コンテンツにスキップ

電技省令 第58条 — 低圧の電路の絶縁性能

📊 概要

出題頻度: 🔥🔥(過去14年で 2 回出題・H26問6 と R06上問8 は同一文・同一空欄の再出題)

重要度: A(重要必須・数値暗記の核心)

直近出題: R06上 問8(穴埋)/H26 問6(穴埋)

類似テーマの別条文出題(本条実績ではない): R07上 問3・R07下 問5「低圧電線路の絶縁性能」=第22条/R02 問3「6600V電路の絶縁性能」=省令第5条・解釈第15条/H24 問5「電路の絶縁(例外)」=省令第5条・解釈第13条(2026-06-10 denken-ou 再照合で本条実績から除外。詳細はセクション12)

電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表に掲げる値以上でなければならない。0.1MΩ/0.2MΩ/0.4MΩ の3段階基準値の暗記と、その因果(漏洩電流1mA以下に保つ設計)が試験の核心。

項目 内容
条文 電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条
規定内容 低圧電路の絶縁抵抗値の基準(3段階:0.1/0.2/0.4MΩ)
性格 数値規定(省令本文に直接数値が記載されている例外条文)
委任先 解釈第14条(測定方法・代替手段=漏えい電流1mA以下の同等性)
上位 省令第5条(電路の絶縁原則)
典拠(一次ソース) 電気設備に関する技術基準を定める省令(令和5年改正版)第58条 / 電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月版)第14条
照合日 2026-05-02(江間が令和7年11月版電技解釈第14条PDFと照合)
隣接条文 ← 省令第57条(配線の使用電線) / 省令第59条(機械器具の感電・火災防止) →

🔄 PDCAサイクル動線(このページの読み方)

このページは A・B 層(全体像・詳細)の SOT。C 層(直前確認・4ボタン理解度トラッキング)は hoki-wiki が担当。

層 フェーズ 場所
A. 全体像 Plan(位置づけ・目標確認) 本ページ ★0 隣接条文クラスタマップ/1. 全体像と要点
B. 詳細 Do(条文逐語・解析・かみ砕き・3形態マッピング・実務シーン) 本ページ 2-13節
C. 試験対策 Check(過去問・4ボタン理解度・暗記Hub) hoki-wiki denro-zetsuen
横断 Act(弱点セクション再読) hoki-wiki 末尾「D. Act」パネル

推奨動線: ① 本ページ ★0/1節 で全体像 → ② 2節〜13節 で詳細を理解 → ③ hoki-wiki で4ボタン理解度トラッキング+過去問演習 → ④ hoki-wiki 末尾「弱点セクション一覧」から本ページの該当節へ戻って再読

第22条との対比: 本条(第58条)は「電路」の絶縁性能(電線+機器を含む経路全体・解釈第14条で 0.1/0.2/0.4MΩ)。一方、第22条 は「電線路」の絶縁性能(配電線そのもの・漏えい電流1/2000)。両者は並列・両方とも満たす必要。

★0. 隣接条文クラスタマップ — 第3章 電気使用場所の施設

なぜこのマップを冒頭に置くか

試験では「58条単独」より 「56〜59条の差分を問う複合問題」 が頻出。58条の核心は「絶縁抵抗値」だが、隣接条文との 棲み分け を最初に整理することで、複合問題で混同しない土台を作る。

第3章 電気使用場所の施設・絶縁系条文の差分

条文 規制対象 数値の核心 試験での問われ方
第56条 配線の感電・火災防止(原則) — 上位原則として参照
第57条 配線の使用電線(電線の種類・太さ) 電線サイズ 単独出題
第58条 低圧電路の絶縁性能 0.1/0.2/0.4MΩ 絶縁抵抗値の3段階暗記が核心
第59条 機械器具の感電・火災防止 — 機械器具の絶縁・接地と組合せ

58条の独自性

  • 省令本文に数値が直接記載 されている稀有な条文(多くの条文は数値を解釈に委任)
  • 対地電圧 で3段階に分岐(150V/150V超300V以下/300V超)
  • 解釈第14条 で漏えい電流1mA以下の代替手段が示される(省令と解釈で 役割分担 が明確)

複合問題の典型パターン

  1. 境界判定型: 「対地電圧180Vの単相3線式電路の絶縁抵抗は何MΩ以上?」 → 0.2MΩ(150V超かつ300V以下)
  2. 手段差替型: 「絶縁抵抗測定が困難な場合は何を確認すれば足りるか」 → 漏えい電流1mA以下(解釈第14条)
  3. 測定単位型: 「絶縁抵抗測定の単位電路は何で区切るか」 → 開閉器又は過電流遮断器

1. 全体像と要点

  • 対地電圧≦150V → 0.1MΩ、その他 0.2MΩ、300V超 → 0.4MΩ(数値の核心)
  • 「区切ることのできる電路ごと」 = 開閉器/過電流遮断器(ブレーカー)単位で測定(電路全体ではない)
  • 測定方向は 電線相互間 + 電路と大地との間 の 両方
  • 測定方法:電路を無電圧に → メガー(直流500V 印加・1分以上)で測定
  • なぜ段階的か:漏洩電流を 1mA以下 に保つ設計(電圧2倍 → 抵抗も2倍)
  • 省令第58条 = 数値規定/解釈第14条 = 測定方法 + 代替手段(漏えい電流1mA以下)

① 全体像 — 第58条の位置づけ

第58条 — 3段階の絶縁抵抗基準値 電圧が高いほど厳しい基準(漏洩電流1mA以下を保つ設計) 省令第58条 低圧電路の絶縁性能 ゾーン1(最低) 使用電圧 300V以下 かつ 対地電圧 150V以下 0.1MΩ 単相100V/三線式100V側 ゾーン2(中間) 使用電圧 300V以下 かつ 対地電圧 150V超 0.2MΩ 単相200V/三相200V ゾーン3(最高) 使用電圧 300V超 (低圧上限まで) 0.4MΩ 三相400V級 共通: 開閉器・過電流遮断器で区切れる電路ごとに測定

読み解き: 電圧区分は 2軸(使用電圧 300V境界 + 対地電圧 150V境界)で 3 ゾーンに分かれる。電圧が高いほど絶縁抵抗の基準値も厳しくなる(=2倍/4倍)。これは 漏洩電流を 1mA以下に保つための設計(後述 セクション4 参照)。

② 要点(試験前30秒復習用)

観点 内容
数値の核心 0.1 / 0.2 / 0.4 MΩ の3段階
境界値 使用電圧 300V / 対地電圧 150V
測定単位 開閉器又は過電流遮断器で区切れる電路ごと(電路全体ではない)
測定箇所 電線相互間(相間) + 電路と大地との間(対地)の 両方
省令と解釈 省令 = 数値規定(0.1/0.2/0.4MΩ)/解釈第14条 = 測定方法+代替手段(漏えい電流1mA以下)
セルフチェック: なぜ「対地電圧150V以下」で0.1MΩなのか?

オームの法則 I = V / R に基づく。

対地電圧 100V、絶縁抵抗 0.1MΩ の場合: I = 100V ÷ (0.1 × 10⁶ Ω ) = 1.0mA

解釈第14条第1項第二号で「漏えい電流が 1mA以下であれば省令第58条の絶縁抵抗値と同等以上の絶縁性能を有しているとみなす」と規定。3段階の基準値は どの電圧帯でも漏洩電流が概ね1mA以下に収まる ように設計されている。

セルフチェック: 単相三線式100/200Vの分電盤で測定するとき、基準値は回路ごとに変わるか?

変わらない。100V回路も200V回路もどちらも 0.1 MΩ 以上。

単相3線式は中性線(N)が接地されているため、各電線の対地電圧は:

  • R 相: 対地電圧 = 100V
  • N 相: 対地電圧 = 0V(接地)
  • T 相: 対地電圧 = 100V(R と位相反転)

したがって:

  • 100V回路(端子R-N間): 対地電圧 = 100V → 0.1MΩ 以上
  • 200V回路(端子R-T間): 線間電圧 200V だが対地電圧は R, T どちらも 100V → 0.1MΩ 以上

第58条「対地電圧」の定義(接地式電路においては電線と大地との間の電圧)に照らし、線間電圧と対地電圧を混同しないこと。「200V回路だから0.2MΩ」は典型的な誤答。ただしブレーカー単位で個別測定する点は変わらない。


2. 条文原文

📜 条文原文 — eGov 完全版(折り畳み・クリックで開く)

eGov 法令検索(lawid=409M50000400052 / 電気設備に関する技術基準を定める省令・最新版/令和7年改正準拠)から取得した 第58条 全文(条文本文+表)。本記事の解説・SVG・暗記表は試験対策のために整理したものなので、正確な条文文言を確認したい場合は本ブロックを参照すること。2026-05-10 一次照合済。

凡例: 黄色マーカー = 過去14年で 実際に穴埋め出題された キーワード(実出題は H26問6/R06上問8 の2回・denken-ou 2026-06-10 一次再照合)。bold は条文の主要語句(試験頻出が見込まれるが穴埋め実績は未確認・論述/予想範囲)。

第58条 第1項本文

電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

第58条 表(電路の使用電圧の区分/絶縁抵抗値)

電路の使用電圧の区分 細分(対地電圧) 絶縁抵抗値
三百ボルト以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が百五十ボルト以下の場合 〇・一メガオーム
三百ボルト以下 その他の場合 〇・二メガオーム
三百ボルトを超えるもの — 〇・四メガオーム

黄色マーカー対象の出題実績根拠(H26問6 と R06上問8 は同一文・同一空欄構成の再出題。出典: denken-ou H26問6/denken-ou R06上問8・2026-06-10 照合):

マーカー語 出題形式 該当年度
電路(「電線相互間及び電路と大地との間」の位置) 穴埋(ア) H26問6/R06上問8
過電流遮断器(「開閉器又は~」の後段) 穴埋(イ) H26問6/R06上問8
三百ボルト(使用電圧の区分の境界値) 穴埋(ウ) H26問6/R06上問8
対地電圧(表内の区分用語) 穴埋(エ) H26問6/R06上問8
〇・四メガオーム(0.4MΩ) 穴埋(オ) H26問6/R06上問8

その他の bold 太字(「使用電圧」「電線相互間」「絶縁抵抗」「開閉器」「百五十ボルト」「〇・一/〇・二メガオーム」等)は条文の主要語句だが、穴埋め出題実績は現時点で未確認。論述問題や次回以降の穴埋め予想範囲として位置付けて学習する。

(旧版は R02問3/R07上問3/R07下問5/H24問5 も本条の穴埋め実績として引用していたが、いずれも別条文の出題のため 2026-06-10 に除外訂正。詳細はセクション12「過去問実績」の訂正注記を参照)

典拠: 電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条(平成九年通商産業省令第五十二号・最新版/令和7年改正準拠)/eGov 法令検索 lawid=409M50000400052 / 2026-05-10 一次照合(出題実績は 2026-06-10 denken-ou 再照合)


以下は試験対策のための要約・解説(条文丸暗記の前段として)

電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条(低圧の電路の絶縁性能)

電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の上欄に掲げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上でなければならない。

黄色マーカー = 過去問で穴埋め出題された語句

電路の使用電圧の区分と絶縁抵抗値

使用電圧 対地電圧 絶縁抵抗値
300V以下 150V以下 0.1MΩ
300V以下 150V超 0.2MΩ
300V超 — 0.4MΩ

対地電圧の定義(条文内)

「対地電圧」= 接地式電路では電線と大地との間の電圧、非接地式電路では電線間の電圧をいう。

→ 「区切ることのできる電路ごと」= 開閉器・過電流遮断器単位で測定する。電路全体を一括測定するのではない。条文は本表の値を最低基準として規定し、これ以上の絶縁抵抗を保つことを義務付ける。

過去問で問われた箇所

第58条は過去14年で計2回出題されている(H26問6・R06上問8=同一文・同一空欄構成の再出題)。実際に空欄になったのは次の5箇所。

キーワード 過去問での扱い
電路(「電線相互間及び電路と大地との間」の位置) 空欄(ア)として穴埋め実績あり
過電流遮断器 空欄(イ)。「開閉器又は~」のセット文脈で出題
300V(使用電圧の区分) 空欄(ウ)。区分境界の数値
対地電圧 空欄(エ)。表内の区分用語
0.4MΩ 空欄(オ)。数値3段のうち最上段
(未出題だが要警戒)使用電圧/電線相互間/絶縁抵抗/開閉器/150V/0.1MΩ・0.2MΩ 穴埋め実績は未確認。次回の空欄候補として対策

暗記の核心キーワード

  • 0.1MΩ / 0.2MΩ / 0.4MΩ(絶縁抵抗値の3段階)
  • 150V/300V(電圧の境界値)
  • 対地電圧 = 接地式は電線-大地間、非接地式は電線間
  • 開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと に測定(核心の手続規定)
  • 電線相互間 + 電路と大地との間 の2方向を測定

出典

電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号・最新版/令和7年改正準拠)第58条 — 数値は本省令本文に直接規定(電技解釈第14条はこれに対する解釈・代替手段を定める)。eGov 法令検索(lawid=409M50000400052)で 2026-05-10 一次照合済


3. 原文解析(ブロック分解)

条文を意味ブロック単位に分解し、それぞれの試験ポイントを整理する。

原文ブロック 意味 試験のポイント
「電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の」 適用範囲=低圧電路(交流600V以下/直流750V以下) 高圧電路は対象外(→ 解釈第15条)
「電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は」 測定対象は 2方向(相間+対地) 「相互間だけ」「大地との間だけ」は誤り。両方必須
「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに」 測定単位=ブレーカー単位の分割電路 「電路全体で1回」は誤り。個別測定
「次の表に掲げる値以上でなければならない」 最低基準としての義務 「以上」が必須。「以下」「未満」は誤り
「300V以下・対地電圧150V以下 → 0.1MΩ」 ゾーン1(最緩) 単相100V/三線式100V側
「300V以下・その他 → 0.2MΩ」 ゾーン2(中間) 単相200V/三相200V
「300Vを超えるもの → 0.4MΩ」 ゾーン3(最厳) 三相400V級
セルフチェック: 「電線相互間だけ測定して、電路と大地との間は省略」は条文上アリか?

誤り。条文は「電線相互間 及び 電路と大地との間」と並列で規定しており、両方を測定する義務がある。

実務でも、相間絶縁が良好でも対地絶縁が劣化していれば地絡事故の原因になるため、両方の確認が不可欠。


4. かみ砕き解説(因果理解)

なぜ段階的な基準値か — 漏洩電流の危険性が電圧に比例

オームの法則より、漏洩電流 = 電圧 ÷ 絶縁抵抗(I = V / R)。

  • 対地100V、R = 0.1MΩ → I = 100V ÷ (0.1 × 10⁶) = 1mA(許容範囲)
  • 対地200V、R = 0.1MΩ → I = 200V ÷ (0.1 × 10⁶) = 2mA(高くなる→危険)

同じ絶縁抵抗でも電圧が2倍 → 漏洩電流が2倍 → より厳格な基準が必要。

設定値の根拠(解釈第14条第1項第二号)

基準値 公式根拠 参考計算
0.1MΩ @対地100V 漏えい電流 1mA(公式の基準ケース) 100V ÷ 0.1MΩ = 1.0mA
0.2MΩ @対地200V 1mA以下(公式基準) 200V ÷ 0.2MΩ = 1.0mA
0.4MΩ @対地300V超 1mA以下(公式基準) 300V ÷ 0.4MΩ = 0.75mA

公式基準の核心:解釈第14条第1項第二号により「漏えい電流が 1mA以下であれば省令第58条の絶縁抵抗値と同等以上の絶縁性能を有しているとみなす」と規定。法令上の許容漏えい電流は 1mA(1.5mA ではない)。

出典:電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月版)第14条第1項第二号 / 電気設備に関する技術基準を定める省令の解説(令和7年11月版)。

暗記のコツ

「なぜ0.1MΩ、0.2MΩ、0.4MΩなのか」→ 漏洩電流を概ね1mA以下に保つため。

電圧が2倍 → 絶縁抵抗も2倍にする(0.1 → 0.2MΩ)。これが3段階基準値の物理的な根拠。

対地電圧の判定方法

電路種別 対地電圧 適用基準
単相100/200V(三線式・中性線接地) 100V回路・200V回路ともに 100V(中性線接地のため対地電圧は線間電圧の半分) 0.1MΩ
三相3線式 200V(Δ結線・一般低圧動力) 線間電圧=対地電圧扱いで 200V 0.2MΩ
三相400V級 線間400V > 300V のため使用電圧で確定(対地は約230V=400/√3 だが本判定では参照しない) 0.4MΩ

ひっかけ:「電路全体で一度測定すればOK」

誤り。「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」と明記。

複数の分岐回路がある場合:

  • 各分岐ごとに測定
  • 遮断器でまとめて測定する場合と、個別に測定する場合がある

どの単位で切るかが重要。


5. 図で理解

判定フロー(基準値の選び方)

flowchart TD
    Start[低圧電路の絶縁抵抗測定] --> Q1{使用電圧<br/>≤ 300V ?}
    Q1 -->|No<br/>300V超| R3[基準値: 0.4MΩ以上]
    Q1 -->|Yes| Q2{対地電圧<br/>≤ 150V ?}
    Q2 -->|Yes| R1[基準値: 0.1MΩ以上]
    Q2 -->|No<br/>150V超| R2[基準値: 0.2MΩ以上]

    R1 --> Common[共通: 開閉器・過電流遮断器単位で<br/>電線相互間 + 電路-大地間 の両方を測定]
    R2 --> Common
    R3 --> Common

    style R1 fill:#c8e6c9,stroke:#2e7d32,stroke-width:2px
    style R2 fill:#fff9c4,stroke:#f9a825,stroke-width:2px
    style R3 fill:#ffccbc,stroke:#d84315,stroke-width:2px
    style Common fill:#e3f2fd,stroke:#0d47a1,stroke-width:2px

漏洩電流と絶縁抵抗の関係

漏洩電流 I = V ÷ R — 1mA基準ライン 電圧が高いほど絶縁抵抗を厳しく → 漏洩電流を概ね1mA以下に維持 100V 200V 300V 400V 電圧 V (V) 0 0.5 1.0 1.5 2.0 漏洩電流 I (mA) 1mA 基準ライン 150V境界 300V境界 対地100V R=0.1MΩ → I=1.0mA 対地200V R=0.2MΩ → I=1.0mA 対地300V R=0.4MΩ → I=0.75mA ゾーン凡例 Zone1: 0.1MΩ Zone2: 0.2MΩ Zone3: 0.4MΩ

読み解き: 各ゾーンで「電圧 ÷ 絶縁抵抗 = 漏洩電流」を計算すると、いずれも 1mA以下(基準ケースでは概ね1mA)になる。これが3段階基準値の物理的根拠。

使用電圧と対地電圧の違い(回路図で理解)

使用電圧 vs 対地電圧 — 判定の物理的意味 接地方式で「対地電圧」が変わる → 基準値ゾーンが変わる 単相3線式 100/200V (中性線接地) 変圧器 2次側 R N (接地) T 使用電圧 = 200V (R-T間) 対地 100V 対地 100V 100V回路(R-N間): 対地電圧 = 100V (≤ 150V) → 0.1MΩ 200V回路(R-T間)も対地電圧 = 100V (≤ 150V) → 0.1MΩ 線間200Vでも対地電圧は100V維持→どちらも0.1MΩ 三相3線式 200V (中性点非接地) 変圧器 2次側 R S T 使用電圧 = 200V 仮想接地 対地 = 200V 非接地 → 対地電圧 = 線間電圧 = 200V 対地電圧 > 150V → 0.2MΩ 非接地系は「電線間の電圧」が対地電圧(条文定義) 接地式: 対地電圧 = 電線と大地との間の電圧

読み解き: 単相3線式では中性線が接地されているため、対地電圧は線間電圧の半分(100V)になる。一方、三相3線式の非接地系では対地電圧=線間電圧扱いとなり、同じ200V系でもゾーン2(0.2MΩ)が適用される。


★6. 電路形態別の物理イメージ(条件付・採用)

なぜこのセクションが必要か

「対地電圧」と「使用電圧」の取り違えは58条の 最頻出ひっかけ。電路形態(単相2線・単相3線・三相3線)の物理イメージを持てば、対地電圧の判定が瞬時にできる。

低圧電路の3形態と絶縁抵抗値マッピング

電路形態 例 線間電圧 対地電圧 適用ゾーン 絶縁抵抗値
単相2線式 一般家庭の100V系 100V 100V ゾーン1(≦150V) 0.1MΩ以上
単相3線式 家庭・小規模オフィスの100/200V系 200V 100V※ ゾーン1(≦150V) 0.1MΩ以上
三相3線式(非接地) 工場の200V動力系 200V 200V ゾーン2(>150V≦300V) 0.2MΩ以上
三相4線式(接地) 大規模ビルの400V系 400V 230V ゾーン3(>300V) 0.4MΩ以上
高圧(参考) 6.6kV配電 6600V 3810V (低圧外) — ※高圧は別規定

※単相3線式は中性線接地のため、対地電圧 = 線間電圧 ÷ 2 = 100V

三相4線式400V系の判定(最頻出ひっかけ)

対地電圧 230V(=400÷√3)だけ見ると「ゾーン2(>150V≦300V)→ 0.2 MΩ 」と誤判定 しやすいが、第58条は 使用電圧(線間電圧)で第1段階区分 する条文構造。線間 400V > 300V → ゾーン3 / 0.4 MΩ 以上 が正解。

思考プロセスの正しい順序:

  1. 使用電圧(線間) をまず判定 → 300V超なら直ちに 0.4MΩ以上(対地電圧は見ない)
  2. 使用電圧 ≤ 300V のときだけ、対地電圧で 0.1/0.2MΩ を切り分ける

対地電圧は「使用電圧 ≤ 300V 内での 0.1/0.2 切替の根拠」であって、「ゾーン3への昇格を阻む基準」ではない。

なぜ電路形態の物理イメージが必要か

学習者は条文を読んで「150V以下→0.1MΩ」と暗記しがちだが、試験では 「単相3線式200V系」 のように実電路形態が問題に登場する。物理イメージなしでは「200V系だから0.2MΩ」と誤判定する。

正しい思考プロセス:
[電路形態を特定] → [対地電圧を判定] → [ゾーン(≦150/>150≦300/>300)] → [絶縁抵抗値]

★7. 核心キーワード物理解説 — 漏洩電流とオームの法則

本セクションは因果理解のための補助

漏えい電流の物理プロセスは省令本文の 公式定義ではない(feedback_pedagogical_approximation_guard.md 準拠)。試験での第一義は 「数値暗記+条文文言」。物理解説は数値の 腑に落ちる根拠付け として活用する。

なぜ電圧3段階で絶縁抵抗値が変わるか

電路には常に微小な漏えい電流(絶縁体を通る寄生電流)が流れている。安全基準は 「漏えい電流を1mA以下に抑える」 ことを目標にしており、オームの法則 I = V ÷ R から逆算して必要な絶縁抵抗値が決まる。

対地電圧 V 必要絶縁抵抗 R 漏えい電流 I (= V÷R)
150V 0.1MΩ = 100,000Ω 1.5mA ← 設計余裕あり(実測ではさらに低い)
150V 0.15MΩ 1.0mA(理論上の許容上限)
300V 0.2MΩ = 200,000Ω 1.5mA
300V 0.3MΩ 1.0mA
600V 0.4MΩ = 400,000Ω 1.5mA
600V 0.6MΩ 1.0mA

→ 電圧2倍 → 抵抗2倍にすれば漏えい電流は同じ。これが 電圧段階別に絶縁抵抗値が比例的に厳しくなる 理由。

解釈第14条が「1mA以下」を代替手段とする物理根拠

省令第58条の数値(0.1/0.2/0.4MΩ)は 設計余裕を含めた値 で、実測の漏えい電流は1mA未満になる。よって解釈第14条は 「漏えい電流1mA以下が確認できれば、絶縁抵抗値の測定を省略してよい」 と規定。これは数学的な等価性ではなく、安全側の設計思想 として読み解く。

省令第58条(数値規定)        ←→ 解釈第14条(漏えい電流1mA以下)
0.1/0.2/0.4 MΩ 以上            実測 1mA以下
↓                                ↓
両者は「同じ安全水準」を異なる測定方法で担保する関係

なぜ「絶縁抵抗値」を直接規定しているか

低圧電路では メガーで瞬時に測定可能 な「絶縁抵抗値」が運用上最も扱いやすい。漏えい電流は電路の実使用状態に依存し変動しやすいため、設計余裕を含めた静的指標 として絶縁抵抗値が選ばれている。実務では絶縁抵抗で点検し、測定困難な場合に漏えい電流で代替する。

用語 意味 58条での扱い
絶縁抵抗 電路の絶縁体が示す電気抵抗 本文記載・数値規定
漏えい電流 絶縁体を通る寄生電流 解釈第14条で代替手段
絶縁劣化 経年・湿気で絶縁抵抗が低下する現象 直接記載なし・実務概念
メガー 直流500V印加で絶縁抵抗を測る計器 解釈第14条で測定方法

6. 測定方法と手順

Step 1: 測定対象の確認

「開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと」

条文に登場する「開閉器」と「過電流遮断器」は異なる機器。さらに試験では漏電遮断器も選択肢に出るため、3種の違いを正確に理解する必要がある。

機器 別名・略称 主な役割 検出対象 第58条との関係
開閉器 スイッチ、ナイフスイッチ、負荷開閉器など 電路を開閉する 原則なし 測定区切りとして条文に明記
過電流遮断器 配線用遮断器、MCCB、ブレーカー、ヒューズなど 過電流時に遮断する 短絡・過負荷などの過電流 測定区切りとして条文に明記
漏電遮断器 ELB、ELCB、漏電ブレーカー 漏電時に遮断する 漏えい電流・地絡 第58条の文言には登場しない

R06上 問8 で出題されたひっかけ

「過電流遮断器」の穴埋めに「配線用遮断器」「漏電遮断器」が選択肢として登場する。

  • 配線用遮断器 = 過電流遮断器の代表例(ほぼ同義で使える場面が多い)
  • 漏電遮断器 = 過電流ではなく漏えい電流を検出する別目的の機器

条文は「開閉器又は過電流遮断器」であり、「漏電遮断器」ではない。

例:

  • 配電盤の各分岐ブレーカーを OFF に
  • 各分岐単位で測定(同時測定でなく順次)

Step 2: 無電圧確認

  • テスター等で両端無電圧を確認
  • 誘導による虚偽検出を避ける(低圧でも厳格に)

Step 3: メガー測定

  • メガーオーム計(絶縁抵抗計) 使用(直流500V印加が標準・JIS C 1302、低圧電路150V以下なら250Vも可)。1000V/2500V は高圧機器専用
  • 「相互間」(相間)と「相〜大地間」(対地)を分けて測定
  • 測定時間:1分以上(安定値確認)

測定時の注意

  • 充電部(コンデンサ)がある場合: 放電後、安定を待つ
  • 接地抵抗の影響: 対地電圧の判定に関わるため、接地点の確認
  • 温度の影響: 絶縁抵抗は温度に依存(暖かいと低下)

Step 4: 記録・判定

測定値 判定 処置
≥ 基準値 ◎ 合格 運用開始OK
基準値の80〜99% △ 注視 経過観察、定期測定
< 80% × 不合格 原因調査、改修

7. 省令(第58条)と解釈(第14条)の関係

省令第58条(原則・数値)

「電路の絶縁抵抗は基準値以上であれ」 → 0.1/0.2/0.4MΩ を本文で直接規定

解釈第14条(実装・代替手段)

  • 測定対象の明確化(開閉器単位)
  • 測定方法(メガー、1分以上)
  • 判定基準の補足
  • 代替手段: 漏えい電流 1mA以下 であれば絶縁抵抗値と同等以上の絶縁性能とみなす
  • 不合格時の対応(30日以内改修等)

上位法と下位法の関係

試験では:

  • 「絶縁抵抗 0.1MΩ」→ 省令第58条の数値
  • 「メガーで測定」「漏えい電流 1mA以下」→ 解釈第14条の方法・代替手段

両方が出題される場合、「省令で数値、解釈で測定方法・代替」と分離される。


8. 頻出ひっかけ・落とし穴

試験で実際に失点しやすいポイントを、重大度別に整理した。

🔴 致命的(これを間違えたら即失点)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
1 低圧は一律 0.1MΩ でOK 3段階(0.1/0.2/0.4MΩ)に分かれる。0.1MΩ は対地電圧150V以下のみ。300V以下で 0.2MΩ、300V超で 0.4MΩ
2 電路全体で一度測定すればOK 開閉器又は過電流遮断器で区切れる電路ごとに個別測定。分電盤のブレーカー単位で測定するイメージ
3 電線相互間だけ測れば十分 条文に「電線相互間及び電路と大地との間」と明記。両方が必須

🟡 注意(出題頻度高い)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
4 0.2MΩ と 0.4MΩ は使用電圧だけで決まる 使用電圧300V以下/超の境界+対地電圧150V以下かどうかの境界。2軸で判定する
5 漏えい電流 1.5mA以下なら絶縁抵抗測定と同等 解釈第14条の公式基準は 1mA以下。1.5mA は不正解の選択肢として頻出
6 基準値以上なら絶対安全 基準値はあくまで最低ライン。実務では経年劣化による抵抗値の低下傾向を継続的に観察

🟢 軽微(余裕があれば)

# ❌ 誤った認識 ✅ 正しい認識
7 メガー測定は数秒で完了する 正確な測定には 1分以上かけて指示値の安定を確認。短時間の値は誘電吸収の影響で不安定
8 メガーは1000Vや2500V印加が標準 低圧電路は直流500V印加が標準(JIS C 1302)。高電圧印加は高圧/特別高圧向け

9. 穴埋め過去問チャレンジ

実出題と本チャレンジの関係(改変あり)

実際の出題(H26問6・R06上問8=同一文)は(ア)電路(イ)過電流遮断器(ウ)300(エ)対地電圧(オ)0.4 の5空欄構成。以下の問題1〜4は条文全域を網羅するため空欄位置を組み替えたオリジナル演習(改変あり)。

問題1: 条文の適用範囲

電気設備技術基準 第58条では、( ア )が低圧の電路の( イ )及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の表の値以上でなければならない、と定めている。

解答
  • ア = 使用電圧
  • イ = 電線相互間
解説と復習導線

「使用電圧」と「対地電圧」を取り違えないこと。条文冒頭は「使用電圧が低圧の電路」。

問題2: 測定の単位規定

絶縁抵抗の測定は、( ア )又は( イ )で区切ることのできる電路ごとに行う。

解答
  • ア = 開閉器
  • イ = 過電流遮断器
解説と復習導線

この2つはセットで出題される。「開閉器又は過電流遮断器」の語順も条文通りに覚える。

問題3: 基準値の穴埋め

対地電圧150V以下の電路の絶縁抵抗値は( ア )MΩ以上、使用電圧300V以下で対地電圧150V超の場合は( イ )MΩ以上、使用電圧300V超の場合は( ウ )MΩ以上である。

解答
  • ア = 0.1
  • イ = 0.2
  • ウ = 0.4
解説と復習導線

数値だけでなく「対地電圧150V」「使用電圧300V」の2つの境界条件とセットで記憶する。

問題4: 解釈第14条との関連

絶縁抵抗測定が困難な場合、( ア )の規定により、漏えい電流が( イ )mA以下であることを確認すれば同等とみなせる。

解答
  • ア = 解釈第14条(電気設備の技術基準の解釈 第14条)
  • イ = 1
解説と復習導線

「1.5mA」はひっかけ選択肢の定番。条文上の基準は1mA以下。


10. まぎらわしい選択肢と正解の違い

誤った記述 正しい記述 なぜ違うか
「低圧電路の絶縁抵抗は一律 0.1MΩ 以上」 使用電圧と対地電圧で 3段階(0.1/0.2/0.4MΩ) 一律規定ではなく 電圧区分による段階規定
「電線相互間の絶縁抵抗のみ測定する」 電線相互間 + 電路と大地との間 の両方を測定 条文は両方を 並列で要求(「及び」)
「電路全体を一括測定する」 開閉器又は過電流遮断器で区切られた電路ごと に測定 区分単位の測定が必須
「使用電圧 150V 以下なら 0.1MΩ」 使用電圧 300V以下 かつ 対地電圧 150V以下 で 0.1MΩ 「使用電圧」と「対地電圧」の 2軸 で判定
「漏えい電流 1.5mA 以下で同等とみなす」 1mA以下 で同等とみなす(解釈第14条) 公式基準は 1mA。1.5mA は誤記
「省令第58条で測定方法(メガー使用等)が規定されている」 省令第58条は 数値規定、測定方法は 解釈第14条 上位法(省令)= 数値、下位法(解釈)= 方法
「メガーは1000V印加が標準」 低圧電路は 直流500V が標準(JIS C 1302) 1000V/2500V は高圧機器専用

★17. 実務シーン — 主任技術者の引用場面

なぜこのセクションが必要か

58条は 主任技術者の日常実務で最も頻繁に引用される 条文の一つ。保安規程・点検記録・改修工事計画の3場面で具体的に登場する。実務イメージを持つことで暗記から脱却し、長期記憶に定着する。

シーン① — 保安規程への反映

事業用電気工作物の保安規程に 「定期絶縁抵抗測定の実施手順」 を明記する際、根拠条文として58条を引用。 - 測定周期(年次・隔年)の根拠付け - 測定区間(開閉器・過電流遮断器単位)の規定根拠 - 基準値(0.1/0.2/0.4MΩ)の遵守義務

シーン② — 定期点検記録の整備

電気主任技術者が作成する 絶縁抵抗測定記録簿 で、各分岐回路の測定値が58条の基準値を満たしているかを判定。 - 単相3線式100V回路 → 0.1MΩ以上 - 三相3線式200V動力回路 → 0.2MΩ以上 - 400V級回路 → 0.4MΩ以上

基準値を下回った場合は 修繕命令 の対象となる(電気事業法第40条との連動)。

シーン③ — 改修工事計画の説明

絶縁劣化が確認された電路を改修する際、工事計画書で 「改修後の絶縁抵抗値が58条の基準値以上であること」 を保証する旨を記載。施工後の竣工検査で実測し、記録を保存。

場面 必要書類 58条との関係
保安規程 定期測定手順書 58条遵守の組織的担保
定期点検記録 絶縁抵抗測定記録簿 58条基準値の継続適合確認
改修工事計画 工事計画書・竣工検査記録 58条基準値復帰の保証

実務での代替手段(解釈第14条の活用)

絶縁抵抗測定が困難な場合(連続稼働中の電路等)、解釈第14条の 「漏えい電流1mA以下」 を確認することで代替できる。これは主任技術者の判断で選択可能な実務的柔軟性。


📒 解いたら記録 → 間違えたら間違えノートへ(PDCAを回す)

各過去問の「理解した/曖昧/間違えた」ボタンで解答結果を残せます

上の過去問の各ブロック下に出る 理解度ボタン(〇理解した/△曖昧/×間違えた) とメモ欄で、解いた結果がブラウザの localStorage に保存されます(Do→Check)。

👉 間違えノートを開く(法規Wiki/直前まちがいノート)

  • ×間違えた を押した問題は間違えノートに 自動集約 され、間違えた問題だけ抽出して再演習できる(Check→Act)
  • メモ欄に「なぜ間違えたか」を残すと、次回復習時に文脈ごと復元される
  • 同一オリジン(kfurufuru.github.io)配下なので、本Wiki/法規Wiki/理論Wiki のチェック記録は すべて同じ間違えノートに集約(横断PDCA)

11. 関連条文・関連ページ


12. 過去問実績

年度 問 形式 論点
R06上 問8 穴埋 低圧の電路の絶縁性能(H26問6 と同一文・同一空欄の再出題)
H26 問6 穴埋 低圧の電路の絶縁性能

「絶縁性能」つながりの別条文出題と混同しない(2026-06-10 訂正)

本ページ旧版は以下4問を第58条の出題実績として誤掲載していた(denken-ou 一次照合で訂正済み)。いずれも「絶縁」系の類似テーマだが別条文からの出題。

実際の出典 年度・問 テーマ
省令第22条(→ 第22条) R07上 問3/R07下 問5 低圧電線路の絶縁性能(漏えい電流 1/2000)
省令第5条第2項・解釈第15条 R02 問3 高圧(6600V)電路の絶縁耐力(10,350V・10分間)
省令第5条・解釈第13条 H24 問5 電路の絶縁の例外規定(論説)

本条(第58条)は「低圧電路」の絶縁抵抗(0.1/0.2/0.4MΩ)。「電線路 vs 電路」「漏えい電流 vs 絶縁抵抗」「低圧 vs 高圧」の3軸で区別する。

出題傾向

過去14年で2回出題(H26問6 → R06上問8 で約10年ぶりに同一文・同一空欄で再出題)。空欄は(ア)電路(イ)過電流遮断器(ウ)300(エ)対地電圧(オ)0.4 の5箇所で、条文後半の表(区分・数値)から多く狙われた。

R08 出題予測

「対地電圧150V以下なら0.1MΩ」というひっかけが定番。3段階基準値(0.1/0.2/0.4MΩ)の数値暗記+電線相互間/対地間の両方測定 の2点は必ず押さえる。同一文再出題の実績があるため、H26問6/R06上問8 の5空欄(電路・過電流遮断器・300・対地電圧・0.4)の再演習が最も費用対効果が高い。


13. 用語集

第58条の条文や出題で登場する主要用語を整理した。

用語 読み 意味 試験での注意点
使用電圧 しようでんあつ 電路に印加される線間電圧 「対地電圧」との混同に注意。条文冒頭は使用電圧で区分
対地電圧 たいちでんあつ 電線と大地間の電圧。接地式では電線-大地間、非接地式では電線間の値となる 第58条の区分判定の核心。150V境界を正確に把握する
絶縁抵抗 ぜつえんていこう 電路の導体と大地(または他の導体)間の抵抗値 メガーで測定し、単位はMΩ
開閉器 かいへいき 電路を手動で開閉する機器(スイッチ、ナイフスイッチ等) 遮断器との違いを明確にしておく
過電流遮断器 かでんりゅうしゃだんき 過電流(短絡・過負荷)を検出して自動遮断する機器の総称 配線用遮断器(MCCB)が代表例。「開閉器又は過電流遮断器」のセットで出題
配線用遮断器 はいせんようしゃだんき 過電流遮断器の代表的な種類。MCCB、ブレーカーとも呼ぶ 過電流遮断器とほぼ同義で使われるが、条文の文言は「過電流遮断器」
漏電遮断器 ろうでんしゃだんき 漏えい電流(地絡)を検出して自動遮断する機器。ELB/ELCB 第58条には登場しない。ひっかけ選択肢として出題される
メガー めがー 絶縁抵抗計(メガオーム計)。直流高電圧を印加して抵抗を測定する 低圧電路では直流500V印加が標準(JIS C 1302)
漏えい電流 ろうえいでんりゅう 絶縁劣化により電路から大地へ流れる電流 解釈第14条で1mA以下が絶縁抵抗測定の同等基準
電線相互間 でんせんそうごかん 電線と電線の間(相間) 「対地間」とペアで出題。条文の「及び」に注意

3列翻訳テーブル — 日常語 ⇆ 法規表現 ⇆ 試験での意味

第58条で扱う主要概念を、日常語(現場や教科書の言い回し)/法規表現(条文上の語)/試験での意味(混同注意・正答に直結) の3列で対照する。試験本番では「法規表現」のまま選択肢に並ぶため、日常語からの言い換えで答えると条文文言不一致で失点する。

日常語 法規表現(条文上の語) 試験での意味(混同注意)
電気が漏れにくさ 絶縁抵抗(第58条本文・MΩ) メガー測定値。「絶縁耐力」(耐電圧試験)とは別物
機械にかかる電圧 使用電圧(第58条 表頭) 線間電圧(公称電圧)。第58条の 第1段の区分(300V以下/超) はこちら
電線と地面の電圧 対地電圧(第58条 表側) 接地式は電線↔大地、非接地式は電線間。第2段の区分(150V以下/超) はこちら
100V/200V の屋内配線 低圧電路(第58条適用範囲) 交流600V以下/直流750V以下。これを超えると本条適用外(高圧・特別高圧は別系統)
ブレーカー単位 開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと 「電路全体で一括」は誤り(最頻出ひっかけ)
電線間と地絡の両方 電線相互間及び電路と大地との間 「相互間だけ」「対地間だけ」は誤り(条文「及び」に注意)
漏れ電流 漏えい電流(解釈第14条) 1mA以下 で絶縁抵抗測定の代替可。「漏電遮断器」(ELB)の動作値とは別物
絶縁チェッカー 絶縁抵抗計(メガー) JIS C 1302。低圧電路は 直流500V印加(150V以下は250V可)
ブレーカー(自動で切れる) 過電流遮断器(配線用遮断器=MCCB が代表) 「漏電遮断器」(ELB)は本条文言外。誤答候補で頻出
同じ意味で使う (他条文の「例による」と対比) 第58条本文では使われないが、関連条文でこの語が出たら「準用する」と区別

言い換えで答えない

記述問題で「絶縁抵抗」を「電気の通りにくさ」、「対地電圧」を「アース間電圧」と書くと条文文言不一致で減点される。条文文言(法規表現列)をそのまま再現するのが最安全策。


🔄 Act(振り返り・次のアクション)

本ページを読了したら、以下のフローで PDCA サイクルを回します。

  1. Check: hoki-wiki denro-zetsuen で 4ボタン理解度トラッキング(B 層各セクションの ◎○△× で記録)と 過去問演習(R06上問8・H26問6=本条の実出題2問。R07上問3・R07下問5 は第22条側)を実施
  2. Act: hoki-wiki 末尾の「D. Act 弱点セクション一覧」で △・× だったセクションが自動表示される → 該当節(本ページ 3節〜7節)に戻って再読
  3. 次の Plan: 類型条文 第22条(低圧電線路の絶縁性能・漏えい電流1/2000) で同じ PDCA サイクルを実行 → 「電線路 vs 電路」の概念差を強化/さらに 解釈第14条(測定方法・1mAルール) で実装側を補強

14. 最終チェック

数値暗記

  • 0.1MΩ = 使用電圧 300V以下 かつ 対地電圧 150V以下
  • 0.2MΩ = 使用電圧 300V以下 かつ 対地電圧 150V超
  • 0.4MΩ = 使用電圧 300V超
  • 境界値 = 使用電圧 300V / 対地電圧 150V
  • 漏えい電流の同等基準(解釈第14条) = 1mA以下

条文キーワード

  • 使用電圧 / 電線相互間 / 電路と大地との間 / 絶縁抵抗
  • 開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごと に測定
  • 対地電圧 = 接地式は電線-大地間/非接地式は電線間

因果理解

  • なぜ段階的か = 漏洩電流を概ね1mA以下に保つため(I = V ÷ R)
  • 電圧2倍 → 絶縁抵抗も2倍 → 漏洩電流が一定

法令体系

  • 省令第58条 = 数値規定(0.1/0.2/0.4MΩ)
  • 解釈第14条 = 測定方法 + 代替手段(漏えい電流1mA以下)
  • 上位 = 省令第5条(電路の絶縁原則)

測定実務

  • メガー印加電圧 = 低圧電路は 直流500V(JIS C 1302、150V以下は250Vも可)
  • 測定時間 = 1分以上(安定値確認)
  • 測定箇所 = 相互間 + 対地間 の両方

ひっかけ対策

  • 「電路全体で一括測定」は誤り → ブレーカー単位
  • 「電線相互間だけ」は誤り → 対地間も必須
  • 「漏えい電流 1.5mA」は誤り → 1mA

監修ログ

  • 2026-05-02: DENKEN-WIKI監修部による初回三段監修(不動・江間・早川)。江間が令和7年11月版電技解釈第14条PDFと照合 → 致命的誤記2件発見:(1) 印加電圧「通常1500Vdc印加」→ JIS C 1302・低圧電路用標準の直流500Vに修正、(2) 設定値根拠表の漏えい電流許容値「1.5mA」→ 公式基準の1mA以下に修正。数値検証判定: CONDITIONAL PASS
  • 2026-05-04: テンプレート構造適合化(v1.2)。kijun/5.md ゴールドスタンダードに準拠して5つの欠落セクションを追加(原文解析・図で理解・穴埋めチャレンジ・まぎらわしい選択肢・最終チェック)
  • 2026-05-04: 12項目品質改修(v2.0)。出題頻度修正、SVG Ω表示修正(tspan分割)、使用電圧/対地電圧回路図追加、条文テーブルモバイル最適化、ひっかけセクション重大度別再構成、穴埋め問題分割(6空欄→2-3空欄×4問)、過去問テーブル新しい順、用語集追加、過電流遮断器の解説追加
  • 2026-05-04: v2.1改修。ひっかけセクション❌→✅対比形式に変更、遮断器3種比較表の列構成改善、MΩ太字バグ全箇所修正、セクション名「全体像と要点」に統一
  • 2026-05-05: v2.2改修。ひっかけセクション(致命的/注意/軽微)の番号付き・サブ箇条書き形式を ❌/✅ 2列表 に変換。スキャン時の視認性向上+150条横展開時の混乱回避(kaishaku/150.md v1.2 と統一)
  • 2026-05-05 v2.3: テンプレートゴールドスタンダード更新(解釈21条誤記事件 2026-05-05 の教訓反映)
    • 条文番号確定根拠: 省令第58条=経産省令和5年改正版本文 / 解釈第14条=令和7年11月版 PDF(江間照合)
    • 既存wiki参照の独立検証: 実施(隣接条文の第57条・第59条 と内容重複なきことを確認)
    • 未確認領域: なし
    • 構造変更: メタテーブルに「典拠/照合日/隣接条文」3行追加 / フッタにステータスラベル細分化(条文番号・出題実績・数値根拠の3軸)
  • 2026-05-06 v2.4: テンプレートv2.4昇格(学習者目線の条件付きセクション運用導入)
    • メタ宣言追加: YAMLフロントマターに診断結果6項目を明示。exclude_derived_problems=true / exclude_5_perspectives=true(直近14年で6回出題のため不採用)/ 他4項目は採用
    • ★0 隣接条文クラスタマップ追加: 56〜59条の差分マトリクス+複合問題3パターン(境界判定型/手段差替型/測定単位型)
    • ★6 電路形態別の物理イメージ追加: 単相2線・単相3線・三相3線・三相4線の対地電圧と絶縁抵抗値マッピング表(試験頻出ひっかけ「使用電圧vs対地電圧」対策)
    • ★17 実務シーン追加: 保安規程・点検記録・改修工事計画の3場面で主任技術者が58条を引用するプロセスを明示
    • 学習者目線の改善: v2.3比でセクション数3個増(17→20相当)/物理イメージと実務接続が補強され、暗記から因果理解への橋渡しが向上
  • 2026-05-09 v2.6: テンプレートv2.6昇格(jiko-1.md 改修で確立した v2.6 必須ブロック8パターンを 58.md 側にも反映)
    • 3列翻訳テーブル追加(セクション13 用語集 のサブセクション): 日常語⇆法規表現⇆試験での意味 で第58条主要用語10件を対照(I13 0/5 → 5/5・wiki_quality_check.py v3.1 唯一の不足項目を解消)
    • template_version: 2.4 → 2.6(フロントマター更新)
    • 既存資産は全保持: 5秒で思い出す相当のセクション1 全体像/数値検証 PASS(漏えい電流1mA・直流500V)/🟢軽度ひっかけ/mermaid不要(SVG3個で構造補完十分)/実務イメージ23箇所/重要度ランクbold は v2.4 時点で既に整備済 → そのまま継承
    • v3.1 総合スコア: 93 → 98(S-rank 維持・ゴールドスタンダード地位を確保)
    • 本改修の連動: .claude/docs/denken-page-creation.md(旧 .claude/rules/・2026-06-11移動)に「v2.6 必須ブロック仕様」セクションを併合追加(次回新規記事執筆時にチェックリスト適用)
  • 2026-05-10 v2.7 テンプレートv2.7昇格: jiko-3.md ChatGPTレビュー反映で確立した v2.7 必須ブロック2件 を58.md 側にも反映:
    • (1) 条文原文 全文 折り畳み追加: ??? note "📜 条文原文 — eGov 完全版" をセクション2 に配置。eGov 法令検索(lawid=409M50000400052)から取得した第58条 第1項本文 + 表(電路の使用電圧の区分/絶縁抵抗値)を完全掲載
    • (2) 黄色マーカー凡例+出題実績根拠表: マーカー対象を「過去問実出題実績ある語のみ」と凡例で明示。8語(使用電圧・電線相互間・電路と大地との間・絶縁抵抗・開閉器・過電流遮断器・0.1/0.2/0.4MΩ・対地電圧)の出題年度を根拠表で示す
    • (3) 改正日表記: 「令和5年改正版」→「最新版/令和7年改正準拠」(出典注釈)に更新
    • 本改修の意義: 受験者が条文文言と要約解説を行き来できる。過去問実出題実績ある語と 論述・予想範囲(bold) を視覚的に区別
  • 2026-05-31 v2.7.1 単相3線式200V回路の対地電圧誤記訂正: kaishaku/14.md PR #15 の横展開 adversarial grep で発見した内部矛盾を修正。本ページ「読み解き」(L464)は正しく「単相3線式の対地電圧は線間電圧の半分(100V)」と書きながら、同ページ内のセルフチェック・対地電圧判定テーブル・SVG の3箇所が「200V回路(R-T間)→ 対地200V → 0.2MΩ」と誤った記述。第58条「対地電圧」の定義(接地式電路においては電線と大地との間の電圧)に照らし、単相3線式は 中性線接地で各電線対地100V、線間200V回路でも対地電圧100V維持 → 0.1MΩ に統一訂正。SVG 200V回路ボックスも橙色(ゾーン2)→ 緑色(ゾーン1)に修正。kaishaku/14.md v1.2 と整合。
  • 2026-06-10 v2.7.2 出題実績の虚偽引用訂正(denken-ou 一次再照合): kakomon.yml PR #54(R07上問3・R07下問5 → 省令第22条に是正)を受け、本ページが引用していた出題実績6件を denken-ou で全数再照合。本条(省令第58条)の実出題は H26問6・R06上問8 の2件(同一文・同一空欄構成: ア=電路/イ=過電流遮断器/ウ=300/エ=対地電圧/オ=0.4)のみと確定。R02問3(省令第5条第2項・解釈第15条=高圧6600V耐力)・H24問5(省令第5条・解釈第13条=絶縁の例外・論説)・R07上問3・R07下問5(省令第22条=低圧電線路 1/2000)を実績から除外。黄色マーカーを実出題5語(電路・過電流遮断器・三百ボルト・対地電圧・〇・四メガオーム)に絞り、実績未確認の旧マーカー語(使用電圧・電線相互間・絶縁抵抗・開閉器・百五十ボルト・〇・一/〇・二メガオーム)は bold(予想範囲)に降格。出題頻度 🔥🔥🔥🔥🔥(6回)→ 🔥🔥(2回)。kakomon.yml H24問5 の article も「省令第5条, 第58条」→「省令第5条, 解釈第13条」に同時是正(denken-ou houkih24-5 照合)。

最終確認: 2026-06-10 | ステータス: v2.7.2(出題実績の虚偽引用訂正・マーカー根拠再構成)| 条文番号: ✅ 一次ソース照合済(eGov lawid=409M50000400052・2026-05-10 再照合)| 出題実績: ✅ kakomon DB 2件照合済(H26問6・R06上問8/denken-ou 一次再照合 2026-06-10) | 数値根拠: ✅ 公式根拠記載済(解釈第14条 漏えい電流1mA) | テンプレ世代: v2.7(v2.6 + 折り畳み原文+マーカー凡例) | バージョニング基準 | テンプレv2.4仕様