電気設備技術基準 第5条 — 電路の絶縁¶
📊 試験対策メタ
出題頻度: 🔥🔥🔥🔥(過去14年で 4 回出題・直近 2 年連続)
重要度: A(重要必須・穴埋め定番)
直近出題: R06下 問3(穴埋め・H10再出題系列)
電路の安全設計の中心原則。電路は大地から絶縁しなければならないという原則と、その例外として接地が必要な場合の理解が試験の核心。「なぜ絶縁するのか」「なぜ例外的に接地するのか」という因果が重要。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条文 | 電気設備技術基準 第5条 |
| 規定内容 | 電路は大地から絶縁しなければならない(原則)+ 例外規定 |
| 性格 | 安全設計の原則規定(具体数値は解釈に委任) |
| 委任先 | 解釈第14条(低圧)・第15条(高圧特高)・第16条(機械器具) |
| 典拠(一次ソース) | 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号、令和5年改正版)第5条 — e-Gov法令検索 API(lawid=409M50000400052、2026-05-02取得) |
| 照合日 | 2026-05-02(江間が e-Gov 原文と照合・第3項脱落検出→補完済/kakomon.yml 5件照合済) |
| 隣接条文 | ← 第3条(保安原則)(記事未作成)・第4条 / 第6条(電線等の断線防止) → |
| 混同注意 | 同番号の 電気事業法第5条(事業の許可基準)/解釈第5条(電路の使用電圧の区分)とは 別物。本条は「電技省令」第5条 |
1. 全体像と要点¶
① 全体像 — 第5条の位置づけ(初学者向け:先に森を見る)¶
4つの視覚化パターン で第5条の位置づけを多角的に理解できる。自分に合うパターンをタブで切り替えて。
読み解き: 中央 = 本条 / 上 = 目的(上位)/ 左右 = 例外の根拠と具体化 / 下 = 具体数値の委任先
読み解き: 上から下へ「目的 → 原則 → 義務 → 数値」。法令体系は階層構造で、上位ほど抽象的・下位ほど具体的。
読み解き: 第5条は「原則 → 例外 → 数値」の3層構造で機能する。本条は層①と層②、下位条文が層③を担う。
読み解き: 1枚で全体像(原則/例外/数値委任/試験対策)を凝縮。試験前の最終チェック用に最適。
| 条文 | 役割 | 第5条との関係 |
|---|---|---|
| 省令第4条 | 感電・火災等の防止 | 第5条の上位(目的・原則) |
| 省令第10条 | 電気設備の接地 | 第5条例外の根拠(接地措置の一般規定) |
| 省令第12条 | 高低圧混触防止 | 第5条例外の具体化(B種接地) |
| 解釈第13条 | 大地から絶縁しなくてよい部分 | 第5条第1項の例外を具体化 |
| 解釈第14条 | 低圧電路の絶縁性能 | 第5条第2項の委任先(低圧数値) |
| 解釈第15条 | 高圧・特別高圧電路の絶縁性能 | 同上(高圧・特高数値) |
| 解釈第16条 | 機械器具等の電路の絶縁性能 | 同上(機器側数値) |
→ 第5条は「電路の絶縁原則」の総括規定。思想(絶縁原則)と例外条件(B種接地等)を示し、具体的な絶縁性能基準は解釈第14・15・16条に委任。
② 要点(既習者向け:試験前30秒復習用)¶
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 電路は 大地から絶縁 しなければならない |
| 例外 | 構造上やむを得ない場合、または混触時など危険を避けるため接地等を行う場合 |
| 混同注意 | B種接地は 電路側、A種・C種・D種接地は主に 機器外箱(非充電部)側 |
| 目的 | 地絡電流を抑制し 感電・火災を防止 |
| 委任先 | 具体的な絶縁性能基準は電技解釈 第14条(低圧)・第15条(高圧特高)・第16条(機械器具) |
セルフチェック: 電路が大地から絶縁されている必要があるのはなぜか?
絶縁されていないと地絡電流が常時流れ続ける可能性があり、その電流が人体を通れば感電、設備を加熱すれば火災につながる。絶縁は地絡電流の通路を断つための手段。
セルフチェック: B種接地は第5条の例外に当たるか?
当たる。B種接地(変圧器低圧側の中性点接地)は電路の一点を大地と接続するが、これは保護目的の例外として認められている。絶縁の原則を破るのではなく、保護設計として規定された接地。
2. 条文原文¶
電気設備技術基準 第5条(電路の絶縁)
第1項(絶縁の原則と例外)
電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって 通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の 侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を 講ずる場合は、この限りでない。
🟡 黄色マーカー = 過去問で穴埋め出題された語句(H10問2・R05下問3・R06下問3)
第2項(絶縁性能の要求)
前項の場合にあっては、その絶縁性能は、第二十二条及び第五十八条の規定を除き、 事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないもので なければならない。
第3項(変成器内巻線間の絶縁性能)
変成器内の巻線と当該変成器内の他の巻線との間の絶縁性能は、事故時に想定される 異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない。
→ 第3項は変成器(計器用変成器・変圧器内)の 巻線間 の絶縁性能を独立して規定。第2項が「電路と大地」間の絶縁を扱うのに対し、第3項は「巻線同士」の絶縁を対象とする。具体的な耐圧試験値は 電技解釈第15条 および計器用変成器に関する解釈条文に委任される。
📝 ここまでの理解チェック: 第5条第2項で除外される条文番号は2つ。即答できるか?
第22条(低圧電線路の絶縁性能)と 第58条(低圧電気使用場所の絶縁性能)の2つ。第5条本文の「第二十二条及び第五十八条の規定を除き」がこれを指す。両条は別途独自の絶縁基準を定めているため、第5条第2項の一般規定の対象外。
3. 原文解析¶
第1項の分解(絶縁の原則と例外)
| ブロック | 原文 | 意味 | 試験のポイント |
|---|---|---|---|
| 主語 | 電路は | 充電されている導体の全体(第1条定義参照) | |
| 原則 | 大地から絶縁しなければならない | 地絡電流の通路を断つ義務 | 穴埋め(ア)= 絶縁 |
| 例外1 | 構造上やむを得ない場合であって〜おそれがない場合 | 物理的に絶縁不可かつ危険もない場合 | 出題少 |
| 例外2 | 混触による〜措置を講ずる場合 | B種接地等の保護措置が講じられる場合 | 穴埋め(イ)= 混触、(ウ)= 接地 |
| 結論 | この限りでない | 第1項本文の原則の例外。無条件に絶縁不要ではなく、危険がない場合または保安上必要な措置を講じる場合に限る | 「条件付き例外」と理解する |
第2項の分解(絶縁性能の要求)
| ブロック | 原文 | 意味 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 前項の場合にあっては | 第1項の「電路の絶縁」に関する要求を受けて、絶縁性能を定める部分 |
| 基本要件 | 絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない | 事故時の異常電圧でも絶縁が保つこと(「が」が原文。「の」は誤り) |
| 除外規定 | 第二十二条及び第五十八条の規定を除き | 省令第22条・第58条で別途規定がある場合を除く |
| 具体的数値 | (本条には数値なし) | 解釈第14条(低圧)・第15条(高圧特高)・第16条(機械器具)に委任 |
第3項の分解(変成器内巻線間の絶縁性能)
| ブロック | 原文 | 意味 |
|---|---|---|
| 主語 | 変成器内の巻線と当該変成器内の他の巻線との間の絶縁性能は | 変成器(計器用変成器・変圧器)内部の 巻線同士 の絶縁が対象 |
| 適用条件 | 事故時に想定される異常電圧を考慮し | 第2項と同じ判定基準(異常電圧を想定) |
| 基本要件 | 絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない | 巻線間の絶縁破壊で異常電圧が他系統へ侵入しないこと |
| 第2項との違い | 対象が「電路と大地」ではなく「巻線と巻線」 | 高圧巻線→低圧巻線への混触防止の絶縁規定 |
📝 ここまでの理解チェック: 第1項の「この限りでない」が指す例外条件を2つ挙げよ
- 構造上やむを得ない場合 で 危険のおそれがない とき(例外1)
- 混触等の異常時に危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる とき(例外2・B種接地が典型)
「無条件に絶縁不要」ではなく 条件付き例外 であることが試験のひっかけポイント。
4. 法規特有表現¶
| 日常語 | 法規表現 | 試験での意味 | 混同注意 | 例文(条文調) |
|---|---|---|---|---|
| 大地と切り離す | 大地から絶縁する | 地絡電流の通路を断つ常時状態 | 「遮断」(動作)・「隔離」(空間)とは別物 | 電路は大地から絶縁しなければならない |
| 高低圧の電路がぶつかる | 混触 | 異なる電圧系統の物理的接触 | 「短絡」(同一系統内の接触)とは別 | 混触による高電圧の侵入等の異常 |
| アースを取る | 接地を施す | 大地と電気的に接続する | 「設置する」「接続する」では不可 | 保安上必要な接地その他の措置を講ずる |
この条文で覚えるべき言い回し¶
| 言い回し | 役割 |
|---|---|
| 電路を大地から絶縁する | 第5条の主旨そのもの |
| 保安上必要な措置を講ずる | 例外条件の典型表現 |
| この限りでない | 「無条件に不要」ではなく「条件付き例外」 |
| 危険のおそれがない | 例外適用の前提条件 |
| 通常予見される使用形態を考慮し | 試験範囲を限定する語 |
ひっかけ表現¶
| 誤った理解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 「この限りでない」=無条件に絶縁不要 | 条件付き例外(危険なし or 保安措置あり) |
| 「絶縁」と「遮断」と「隔離」を同じに扱う | 絶縁=常時状態 / 遮断=動作 / 隔離=空間分離 |
| 「設置する」と「施設する」を同じに扱う | 法規では「施設する」が正式 |
| 「アースを取る」と「接地を施す」を同じに扱う | 法規では「接地を施す」 |
📝 ここまでの理解チェック: 「絶縁」「遮断」「隔離」の違いを30秒で説明せよ
- 絶縁: 電気的通路を断つ 常時状態(絶縁体・被覆を介する)
- 遮断: 遮断器・ヒューズが電流を切る 動作(事故時に作動)
- 隔離: 物理的に 空間で分離(断路器・距離をとる)
第5条が使うのは「絶縁」。常態として大地と電気的に分離されていることを求めている。
5. かみ砕き解説¶
絶縁と接地は矛盾せず、どちらも安全設計の異なる側面。原則と例外の対立ではなく、段階的な保護戦略。
絶縁の目的 — なぜ電路は大地と切り離すのか¶
| 絶縁がない場合に起きること | 具体的な危険 |
|---|---|
| 地絡電流が常時流れる | 漏電→火災、電食(地中埋設物への腐食) |
| 人体が電路と大地の間に入る | 感電(人体が電流の帰路になる) |
| 地絡故障の検出が困難 | 保護リレーが動作しにくくなる |
💡 暗記の核心:絶縁と接地の関係¶
電路は原則大地と絶縁。接地は保護のための例外。
| 視点 | 絶縁 | 接地 |
|---|---|---|
| 目的 | 地絡電流の通路を断つ | 故障時の電位を安定させる |
| 効果 | 感電・火災を防ぐ | 保護装置を動作させる・電圧を抑える |
| 第5条での扱い | 原則 | 例外(保安上必要な場合) |
両者は矛盾せず、安全のための異なる手段。第5条は「絶縁を原則とし、例外的接地で補う」設計思想。
絶縁性能の具体基準はどこに規定されているのか¶
第5条は原則を定めるが、「どの程度絶縁すればよいか」の数値は解釈に委任されている。
| 対象 | 根拠(電技解釈) | 概要 |
|---|---|---|
| 低圧電路の絶縁抵抗 | 第14条 | 対地電圧・使用電圧に応じた絶縁抵抗値 |
| 高圧・特別高圧電路の絶縁性能 | 第15条 | 最大使用電圧の倍数での耐圧試験 |
| 電気機械器具の絶縁性能 | 第16条 | 機器の種別に応じた絶縁抵抗・耐圧 |
省令第58条と第22条の使い分け(詳細)¶
第5条第2項が「第22条及び第58条の規定を除き」と断る理由を3行で:
| 条文 | 対象 | 規定内容 |
|---|---|---|
| 省令第58条 | 低圧電気使用場所(需要家構内)の電路 | 使用電圧区分ごとの 絶縁抵抗値(150V以下0.1MΩ・300V以下0.2MΩ・300V超0.4MΩ)を直接規定 |
| 省令第22条 | 低圧電線路 | 漏洩電流(最大供給電流の1/2000以下)で管理 |
| 解釈第14条 | 第58条を受ける | 測定困難な場合の代替管理として 漏洩電流1mA以下 を認める |
実務的な使い分け表:
| 対象 | 適用根拠 | 管理方法 |
|---|---|---|
| 発電・送電・変電等の電路 | 第5条第2項 → 解釈第14〜16条 | 絶縁抵抗値(測定困難時は解釈第14条の代替規定) |
| 低圧電気使用場所の電路 | 省令第58条 → 解釈第14条 | 絶縁抵抗値(測定困難時は漏洩電流1mA以下) |
| 低圧電線路 | 省令第22条 | 漏洩電流(最大供給電流の1/2000以下) |
セルフチェック: 第5条に絶縁抵抗の具体的数値は規定されているか?
規定されていない。第5条は「絶縁しなければならない」という原則のみ。具体的な絶縁抵抗値・耐圧試験値は電技解釈第14条(低圧)・第15条(高圧特高)・第16条(機械器具)に委任されている。
6. 図で理解¶
図解 1:絶縁あり vs 絶縁なし¶
図解 2:混触とB種接地のしくみ¶
判定フローチャート: ある電路は第5条に適合しているか?¶
質問を順に判定 していくと、その電路が第5条に適合しているか/違反しているかが分かる。
判定の3パターン整理:
| パターン | 条件 | 適合性 |
|---|---|---|
| 原則適合 | 大地から絶縁されている | ✅ 第5条第1項本文 |
| 例外① | 構造上やむを得ず+危険なし | ✅ 第5条第1項ただし書き前段 |
| 例外② | 保安措置(B種接地等)あり | ✅ 第5条第1項ただし書き後段 |
| 違反 | いずれにも該当しない | ❌ 第5条違反 |
📝 ここまでの理解チェック: 混触時にB種接地が果たす役割を1行で
高圧↔低圧の混触で低圧側に侵入する 異常電圧 を、変圧器低圧側中性点を大地と接続することで 大地電位付近まで抑制 し、感電・機器損傷を防ぐ。
7. 絶縁と接地はなぜ矛盾しないのか¶
絶縁の原則と接地の例外は対立ではなく、段階的な保護戦略。どちらも「感電・火災を防ぐ」という共通目的を持つ。
接地の種類と役割¶
A/B/C/D種接地はそれぞれ別物。施設対象(充電部 vs 非充電部)と電圧区分で使い分ける。下図で物理的な位置関係を把握すると混同しなくなる。
★B種だけが「電路側」(変圧器低圧側中性点 = 充電部 に接地)。 A・C・D種は 機器外箱(非充電部) への接地で、第5条「電路の絶縁」とは無関係。
| 接地種別 | 施設対象 | 施設箇所 | 目的 | 第5条との関係 |
|---|---|---|---|---|
| B種接地 | 充電部・電路側 | 変圧器低圧側の中性点など | 高低圧混触時に低圧側電路の異常電圧を抑える(第12条の根拠) | 第5条第1項の例外として許容 |
| A種接地 | 非充電部・機器外箱 | 高圧機器の金属製外箱 | 絶縁破壊時の感電防止 | 第5条の対象外(電路ではなく外箱) |
| C種接地 | 非充電部・機器外箱 | 300V超低圧機器の金属製外箱 | 絶縁破壊時の感電防止 | 同上 |
| D種接地 | 非充電部・機器外箱 | 300V以下低圧機器の金属製外箱 | 絶縁破壊時の感電防止 | 同上 |
🃏 誤解しやすい理解カード集¶
下記4枚のカードで、第5条の典型的な誤解を一気に解く。❌(よくある誤解)と ✅(正しい理解)を対比させて記憶に定着させる。
カード①: 絶縁原則と接地の関係
❌ 絶縁原則 = 絶対に接地してはいけない
✅ 原則は絶縁。ただし、保安上必要な接地は例外として認められる
第5条第1項ただし書き「保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない」が例外規定。
B種接地(変圧器低圧側中性点)が典型例。混触時の低圧側電圧上昇を抑える保護目的なので合法。
カード②: 「絶縁」「遮断」「隔離」の混同
❌ 絶縁・遮断・隔離はすべて「電気を止める」同じ意味
✅ 全く別の概念。手段も時系列も違う
絶縁 = 常時状態(電気的通路を断つ・絶縁体使用)
遮断 = 動作(遮断器・ヒューズが電流を強制的に切る)
隔離 = 空間分離(断路器・距離をとる)
カード③: 絶縁性能の具体数値はどこ?
❌ 絶縁抵抗・耐圧の数値は第5条本文に規定されている
✅ 第5条は原則のみ。具体数値は電技解釈に委任されている
第14条(低圧電路の絶縁抵抗)/ 第15条(高圧・特別高圧の絶縁耐力試験)/ 第16条(機械器具の絶縁性能)
第5条本文には1つも数値が出ない。聞かれたら必ず「解釈第14・15・16条」と答える。
カード④: 接地工事と第5条の関係
❌ すべての接地工事は第5条の例外
✅ 例外になりうるのはB種接地のみ。A種・C種・D種は第5条の対象外
第5条は「電路 の絶縁」を規定。
A種・C種・D種接地は 機器外箱(非充電部) への接地で、電路ではない → 第5条の例外/対象という議論自体が成立しない
B種接地は 電路(変圧器低圧側中性点) への接地で、第5条の例外として許容される
B種接地が第5条の例外に当たる理由(精密版)¶
高低圧混触時に低圧側電路の異常電圧を抑えるための、保安上必要な電路側(変圧器低圧側の中性点など)への接地だから。第1項の「混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合」に該当する。
典型ひっかけ選択肢¶
| ひっかけ | 正解 |
|---|---|
| 電路はすべての点で大地と絶縁する | 例外(B種接地等)が認められる |
| 接地は第5条に違反する | 保護目的の接地は第5条の例外として合法 |
| 絶縁性能の基準は第5条本文に規定 | 電技解釈第14条・第15条・第16条に委任 |
セルフチェック: A種接地は第5条の例外に当たるか?
当たらない。A種接地は機器外箱(非充電部)への接地であり、電路の絶縁とは無関係。第5条の例外になりうるのは電路側への接地であるB種接地のみ。
8. 試験で問われること¶
出題パターンは「原則と例外の組み合わせ」に集中。数値問題より「なぜか」の因果理解が鍵。
出題予測(過去14年の統計)
第5条の出題は「原則と例外の組み合わせ」が多い。
- 原則の穴埋め: 「電路の絶縁の原則を述べた条文は第何条か」
- 正解: 第5条
-
ひっかけ: 第4条(目的)、第12条(B種接地)
-
例外の判定: 「次のうち第5条の例外として認められる接地はどれか」
- 正解: B種接地(変圧器低圧側の中性点など)
-
ひっかけ: D種接地(機器外箱)は第5条の対象外・誤選択しやすい
-
委任先の特定: 「電路の絶縁性能の具体的基準は電技解釈の第何条に定められているか」
- 正解: 第14条(低圧)・第15条(高圧特高)・第16条(機械器具)
-
セット問題:「低圧の絶縁抵抗値は?」と数値を問う場合は第14条に飛ぶ
-
「この限りでない」の解釈: 「第1項の「この限りでない」が適用される条件は?」
- 正解: 「危険がない場合」または「保安上必要な措置を講じる場合」
- 重要: 「無条件例外」ではなく「条件付き例外」
📝 ここまでの理解チェック: H10問2/R05下/R06下の3回連続出題された穴埋め3語は?
絶縁・混触・接地 の3語セット。これが第5条の 試験対策の核 であり、過去14年で4回(H10含めると5回)すべてこの3語が穴埋めとして問われた。条文原文を読むときはこの3語を最優先でマーク。
9. 頻出ひっかけ¶
| 重要度 | 誤った理解 | 正しい理解 |
|---|---|---|
| 🔴 | 絶縁原則に例外はない | B種接地は混触時の保安措置として 例外 として認められる。A〜D種は電路絶縁とは別の話 |
| 🔴 | 第5条本文に絶縁抵抗の数値がある | 数値は電技解釈 第14条(低圧)・第15条(高圧特高) に委任。第5条は原則規定のみ |
| 🟡 | 「電路の絶縁」と「機器外箱の接地」を混同 | 第5条は 電路の絶縁 が対象。機器外箱への接地(A種・D種)は電路ではなく機器の保護 |
| 🟡 | B種接地の目的は「電流を流す」 | 正しくは 混触時の異常電圧抑制。低圧側電圧を大地電位付近に抑える |
| 🟡 | B種接地とD種接地は同じ接地 | B種 = 電路側(変圧器低圧側中性点等)/D種 = 機器外箱。第5条の例外はB種のみ |
| 🟢 | 「第22条・第58条の除外」を番号で暗記しようとする | 試験では番号自体は問われにくい。原則と例外の 構造理解 が優先 |
セルフチェック: 「絶縁」と「遮断」と「隔離」の違いを言えるか?
絶縁 = 電気的通路を断つ常時の静的状態。遮断 = 遮断器が電流を強制的に切る動作。隔離 = 物理的に空間で分離すること。条文が「絶縁」を使う理由は、電路の常態として電気的に大地と分離された状態を求めているため。
10. 穴埋め過去問チャレンジ¶
過去問 R06下 問3 / R05下 問3(H10問2 再出題系列・難易度 ★☆☆☆☆)
次の文章は「電気設備技術基準」第5条に関する記述である。空欄(ア)〜(ウ)に入る語句の組合せとして正しいものを選べ。
電路は、大地から (ア) しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は (イ) による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための (ウ) その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
解答を見る
| 空欄 | 正答 |
|---|---|
| (ア) | 絶縁 |
| (イ) | 混触 |
| (ウ) | 接地 |
読み解きポイント:
- (ア)絶縁 :第5条の主旨そのもの。地絡電流の通路を断ち、感電・火災を防ぐ。
- (イ)混触 :高圧と低圧の電路が物理的に接触する現象。高電圧が低圧側に侵入する。
- (ウ)接地 :B種接地(変圧器低圧側の中性点など)がその典型。混触時の電圧上昇を大地との接続で抑える保護措置。
11. まぎらわしい選択肢と正解の違い¶
| 空欄 | よくある誤答 | 正答 | なぜ違うか |
|---|---|---|---|
| (ア) | 隔離 | 絶縁 | 隔離は物理的に切り離すこと(スイッチを開けるなど)。絶縁は「電気的な通路を断つ」状態。条文は電気的遮断を意図しており「絶縁」が正確 |
| (ア) | 遮断 | 絶縁 | 遮断は遮断器が電流を強制的に切る動作。絶縁は常時の静的な状態を指す。意味が異なる |
| (イ) | 事故 | 混触 | 「事故」は曖昧すぎる。条文は「高圧と低圧の電路が物理的に接触する」という現象を「混触」という技術用語で定義している |
| (イ) | 短絡 | 混触 | 短絡は同一電圧系統内での接触(L-L間、L-N間など)。混触は「異なる電圧系統が接触する」ことで本質的に異なる現象 |
| (ウ) | 隔離 | 接地 | 隔離は電路を切り離す方向(電流を止める)。接地は大地と接続して電位を安定させる方向。混触時の危険回避には、電圧を大地電位に近づける「接地」が正解 |
一目でわかる用語比較¶
| 比較軸 | 絶縁 | 遮断 | 隔離 |
|---|---|---|---|
| 意味 | 電気的通路を断つ(常時状態) | 電流を強制的に切る(動作) | 物理的に分離する(空間) |
| 手段 | 絶縁体(被覆・碍子) | 遮断器・ヒューズ | 断路器・距離 |
| 条文での用法 | 第5条「大地から絶縁」 | 第14条系統「過電流を遮断」 | 充電部からの「隔離」 |
| 試験での出方 | 穴埋め(ア)の正答 | 穴埋め(ア)の誤答選択肢 | 穴埋め(ア)の誤答選択肢 |
📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)¶
各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます
上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。
- ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
- メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
- 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)
12. 関連条文¶
上位・目的条文 - 感電・火災等の防止 第4条 — 第5条の上位目的。感電・火災防止が絶縁義務の根拠 - 用語の定義 第1条 — 「電路」の定義(大地・接地点を含まない)
接地関連(第5条の例外・措置) - 電技省令第10条 — 電気設備の接地(異常時の電位上昇・高電圧侵入への措置義務) - 電技省令第11条 — 電気設備の接地の方法(電流が安全かつ確実に大地に通ずること) - 電技省令第12条 — 高低圧混触による危険の防止(変圧器適切箇所への接地義務 = B種接地の根拠)
絶縁性能の委任先(第5条第2項の実装) - 電技解釈第13条(大地から絶縁しなくてよい部分) — 第5条第1項の例外を具体化(接地工事の接地点・電気鉄道帰線等) - 電技解釈第14条 — 低圧電路の絶縁性能(対地電圧・使用電圧に応じた絶縁抵抗値) - 電技解釈第15条 — 高圧・特別高圧電路の絶縁性能(最大使用電圧の倍数での耐圧試験) - 電技解釈第16条 — 機械器具等の電路の絶縁性能
B種接地の法的根拠フロー(第5条からの委任)
| ステップ | 条文 | 内容 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 1 | 電技省令第5条第1項 | 絶縁の原則と例外(混触時の保安措置を講じる場合は例外) | B種接地が例外として認められる根拠 |
| 2 | 電技省令第10条 | 電気設備の必要箇所に接地の義務(異常時の電位上昇・高電圧侵入対策) | 接地義務の一般規定 |
| 3 | 電技省令第12条 | 高低圧混触変圧器の適切箇所への接地義務 | B種接地を変圧器の義務として具体化 |
| 4 | 電技解釈第24条 | 混触防止のためのB種接地工事の具体的要件 | 接地抵抗値(150/Ig・300/Ig・600/Ig 等の計算式)と施設方法の数値規定 |
この流れを把握すると「B種接地はなぜ第5条の例外として認められるのか」が体系的に理解できる。
13. 過去問実績¶
| 年度 | 問 | 形式 | 論点 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| H24 | 問5 | 論説 | 電路の絶縁(第5条直接) | 省令第5条 |
| R02 | 問3 | 穴埋め | 使用電圧6600Vの交流電路の絶縁性能 | 省令第5条・解釈第15条 |
| R05下 | 問3 | 穴埋め | 電路の絶縁の原則と例外 | 省令第5条 |
| R06下 | 問3 | 穴埋め | 電路の絶縁の原則と例外 | R05下と同一形式 |
→ H23〜R07下で4回出題(_data/kakomon.yml 基準)。R05下・R06下と 2年連続出題 で出題波が高い局面。
- (参考・SoT収載範囲外)H10 問2 は R05下 問3・R06下 問3 と同形式の穴埋(本条の初出とされる)。過去問DBは H23 以降を収載範囲とするため表には載せない。
- (関連論点)R01 問3 は SoT では「電気設備技術基準の総則(省令第1条〜第4条)」に帰属しており、本条の実績ではない。旧版は誤り選択肢に第5条が含まれることを理由に本条の実績として数えていたが、2026-08-28 に撤去した。
R08 出題予測
R05下・R06下で2年連続出題されており、出題波は依然高い。 「絶縁の原則」と「例外(B種接地)」のセット穴埋めが定番パターン(H10→R05下→R06下と再出題系列)。 R07で出題がなければR08で再登場する可能性が高い。 また解釈第14条(低圧電路の絶縁抵抗)との組み合わせで「第5条を具体化した条文は電技解釈の第何条か」という問いも出やすい。
14. 最終チェック¶
📜 条文の核心
- 原則を1行で言える(「電路は大地から絶縁」)
- 例外条件を2つ言える(構造上やむを得ない / 混触時の保安措置を講じる)
- 「この限りでない」は 条件付き例外 と説明できる(無条件の絶縁不要ではない)
🔌 接地との関係
- B種接地が第5条の例外に当たる理由を言える(混触時に低圧側電路の異常電圧を抑える電路側接地だから)
- B種(電路側・中性点)とA/C/D種(機器外箱・非充電部)の違いを説明できる
📚 委任先・用語
- 絶縁性能の具体値は解釈第14・15・16条に委任されると知っている(根拠は第5条第2項)
- 「絶縁/遮断/隔離」の違いを説明できる(通路を断つ/電流を切る/物理的分離)
監修ログ¶
- 2026-08-28 出題実績を SoT と整合(Claude・kakomon.yml 突合): 過去問実績を SoT(
_data/kakomon.yml)と一致させた。R01 問3 は SoT では「電気設備技術基準の総則(省令第1条〜第4条)」に帰属しており本条の実績ではないため表から撤去(誤り選択肢に第5条が含まれることを理由に数えていた)。SoT に登録のある R02 問3 を追加。H10 問2 は収載範囲外の参考として表外へ。メタ「5回」→4回。 - 2026-05-02: DENKEN-WIKI監修部による初回三段監修(不動・江間・早川)。江間が e-Gov原文と照合し第3項脱落を検出 → 本リビジョンで補完。第2項助詞「のないもの」→「がないもの」修正、第1項読点「は、この限りでない」確認、全角カンマ「,」→「、」統一、メタ表「直近出題」記入を併せて実施。出典: e-Gov法令検索 API(lawid=409M50000400052、2026-05-02取得)。
- 2026-05-02(PASS再照合試行): 江間が令和7年11月版電技省令PDFと照合試行 → PDFがcustom CIDフォント+ToUnicode CMap欠落のため pdftotext / pypdf / PyMuPDF / pdfplumber 全敗。WebFetchで e-Gov API から第1〜3項全文を取得 → 前回修正の構造的反映を確認。数値検証判定: VERIFICATION INCONCLUSIVE(規範型Aで数値テーブルが少ないため致命リスクは低い。OCR環境整備後の再評価推奨)
- 2026-05-05 v2.8 テンプレートv2.3移行: メタテーブルに「典拠/照合日/隣接条文/混同注意」4行追加。フッタにステータスラベル3軸(条文番号/出題実績/数値根拠)導入。
- 条文番号確定根拠: 電技省令 平成九年通商産業省令第五十二号 令和5年改正版 — e-Gov 法令検索 API(lawid=409M50000400052)で2026-05-02取得済
- 既存wiki参照の独立検証: 実施(隣接 第3条〜第4条・第6条 と内容重複なきこと確認・本条は「電路の絶縁原則」固有内容/委任先 解釈第14条・第15条・第16条 への参照整合)
- 未確認領域: なし(PDF直接照合は INCONCLUSIVE だが e-Gov API 取得済)
最終確認: 2026-05-05 | ステータス: v2.8(テンプレートv2.3移行)| 条文番号: ✅ 一次ソース照合済(e-Gov API) | 出題実績: ✅ kakomon DB 5件照合済 | 数値根拠: — 該当なし(規範型A・絶縁原則のみで具体数値は解釈第14条〜第16条へ委任) | バージョニング基準