電気事業法 第57条 — 調査の義務¶
📊 試験対策メタ
- 出題頻度: 🔥(過去14年で 1 回出題)
- 重要度: C(基本)
- 直近出題:
電線路維持運用者(実態は一般送配電事業者)は、供給区域内の==一般用電気工作物==が技術基準(第56条第1項)に適合しているかを定期的に調査する義務を負う(第1項)。不適合時は所有者・占有者に通知(第2項)。経済産業大臣は調査・通知を命令できる(第3項)。帳簿の備付け・保存も義務(第4項・第5項)。なお調査頻度「4年に1回以上」「竣工時」は法本文には記載されず、施行規則第96条で定められる。
⚡ 5秒で思い出す¶
- 調査義務者: 電線路維持運用者(=一般送配電事業者)— 第57条第1項の法文表記
- 対象: 一般用電気工作物(600V以下の需要設備)
- タイミング: 竣工時 + 4年に1回以上(施行規則第96条由来・法第57条本文には数値なし)
- 不適合時: 所有者・占有者へ通知義務(第2項)/大臣の調査命令あり(第3項)
- 帳簿違反(第4項・第5項違反): 30万円以下の罰金(第120条第11号・第12号)。所有者の立入拒否自体への直接罰則は法本文になし(第1項ただし書で承諾不可なら調査義務免除)
セルフチェック: 誰が誰の設備を、何年に1回調査するのか?
電線路維持運用者(実態は一般送配電事業者)が一般用電気工作物(一般家庭・小規模ビル等)を、竣工時に1回 + その後4年に1回以上の頻度で調査する(頻度は施行規則第96条の規定)。
📋 条文の概要(表)¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 電気事業法 第57条(調査の義務) |
| 義務者(法文表記) | 電線路維持運用者(=一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持・運用する者/実態は一般送配電事業者) |
| 調査対象 | 一般用電気工作物(600V以下・需要設備) |
| 調査タイミング | 竣工時(初回)+ その後4年に1回以上(施行規則第96条由来・法第57条本文は「経済産業省令で定めるところにより」の委任のみ・数値記載なし) |
| 調査内容 | 技術基準(第56条第1項の経済産業省令)への適合確認 |
| 第2項 | 不適合時、所有者・占有者へ「とるべき措置」「措置をとらない場合に生ずべき結果」を通知 |
| 第3項 | 経済産業大臣は調査・通知の実施/改善を命令できる |
| 第4項・第5項 | 帳簿の備付け(記載事項は経産省令)・保存 |
| 帳簿違反の罰則 | 第120条第11号・第12号:30万円以下の罰金(第4項違反=記載なし/虚偽/第5項違反=保存なし) |
| 立入調査拒否時 | 第1項ただし書により所有者・占有者の承諾が得られない場合は調査義務が免除される構造。所有者側の調査拒否そのものを罰する規定は法本文に見当たらない |
KAISEI-2022-001:定期調査の対象は4区分のうち「一般用電気工作物」のみ
2022年改正(令和5年3月20日施行)で電気事業法第38条が4区分体系(一般用・小規模事業用・自家用・電力会社等)に再編された。本条第57条の一般送配電事業者による竣工時+4年に1回の定期調査は==一般用電気工作物のみ==が対象。==小規模事業用・自家用は対象外==で、設置者による自主管理(小規模事業用は使用前自己確認等/自家用は主任技術者・保安規程)に委ねられる。詳細は 第38条 と 法令改正一覧 参照。
ひっかけ:調査義務者の誤認
「設置者(一般家庭のユーザー)が自分で調査する」→ 誤り。
調査する義務は法文上電線路維持運用者(実態は一般送配電事業者)にある。
所有者・占有者は立入承諾を出すか出さないか(出さなければ第1項ただし書で事業者の調査義務は免除)であり、所有者側の拒否そのものを直接罰する規定は法本文にない。罰則(30万円以下の罰金・第120条第11号/第12号)は事業者側の帳簿関係(第4項・第5項)違反に対するもの。
逆転構造:なぜ電力会社が調査するのか(重要論点)¶
一般用電気工作物には以下の義務が免除されている:
| 規制 | 自家用電気工作物 | 一般用電気工作物 |
|---|---|---|
| 主任技術者の選任(第43条) | 必須 | 不要 |
| 保安規程の届出(第42条) | 必須 | 不要 |
| 第57条の調査義務 | なし(自社管理) | あり(電線路維持運用者=一般送配電事業者が実施) |
暗記の核心:なぜ電力会社が調査するのか
一般用電気工作物は「主任技術者がいない・保安規程もない」小規模設備。
専門知識のない一般ユーザーが自主的に安全を確保することは期待できない。
だから電力会社が代わりに責任を持ち、4年に1回強制的に調査する制度になっている。
第57条は「規制の空白を電力会社の調査義務で埋める」という責任代替メカニズム。
🕳️ 頻出落とし穴¶
-
🔴 調査義務者を「設置者(ユーザー)」と答えてしまう
→ 義務者は電力会社。ユーザーには調査を受け入れる協力義務のみ -
🔴 「自家用電気工作物も調査対象に含まれる」と誤認する
→ 600V超 or 出力50kW以上は自家用 = 第57条の対象外。自家用は保安規程・主任技術者で管理 -
🔴 「小規模事業用にも4年定期調査が来る」と誤解(KAISEI-2022-001) → 2022年改正で新設された==小規模事業用==は第57条の対象外。第57条の対象は4区分のうち==一般用電気工作物のみ==で、小規模事業用は設置者の自主管理(使用前自己確認等)に委ねられる。詳細は 第38条・法令改正一覧
-
🟡 調査頻度を「5年に1回」「3年に1回」と誤答する
→ 正しくは「4年に1回以上」。竣工時の初回調査も忘れずに -
🟡 罰則の対象を誤認する(「拒否すれば懲役」と覚えると不正確)
→ 第57条本文は 電線路維持運用者(事業者側)に義務を課す構造。所有者・占有者の立入承諾が得られないときは第1項ただし書で調査義務が免除される(=所有者の拒否そのものを罰する規定は法本文になし)。罰則は事業者側の 帳簿の不記載・虚偽記載(第4項違反)・帳簿不保存(第5項違反) に対する 30万円以下の罰金(第120条第11号・第12号)。 -
🟢 「電気事業者」と「一般送配電事業者」の混同
→ 現行法での正確な表現は「一般送配電事業者」。試験では選択肢に注意
📜 条文原文(e-Gov 一次照合・339AC0000000170)¶
条文原文 — 電気事業法 第57条 (調査の義務)
e-Gov 法令検索のキャッシュ(scripts/cache/egov-339AC0000000170.xml)から転記。
scripts/check_law_verbatim.py が本ブロックを原典と逐語照合する。
第1項 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第八十九条において「電線路維持運用者」という。)は、経済産業省令で定める場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、その一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。
第2項 電線路維持運用者は、前項の規定による調査の結果、一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。
第3項 経済産業大臣は、電線路維持運用者が第一項の規定による調査若しくは前項の規定による通知をせず、又はその調査若しくは通知の方法が適当でないときは、その電線路維持運用者に対し、その調査若しくは通知を行い、又はその調査若しくは通知の方法を改善すべきことを命ずることができる。
第4項 電線路維持運用者は、帳簿を備え、第一項の規定による調査及び第二項の規定による通知に関する業務に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
第5項 前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。
📝 過去問実績¶
| 年度 | 問 | 形式 | 論点 |
|---|---|---|---|
| R03 | 問1 | 穴埋め | 一般用電気工作物の調査義務(調査義務者・頻度) |
R08 出題予測
R03以降3年超未出題。出題頻度は低め(★★)だが、第42条(保安規程)・第43条(主任技術者)との対比問題として穴埋め選択肢に登場するパターンに注意。
「一般用 vs 自家用の責任体制の違い」を問う論説形式も候補。
「4年に1回以上・電力会社が実施・拒否すると罰則」の3点セットを押さえれば十分。
📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)¶
各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます
上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。
- ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
- メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
- 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)
🔗 関連ページ¶
- 直前確認・図解(法規Wiki): 調査の義務(電験3種法規Wiki) — 過去問のひっかけ・暗記表・図解で直前確認
- 電気事業法の体系 — 第57条の詳細解説・過去問(R03)の全文と解答
- 主任技術者 第43条 — 自家用の主任技術者選任義務(第57条と逆の体系)
- 保安規程 第42条 — 自家用の保安規程届出義務(第57条と対比で理解する)
- 電気工作物の定義 第2条 — 一般用・自家用の分類基準(600V・50kWの線引き)
- 電気工作物の種別 第38条 — 2022年改正で4区分体系に再編。第57条の対象は一般用のみ
- 法令改正一覧 — KAISEI-2022-001 等の改正影響まとめ
📜 監修ログ¶
- 2026-08-29 監査是正: 「条文原文」節を新設し、電気事業法第57条の全文を e-Gov キャッシュ(
scripts/cache/egov-339AC0000000170.xml)から項・号の構造ごと転記した。従来このページは「一次照合済」と宣言しながら機械が逐語照合できる条文原文を持たなかったため、宣言の裏付けが取れなかった。本節の追加によりscripts/check_law_verbatim.pyの照合対象になる。新設ゲートscripts/check_verification_claims.py(照合宣言 × 条文原文ブロックの突合)による。 - v1.2(2026-05-10): Phase B修正:罰則条番号「第108条→第120条第11号・第12号(30万円以下の罰金/帳簿の不記載・虚偽記載・不保存)」に訂正・義務者表記「電線路維持運用者(=一般送配電事業者)」併記・数値出典「施行規則第96条由来(法本文には数値なし)」明示・第2項(不適合通知義務)/第3項(大臣命令)/第4-5項(帳簿)への言及追加。eGov 一次照合 2026-05-10。所有者の立入拒否そのものへの直接罰則は法本文に見当たらない旨も補足。
- v1.1(2026-05-07): KAISEI-2022-001 警告ブロック追加(定期調査の対象は4区分中の一般用電気工作物のみ・小規模事業用と自家用は対象外)。落とし穴に新区分の混同パターンを追加。第38条・hourei-kaisei への関連リンク追加。
- v1.0(2026-04-20): 初版。
最終確認: 2026-05-10 | ステータス: v1.2 | バージョニング基準