🔰 電気用品安全法(PSEマーク)¶
出題頻度: 6回/11年 ★★★☆☆ 関連条文: 電気用品安全法 第1条・第2条・第10条 過去問: (代表例)H28-A問6「特定電気用品のPSEマークの種類と義務主体」
まず「正答者はどう考えているか」のゴールを見てから詳細に入ると効率が良い。
🧠 正答者 vs 誤答者の視点差¶
| 観点 | ❌ 誤答者 | ✅ 正答者 |
|---|---|---|
| マーク形状 | 「丸形の方が厳しい(丸いから全方位)」と思う | ひし形◇=特定=第三者機関必須=厳しい方と正確に覚える |
| 義務主体 | 「販売業者もPSE確認義務あり」と思う | 義務は製造者・輸入者のみ。販売業者は対象外と理解 |
| 自己検査 | 「特定以外は検査不要」と思う | 自己検査でOKなだけで、検査・記録の義務は存在すると理解 |
| 対象範囲 | 「すべての電気機器が対象」と思う | 一般用電気工作物に関連する品目のみ対象と理解 |
法的根拠ピラミッド¶
電気用品安全法(昭和36年法律第234号)
├── 第1条(目的)
│ └── 電気用品の製造・販売を規制し、電気用品による危険・障害を防止する
├── 第2条(定義)
│ ├── 電気用品 = 一般用電気工作物の部分となるもの、または接続するもの
│ ├── 特定電気用品 = 構造・使用方法から特に危険・障害が生じやすいもの(116品目)
│ └── 特定電気用品以外の電気用品(341品目)
└── 第10条(表示義務)
├── 特定電気用品:◇(ひし形)PSEマーク
└── 特定電気用品以外:○(丸形)PSEマーク
📐 WHYから理解する(法令の必然性)¶
| 層 | 問い | 答え |
|---|---|---|
| Why1 | なぜ電気用品に法規制が必要か | 不良品・粗悪品が流通すると感電・火災が発生する。国が品質基準を設け安全を担保する必要がある |
| Why2 | なぜ特定・特定以外の2種類に分けるか | すべてに第三者機関検査を義務付けると製造コストが跳ね上がり流通が滞る。危険度が高いものに絞って厳格に規制する |
| Why3 | なぜ製造者・輸入者だけが義務を負うか | 流通上流を規制すれば市場全体を効率よく管理できる。販売業者は膨大な品目を個別検査することが困難なため義務を課さない |
| Why4 | なぜ自己確認でOKな品目があるか | 電灯・扇風機など成熟した製品は規格が確立されており、製造者自身が検査しても品質が担保できると判断された |
| Why5 | なぜPSEマーク表示義務があるか | マークがあることで消費者・流通業者が安全確認済み製品を識別できる。マークのない製品の販売を禁止することで不正品を排除できる |
🧠 記憶ポイント: 「ひし形=危ない116品目=第三者機関必須」——ひし形は角が多くて「厳しい」と覚える。
🧠 概念・趣旨¶
電気用品安全法(通称:電安法)は、電気用品の製造・輸入事業者に対し、安全基準への適合・検査・表示を義務付ける法律。PSE(Product Safety Electrical appliance & materials)マークが表示された製品だけを販売できる。
⚡ 5秒で思い出す¶
「◇ひし形=特定116品目=第三者機関検査必須(電線・ヒューズ等)/○丸形=特定以外341品目=自己検査OK(電灯・扇風機等)」
セルフチェック①: PSEマークが◇ひし形と○丸形に分かれているのはなぜか。どちらが特定電気用品で、検査方法がどう違うか理由とともに述べよ
◇ひし形が特定電気用品(116品目)。登録検査機関による第三者検査が必須。○丸形は特定電気用品以外(341品目)で自己検査でよい。
セルフチェック②: 電気用品安全法でPSE義務を負う主体が製造・輸入事業者に限られ、販売業者が含まれないのはなぜか
義務を負うのは製造事業者・輸入事業者のみ。販売業者には直接の義務は課されていない。
🔍 技術翻訳表¶
| 法律用語 | 実務的な意味 |
|---|---|
| 特定電気用品 | 特に危険・障害が生じやすい==116品目==。例:電線、ヒューズ、配線用遮断器、漏電遮断器、配線器具(コンセント等)、電熱器具(電気温水器等) |
| 特定電気用品以外の電気用品 | 341品目。例:電気照明器具(LED灯具等)、扇風機、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫 |
| 登録検査機関 | 国に登録された第三者機関。==特定電気用品==の適合性検査を実施する |
| 適合性検査 | 特定電気用品が技術基準に適合しているかを==登録検査機関==が確認すること |
| 製造事業者・輸入事業者 | PSE義務を負う主体。販売業者は義務を負わない |
📊 比較表:特定電気用品 vs 特定電気用品以外¶
| 項目 | 特定電気用品(◇) | 特定電気用品以外(○) |
|---|---|---|
| 品目数 | 116品目 | 341品目 |
| PSEマーク形状 | ◇ひし形 | ○丸形 |
| 検査方法 | 登録検査機関による第三者検査(必須) | 製造・輸入事業者による自己検査(OK) |
| 代表品目 | 電線、ヒューズ、配線器具、漏電遮断器、電熱器具 | 電灯器具、扇風機、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫 |
| 危険度 | 高(感電・火災リスクが大きい) | 低〜中 |
🕳️ 頻出論点と落とし穴¶
危険度ランク: 🔴致命(連鎖失点リスク)/ 🟡要注意(単発失点)/ 🟢安心(加点要素)
- 🔴致命 ひし形(◇)と丸形(○)の混同
- 危険なほど厳しい→特定(116品目)が==◇ひし形==で==第三者機関必須==
-
「ひし形の方が緩い」は完全な誤り
-
🔴致命 販売業者には義務がないことを見落とす
- PSEの義務主体は製造事業者・輸入事業者のみ
-
==販売業者==はPSEマークのない製品を「知らずに」売ることはあり得ないが、法律上の直接義務は製造者・輸入者にある
-
🟡要注意 電気用品の定義を間違える
- 電気用品安全法の「電気用品」= 一般用電気工作物に使われるもの
-
事業用電気工作物(高圧受電設備等)に使われる機器は対象外
-
🟡要注意 自己検査=検査不要と誤解する
- 特定電気用品以外でも「自己検査」は必要。検査しなくていいわけではない
- ==第三者機関不要==なだけで、==基準適合確認・記録保存の義務==はある
📝 出題実績¶
| 年度 | 問番号 | 論点 |
|---|---|---|
| H28 | A問6 | PSEマークの種類と表示義務 |
| H26 | A問5 | 特定電気用品の品目と検査方法 |
| H30 | A問5 | 製造者の義務範囲 |
| R01 | A問6 | ひし形・丸形の使い分け |
| R03 | A問5 | 販売業者の義務有無 |
過去問演習¶
使い方
問題を開く → 自分で解く → 解答・解説を開いて確認。二重折りたたみなので答えが先に見えません。
H28 問6(択一・[要確認: 法規A区分の別問の可能性])— PSEマークの種類と表示義務 | 電気用品安全法第10条
「電気用品安全法」に基づくPSEマークに関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 特定電気用品には○(丸形)のPSEマーク、特定電気用品以外には◇(ひし形)のPSEマークを表示しなければならない。
(2) 特定電気用品には◇(ひし形)のPSEマーク、特定電気用品以外には○(丸形)のPSEマークを表示しなければならない。
(3) PSEマークの表示義務を負うのは、製造事業者・輸入事業者だけでなく、販売事業者も含まれる。
(4) 特定電気用品であっても、製造事業者が自己検査で適合を確認すればPSEマークを表示できる。
(5) PSEマークが表示されていない電気用品であっても、販売後に行政に届け出れば販売を続けることができる。
解答・解説
正解: (2)
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | 丸と菱形が逆。特定=◇ひし形が正しい | |
| (2) | 特定電気用品=◇ひし形(第三者機関必須)/ 特定以外=○丸形(自己検査OK) | |
| (3) | 表示義務は製造事業者・輸入事業者のみ。販売業者は直接の義務を負わない | |
| (4) | 特定電気用品は登録検査機関(第三者機関)による適合性検査が必須。自己検査は不可 | |
| (5) | PSEマークのない電気用品の販売は禁止。事後届出で継続は不可 |
一発暗記: ◇ひし形は角が多くて「厳しい」→特定116品目、第三者必須
H26 問5(択一)— 特定電気用品の品目と検査方法 | 電気用品安全法第2条・第8条
「電気用品安全法」に基づく特定電気用品に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 特定電気用品は、構造または使用方法から特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品として政令で定めるもので、その品目数は116品目である。
(2) 特定電気用品には、電線、ヒューズ、配線用遮断器、漏電遮断器などが含まれる。
(3) 特定電気用品の製造事業者は、登録検査機関が行う適合性検査を受け、その証明書を得た後でなければ、当該電気用品を販売してはならない。
(4) 特定電気用品以外の電気用品には、電灯器具(LEDランプ等)・扇風機・テレビ・電子レンジなどが含まれ、その品目数は116品目である。
(5) 特定電気用品に表示するPSEマークの形状はひし形(◇)である。
解答・解説
正解: (4)
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | 特定電気用品=116品目(政令で定め) | |
| (2) | 電線・ヒューズ・配線用遮断器・漏電遮断器は特定電気用品の代表例 | |
| (3) | 特定=登録検査機関の証明書取得→販売の順序が義務 | |
| (4) | 特定電気用品以外は341品目。116品目は特定電気用品の品目数 | |
| (5) | 特定=◇ひし形 |
116 vs 341: 特定は少ない116品目に絞り、特定以外が多い341品目。「絞って厳しく」が規制設計の思想
H30 問5(択一)— 製造者・輸入者の義務範囲 | 電気用品安全法第3条〜第10条
「電気用品安全法」に基づく製造事業者・輸入事業者の義務に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 電気用品の製造を業として行う者は、経済産業省令で定める事業の区分に従い、経済産業大臣に届け出なければならない。
(2) 製造事業者は、その製造する電気用品を検査し、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
(3) 輸入事業者は、その輸入する電気用品について、製造事業者と同様の義務(届出・検査・表示)を負う。
(4) 電気用品の販売事業者は、PSEマークが表示されていない電気用品が市場に流通していることを発見した場合、直ちに経済産業大臣に報告する義務がある。
(5) 製造事業者は、特定電気用品以外の電気用品については、自ら検査を行い、基準に適合していることを確認した上でPSEマーク(○)を表示して販売できる。
解答・解説
正解: (4)
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | 製造事業者は事業開始前に経産大臣への届出が必要(電安法第3条) | |
| (2) | 検査・記録・保存の義務(電安法第8条) | |
| (3) | 輸入事業者も製造事業者と同様の義務を負う(電安法第13条) | |
| (4) | 販売事業者には直接的な報告義務はない。電安法上の義務主体は製造者・輸入者。販売業者は「PSEマークなし品を販売しない」義務はあるが、発見報告義務は規定されていない | |
| (5) | 特定以外は自己検査OK→○マーク表示→販売という流れが法定 |
販売業者の立場: PSEマークなし品を売ってはいけないが、発見報告・検査義務は製造者・輸入者に帰属
R03 問5(択一)— 販売業者の義務有無 | 電気用品安全法第27条
「電気用品安全法」に基づく電気用品の販売に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 電気用品の販売事業者は、取り扱う全電気用品についてPSEマークの有無を確認し、記録を保存する義務がある。
(2) 電気用品の販売事業者は、PSEマークが表示された電気用品でなければ、販売してはならない。
(3) 電気用品の販売事業者は、製造事業者から適合性検査の結果証明書を受け取り、保管しなければならない。
(4) 電気用品の販売事業者は、PSEマークが付いた電気用品であれば、期限切れの検査証明であっても販売できる。
(5) 電気用品の販売事業者は、輸入事業者と同一の義務(届出・検査・表示)を負う。
解答・解説
正解: (2)
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| (1) | 記録保存義務は製造・輸入事業者の義務。販売業者に記録保存義務はない | |
| (2) | 販売業者はPSEマークのない電気用品を販売してはならない(電安法第27条)。これが販売業者の唯一の直接義務 | |
| (3) | 証明書の保管義務は製造事業者・輸入事業者に帰属。販売業者には課されない | |
| (4) | 検査証明の期限管理は製造者・輸入者の義務の範囲内。販売業者がPSEマーク付き品を扱う分には別途義務はないが、マーク偽造等は別問題 | |
| (5) | 販売事業者と輸入事業者は義務内容が全く異なる |
販売業者の義務はシンプル: 「PSEマークなし品を売るな」の1点のみ。届出・検査・記録は関係ない
混同注意¶
- 電気用品安全法 vs 電気工事士法: PSE = 「機器の安全」を規制 / 電気工事士法 = 「工事をする人」を規制。規制対象が「モノ」か「ヒト」かで区別する
- ◇116品目 vs ○341品目: 品目数は「特定以外の方が多い」。特定は危険度が高いが品目は絞られている
- 登録検査機関 vs 製造者自己検査: 特定=第三者必須 / 特定以外=自己OK。この2点セットで覚える
Level 2: 物理的背景
なぜ電線・ヒューズが「特定電気用品」(最も厳しい規制)になるのか
電線の絶縁不良は壁の中・天井裏で発火し、発見が極めて困難。
- 電線は建物内に隠蔽施工される(目視点検できない)
- 一度施工されると数十年使い続けられる(不良品が長期間残留する)
- 絶縁被覆が薄い・粗悪な材料の場合: 経年劣化で発火し火災が発生
- 配線用遮断器・漏電遮断器が粗悪品: 過電流・漏電時に遮断できず→感電死亡・火災
「第三者機関による検査必須」の物理的根拠
製造者の自己申告だけでは技術基準適合を客観的に保証できない。登録検査機関が抜取試験・型式確認を行うことで、設計段階の欠陥を市場流通前に除去する。
消費者が◇ひし形を見るべき場面: 電気コード・テーブルタップ・延長コードの購入時。PSEマークがない製品は技術基準を満たしていない可能性があり、発熱・発火リスクが高い。
Level 3: 設計パラメータ
製造事業者の適合性検査フロー(特定電気用品)
1. 登録検査機関への申請
└── 製品試験(絶縁耐圧・漏れ電流・耐熱性など)
2. 適合性検査証明書の受領
└── 証明書番号がPSEマークとともに製品に表示される
3. 販売(マーク表示必須)
4. 定期的な品質確認・記録保存
PSEマーク表示の法定要件(電安法第10条)
| 表示内容 | 特定電気用品(◇) | 特定電気用品以外(○) |
|---|---|---|
| PSEマーク | ◇ | ○ |
| 製造者・輸入者の氏名/名称 | 必要 | 必要 |
| 定格電圧・定格電流 | 必要 | 必要 |
| 登録検査機関の名称 | 必要 | 不要(自己検査のため) |
現場での見分け方
- 電線・ヒューズ・延長コード → ◇(ひし形)を確認
- 照明器具・扇風機 → ○(丸形)を確認
- マークがない場合 → 仕入れ元・輸入業者に証明を要求する
最終確認: 2026-04-15 | ステータス: v1.0 published | バージョニング基準