数値

📐 WHYから理解する(法令の必然性)

層 法令 問いかけ 答え
🔴 法律 電気事業法 第39条 なぜ規制するのか 過電流・地絡による焼損・感電死亡を防止するため
🟠 政令 電気事業法施行令 規制の範囲は? 事業用電気工作物の電路・機器全般
🟡 省令 電技 第14条(過電流)・第15条(地絡) 何を守るか 過電流からの電路保護 / 地絡時の感電・火災防止(数値は解釈に委任)
🟢 告示 電技解釈 第33条・第35条・第36条 どうやって守るか 過電流遮断器の性能・施設の例外・漏電遮断器(地絡遮断装置)の設置場所・感度電流==30mA==・動作時間==0.1秒以内==
🔵 規格(参考・適合義務なし) JIS C 8201(低圧開閉装置)/ JIS C 8371(漏電遮断器) 実務では? 遮断器の定格・動作特性・試験方法

🧠 線の記憶ポイント: 電技14条「過電流保護」→解釈33条「遮断器の性能」。電技15条「地絡保護」→解釈36条「地絡遮断装置(ELB)を施設せよ」= 30mA・0.1秒 の根拠。C種・D種接地はELBがあれば500Ωに緩和(解釈17条の接地抵抗値 × 解釈36条のELB施設要件 の2根拠が連動。片方欠けると500Ω緩和は不可)。※第37条は「避雷器等の施設」で本論点とは別条。

🧠 概念・趣旨

誰の何を守るか: 電路・機器を過電流(短絡・過負荷)による焼損💥から守り、人を地絡(漏電)による感電😱から守る

この法令がなかったら: 短絡電流で電線が溶融→火災🔥、漏電に気づかず→感電死💀

👑 王道の考え方: 保護装置は「異常を検知して回路を切る」仕組み。過電流保護と地絡保護は守る対象が違う(設備 vs 人)ことを常に意識する。

⚡ 5秒で思い出す

過電流=設備を守る、地絡=人を守る 「1.25倍で60分、2倍で2分」(30A以下)✅ 漏電遮断器: 30mA・0.1秒 が人体保護の基本 ✅ 省略条件: 乾燥 / 低電圧+水気なし / 低接地抵抗 / 二重絶縁 ✅

セルフチェック①: 同じ「1.25倍の電流」でも、定格50A超の遮断器は30A以下より許容動作時間が長い(60分→120分)。定格が大きいほど時間が長くてよい理由は。

定格電流が大きい電線ほど熱容量も大きく、同じ「1.25倍」でも絶縁が焼損に至るまでの余裕時間が長いため。 動作時間は「定格=電線の太さ・熱容量」のランクで決まる。結果として1.25倍では30A以下・30A超〜50A以下が60分以内、50A超が120分以内。

セルフチェック②: 漏電遮断器の施設省略が認められる4条件に共通する考え方は何か。なぜ「乾燥」「150V以下で水気なし」「低い接地抵抗」「二重絶縁」が並ぶのか。

どれも「漏電しても人体に危険な感電電流が流れない」状態を別の手段で確保しているからELBを省ける。 ELBの目的(感電防止)が他で達成済みなら不要、という理屈。4条件=①乾燥した場所、②対地電圧150V以下で水気のない場所、③C種・D種接地抵抗3Ω以下、④二重絶縁構造の機器(いずれかを満たせば省略可)。


🔍 技術翻訳表

条文の表現 現場で言うと 物理で言うと
過電流遮断器を施設しなければならない(解釈第33条) ブレーカーを付けろ 電流 > 定格 → トリップ(熱動式 or 電磁式)
定格電流の1.25倍で60分以内に動作 ✅ じわじわ過負荷なら1時間以内に落ちる I²t特性による発熱と応答
定格電流の2倍で2分以内に動作 ✅ 明らかな過電流なら2分で落ちる 大電流→急速発熱→高速トリップ
地絡を生じた時に自動的に電路を遮断する(省令第15条) 漏電したら自動で切れ 零相変流器(ZCT)で漏れ電流を検出→トリップ
感度電流 ✅ 何mAの漏れで反応するか 人体通過電流の安全限界から逆算
金属製外箱を有する使用電圧60V超の機械器具(解釈第36条)✅ 金属ケースの電気機器(100Vコンセント機器など) 絶縁劣化時に外箱が充電→接触で感電経路形成

📊 比較表

過電流遮断器の動作特性 ✅

定格電流 1.25倍の動作時間 2倍の動作時間 備考
30A以下 ✅ 60分以内 2分以内 住宅用が多い
30A超〜50A以下 ✅ 60分以内 4分以内 —
50A超 ✅ 120分以内 6分以内 動力回路等

漏電遮断器の種類 ✅

種類 感度電流 動作時間 主な用途
高感度・高速形 ✅ 30mA以下 0.1秒以内 人体保護(一般回路)
高感度・時延形 ✅ 30mA以下 0.1〜2秒 不要動作防止
中感度形 ✅ 50〜1000mA — 設備保護(漏電火災防止)

地絡遮断装置が省略できる条件 ✅

条件 根拠条文 理由
機械器具を乾燥した場所に施設 ✅ 解釈第36条 漏電しても感電リスクが低い
対地電圧150V以下で水気のない場所 ✅ 解釈第36条 電圧が低く環境も乾燥
C種・D種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下 ✅ 解釈第36条 接地で十分に電圧降下できる
二重絶縁構造の機器 ✅ 解釈第36条 漏電経路が形成されない

🕳️ 頻出論点と落とし穴

危険度ランク: 🔴致命(連鎖失点リスク)/ 🟡要注意(単発失点)/ 🟢安心(加点要素)

🕳️ 落とし穴1: 動作時間と定格電流の関係

🟡要注意 定格電流の区分によって動作時間が変わる。「1.25倍=60分」は30A以下の場合。50A超は120分以内 ✅。定格の区分を問う問題に注意。

🕳️ 落とし穴2: 地絡遮断装置の省略条件

🔴致命 「省略できる=不要」ではない。省略条件をすべて満たす必要がある。特に「乾燥した場所」「水気のない場所」の使い分けに注意 ✅。

🕳️ 落とし穴3: 過電流遮断器と漏電遮断器の混同

🔴致命 過電流遮断器は過負荷・短絡から保護、漏電遮断器は地絡(漏電)から保護。守る対象が違う。問題文で「どちらの保護か」を見極める。

🕳️ 落とし穴4: 幹線の過電流遮断器の定格

🟢安心 低圧幹線の過電流遮断器の定格電流は、電線の許容電流以下が原則。ただし電動機回路では特例あり(解釈第148条 低圧幹線の施設)。


📝 出題実績

出題傾向(自動集計 · kakomon.yml)

出題頻度: ○ 11問 / 10年出題(H25〜R07)

直近の出題実績:

年度 問 形式 出題内容
R6下 問9 穴埋 電動機の過負荷保護装置の施設
R5下 問10 論説 計器用変成器(変流器)に関する論説
R5上 問3 穴埋 過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策
R4上 問10 計算 過電流継電器と真空遮断器の連動動作試験
R3 問4 論説 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器
年度 問 形式 何が問われたか 条文
R06下 問9 穴埋 電動機の過負荷保護装置の施設 解釈第153条
R05下 問10 論説 計器用変成器(変流器)に関する論説 —
R05上 問3 穴埋 過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策 省令第14条
R04上 問10 計算 過電流継電器と真空遮断器の連動動作試験 解釈第34条
R03 問4 論説 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器 解釈第37条・第37条の2
H30 問4 論説 電気使用場所における異常時の保護対策 省令第63条〜第66条
H28 問5 穴埋 蓄電池の保護装置 解釈第44条
H28 問11 論説 地絡遮断装置 解釈第36条
H27 問4 穴埋 高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設 省令第49条・解釈第37条
H26 問10 穴埋 保護協調 —
H25 問6 穴埋 高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器 解釈第34条

出題頻度: 過去問 SoT(_data/kakomon.yml・H23〜R07下 全247問)で theme=hogo-sochi は 11問

出題実績の SoT 再構成(2026-08-29)

本テーブルは _data/kakomon.yml(過去問の Single Source of Truth)を機械投影して再構成した。旧版は 2026-03-30 版のままで、直近期(R06・R07)の出題や SoT 登録済みの過去問が反映されていなかった。

  • 追加 4件: R06下問9(電動機の過負荷保護装置の施設)/R05下問10(計器用変成器(変流器)に関する論説)/R05上問3(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)/H26問10(保護協調)
  • 記述・形式・条文をすべて SoT 由来に統一(2026-08-29 の別モデル反証監査を反映): 当初は「既存の詳しい記述を温存」する規則を入れていたが、温存した行が SoT と食い違う実例が出た(yogo-teigi R02問7 は実際には「引込線における用語の定義」/shijimono H27問11・shiyo-basho H29問11 は「計算」なのに「択一」「4択」と表示していた)。温存できる詳述と、誤った旧記述とを機械では判別できないため、原典と突合済みの1行(chichuu-densen H28問8)を除き、表の3列は SoT の値に統一した。
  • 直近5問と出題頻度バッジは冒頭の自動集計ブロック(render_freq_summary)が kakomon.yml から常時生成する。以後この節は手動更新しても陳腐化しない。

出題実績テーブルの全行是正(2026-06-12)

旧版は別問題の論点・条文が合成された行が5行混入していた(R03問5・R03問4・H30問8・H29問4・H28問5)。全行を kakomon.yml と denken-ou.com で突合し是正済み。



🔗 混同注意

混同しやすいペア 違い
過電流遮断器 vs 漏電遮断器 過電流=電流の大きさで動作 / 漏電=漏れ電流(零相電流)で動作
地絡遮断装置 vs 漏電遮断器 地絡遮断装置は総称、漏電遮断器はその一種 ✅
省令第14条 vs 省令第15条 14条=過電流保護 / 15条=地絡保護
感度電流 vs 定格電流 感度電流=漏電遮断器が反応する漏れ電流 / 定格電流=通常使用時の電流
→ 保護リレー(保護継電器) 高圧・系統用の継電器(OCR/OVR/DGR等)の詳細はこちら
→ 接地工事 地絡保護と接地は密接に関連。接地抵抗値で漏電遮断器の省略可否が変わる
→ 絶縁性能 絶縁劣化が地絡の原因。絶縁と保護は表裏一体
→ 分散型電源・系統連系 連系時の保護協調設計
→ 電気使用場所の施設 分岐回路の保護装置設計

Level 2: 物理的背景 🔬

過電流遮断の原理: - 熱動式(バイメタル): I²Rt の発熱でバイメタルが湾曲→トリップ。過負荷保護向き - 電磁式(ソレノイド): 大電流で電磁力発生→瞬時トリップ。短絡保護向き - 実際のブレーカーは両方を組み合わせた「熱動-電磁式」が主流 ✅

地絡検出の原理: - 零相変流器(ZCT): 行き電流と帰り電流の差=漏れ電流を検出 - 正常時: 行き=帰り → ZCT出力ゼロ - 地絡時: 行き ≠ 帰り → ZCT出力あり → トリップ信号

Level 3: 設計パラメータ 📐

遮断容量の選定: 短絡電流を計算し、それ以上の遮断容量を持つ遮断器を選定する ✅ 協調(保護協調): 上位と下位の遮断器で動作時間に差をつけ、故障点に最も近い遮断器だけが動作するようにする ✅ 感度電流の選定根拠: 人体の感電安全限界(心室細動電流)から逆算。30mA×体のインピーダンス→安全電圧 ✅


最終確認: 2026-08-29 | ステータス: v1.1(出題実績を過去問 SoT _data/kakomon.yml へ再同期し R06・R07 期の出題を反映/直近実績は自動集計ブロックで常時更新。条文本文・数値の法令再照合は本改訂では未実施=v1.0(2026-03-30)時点のまま)| バージョニング基準


🕳️ 試験での出題パターン

よくある聞かれ方

  • 「過電流遮断器の施設が省略できる条件はどれか」
  • 「地絡遮断装置の施設義務がある場所・条件」
  • 「漏電遮断器の動作時間・感度電流の基準値」
  • 「保護協調の考え方(上位・下位の遮断器の動作時間の関係)」

典型ひっかけ

  • ❌ 「すべての低圧幹線に過電流遮断器が必要」→ ⭕ 省略できる条件がある(分岐点から3m以内など)
  • ❌ 「地絡遮断装置は全回路に施設必須」→ ⭕ 対地電圧150V以下の条件により不要なケースあり
  • ❌ 「漏電遮断器の感度電流は30mA固定」→ ⭕ 場所・条件により15mA、30mAが使い分けられる
  • ❌ 「上位遮断器の方が動作時間が短い」→ ⭕ 保護協調では上位を遅くして選択遮断を実現

🧠 なぜこの保護装置が必要か(物理的直感)

  • 過電流(過負荷・短絡)は電線のジュール熱による絶縁劣化・火災の原因 → 電流を遮断して守る
  • 地絡電流は人体感電・火災の原因。ただし地絡電流は小さいことが多く過電流遮断器では検出できない → 専用の地絡検出が必要
  • 漏電遮断器30mAは人体の心室細動を起こす最小電流(約50mA)に対して安全率を確保した値
  • 保護協調は「故障点に最も近い遮断器だけが動く」設計 → 健全部分への波及停電を防ぐ

✏️ このページを読んだら解く過去問

  • H28 問11 — 地絡遮断装置(解釈第36条)
  • H25 問6 — 高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器(解釈第34条)
  • R01 問8 — 漏電遮断器の感度電流・動作時間

監修ログ

  • 2026-08-29 監査是正: 推奨問題「R07問6=地絡遮断装置の施設義務」「R05問7=過電流遮断器の省略条件」を、SoT に実在する H28問11(地絡遮断装置・解釈第36条)/H25問6(高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器・解釈第34条) に差し替えた。新設ゲート scripts/check_kakomon_citations.py が検出。
  • 2026-07-28 条番号是正(原典マスタ照合): 法的根拠ピラミッドと関連条文欄の誤帰属を是正。
    • 旧記述が「低圧幹線の施設」を第34条としていたのは誤り → 第148条に是正(第34条の正本見出しは「高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器の性能等」)
    • 旧記述が「漏電遮断器の施設」を第37条としていたのは誤り → 第36条 地絡遮断装置の施設に是正(第37条の正本見出しは「避雷器等の施設」で別論点)
    • 解釈第33条・省令第14条・第15条の括弧内を正式な条見出しへ
    • 検出できなかった理由: ピラミッドがタグ無しコードフェンス内にあり、check_theme_article_numbers.py のフェンススキップで検査対象外になっていた(本PRでゲートを修正)