コンテンツにスキップ

公害防止・環境保護(省令第19条)

電気設備が発生させる騒音・振動・有害ガスなどの公害を防止する規定。H29問3で1回出題。出題頻度は低いが、条文の対象物質を正確に押さえることで確実に得点できる。


概要

電気設備技術基準省令第19条は「公害等の防止」を定めた条文である。

電気工作物の設置・運転に伴い発生しうる公害(騒音・振動・有害ガス・有害液体・絶縁油漏洩など)から、周辺環境および人体を保護することを目的としている。

なぜこの規定が必要か

電気設備は電気的安全だけでなく、環境への影響を持つ。

  • 油入変圧器・油入遮断器: 絶縁油(PCB含有品は特に有害)が漏洩すると土壌・水系汚染の原因になる
  • ガス絶縁機器(GIS): SF₆(六フッ化硫黄)は温室効果ガス。漏洩を防止する必要がある
  • 変電所・発電所の騒音: 変圧器の唸り音(磁気ひずみによる振動)が周辺住民の生活を脅かす
  • 廃棄物処理: 使用済みの電気機器から排出される有害物質の管理

これらを規制するために、電気設備技術基準省令は第19条で「公害等の防止」義務を明記している。

第19条の主な規制対象

公害等の防止(省令第19条)
├── 騒音・振動の防止(変圧器・回転機等から発生)
├── 有害ガスの防止(蓄電池の水素ガス・SF₆漏洩等)
├── 有害液体の流出防止(絶縁油の漏洩・PCB含有機器)
└── 廃棄物の適正処理(使用済み機器の管理)

重要ポイント

第19条の核心 — 対象となる公害の種類

公害の種類 発生源(電気設備) 防止措置
騒音・振動 変圧器(磁気ひずみ)・回転機(誘導電動機等) 防振・遮音措置、設置場所の離隔
有害ガス 蓄電池(水素ガス)・GIS(SF₆)・ケーブル加熱 換気設備、漏洩検知装置
有害液体 油入変圧器・油入遮断器(絶縁油) オイルパン(油受け)設置、漏洩時の流出防止
有害物質 PCB含有電気機器(旧型変圧器等) PCB廃棄物処理法に基づく管理

PCBとは(因果理解)

PCB(ポリ塩化ビフェニル): 1970年代以前に製造された油入変圧器・コンデンサ・蛍光灯安定器に使用されていた絶縁油。難燃性・高絶縁性に優れるが、発ガン性・環境蓄積性が問題となり現在は製造禁止。

工場では旧型変圧器のPCB含有の有無を確認し、PCB廃棄物特別措置法に基づいて届出・保管・処理する義務がある。電験試験では「PCB含有機器の扱い」が公害防止の文脈で出題される。

変圧器の騒音メカニズム(因果理解)

変圧器の唸り音は、鉄心の磁気ひずみ(磁束の向きが変わるとき鉄心が微小変形する現象)が原因。商用周波数50Hz/60Hzでは1秒間に100/120回の変形が繰り返され、これが振動→騒音となる。

  • 防止措置: 鉄心材料の改善(方向性珪素鋼板)・防振マット・外壁遮音
  • 電験試験では「騒音の原因が磁気ひずみであること」が問われる場合がある

出題実績

年度 問 出題内容 出題ポイント
H29 問3 公害等の防止(省令第19条) 第19条の適用範囲・対象となる公害の種類・防止措置の正誤判定

H29 問3 の論点

H29問3は5択の正誤判定形式で出題された。代表的な論点:

  • 変圧器の騒音防止措置(磁気ひずみを原因とする騒音)
  • 油入機器の絶縁油漏洩防止(オイルパン設置等)
  • 蓄電池室の換気(水素ガスの蓄積防止)
  • PCB含有機器の取扱い

H24 問3との違い

H24問3は「公害の防止(省令第19条)」、H29問3は同じく「公害等の防止(省令第19条)」として出題されている。内容は同一条文だが、by-field.md の分類上は H24問3 が「電気事業法 他関連法規」に、H29問3が「その他技術基準」に分類されていることに注意。


引っかけパターン

よくある誤答

パターン1: 「第19条は電気的安全の規定であり、環境保全は対象外」
→ 正しくは「公害等の防止」として環境保護も電気設備技術基準の規制対象。

パターン2: 「蓄電池室の換気は省令第19条ではなく消防法の対象」
→ 消防法も適用されるが、電技省令第19条も適用される。重複規制の場合は両方の要件を満たす必要がある。

パターン3: 「絶縁油の漏洩防止は省令第19条ではなく解釈第39条のみの規定」
→ 省令第19条が根拠条文。解釈はその具体的な要件を規定している。


関連ページ


最終確認: 2026-04-17 | ステータス: v1.0